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2019年11月5日火曜日

RCEP、インドの交渉不参加言及に波紋 離脱なら枠組み瓦解―【私の論評】インド離脱は、新たな自由貿易を目指す日本にとって追い風(゚д゚)!


東アシアサミットに臨む(前列左から)インドのモディ首相,安倍総理ら=4日,バンコク郊外

日本や中国、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉をめぐり、インドの当局者が今後の交渉に参加しない可能性に言及したことをめぐり、5日、日本政府内には波紋が広がった。「インドのいないRCEPは考えられない」(交渉筋)との指摘もあり、仮にインドが離脱すればRCEPの枠組み自体が瓦(が)解(かい)する恐れもある。

 「16カ国を併せれば世界最大の経済圏となることから、その戦略的、経済的意義は極めて大きい」。安倍晋三首相は4日、バンコク郊外で開かれたRCEP交渉の首脳会議の席上、16カ国の枠組みの重要性をこう強調した。

 インドの当局者が4日の記者会見で、現在の条件では「RCEPには参加できない」と話したことが伝わると、日本政府内には「対中交渉の駆け引きの一環だろう」(経済官庁幹部)と冷静に受け止める一方で、「真意がわからない」(政府関係者)といった困惑の声も聞かれた。

 4日の首脳会議では来年の協定署名で合意。その上で、関税撤廃などでインドとの交渉を引き続き継続するとした。共同声明では「インドには未解決のまま残されている重要な課題がある」と指摘。妥結はインドにかかっていると明示することで、インドの政治的な決断を促した。

 日本の立場は明確だ。中国がインドを除外した枠組みを参加国に打診した際には、日本は保護主義的な動きが強まる中、市場規模の大きいインドを自由貿易圏に取り込むことの意義を説明。また、インドが抜ければ中国の影響力が強まることへの懸念もあった。

 インドが離脱するようなことがあれば、日本のRCEPへの関心自体が薄まりかねず、交渉が暗礁に乗り上げる恐れがある。

【私の論評】インド離脱は、新たな自由貿易を目指す日本にとって追い風(゚д゚)!

私自身は、RCEPには反対です。日本はこのような貿易協定に労力をさくよりも、TPP拡大に注力すべきです。そのため、RCEPからのインドの離脱は大いに賛成です。これについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、RCEPが日本にとっては重要ではなく、TPPこそが本命であることを掲載しました。以下に一部を引用します。
ほとんど関税も削減しない、WTO以上のルールや規律は設定しない、という内容の乏しいFTAでは、いくら参加国のGDPが大きかったとしても現状に大きな変更を加えるものではありません。この意味からもRCEPはまともな協定にならない可能性が高いです。

さらなる問題は、複数のFTAが重複することによって、それぞれの関税、ルール、規則などが複雑に絡み合ったスパゲッティのように錯綜して貿易が混乱するという「スパゲッティボール効果」です。

TPP11と日EUのFTAは対象となる地域が異なるので、このような問題は生じないです。しかし、TPP11とRCEPの参加国には重複があります。スパゲッティボール効果を避けるためには、一つの大きなFTAに関係国すべてが参加することが望ましいです。

自由貿易の推進や新しいルールの設定の両面でレベルの高いTPPに、アジア太平洋地域の経済を統合すべきです。
さらに、そもそも論で、中国は自由な市場経済国ではないですから、最初から自由貿易をリードしていく資格などありません。 自由貿易をリードしたいというのなら、まずは自国の構造改革をすべきです。

特に、民主化、政治と経済の分離、法治国家化をすすめ、自由貿易ができる体制を整えるべきなのです。しかし、中国ではこれができません。実行すれば、中共政府は統治の正当性を失い崩壊してしまうでしょう。

そのため、中国が主導するRCEPは、ほとんど関税も削減しない、WTO以上のルールや規律は設定しない、という内容の乏しいFTAにならざるを得ないのです。

これまでの貿易の秩序が公平で正しいものだったのかは、甚だ疑問です。特に米国にとってはあらゆる産業が自然に衰えていく傾向を示し潜在敵国の中国には絶好の儲けを提供する仕組みになっていました。米国民は現状が不公平過ぎると感じていたのでしょう。その腹立ちが世界の予想外だったトランプ氏を誕生させました。

世界経済の常識は「金持ちは我慢しろ」という傾向がありましたが、トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げて既成の秩序をぶち壊し始めました。米国は、現体制は米国の利益を損なっていると認識したからこそ、根こそぎ破棄し新たな秩序づくりを提唱しているのです。

現状の貿易体制はWTOの精神に裏付けられています。WTOの考え方は自由な取引を推進すれば比較優位の商品が産出されます。言い換えると、どの国も得意なものを作って儲けられるというものです。

ところが、完全な自由貿易を強制すると、ある製品について、1国以外に製造する国がなくなるはずです。もしその国が独占的立場を悪用して、価格を上げるとなると、他に競争する国がないのですから、儲け放題になる。そこで互いに関税をかけて産業を保護するのです。

WTO発足時点の経済情勢に合わせて、各国は関税を設けて公平な競争条件でスタートしました。この条件は年を経れば歪みが出てくるのは当然です。当時、中国は「途上国」という条件で排気ガス規制から逃れる一方、世界銀行から「途上国援助」を受け取っていました。その援助は総額4兆円に近いのですが、「計画が残っている」との名目でいまだに続行されています。

米国の自動車は当時飛び抜けて世界一でしたが、競合国のドイツや日本に攻め立てられています。米国の自動車産業の象徴と言われたGMでさえ倒産しそうになりました。

現在の経済状態に合わせて新しい貿易のルールに作り直す必要があります。そこで新しい貿易ルールを日米で作成に取り掛かっていたのがTPP(環太平洋経済連携協定)でした。そこからトランプ氏は脱退したのですが、新時代に合わせたTPPが必要であることは変わらないです。

安倍晋三首相はトランプ氏が脱退を表明した後、米国抜きの11ヵ国でまとめる意志を表明し、現実に11ヵ国TPPは2018年12月30日発効しました。

一方で日本とEUとの間では新たにEPA(日・EU経済連携協定)を締結しました。TPPもEPAも締結時の関税などを固定するものではありません。現在日本は高級チーズには29.8%の関税をかけていますが、15年後までには、年々削減してゼロにすると約束しています。

日本はTPPと日欧EPAにより現状では世界の自由貿易をリードしているといっても過言ではありません。日本はこれからも、この方面で積極的に行動すべきです。



自由貿易の枠組みの中で競争力を高めてきた日本は、19世紀の英国や20世紀の米国とは異なります。日本が自由貿易を推進するのは、自国にとって有利だからではなく、それがルールに基づく競争の場を提供するということを理解しているからです。

20世紀型自由貿易の出発点となったブレトンウッズ会議に日本は残念ながら参加できなかった。当時日本は米国との戦争を続けていたからだ。これに対して、21世紀型自由貿易はその誕生から日本が関わることができる。米中貿易戦争が続く今の状況が日本にとって大きな試練であることは間違いないが、70年前の無念を晴らす願ってもないチャンスでもあるのです。

