2023年10月2日月曜日

自民・森山総務会長、減税なら「国民の審判仰ぐ必要」―【私の論評】国民の声を聞け!減税への期待と自由主義経済の信念(゚д゚)!

自民・森山総務会長、減税なら「国民の審判仰ぐ必要」

まとめ
  • 自民党、衆院解散をちらつかせて減税を実現?


 自民党の森山裕総務会長は1日、北海道北見市で講演し、新たな経済対策で「減税」が検討されていることを踏まえ「税に関することは国民の審判を仰がなければならない」と述べた。衆院解散の大義になり得るとの考えを示した発言とみられる。

 経済対策の指示に当たり、岸田文雄首相は9月26日に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と強調し、税や社会保障負担の軽減などに取り組むとした。森山氏は「非常に重い表現だ」とも指摘した。

【私の論評】国民の声を聞け!減税への期待と自由主義経済の信念(゚д゚)!

まとめ
  • 国民にとって減税は良いことであり、政府が税金を過度に取ることは問題である。
  • 自民党の森山裕総務会長は減税に国民の承認を求めることを支持し、これは政府が過度に経済を制御すべきことを前提としてるように受け取られる。
  • 多額の税金徴収は自由主義経済の理念に反するものであり、経済の回復を妨げている。
  • 政府は税金を低く抑え、市場を邪魔しないようにするべきで、その役割は制限されるべきである。
  • 自由主義経済の基本原則は国民投票を必要とせず、政府の責任とすべきである。

国民にとって減税は常に良いことです。国民は自分のお金のために一生懸命働いているのに、政府はすでにそれを税金で取りすぎています。選挙で減税の審判を国民に仰がせるようなことはすべきではありません。

減税で大喜びする日本の有権者 AI生成画像

自民党の森山裕総務会長は優先順位を間違えているようです。減税のために国民の承認を求めるということは、政府は税金は自分たちのものだと考えていることを端的に示しているといえます。確かに、国民は、正しい方法で投票すれば、より多くのお金を手元に残すことができるということにはなりますが、実に奇妙な物言いです。

そもそも多くの税金を徴収するというのは、自由主義経済の立場に反します。ここ数年、一般税収は毎年のように過去最大を更新しています。そうして、税収の予定を大幅に超えています。この状況なら上ブレ分を減税し、自由市場を機能させるべきです。それこそが、経済回復の近道です。

この立場からすれば、森山氏の発言は、実に奇妙なものです。その根底には、国民の自由にまかせるよりも、政府のほうが多くの経済活動を制御できると思いこみがあるものとみえます。だから、減税には国民の審判が必要という考え方になるのでしょう。

これは、傲慢であり、自由主義経済下では、そもそも政府役割は制限されるべきものです。税金をなるべく低く抑え、お役所仕事を減らし、市場の動き邪魔をしないようにして、人々が自分たちの生活を送り、経済が成長できるようにすることこそが、政府の役割です。

自由主義経済を謳歌する日本の女性たち AI生成画像

ただ、全くの自由放任主義にすれば、自由主義経済を破戒するような人たちや、動きがでてくることを規制するというのが政府の一つの役割であり、それはあくまでも自由主義経済を守るためという前提で行われるべきものです。その限度を超えて、政府がなにもかも制御できると思い込み、限度を超えて政府の役割を強化するのは、社会主義や共産主義の考え方です。

減税に関する意思決定をまるで国民投票のように選挙で決めさせようとするのは、大きな政府を志向する官僚にさらなる権力を与えることになりかねません。自民党はそのことをよく覚えておくべきです。

国民の意見を反映させることは必要ですが、減税や限られた政府といった自由主義経済の基本原則は、国民投票を必要とすべきではないです。

それは、政府が実行すべき義務です。保守派は、国民を信頼し、自由の力を解き放つべきことこそ、政府が実施すべき責務であることを信じています。

義務で実行すべきことを、国民の信を問うという物言いをすることは、自由主義経済を否定し、社会主義を信奉する人が語ることと受け取られても仕方ないと思います。

私は、自民党が早く基本的な理念に立ち返る道を見つけることを願っています。もちろん、自民党の議員の中には、自由主義経済を信奉している人も多いようですが、結果として官僚の能力に過度に期待する、社会主義的な経済を信奉している人も多いようです。

社会主義経済の失敗により塗炭の苦しみを味わう人々 AI生成画像

これは、自民党が自由主義経済を信奉するというのなら、なんとしても是正すべきことです。

ただ、私自身は、無論減税には大賛成です。特にこのブログにも何度も述べているように、特に消費税減税は大賛成です。

政府としては、減税案をまとめて、それを公約とすれば良いです。それを審判するのは無論有権者による選挙による結果であり、それは減税に限らず、すべての公約が対象であり、森山氏が減税なら「国民の審判仰ぐ必要」があるという物言いは、多くの人が違和感を抱くと思います。

ただ、政府は無論消費税減税をすべきです。私は、減税、その中でも消費税減税はすべきと思っています。それが、現在最も有効な経済対策であることは、このブログでも何度が述べてきたことです。

無論、岸田政権が減税をして支持率をあげたいという気持ちもわかりますし、そうすべきと思いますが、それをするなら、もっと良い方法で国民と直截にコミュニケーションをとるべきです。

最近岸田政権が最近発表した、様々な複雑で国民がその真価を理解するのが難しい経済対策パッケージをいくつも打ち出すより、直截に「消費税税率を5%に引き下げます」などと公表すべきです。それで、国民はすべてを瞬時に理解し納得します。

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