2023年1月27日金曜日

気候学者:今、地球規模の冷却サイクルに突入している―【私の論評】地球温暖化CO2説は「仮説」に過ぎないが、世界中に様々な弊害や対立を生み出している(゚д゚)!

気候学者:今、地球規模の冷却サイクルに突入している

2023年1月26日掲載 文:トム・ネルソン


原文:https://principia-scientific.com/climatologist-were-going-into-a-global-cooling-cycle-now/


デービッド・デイリー教授


政府機関は、二酸化炭素のレベルが上昇しているのは、すべて人間の活動と化石燃料の燃焼が原因であると言っている。しかし、本当にそうなのでしょうか?

デービッド・ディリー教授は、今日の気温と二酸化炭素のレベルが、過去の周期に基づいたあるべき姿に非常に近いことを示します。

また、長期的な地球寒冷化のサイクルに移行しつつあることも紹介します。地球温暖化は極地で始まり、極地で終わる。そして、地球寒冷化は北極と南極で起こっている。

#第64回 デイヴィッド・ディリー 「ついに証明された、大気中の二酸化炭素の増加は、ほとんど自然なものである」 - YouTube



ディリー教授は、気象学者、気候学者、古気候学者であり、元NOAA国立気象局の気象学者である。

自然界の気候・気象サイクルを予測する技術の研究開発に大きく関わるGlobal Weather Oscillations(GWO)社の創設者兼CEOを務めている。
ディリー教授は、空軍からNOAA国立気象局、GWOに至るまで54年の経験を有している。

GWOの上級研究員兼予報官として、ディリー氏は地球-月-太陽の地磁気サイクルに基づき、これらのサイクルが歴史的、現在的、そして将来の気候・気象のサイクルとどのように整合するかを研究するクライメートパルステクノロジーを開発しました。

【私の論評】地球温暖化CO2説は「仮説」に過ぎないが、世界中に様々な弊害や対立を生み出している(゚д゚)!


日本全国が、寒波に見舞われています。現在、野菜などが値上がりしていますが、今後もこの状況は続きそうです。以下に、これに関する動画を掲載します。


このブログでは、10年くらい前までは、良く地球温暖化CO2説への疑問などを、掲載したものですが、最近では、世界的に「地球温暖化CO2」説は、当然のこととされ、特に先進国では、それを前提として動くようになったのでほとんど掲載したことはありません。

ただ、これだけ日本国内でも、全国的に寒さが続けば、さらに世界中から寒波のニュースが入ってくると「地球温暖化」に疑問を持つ人も多いのではないかと思います。


元々「地球温暖化説」や「地球温暖化二酸化炭素説」は、「仮説」に過ぎません。そのことは、わかっているのですが、それにしても仮説が当たっている場合もあり得るし、限りある化石燃料を節約するということでも意義があり、今では世界の多くの国々、特に先進国がこの「仮説」を正しいものとして、様々な政策を立案したり、外交をしたりしています。

ただ、「仮説」に過ぎないものを「真説」として動くことには、様々な弊害もあります。これについては、以前このブログでも述べたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

破産宣言のスリランカ 債務再編主導を日本に依頼へ―【私の論評】スリランカは、日本に開発途上国から化石燃料を奪う事の非を欧米に理解させ、その開発・利用への支援を再開して欲しいと願っている(゚д゚)!
これは、昨年8月19日の記事です。詳細は、粉の記事をご覧いただくものとして、この記事より一部を引用します。


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スリランカの経済が破綻し大規模デモがおきて政権が転覆したのは、数々の失政が重なった結果ですが、とどめの一撃となったのは燃料費の高騰でガソリンが輸入できなくなったことでした。


スリランカの最大都市コロンボで最近みられる、ガソリンスタンドでたくさんの車やバイクが行列をつくる光景

いまの開発途上国でのエネルギー危機は、単にウクライナの戦争のせいではありません。近年になって、欧米の圧力によって化石燃料事業への投資が停滞していたことが積み重なって、今日の破滅的な状態を招いているのです。