ブレトン・ウッズ会議 1944年7月

チャンスをものにするためには、経済大国としての厳しさが求められる。自由貿易を推進するのであれば、競争力の弱い分野を温存するという政策はふさわしくないです。

「競者」の論理に立つならば、高関税や輸入制限によって競争力の弱い産業を保護する政策とは一線を画し、その競争力を高めていく工夫や努力が常に行われているような、活力あるビジネス環境の整備が必要となるでしょう。

無論中国のように、国営企業に補助金を与えるというやり方では、だめです。日本国内で、まともに多くの企業が切磋琢磨できるように、政府は基盤を整備すべきでしょう。その基盤の上で、各企業や様々な組織がプレーヤーとなり対等な立場で競い合うのです。競い合うだけではなく協同しやすい環境も整備するのです。

20世紀型自由貿易の出発点となったブレトンウッズ会議に日本は残念ながら参加できませんでした。当時日本は米国との戦争を続けていたからです。これに対して、21世紀型自由貿易はその誕生から日本が関わることができます。

米中貿易戦争が続く今の状況が日本にとって大きな試練であることは間違いないですが、70年前の無念を晴らす願ってもないチャンスでもあります。

チャンスをものにするためには、経済大国としての厳しさと柔軟性が求められます。自由貿易を推進するのであれば、競争力の弱い分野を温存するという政策はふさわしくないです。

「競者」の論理に立つならば、高関税や輸入制限によって競争力の弱い産業を保護する政策とは一線を画し、その競争力を高めていく工夫や努力が常に行われているような、活力あるビジネス環境の整備が必要となります。

今回のRCEPインド離脱は、まさに日本にとってこのような環境整備への追い風となるかもしれません。

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2019年3月27日水曜日

トランプ大統領「再選」の目に韓国&北朝鮮が震撼! 日本は拉致問題解決の追い風に―【私の論評】トランプ再選の可能性はかなり高い(゚д゚)!安倍四選も?


ロシア疑惑を乗り切ったトランプ氏

 ドナルド・トランプ米大統領に「再選」の目が出てきた。2016年の大統領選をめぐるロシア疑惑をめぐり、特別検察官が提出した捜査報告書で、トランプ陣営とロシアの共謀は認定できないと指摘されたのだ。来年の大統領選に向けた「最大の障害」がなくなり、トランプ氏は続投に意欲を見せる。一方、韓国と北朝鮮には震撼(しんかん)が走りそうだ。トランプ氏は韓国への不信感を強め、北朝鮮にも制裁を緩める気配がない。日本にとっては、悲願の拉致被害者奪還に追い風となりそうだ。

 「2年間もかけて、証拠が1つも出なかった。米民主党としては、ロシア疑惑しか、トランプ氏の再選を阻む手段はない。経済政策はうまくいっているし、外交でも米中新冷戦でポイントを挙げている。民主党の大統領候補は極左ばかりで、トランプ氏の再選の可能性がさらに強まった」

 国際政治学者の藤井厳喜氏はこう語った。

 ウィリアム・バー司法長官は24日、ロバート・モラー特別検察官の捜査報告書について議会に概要を報告した。そのなかで、「特別検察官の捜査は、トランプ陣営や関係者らが、大統領選に影響を及ぼすためロシア側と共謀したり協力したりしたということを見いださなかった」と指摘した。

 司法妨害についても、バー氏は「特別検察官の捜査による証拠は、大統領の司法妨害への関与を立証するには不十分」と結論づけたとする意見を記したという。

 こうした動きを受け、トランプ氏は同日、ツイッターに「共謀も(捜査)妨害もない。完全かつ全面的に疑いが晴れた。米国を偉大にし続けよう!」と投稿した。「偉大にし続ける」という部分から、続投への強い意欲が感じられる。

 米議会下院を握る民主党は報告書全文の公開を要求したが、トランプ氏にとっては「再選への追い風」となったのは事実のようだ。

 これらは、韓国と北朝鮮には「最悪の事態」を意味する。トランプ氏と両国との関係悪化が顕在化しているからだ。

 米国の同盟国である韓国だが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の誕生後、米韓関係は悪化の一途をたどっている。

 北朝鮮の「核・ミサイル」問題をめぐり、文政権が「仲介者」となって始まった米朝交渉だが、北朝鮮の「見せかけの非核化」が明らかになり、2月末の米朝首脳会談は決裂した。世界各国で、対北制裁緩和を主張し続けた文大統領に対し、トランプ政権は「北朝鮮の代弁者」とみなして不信感を強めている。

 韓国の保守系メディアは最近、「米韓関係の悪化」を懸念する記事を掲載している。

 米朝首脳会談から1カ月近くがたった25日にも、中央日報(日本語版)は《「文大統領の仲裁論に米国務長官が不快感、韓米外相会談はないと…」》と伝えた。記事では、ワシントンの情報筋の話として、マイク・ポンペオ国務長官と、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相の会談が、今月中にはないとの見方を紹介している。

韓国海軍駆逐艦による、海上自衛隊哨戒機への危険な火器管制用レーダー照射事件についても、米国側は「韓国側の暴挙」について、日本側から詳細な情報を得ているという。

 北朝鮮にとっても、トランプ政権の継続は歓迎すべき話ではない。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は昨年6月と今年2月、トランプ氏との首脳会談に臨んだが、何の成果も得られなかった。列車で3日近くかけて大宣伝しながらベトナムに乗り込んだものの、経済制裁も緩和されず、最高指導者の権威に傷がつくだけの結果に終わった。

 先週、正恩氏のロシア訪問を示唆する動きがあったが、米朝首脳会談の決裂を受けて、米国の譲歩を引き出そうとした可能性がある。

 前出の藤井氏は「トランプ氏が強くなるということは、『親北』の文政権にはマイナスだ。北朝鮮としても、『もう少し柔らかい民主党の大統領になれば、くみしやすい』とみているだろう。トランプ政権が続けば『核・ミサイル』問題で妥協せざるを得なくなるはずだ」と解説する。

 逆に日本にとって、トランプ氏の続投は追い風といえる。



 安倍晋三首相とトランプ氏との信頼関係が強固で、先月の米朝首脳会談でも、安倍首相が最重要課題と位置づける拉致問題を、会談冒頭を含めて2回も提起したのだ。

 藤井氏は「北朝鮮は首脳会談で、米国が経済制裁を解除してくれると甘く踏んでいたようだが、そうはならなかった。『(拉致問題を解決して)日本から金を引き出さないと厳しい』という考えになっているようで、水面下で日本に接近してきたと聞く。トランプ政権は対北強硬路線を取っており、日本にとって、トランプ氏の再選は良い事態だ」と語っている。

【私の論評】トランプ再選の可能性はかなり高い(゚д゚)!安倍四選も?

