2023年10月5日木曜日

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定―【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定

まとめ
  • 自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表。
  • 声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めている。
  • 声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べている。
  • 青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示している。

 自民党の若手議員らによる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は、政府に対し、新たな経済対策として、消費税率の5%への時限的引き下げと、20兆円規模の「真水」補正予算案を検討するよう求める提言をまとめました。

 議員連盟の中村裕之共同代表は、政府の減税措置が企業に偏っていると指摘し、物価高に苦しむ生活者に減税の実感が伝わる形をとるよう求めました。

 また、提言では、企業の資金繰り支援や、サプライチェーン(供給網)の強靱化に向けた国内の生産拠点の設備投資支援なども要望しました。

 議連は近く、世耕弘成参院幹事長や萩生田光一政調会長、政府側に提言を手交する予定です。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

まとめ

  • 自民党の若手議員による消費税減税要求の動きは、2020年にも行われていた。
  • 当時も消費税減税は行われず、景気は緩やかに回復しているものの、個人消費は低調である。
  • これを成長軌道に乗せるためには、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税を行うべきである。

責任ある積極財政を推進する議員連盟の中村裕之共同代表

このような動きは、三年前にもありました。

三年前の2020年3月30日にも、自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表しました。

声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めていました。

声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、新型コロナウイルスが経済に強大な影響を及ぼしており、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べました。

また、青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、当時の安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示しました。

結局このときも、その後の菅政権においても、消費税減税は行われませんでした。ただし、コロナ対策として、安倍政権は60兆円の補正予算を組み、菅政権は40兆円を組みも両政権あわせて100兆円の補正予算で、コロナ対策を行いました。

この100兆円は、当時の需給ギャップに相当する額であり、経済対策としてはまともな政策であったといえます。そうして、この補正予算は、安倍元総理の言葉でいうと、「日銀政府連合軍」で国債を発行して日銀がそれを買い取るという方式で賄われました。

巨額の国債を発行するととんでもないことになると考える、人たちもいましたが、それは違うということが現在明らかになっています。この時期の大量の国債発行で、財政に深刻な問題が生じていれば、今頃財務省を筆頭にして、「それみたことか」と言わんばかりに、マスコミも、それを大々的に喧伝したでしょう。そのような、発表や報道はありません。

ただ、この政策は補助金によって実施されました。補助金支給の意思決定は、政府が行いますが、その審査や給付の事務手続きは市町村等の地方自治体が行うので、事務量が莫大になるため、執行の遅れや漏れが生じるのです。事務量が膨大になるため、審査は形式的なものならざるを得ず、補助金給付で様々な不正が発生していることを皆さんもご存知だと思います。中には、大手企業の事業所でそれが行われていたことが、報道されたりしました。

ただ、その執行漏れも、岸田政権によって実行され、景気は上向き、さらに円安メリットも加わり、日本経済は成長しました。ここ数年、毎年税収が過去最高を更新し続けていることが、それを示しています。

ただ、現状でもなお、15兆円以上の需給ギャップが存在していることは明らかであり、個人消費は低調です。円安により輸出がそれを補う以上の伸びを示したので、株価も上がり、日経平均株価は33年ぶりの高値水準にあり、3万円台で値固めを続けているので、景気は悪くないようにもみえます。

しかし、2023年6月の短期経済見通しによると、2023年度の実質GDP成長率は前年比+0.9%と予想されています。物価上昇や海外経済減速による下振れ懸念が残るものの、内需を中心に緩やかな景気回復が続くと見込まれています。

日本銀行の消費活動指数(旅行収支調整済)を見ると、今年1-3月期は前期比+1.4%、4-6月期は同ー0.6%であり、均してみると緩やかな増加に留まっています。

これを成長軌道に乗せるためには、やはり少なくとも、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税などをするのが最善の経済政策です。現在の失業率の水準から試算すれば最低でも10兆円、日本経済の潜在能力から推測すると最大20兆円の需給ギャップが存在しています。

鈴木俊一財務相

鈴木俊一財務相は「規模ありき」を否定していますが、いまの日本に必要なのは、「まず規模ありき」といえます。また消費の低迷が著しいのですから、消費税の減税で国民に経済成長の成果を還元すべきでもあります。

経済対策は、マクロ的には「規模ありき」であり、十分な量がなければ、対策は目的を成就することはできません。マクロ的にみれば、何をしても効果はあります。バラマキ否定論者は、マクロ経済を知らないただの愚か者です。バラマキこそ正義です。経済が良くない時に、バラマキを否定して、結局緊縮財政を推進しようとする輩こそ、悪です。

だからこそ、ヘリコプターマネーなどと言われるのです。バーナンキ氏は、「日銀はトマトケチャップを買え」と言うのです。ただ、補助金ばかりでは、執行遅延や漏れや不正が起きやすく、しかも消費が低迷している現状では、現状ではすぐに効果が期待できる消費税減税が良いと言っているのです。そうして、一部は補助金として、特に現在の政権の持ち味を出したい分野に集中的に注げば良いです。

ここで岸田政権が減税を掲げて解散しなかったら愚かとしか言いようがありません。まずは、減税を大義とした解散ができますし、消費税・所得税減税+給付金を打ち出せば、よほどのことがない限り、大勝利ですし、実体経済も良くなり国民も満足すると思います。まずは、量ありきで、15兆円以下の経済対策では無意味です。

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