インド人の研究者である米国ブレークスルー研究所のビジャヤ・ラマチャンドランは科学雑誌Natureに書いています。
「近代的なインフラを最も必要とし、世界の気候変動問題への責任が最も軽い国々に制限を課すことは、気候変動の不公正の極みである」。
ラマチャンドランは、国際援助において、気候変動緩和をすべての融資の中心に据えるという近年の方針について、偽善であり、二枚舌だとして、猛烈に抗議しています。
「それは、経済開発に使える資源を必然的に減らすことになり、しかも地球環境にはほとんど貢献しない。・・なぜそのような努力をするのか。世界銀行とIMFの主要株主である富裕国は、これまでのところ、エビデンスや合理的なトレードオフに基づく気候変動政策の策定にはほとんど関心を示していない。 
それどころか、天然ガスを含む化石燃料への融資を制限し、自国では思いもよらないような制限を世界の最貧国に対して課すことを、自画自賛しているのである。その規制の中には、化石燃料への開発金融をほぼ全面的に禁止することも含まれている。 
世界銀行は、気候変動緩和政策と貧困削減の間の急激なトレードオフを最もよく理解しているはずである。しかし、国内の環境保護団体を喜ばせたい資金提供者が課した条件には従うしかなかったようだ。・・欧州連合は、自分たちはクリーンエネルギーの原子力発電所を停止し、天然ガスの輸出入を増やし、国内の石炭発電所を新たに稼働させる一方で、開発金融機関に対しては、貧困国でのすべての化石燃料プロジェクトを直ちに排除するよう主張している。」
「さらに悪いことに、EUの官僚たちは現在、『何がクリーンエネルギーか』をめぐって一進一退の攻防を繰り広げている。燃料不足に直面する加盟国から、原子力や天然ガスまで定義(タクソノミー)を拡大するよう圧力がかかっている。その一方でEUの広報担当者は、“EUの柔軟な分類法は、開発政策に反映されることはない”と明言した。つまり天然ガスはヨーロッパ人にとってはグリーンだが、アジアやアフリカの人々にとっては事実上禁止されるということだ。」
何十億人の人々が、先進国のエリートたちによって、化石燃料のない、貧困に満ちた未来へと組織的に強制されているのです。気候危機説を信奉する指導者たちが、開発途上国の化石燃料使用を抑圧しているからです。哲学者のオルフェミ・O・タイウォは、この現象を「気候植民地主義」と呼んでいます。

残念ながら、日本もこれに加担しています。

6月22日に、日本の外務省はバングラデシュとインドネシアに対する政府開発援助(ODA)による石炭火力発電事業支援の中止を発表しました。CO2の排出が理由であり、G7の意向に沿った形です。

ちょうどその同日、この夏の電力不足に対応するため、停止していた火力発電所の再稼働を急いでいる、とのニュースが流れました。千葉県の姉崎火力発電所5号機、愛知県の知多火力発電所5号機などです。

自分の国で電力不足になると火力発電に頼る一方で、途上国の火力発電所は見捨ててしまうというのは道義にもとります。日本がいま電力不足なのは事実だですが、バングラデシュほど慢性的に電力が不足し停電が頻発し経済に甚大な悪影響を及ぼしている訳ではありません。

開発途上国の化石燃料利用を禁止する一方で、今後は経済開発を再生可能エネルギーで実現しろと命じるのは、発電の物理的現実と何十億人もの貧困を否定する傲慢さを示すもの以外の何ものでもありません。
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温暖化になろうと、寒冷化になろうと、日本は南北に長い国ですから、暑い所から涼しいところへ、寒いところから温暖なところへと国内で移住することができます。国内で移住できるということは、言語の問題も生活習慣の問題もなく、外国に行く思いをすれば、やりやすいです。

さらに、日本は原発もありますし、CO2をほとんど出さなくても発電できる石炭火力発電所をつくる技術もあります。このようなことができない国々も世界には多数あります。

発展途上国からみれば、恵まれているといえます。私達は、「気候植民地主義」によって、被害を受ける人たちのことなど、気に留めることもなく、「暑い」「寒い」と語っています。ただ、日本でもエネルギー価格が上昇しているのは事実ですし、この世界的な状況はなんとしても変えなければならないでしょう。

以下に、さらにこの記事より引用します。


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2017年11月に開催された「東アジアサミット」、2017年9月に開催された「ASEAN+3エネルギー大臣会合」においても、ASEAN諸国からは、エネルギー安全保障と同時にCO2削減にも貢献するクリーンな石炭火力発電技術について、積極的に活用していきたいとの言及がありました。また、その導入のため、金融面・技術面で支援を求める声もありました。

2017年11月に開催された「東アジアサミット」中央は安倍総理(当時)