トランプはおそらく再選されることでしょう。それには以下のような理由があります。

第一に米国の現職大統領は再選される可能性が高いことがあります。第二次大戦後米国では11人の現職大統領が再選選挙に臨みましたが、8人が再選を果たしました。

再選できなかった3人は、フォード、カーター、父ブッシュですが、この内フォード大統領は任期途中で辞任したニクソン大統領に代わって副大統領から繰り上がって就任し選挙を経ていないので除外すると、現職大統領の再選の可能性は80%以上ということになるります。

それもイラン問題でしくじったカーター大統領や、景気不振を招いた父ブッシュ大統領の場合と違い、トランプ大統領には今のところ政策的に大きな間違いは犯してていません。

第二に相手候補のことがあります。民主党側では2ダース以上の候補者の名前があがっていて乱立気味です。

2020年のアメリカ大統領選挙は、まだ1年以上先なのですが、すでに公式に出馬を表明したのは、ジュリアン・カストロ(元住宅都市開発省長官)、リチャード・オジェダ(ウエストバージニア州上院議員)、ジョン・デレイニー(メリーランド州選出下院議員)等3人だですが、この他にコーリー・ブーカー(ニュージャージー州選出上院議員)、カマラ・ハリス(カリフォルニア選出上院議員)などですが、彼らは実は米国内でも知名度は低いのです。

ジュリアン・カストロ

そこで、バイデン元副大統領やヒラリー・クリントン前大統領候補の出馬が取りざたされているが「新味がない」との声も高いです。

民主党の場合、党内の候補者の最初の討論会が今年6月に開催され、党内の候補者選びがスタートするが、今年は全ての日程が早まり有力州の予備選は12月に始まります。つまり、6月までには一年半の選挙戦を戦い抜く組織と資金を確保しておく必要があるわけですが、今のところそこまで準備できそうな候補は見当たらないです。

ちなみに、前回の大統領選でヒラリー・クリントンは2015年4月までに組織と資金の準備を終えて正式な出馬表明をしていました。

一方のトランプ大統領は、昨年2月の大統領就任時にすでに2020年への出馬を連邦選挙委員会に届け出て公式に選挙運動を始め、昨年(2018年)2月には選挙参謀を指名しました。資金的にもすでに3500万ドル(約40億円)を集めたとされています。

最後に、トランプ大統領に有利にはたらく要素があるとすれば、意外と思われるかもしれないが下院での弾劾の動きです。

中間選挙で過半数を獲得した民主党は、新議会でトランプ大統領への弾劾を目指していわゆる「ロシア疑惑」について厳しく追求してきました。

しかし、1998年にクリントン大統領のインターンとの不倫問題で共和党が弾劾に向けて激しく追求した時に行われた中間選挙では、その共和党が議席を失うということになりました。有権者は議会が弾劾にばかり熱をあげることには反対するのです。

さらに、モラー報告書によって過去2年間も調査を実行したのに「ロシア疑惑」なるものには、何の実体もないことが明らかになったわけですから、これは当然トランプ大統領に有利に働くのは当然のことです。これ以上弾劾の動きがあれば、さらにトランプ大統領に有利となるでしょう。



日本では、安倍総理四選の噂もでています。そうして、それはあながち否定できないところがあります。これは、自民党の党則を変えれば実現できるものだからです。

こういった噂が出る背景には、安倍氏の後継候補がなかなか見えてこないという事情がああります。石破氏は先の総裁選の地方票で健闘して「ポスト安倍」レースで一歩抜けた印象がありますが、肝心の国会議員票では2割にも達していませんでした。

その他は岸田氏、加藤氏、茂木敏充経済再生担当相らの名が上がりますが、政治的力量、知名度、人望ともに心もとないです。特にこれら候補すべてが、増税派であるということも気になります。

さらに石破氏も含めて4人は、いずれも60歳代。64歳の安倍氏とほぼ同世代です。これでは、対外的に世代交代したというアピールができません。

自民党の若手が、経験を積むまでの間、安倍氏に続けてもらったらどうか。そういう考えを抱く議員も多いようです。

安倍・トランプ続投で日米にとって朝鮮半島問題、中国への対処などかなりやりやすい状況になるのは間違いないと思います。

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2017年10月18日水曜日

【激闘10・22衆院選】自民危ない与野党大接戦の59選挙区 立憲民主追い風、失速から挽回試みる希望 選挙プランナー分析―【私の論評】実体は民主党菅政権の立憲民主党に引導を渡せ(゚д゚)!

【激闘10・22衆院選】自民危ない与野党大接戦の59選挙区 立憲民主追い風、失速から挽回試みる希望 選挙プランナー分析

希望の党の失速で、枝野代表率いる立憲民主党は
躍進の勢いだ=17日午前、東京都葛飾区
10・22衆院選の投開票日まで1週間を切った。報道各社は中盤情勢について、「自公3分の2超へ」(産経新聞17日付朝刊)、「自民 最大300超も」(毎日新聞16日付朝刊)などと、安倍晋三首相(総裁)率いる自民党の優勢を伝えているが、選挙は投票箱のフタが閉まるまで分からない。夕刊フジで、選挙プランナーの松田馨氏に情勢分析を依頼したところ、何と59選挙区で与野党候補が大接戦を繰り広げていた。失速からの挽回を試みる小池百合子代表(都知事)の希望の党や、野党第1党をうかがう枝野幸男代表の立憲民主党…。自民党は16日夜、50超の選挙区を「重点区」に指定し、党幹部や閣僚らの投入を決めた。激戦区の勝敗次第では、選挙結果は大きく変わる。

 「前回衆院選(2014年12月)で、小選挙区でも敗れながらも、比例復活した候補がいる選挙区が激しく競り合っている。報道各社が『与党優勢』と中盤情勢を伝えており、アナウンス効果で有権者の投票行動に影響を及ぼす可能性が高い。今後、与党幹部のちょっとした失言が命取りになることもある」

 松田氏は16日、こう語った。最新の情勢分析では、289ある小選挙区のうち、59選挙区で与野党候補が拮抗(きっこう)していた。自民党の「優勢予測」など、一気に吹き飛びかねない僅差といえる。

 注目の59選挙区は別表の通り。


 松田氏は激戦都府県として「東京」「神奈川」「山梨」「新潟」「愛知」「大阪」-を挙げた。大まかな傾向として、(1)激戦区では、立憲民主党がやや優勢(2)希望の党は他党の差別化で苦戦(3)民進党出身の無所属が底力を見せる-などだ。

 東京では、小池氏率いる希望の党の失速が大きい。小池氏の衆院議員時代の地盤・東京10区を引き継いだ若狭勝氏までが「やや劣勢」で、小池氏と二人三脚で追い上げを図っている。小池氏は豊洲移転問題で、石原慎太郎元都知事を激しく攻撃した。石原氏の3男、宏高元内閣府副大臣も当初、東京3区で劣勢が伝えられたが、「やや優勢」に盛り返してきた。

 希望の党の劣勢は、全国に及んでいる。大島敦・元民進党幹事長(埼玉6区)や、山井和則・元民進党国対委員長(京都6区)、馬淵澄夫・元民進党選対委員長(奈良1区)も「やや劣勢」だ。

 大阪では、前職3人が激突する大阪11区が注目される。

 自民党の佐藤ゆかり元経産政務官と、無所属で出馬した平野博文元官房長官、「Dr・イトー」としてメディアの露出度も多い日本維新の会の伊東信久氏が三つどもえの戦いを演じている。佐藤氏が「やや優勢」だが、維新のおひざ元だけに、最後まで分からない。

 このほか、与党大物としては、鈴木俊一五輪相(岩手2区)や、金田勝年前法相(秋田2区)もギリギリの戦いだ。

 過去にも、中盤情勢で「与党圧勝」が伝えられながら、最後に大負けした選挙がある。2000年6月の「神の国解散」だ。報道各社は、自民党が単独で安定多数(260議席、当時)を確保し、自民、公明、保守党の与党3党で300議席に迫ると伝えていた。

 ところが、森喜朗首相が投開票日の5日前、「無党派層は寝ていてくれれば」と、日本選挙史に残る大失言を炸裂(さくれつ)させ、有権者の強い反感を買った。投票率も上昇し、自民党は小選挙区と比例合わせて233議席となった。事前予測よりも二十数議席減となり、森氏の求心力は低下し、翌年2月の退陣へとつながった。

 有権者の投票行動を左右するアナウンス効果も気になるところだ。

 劣勢と伝えられた候補や政党に支持が傾く「アンダードッグ効果」が働けば、野党側に有利となる。反対に「勝ち馬に乗ろう」として、優勢と報道された政党や候補者に投票しがちになる「バンドワゴン効果」が出れば、与党が有利なまま選挙戦を終える。

 松田氏は「アナウンス効果がどう出るか、正確に分析するのは難しい。ただ、有権者の間には『自民党の勝ち過ぎ』に警戒感が広がっているのは間違いない。野党では、立憲民主党に行った民進党出身者が支持を集め、各選挙区で善戦している。一方、希望の党に行った候補は苦戦している。野党でも明暗が大きく分かれているようだ」と語った。

 夕刊フジは前回予測(10日発行)で、いち早く、「自民、公明両党で300議席を超える」可能性を報じた。希望の党の失速で「政権交代」の可能性が後退し、有権者の衆院選への関心が低下し、投票率が下がり、自民党に消極的支持が集まり、議席数を伸ばす-という分析だ。

 現状では予測に近いが、「火事は最初の5分、選挙は最後の5分」といわれる。少しの油断が有力視されていた勝利を逃し、最後まで諦めない姿勢が大逆転を現実にする。

 官邸に近い関係者は「あまりにも無風過ぎて怖い。これまでも、ちょっとしたことが大きな反動になったことがある。気を引き締めなければならない」と語った。

【私の論評】実体は民主党菅政権の立憲民主党に引導を渡せ(゚д゚)!

都内では、立憲民主党の動きが活発です。以下に都内の、選挙戦の状況をまとめておきます。

25選挙区中、与党が20の選挙区で優位に立つ。野党は、立民が5選挙区でリードする健闘をみせ、都知事の小池百合子が代表を務める希望は苦戦しています。

※「接戦」「競り合う」「互角」等の表現は、名前が前の方が僅かにリードしている状況を指します。

1区は、前回は民主党代表ながら落選した立民海江田が優勢に立ち、自民山田が追っています。

「安倍さんの歩いてきた4年10ヶ月はことごとく憲法を踏みにじった足跡だ!!」と訴えた海江田氏
2区も、立民松尾が自民辻をわずかに先行、希望鳩山は支持の広がりに欠けています。
自民辻氏に先行する松尾あきひろ氏
3区は自民石原が過去5回競り合ってきた希望結党メンバーの松原をリード。

4区は自民平が圧倒しています。

5区は、立民手塚と自民若宮が競り合う。自民から希望に移り国替えした福田は劣勢を強いられています。

自民若宮氏と競り合う立憲民主党手塚よしお氏 民主党時代のポスター
6区は、立民落合が左派系の票も取り込んでいるが、自民越智が優勢です。

7区は、知名度の高い立民長妻が優位に立ち、自民松本が追いかけている。希望荒木は失速気味です。

立憲民主党代表代行の長妻氏
8区は自民石原が立民吉田、希望木内を寄せ付けず圧倒しています。

9区も自民菅原が大きくリードしています。

10区は、自民鈴木が三つどもえの激戦から一歩先行、立民鈴木、希望若狭が追いかけています。

11区は自民下村が8選に向け他候補を圧倒。

12区は、公明太田が自民票も取り込み優位に立ち、共産池内は政権批判票の上乗せで激しく追っています。

13区は自民鴨下、14区は自民松島がともに優勢。15区も自民秋元が希望柿沢を引き離しています。

16区は、立民初鹿と自民大西が互角の戦い。希望田村は伸び悩んでいます。

自民大西氏と互角の戦いをする立憲民主党初鹿氏
17区は自民平沢が圧倒。18区は、自民土屋が優位に立つ中、立民菅が激しく追っています。

19区は自民松本が頭一つ抜け出し、立民末松が追う。20区は自民木原が大きくリードしています。

21区は自民小田原が希望長島をわずかに上回っています。

22区は自民伊藤が立民山花を抑えています。

23区は自民小倉を希望伊藤が追う。24区は自民萩生田、25区は自民井上がそれぞれ優勢です。

※希望の党の東京比例復活枠は現在の情勢だと3議席しかないので、長島・松原・柿沢・伊藤の惜敗率次第では若狭は比例復活すらできない可能性もあります。

最新のJX通信社 衆院選第4回情勢によれば、立憲民主党に無党派・政権不支持層から最多の支持を得ているそうです。

報道ベンチャーのJX通信社では、9月下旬以来毎週、東京都内で衆院選情勢調査を実施しています。10月14日(土)・10月15日(日)の両日に実施した最新の調査(第4回)では、比例東京ブロックでの投票意向首位は自民党で30%(1ポイント増)となる一方、第2党として立憲民主党が23%(5ポイント増)で続きました。2週間前の前々回調査で首位だった希望の党は2週続けて投票意向を減らし、16%(前回比2ポイント減)にとどまりました。

支持政党別では、支持する政党はないとしたいわゆる無党派層が30%(前回比4ポイント減)、自民党が28%(2ポイント増)となった他、立憲民主党が19%(4ポイント増)、希望の党が11%(2ポイント減)、共産党が6%(1ポイント増)と続きました。
東京都内では投票意向先、政党支持率ともに立憲民主党が希望の党を大きく上回り、第2党の位置を占める傾向が明確になったと言えます。
加えて注目すべきなのは、無党派層の投票先です。無党派の有権者に比例代表東京ブロックでの投票意向先を聞いたところ、最多となったのは立憲民主党の17%でした。前回まで無党派層で最多の支持を集めていた希望の党は16%となり、立憲民主党を1ポイント下回りました。
立憲民主党は安倍政権を支持しないとする「政権不支持層」からも最多の支持を得ており、東京都内では非自民・反政権票最大の受け皿となりつつあります。

希望の党を率いる小池百合子知事の東京都内での支持率は前週比3ポイント減の34%でした。不支持率は59%となり、今年1月の都内での調査開始以来最も高くなっています。対する安倍政権の支持率は41%で、不支持率は54%でした。

今回の調査に加え、過去の選挙結果や調査データをもとに衆院選比例代表東京ブロックでの各党の獲得議席(定数17)を予測したところ、自民党が6議席を固め、最大で8議席までの伸びしろがある状態で第1党となる可能性が高いです。続く第2党は立憲民主党で現状4議席を固めており、最大で6議席まで獲得できる可能性があります。希望の党は3議席を固めたが上限は届いても4議席と見られ、共産党と公明党はそれぞれ1~2議席にとどまりそうです。日本維新の会は1議席を獲得できるかどうか微妙な情勢です。