日本は、海外に対して、再生可能エネルギーや水素、排出したCO2を貯める「CCS」や貯めて使う「CCUS」などを含んだ、さまざまなエネルギーの選択肢を提案し、支援しています。日本は、石炭火力発電を選ばざるを得ない国々に対しては、日本ができる貢献として、日本が持つ高効率発電技術の輸出をおこなっているのです。これは、途上国の発展に対する貢献になることはもちろん、アジア地域全体の温暖化対策、大気汚染物質の削減への貢献にもなります。
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この「東アジアサミット」には、当時安倍首相も参加していました。安倍元首相は、ASEAN諸国からは、エネルギー安全保障と同時にCO2削減にも貢献するクリーンな石炭火力発電技術について、積極的に活用していきたいとの言及があったことや、その導入のため、金融面・技術面で支援を求める声もあったことを覚えていたことでしょう。

ウクライナの戦争があって以来、先進国はエネルギー獲得のために奔走し、何とか冬を越せるだけのエネルギーの獲得には成功したようです。

経済力が劣る発展途上国はグーローバル・サウスといわれるように、ほとんどが南に位置しているため、エネルギー不足であっても、日常生活はなんとかできるということはあるのですが、それにしてもスリランカのように、その影響を受けて、財政難になる国も多いでしょう。

エネルギー問題は、先進国の都合だけで考えるべきではありません。発展途上国が成長できるように、全世界レベルで考えるべきです。

先の引用記事にも書いたように、日本は、海外に対して、再生可能エネルギーや水素、排出したCO2を貯める「CCS」や貯めて使う「CCUS」などを含んだ、さまざまなエネルギーの選択肢を提案し、支援しています。

日本は、石炭火力発電を選ばざるを得ない国々に対しては、日本が持つ高効率発電技術の輸出をおこなっています。これは、途上国の発展に対する貢献になることはもちろん、グローバルサウス全体の温暖化対策、大気汚染物質の削減への貢献にもなります。

もし、安倍総理がご存命であれば、こうした問題にも真剣に取り組み、新たな概念を打ち出し、「気候植民地主義」に対抗したのではないかと思います。それは、また世界を動かすことになったかもしれません。

昨年9月、ドナルド・トランプ前米政権の国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏が「ウクライナの戦争は、なぜ世界が米国の『エネルギー・ドミナンス(優勢)』を必要とするのかを明らかにした」という論説を発表しました。これは米国共和党の考えをよく要約しています。

《バイデン米政権は、米国の石油、天然ガス、石炭、原子力を敵視してきた。これがなければ、米国も欧州も戦略的にはるかに有利な立場にあり、プーチンのウクライナでの戦争を抑止できた》《欧州はロシアのエネルギー供給に依存して脆弱(ぜいじゃく)性をつくり出してきた。だが、本来は、そのエネルギーは米国が供給すべきものだったのだ》

《われわれは、米国のエネルギーの力を解き放たねばならない。天然ガスやクリーンコールなどのクリーンエネルギーを、欧州やインド太平洋地域の同盟国に輸出する努力を倍加させねばならない》《われわれ共和党は秋の中間選挙で大勝し、民主党の環境に固執したエネルギー政策を覆し、米国のエネルギー・ドミナンスを取り戻す》

力強い発言なのですが、グローバル・サウスのことはあまり考えていないようです。先進国が、グローバル・サウスを無視して、動けば世界はますます混乱することでしょう。エネルギー欲しさのために、ロシアに近づく国々もでてくるでしょう。

さらには、西側同盟と中露枢軸の競争激化は、ミドルパワー(中級国家)に機会とともに脅威をもたらしています。米欧や中露は、大国の中間にいるトルコ、サウジアラビア、インドネシア、南アフリカなどに一層の注意を払わねばならなくなっています。

これらの国々がグローバル・サウスに大きな影響力を行使することも考えられます。西側同盟国は、ミドルパワー国を数多く、味方にひきいれる必要があります。そのためか、このポンペオ氏の論説は、あまり多くの人の心を打つこともなく、世界に多大な影響を及ぼすこともなく、単に昨年の中間選挙の共和党への応援で終わってしまったようです。

やはり過去にエネルギー問題で苦しんできた日本のような国が、エネルギー安全保障においても、グローバル・サウスを含めた世界のエネルギー安保を打ち出していくべきです。無論、エネルギー安保でも、今の世界は、中露と対峙しなければならないことは言うまでもありません。中露にエネルギー覇権を握られてしまえば、とんでもないことになります。

安倍元総理が亡くなられたことが、残念でなりません。しかし、これはいずは誰かが必ずやらなければならない避けて通れない問題です。


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