また、東京都内に25ある小選挙区では、支持を伸ばしている立憲民主党の候補が自民党候補と接戦になっている選挙区が複数あり、情勢が注目されます。東京の25小選挙区のうち、各党で獲得が見込まれる選挙区の数は上図の通りです。昨年の参院選では、事前の情勢分析の相場観よりも1人区で自民党候補が敗北するケースがやや多くなり「取りこぼし」を指摘されました。立憲民主党の候補擁立に関しては、公示間際に「野党共闘」の枠組みで共産党が候補を下ろした選挙区もあります。立憲民主党への支持が短期間で伸びたことで、東京都内の小選挙区でも同様の自民「取りこぼし」の現象が生じないか注目されます。

上では、立憲民主党の都内での状況をお伝えしましたが、この傾向全国に波及する可能性もでてきました。

それにしても、都内の無党派層の方々は、立憲民主党とは何者なのか理解されているのでしょうか。

そもそも、代表の枝野幸男は極左暴力集団革マル派からの資金提供について答えてないですし、立憲民主党は菅・枝野・辻元・長妻など菅内閣のメンバーそのままです。しかも菅は菅政権は良かったと未だに言っています。過激派との関係も深刻です。いわゆる彼ら支持する市民とは過激派かもしれないです。違うと言うなら枝野は革マルとの関係等を選挙前に説明すべきです。

有権者その中でも無党派層のみなさん 騙されてはいけません。 民進党は 「希望の党」と 「立憲民主党」の二つに分裂し 2種類の党名を名乗っていますが いずれにしても 元は”あの民進党”です そのことをお忘れなきように。


それは、立憲民主党の手作りの選挙カーをみてもよくわかります。以下に手作り前と、手作り後の写真を掲載します。

改造前
 
改造後
立憲民主党の生い立ちは、衆院選で民進党ではほとんどの議員が、当選できないことが予想されたため、 民進党の両院総会において、満場一致で希望の党へ の合流を決めました。 このときには、辻本議員も「小池さんは日本のメルケル、シンパシ-を感じる」と発言しました。 ところが、小池さんにゴミはいらんと廃除されました。その途端に 「 小池はクズだ!無所属出馬だ!  でも多くの議員が、無所属しんどい大変だということになり、 そうして、そのようなゴミの受け皿として、立憲民主党旗揚げされました。立憲民主党は、 まったく筋の通らない、ゴミのような人たちの集まりなのです。

そうして、このゴミと過去を比較すると、過去最悪の民主党菅内閣の主要閣僚が立憲民主党のメンバーであることがわかります。


このような立憲民主党は衆議院で日本を機能不全にできる拒否権(1/3)を狙っているとしか思えません。国会で、拒否権を発動されたら、日本は何もできなくなるかもしれません。しかも、共産党と希望の造反組と合算でそれを狙っているのでしょう。何が何でも、改憲を阻止したいのです。彼らは、かつての民進党と同じように考え方がバラバラなのですが、ここだけは一致しています。

立憲民主+希望+共産党の勢力が衆院で、本当に1/3以上になり、国会で拒否権を発動できるようになれば、いわゆるねじれ国会どころではありません。北朝鮮対応も満足にできなくなり、韓国、北朝鮮の思うがままにあしらわれるようになるかもしれません。そうなれば、米国などからも見放されます。そうなれば、日本は韓国・北朝鮮の属国になってしまうかもしれません。そうなれば、最終的には中国の餌食になるしかなくなります。これが、彼らの狙いでしょう。

この立憲民主党の動きは、いつか通った道を思い出させます。そうです。 8年前マスコミにだまされて出来た民主党政権の暗黒時代です。立憲民主党あの民進党の菅内閣と同じ顔ぶれです。 経済も日米同盟も他国のとの外交もぼろぼろになり、 中国と朝鮮半島は大喜びしました。現在は、やっと安倍政権が民主党政権でボロボロになった日本を立ち直らせている途中です。 立憲君主党を支持する人々は、また地獄に自ら落ちに行くつもりなのでしょうか。そこまで、考えていないというのなら、考え直すべきです。

だからこそ、自公圧勝報道に騙されるべきではありません。自公は最後まで手を抜かないで、取りこぼしのないようにしていたただきたいです。

そうして、有権者は過去の民主党の亡霊のような立憲民進党に今回の選挙で、引導を渡すべきです。
民主党菅政権

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2016年6月30日木曜日

英EU離脱は自民に追い風 共産「暴言」は野党に逆風 浅川博忠氏参院選分析―【私の論評】なぜ民進は経済・安保で滅びの道を選ぶのか(゚д゚)!

英EU離脱は自民に追い風 共産「暴言」は野党に逆風 浅川博忠氏参院選分析

英国のEU離脱は参院選では与党に有利に・・・・
与野党激突の参院選(7月10日投開票)が過熱するなか、英国の欧州連合(EU)離脱という衝撃的ニュースが飛び込んできた。日本経済へのダメージが懸念されているが、選挙戦にはどんな影響を与えるのか。政治評論家の浅川博忠氏が政党別の獲得議席を分析・予測したところ、野党によるアベノミクス批判は不発ぎみで、逆に有権者は安定した安倍晋三政権の継続を望み、自民党がさらに議席を伸ばすという結果が出た。共産党幹部の「暴言」も与党優位に拍車をかけているという。

英国のEU離脱問題が、与党の優位を決定付けそうだ。浅川氏が最新のデータをもとに分析したところ、自民党に追い風が吹いており、改選議席(121)の過半数を確保することが明らかになった。

注目の獲得議席予測は別表の通りだ。浅川氏は昨年12月、今年2月、5月、公示日の6月22日にも予測を行っている。

 自民党は、浅川氏が22日に予測した60議席から2議席増やし、62議席に達した。一方、民進党が27議席、共産党が11議席となり、それぞれ公示時点よりも1議席ずつ減らした。

なぜ、こういう結果になるのか。

浅川氏は「英国のEU離脱を受けて、野党はここぞとばかりに、『為替や株価に依存した経済(政策)ではダメだ』(民進党の枝野幸男幹事長)、『アベノミクスは破綻した』(共産党の小池晃書記局長)などと批判しているが、有権者には、ほとんど響いていない。それは、野党にアベノミクスに代わる経済政策がないことを知っているからだ。むしろ、こういう不安定な国際情勢だからこそ、安定した政権与党の継続を望んでいる。野党の政権批判は空回り気味で、与党が不利になっているという状況ではない」と指摘した。

選挙中とはいえ、安倍政権の反応の早さも功を奏したようだ。

24日昼ごろ、英国のEU離脱が明らかになり、株価は大きく下落した。政府は同日午後、関係閣僚会議を開き、「必要なのは国際協調だ」(安倍首相)との姿勢を示した。自民党も同日夜、稲田朋美政調会長を本部長として緊急特別本部を設置した。緊急時の初動対応としては“基本動作”といえそうだ。

経済対策にも気を配っている。

安倍首相は前出の関係閣僚会議で、「世界経済の成長と金融市場の安定に万全を期す」といい、大型の2016年度第2次補正予算案を成立させる方針を示した。さらに、首相に近い下村博文総裁特別補佐が27日夜のテレビ番組で、注目の規模について「10兆円超」と語ったのだ。

円高の加速で日本の製造業が2兆円の減益に陥るとの予想が流れるなか、不安を最小限に抑えようと努力していることが伝わってくる。

野党の「敵失・自爆」も大きい。

共産党の藤野保史政策委員長が26日のNHK番組で、「防衛費=人を殺すための予算」と発言したことも、与党の追い風となっている。藤野氏は28日夜、発言の誤りを認めて引責辞任した。



浅川氏は「東日本大震災以降、国民の自衛隊への信頼は確実に高まっている。熊本地震で、救命・救出活動に当たった記憶も新しい。こうしたなかで、藤野氏の発言は決定的だ。あの一言で『とてもじゃないが、共産党を勝たせるわけにいかない』という空気が広がった。共産党と連携している民進党にも大ダメージだろう」と分析した。

藤野発言で、共産党が綱領に「日米安保の廃棄」「自衛隊の解消」を堂々と掲げていることも、改めて注目された。

民進、共産両党の低迷は、複数区の情勢に現れ始めている。一部の選挙区で、自民党が2議席を確保し、民進党と共産党が共倒れになる可能性が出てきたのだ。

「自民党は複数区での2人擁立を積極的に進めてきたが、党内には当初、共倒れを懸念する声も多かった。だが、情勢は完全に変わった。一部の選挙区を除けば、複数区での2議席確保が見えつつある」(浅川氏)

民進党の岡田克也代表の発言も、野党の勢いにブレーキをかけたという。岡田氏は26日、地元・三重県で記者団に「三重で(民進党候補を)落とすようでは代表の資格はない。次の代表選に出ない」と発言したのだ。結果が出る前に「敗北」に言及したことになる。



浅川氏は「本人は陣営引き締めのために言ったのかもしれないが、選挙戦の最中に、敗北を前提とした自身の進退に触れるとは、政治センスが疑われる。加えて、党内では『地元さえ勝てばいいのか』『地元で勝てば次の代表選に出るのか』と受け止められた向きがある」と指摘した。

投開票まで2週間を切ったが、有権者はどう最終判断するのか。

【私の論評】なぜ民進は経済・安保で滅びの道を選ぶのか(゚д゚)!

終焉の画家「ズジスワフ・ベクシンスキー」による絵画

民進党の支持が高まらない大きな要因のひとつは、経済政策が定まらない事です。

民主党(現民進党)は、一昨年の総選挙以来、安倍晋三内閣が推進する「アベノミクス」を真正面から批判するスタンスを取り続けていますが、馬鹿の一つ覚えのように、もっぱらアベノミクスの成果を否定するばかりで、自ら建設的な対案を出すことができていません。そんな「経済無策」に国民の多くがそっぽを向いているのです。

各種の世論調査を見るまでもなく、国民の関心事は「経済」です。日々の暮らしやビジネスに直結する足下の景気への対策から、将来の生活を左右する年金・医療・介護などの社会保障政策まで、政治への期待は大きいです。

昨年安全保障関連法を成立させた安倍首相が、間髪いれずに「経済最優先」を繰り返し、軸足を経済に再び戻す姿勢を見せたのが、それを端的に表しています。経済こそが国民の最大の関心事であることを安倍首相は理解しています。

ところが、民主党はアベノミクスをただただ批判する姿勢を変えていません。

民進党(当時民主党)は昨年安倍首相が、「就任以来、雇用を100万人増やした」と言えば、「増えたのは非正規雇用ばかりで格差は広がっている」といった具合に、相手の足を引っ張ることに専念しています。この専念ぶりは、今年も変わらず、批判のための批判を繰り返しています。そうして、格差拡大を強調し、再分配を強化すべきだという社会主義型の経済政策に大きく傾斜しています。

こうした民進党の唱える分配中心の経済政策は、もともと社民党や共産党の主張と重なります。アベノミクスを当初から徹底的に批判してきたのも両党です。法人減税で経済活動を活発化させることで、経済を成長させ、国民の所得を増やし、最終的には税収も増やそうというアベノミクス的発想には、共産党などは強く反対してきました。

内部留保を溜め込む大企業にもっと課税をして、それを原資に弱者に再配分すべきだ、というのが左派政党の典型的な主張です。

ところが、一昨年末の総選挙以降、民進党(当時民主党)は明らかにそうした分配型の政策志向を強めていました。そうなると、経済政策で見る限り、民進党と共産党に「違い」が見えなくなってしまいます。

もともと民主党議員の中には、自民党以上に経済改革志向の強い金子洋一参議院議員のような人たちがいます。たとえば、言うならば、アベノミクスよりもさらに先を行く議員です。しかし、民進党の幹部はこの人たちの主張に耳を傾けることはありません。

金子洋一参議院議員
民主党が政権を奪取できたのは、自民党の既得権を温存する政策を打ち壊し、改革を進めることを標榜したからだったはずです。政権獲得前の民主党政調では、公共事業の削減や公務員制度改革、郵政民営化の促進といった自民党ではできないと思われていた政策を掲げました。

こうした改革的な政策が国民の民主党への支持を呼び起こし、政権奪取へとつながったのです。

しかしながら、結局経済対策が全くうまくいかず、自民党政権の頃と大差がないどころか、金融政策や財政政策をおろそかにしたため、さらに悪化していきました。特に、財政政策においては菅政権のときに、自民党と結託して、増税を自民・公明・民主の三党合意で増税することを決めてしまいました。

元々民主党は、政権交代する前には、民主党が政権にあるうちは、増税はしないことを公約としていました。

ところが政権を取ると、掲げた改革は大きく後退し、増税を決めたり、自民党政権に引き続き、金融政策は疎かにしたため、経済はデフレスパイラのどん底に落ち込みとんでもないことになりました。

そうして自民党に「バラマキ」と批判されることになった再配分強化の政策ばかりが目立つようになりました。労働組合を有力な支持母体に持つという党組織の限界とも言えましたが、結局急速に国民の支持を失うことになりました。

民主党の金子洋一参院議員は昨年の4月にツイッターで、「日経平均、続伸し15年ぶり2万円乗せ。わが国経済のためにまずは喜ばしいこと。やはり債券を主に買い入れ、株式を含む実物資産に民間資金をシフトさせる日銀による金融緩和の力は大きかった。われわれが提言したとおり、民主党政権でこれをやっていれば、経済の回復はより早かった。残念だ」とつぶやいた。これには、私も全く同感です。

そもそも、デフレなどの不況のときには、大規模な金融緩和をするという政策は、EUなどでは労働組合などの左派が、労働者の雇用を改善する手段として、推進することを望む政策です。実際、金融政策と雇用は、フィリップス曲線として強い相関関係にあることが経験則として知られています。

以下に有効求人倍率の推移のグラフを掲載します。


このグラフをみれば、有効求人倍率が1以上の都道府県の数が過去最高になっていることがわかります。これは、アベノミクスの金融緩和によるもの以外にはその原因を見出すことはできません。

さらに、日本でも当然のことながら、短期的フィリップス曲線は、理論的にも実証的にも成立しています。それは、以下のグラフをご覧いただければ、一目瞭然です。


本来ならば、このような政策野党の民進党などが推進すべき政策です。しかし、今の民進党は、アベノミクス批判ということで、結局金融緩和政策まで否定しています。本来は、金融緩和政策を強力に推進するように主張すべきです。つい先日、日銀が追加金融緩和を見送った際には、猛烈に批判すべきでした。

さらに、増税に関しては当然のことながら反対すべきですが、民主党が政権交代をする前の公約を前面に打ち出し、もともとの党の精神に戻ることを宣言して、8%増税を撤回することを主張すべきでした。そうして、減税して消費税を5%にすることを主張すべきでした。

これは、元維新の党の共同代表であった、江田憲司氏もその著書『財務省のマインドコントロール』で増税する必要性がないことを主張していたので、民進党になってからも、これを主張し、減税論を主張すべきでした。

8%増税など、安倍政権の完璧な大失敗であり、本来ならば、民進党にとって与党攻撃のための良い材料であるにもかかわらず、岡田代表は奇妙なレトリックでこれを不意にしてしまいました。結局岡田代表は、消費税は10%に増税すべきであって、安倍総理は上げられる経済状況をつくることができなかったとして、批判しています。これでは、まるで敵に塩を送るようなものです。


経済政策については、民進党だけではなく、共産も社民党も似たようなものであり、結局頓珍漢で奇妙奇天烈であり、そもそもマクロ経済的には雇用が良ければ、他が駄目でも良しとするとか、他が良くても雇用が駄目であれば、良くないと判断するべきであるという基本的な観念がないのです。これでは英国EU離脱や、中国経済の低迷、新興資源国の低迷、アメリカの利下げなどの問題による経済の悪化などにとても対処できないと国民に判断されてしまいます。

終焉の画家「ズジスワフ・ベクシンスキー」による絵画

次に、日米同盟を強化する安保法制をめぐっては、予想通り極左集団が徴兵制だの戦争だの、法律が目指す方向とは真逆どころか、全く関連のない妄想をふりまいて国民を不安に陥れました。そうして、民主党まで徴兵制になるなどという奇妙な論理を主張していました。

民主党は、元々は社会党や共産党のような極左集団ではない、反自民の受け皿として期待されていたはずです。特に、共産主義イデオロギーとは無縁で、利権に囚われない都市のリベラルな有権者を支持層としていたはずでしたが、政権奪取後に極左勢力が支配的となり、国民の信頼を失なってしまいました。

それでも、民主党には共産党など極左集団とは違う現実主義的な面があると期待していた国民も多数いたと思います。しかし、昨年の安保法制審議の時には、民主党を含めた野党は、まるで明日にでも戦争が始まるかのような扇動を始め、現政権がすぐにでも自衛隊をどこかに送り込もうとしているかのような宣伝を繰り返していました。さらに、今回の参院選では民進党は野党共闘として、共産党と手をを結びました。

民進党は1人区で日本共産党などと野党統一候補を擁立した
安保法案反対派の主張は、包丁を購入した主婦を人殺し扱いするようなものであり、ジムで鍛える男性を強姦魔として邪推するようなものであり、消防車の放水訓練をデモ弾圧の準備と非難するようなものでした。地域の平和と安定のための日米関係の強化が、ある特定の人達には脅威と映ってしまうのでしょうが、真の目的には何も言及せず、ひたすらあり得ない事態の展開の妄想に浸った野党の主張と、マスメディアの報道によって、多くの国民が幻惑されました。

法案を政争の具に利用するのは良くあることですが、昨年の民主党の扇動はあまりに酷すぎでした。左翼的でありながら現実主義的であるというイメージもあった民主党が戦争だ戦争だと囃し立てたので、もともと反日指向のあるメディアとあわせ、国民が極左の妄想に毒される結果になってしまいまいました。

安保法制での自民党のつまづきは、予想されていたとは言え、あれほど酷いものとは思いませんでした。反対派の主張は「戦争法案」なる存在しない法案への妄想に基づく反対であり、少なくとも民主党くらいはある程度理性を働かせて行動するものと思っていましたのですが、そうではありませんでした。

あのすさまじい、騒ぎで昨年は幻惑されていた多くの国民も、あれからしばらくたって冷静さを取り戻したと思います。

そもそも、日本には、元々北朝鮮による拉致問題がまだ解決されていないとか、核開発や最近のミサイルの連発による脅威、尖閣諸島などに対する中国の脅威がありました。それに南シナ海の中国の脅威もあります。

護憲派は、憲法九条があったから、日本は平和を維持してこれたなどと言いますが、拉致問題を考えると日本が平和であったなどとはとても言えるものではありません。


昨年民主党などの野党は、「戦争法案」として安保法案が成立すれば、すぐにも日本が侵略戦争を開始するかのように煽りました。

しかし、現実には、日本が戦争をするなどということはあり得ず、戦争への脅威があるとすれば、中国や北朝鮮の危機です。

そうして、最近の中国軍の尖閣諸島への接続水域への艦艇の侵入や、つい先日もあった、東シナ海での自衛隊機に対する中国機の挑発などがあり、これは当然のことながら、参院選での重大争点となると思います。

そんなときに、民進党は未だに、「戦争法案」「憲法違反」を繰り返すばかりで、具体的な安全保障政策を打ち出そうとしません。そうして、日米安全保障条約の廃棄と自衛隊解消を唱える政党である共産党と野党共闘として1人区で日本共産党などと野党統一候補を擁立しました。

以上、経済と安全保障という2つの大きな政策に関して、何ら対案を出すことなく、ただただ安倍政権を批判するだけの民進党は、今回の参院選で大敗する以外道はありません。

私としては、本当は民進党は野党として十分働いてもらったほうが、自民党も驕り高ぶることなく、良い方向に動いていくと思います。

しかし、今のままの民進党ではとてもそうした役割を期待することはできません。いっそのこと、今回の参院選では上の記事で浅川氏が予想するよりも、酷い大惨敗を喫して、自分たちのやり方は何もかも間違いだったと納得して、新たな方向性を模索したほうが、結果として良いのではないかとさえ思っています。

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2015年11月30日月曜日

「衆参ダブル選」はもはや“前提”状況 自民幹部の相次ぐ発言…支持率も追い風 ―【私の論評】自民党は、衆参同時選挙の公約に、是が非でも10%増税の見送りを加えよ、でなければ地獄をみることになる(゚д゚)!


五郎丸ポーズで集中力を高める?安倍首相=29日、東京都内のホテル

来年夏の「衆参ダブル選」が現実味を帯びてきた。自民党幹部がダブル選の可能性にいち早く言及し、谷垣禎一幹事長も否定しなかったからだ。実際、「ダブル選を想定した」といわれる国会日程が固まるなど、環境は着々と整いつつあるようにも見える。まもなく年末だが、選挙に向かって走り出す政治家も出てきそうだ。

「いろいろな可能性は、そりゃありますよ」

谷垣氏は29日、自民党立党60年記念式典終了後、記者団からダブル選の可能性について聞かれ、否定しなかった。

実は、谷垣発言には前触れがあった。佐藤勉国対委員長が28日、秋田県大仙市で「(選挙活動を)甘くみないで。来年ダブル選があるかもしれない」と1日早く言及していたのだ。幹部の相次ぐ発言が「ダブル選現実論」に拍車をかけているのは間違いない。

政府・与党が、来年1月4日に通常国会を召集する方針を固めたこともダブル選の根拠となっている。

通常国会は法律で150日間と定められている。会期延長しなければ会期末は6月1日となり、この日に衆院を解散すれば「7月10日投開票」で参院選との同日選が可能になるのだ。1月5日以降の招集では日程が合わず、ダブル選は成立しない。国会日程をみれば、ダブル選はもはや“前提”といえる状況だ。

22日投開票の「大阪ダブル選」で大阪維新が2勝し、橋下徹大阪市長の求心力が回復したことも大きい。安倍晋三首相は憲法改正で意気投合する橋下氏に期待しており、ダブル選を仕掛けて橋下氏を国政に引っ張り出そう-という思惑も見え隠れする。

内閣支持率も追い風となりそうだ。日本経済新聞とテレビ東京が27~29日に実施した世論調査で、内閣支持率は49%となり、10月下旬の前回調査から8ポイントも上昇した。共同通信が28、29日に実施した世論調査でも、内閣支持率は48・3%と前回調査より3・5ポイント増で回復傾向は顕著だ。

安倍政権は2017年4月に消費税10%への増税を控えている。衆院解散が増税の直前や直後のタイミングとなると、与党に不利なのは明らかだ。その前に解散を打つタイミングを探るのは当然で、政権を取り巻くあらゆる状況が「ダブル選現実論」を後押ししている。

【私の論評】自民党は、衆参同時選挙の公約に、是が非でも10%増税の見送りを加えよ、でなければ地獄をみることになる(゚д゚)!

確かに安倍内閣の支持率は、あがっています。これはすでに政権成立から2年近くたっていて、過去の内閣と比較すると、かなりの支持率の高さであると思います。さらに、最近では最も人気がないと思われた安保法制の成立を実施したことを考えると、破格の支持率の高さです。


時事通信が6~9日に実施した11月の世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月比0・7ポイント増の40.5%で、4カ月ぶりに4割台に回復しました。不支持率は同1.6ポイント減の36.1%。

内閣支持率は8月以降、安全保障関連法に対する批判などが響いて4割を切っていました。安倍晋三首相が今月初めに日韓、日中韓首脳会談を約3年半ぶりに行い、近隣国との関係改善に努めたことなどが

支持率回復につながったとみられます。

安倍内閣が重要政策に掲げる「1億総活躍社会」について聞いたところ、「支持する」は38.0%、「支持しない」は37.5%で、賛否がほぼ拮抗(きっこう)した。

環太平洋連携協定(TPP)が日本経済にどのような影響を与えるかについて、「良い影響」とみる人は20.9%、「悪い影響」は15.8%でした。輸出入それぞれに複雑な利害が絡むため、「どちらとも言えない」が55.3%に上りました。

内閣を支持する理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」が17.1%と最も多く、「リーダーシップがある」12.8%、「首相を信頼する」9.7%と続いた。支持しない理由(同)は、「期待が持てない」17.5%、「首相を信頼できない」15.7%、「政策が駄目」15.6%の順でした。

これだと、確かに自民党にとって、来年の衆参同時w選挙の条件が整ってきたといえると思います。

それしても、w選挙が規定状況になりつつあるとは、頼もしいかぎりです。何度も続いた悪夢のような、短期政権はもうなくなるかもしれません。ただし、そのためには、一つ条件があると思います。

それについては、以前のこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
GDP600兆円実現に必要な消費再増税の見送りと日銀法改正 ―【私の論評】10%増税で、GDP600兆円どころか、安倍政権崩壊は免れない(゚д゚)!
 
記者会見で新しい「三本の矢」を表明した
安倍晋三首相=9月24日、東京・永田町の自民党本部

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に消費税増税の見送りと、日銀法改正が必要であることに関する部分のみコピペします。
自民党総裁に再選された安倍晋三首相が記者会見で、経済に注力するとして、「新3本の矢」が披露された。(1)希望を生み出す強い経済(2)夢を紡ぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障-という3項目だ。 
これらの3項目のロジカルな関係をいえば、1番目の「強い経済」がすべてだ。これがうまくできれば、2番目の「子育て支援」と3番目の「社会保障」もうまく進むはずだ。 
こうした中期の経済成長の場合、達成手段は金融政策と財政政策になる。新聞では「旧3本の矢」とかいわれているが、今も有効なはずだ。甘利氏は、2%の物価目標は変わっていないとしている。 
甘利氏は「東京五輪後に達成可能」としているが、これから名目3%成長が続けば、21年度には名目GDPが600兆円に達するという意味である。名目3%は今の政府が掲げている中期目標である。

しかし、政府が掲げる名目3%目標の内訳は、実質2%、インフレ率1%になっていて、インフレ目標2%と矛盾している。さらに、17年4月から消費増税しても成長率への影響は軽微だというのが前提になっている。 
この前提は既に誤りであることがわかっているのに、政府の中期財政試算でも修正されていない。このため、甘利氏がいう東京五輪後に達成可能というのも実は怪しい。 
インフレ目標2%なら名目4%になるはずで、そうであれば東京五輪前年の19年度でほぼ600兆円になる。17年4月からの10%への消費再増税をやらなければ、これはかなり可能性の大きい数字である。 
いまだにデフレ脱却がおぼつかないので、この際、日銀法改正をしたうえでインフレ目標を3%に引き上げるのもアリだ。そうなれば、18年度にほぼ600兆円が実現可能だ。安倍総裁の任期は18年9月までであり、常識的には自分の任期内での目標のはずだ。それを達成するためには、17年の消費再増税の見送りと日銀法改正によるインフレ目標3%が必要となる。
いずれにしても、もし10%増税を平成17年度に、予定通り実行してしまえば、たとえ来年衆参w選挙で自民党が大勝したとしても、GDP600兆円はおろか、平成18年度の政権が安倍政権であろうが、誰の政権であろうが、経済が破滅的な状況になり、政権が崩壊するのは必至とみるべきでしょう。

14年度からの8%増税は大失敗であり、すでに日本経済はリセッション入しているとみるべきことは、先日もこのブロクに掲載したばかりです。17年度の10%は絶対に見送るべきです。

さて、このブログでは、増税など全く必要のないことを繰り返し述べてきました。また、同じように文書で長々と掲載するのは、私自身も疲れますし、ブログの読者の方もそうだと思いますので、以下に最近見た動画を掲載します。



これをご覧いただくと、そそも日本は財政危機にあるわけでもなく、ましてや増税する必要性も全くないことがおわかりになると思います。

このような状況にある日本がわざわざ、8%増税で大失敗したにもかかわらず、再度10%増税すれば、確実に経済がかなり停滞して、とんでもないことになり、自民党政権は崩壊します。それこそ、地獄をみることになります。

安倍総理には是が非でも、衆参両院同時選挙の公約として、しっかりと10%見送りを取り入れるべきです。それも、前回のように、17年4月まで10%増税を見送るなどとするのではなく、数値などで明確に、物価、雇用や、GDPなどの目標を数値化して、その目標が達成できない限り増税を見送るようにすべきです。

それを公約とすれば、さらに自民党は盤石の体制を築くことができるでしょう。PKO法案後の選挙のとき社会党が崩壊して消えたように、安保法案を「戦争法案」などとして、レッテル貼りをした、野党はことごとく自民党に蹴散らされることになります。

しかし、10%増税を予定通りに、実施してしまえば、せっかく選挙に大勝利しても、政権は崩壊し、その後はとんでもないことになり、自民党が再度下野することになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...