2020年12月11日金曜日

【米大統領選】米ミズーリなど17州が大統領選めぐる提訴に合流―【私の論評】米民主党、マスメディア、SNSへの痛撃というトランプ大統領の目論見が、結局実現する(゚д゚)!

 【米大統領選】米ミズーリなど17州が大統領選めぐる提訴に合流

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米中西部ミズーリなど17州の共和党当局者は9日、大統領選をめぐり南部テキサス州の司法長官が8日に南部ジョージア、中西部ミシガンとウィスコンシン、東部ペンシルベニアの計4州の選挙結果の無効を求めて連邦最高裁に提訴したことに関し、訴訟に合流したと発表した。トランプ大統領も訴訟に参加するとしている。


 訴訟は、4州が新型コロナウイルス危機を受けて郵便投票を大幅に導入したのは違法だと主張し、最高裁に対して4州で大統領選挙人の選任を即時に差し止めるよう求めている。

 ただ、各州の選挙結果の確定期限となる8日が過ぎたことから訴えが通る可能性は非常に低いとみられ、トランプ氏の法廷闘争は「幕切れを迎えた」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)との見方が支配的となっている。

 一方、米動画サイトのユーチューブは9日、米大統領選の一般投票の結果が8日に確定したのを受け、「選挙に大規模な不正があったせいで選挙結果が逆転した」などと主張する動画を削除する方針を発表した。

 削除されるのは9日以降にアップロードされた動画で、例えば「特定の大統領候補が広範囲にわたるソフトウエアの不具合や集計の間違いで勝利した」といった、事実と異なる主張が含まれる場合に削除対象になるとしている。

 ユーチューブは、集計結果が確定するまでは、民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にしたことに疑義を呈する動画の投稿を容認してきたが、今後は「米選挙の完全性」を支持する立場から虚偽情報や誤解を引き起こす情報を排除していくとした。

【私の論評】米民主党、マスメディア、SNSへの痛撃というトランプ大統領の目論見が、結局成就する(゚д゚)!

アメリカ大統領選挙をめぐっては、上の記事にもあるように、大統領に近いテキサス州の司法長官が今週、連邦最高裁判所に訴えを起こしています。

このなかでは、激戦となった東部ペンシルベニア州や中西部ミシガン州など4つの州について、選挙制度が法に反して変更されたと主張し、選挙結果に基づいた選挙人による投票をさせないよう求めています。

この裁判をめぐって10日、共和党の下院議員106人が文書に署名して支持を表明しました。

米国大統領選挙は来週14日に全米50州と首都ワシントンに割りふられた選挙人による投票が行われ、この結果を受けてバイデン次期大統領の勝利が確定することになりますが、裁判はこの投票を遅らせるねらいがあると見られています。

トランプ大統領は、この裁判への参加を裁判所に求めていて、「これは大きなことだ」とツイッターに投稿するなど、法廷闘争での巻き返しにつなげたい考えですが、米国のメディアは訴えが認められる可能性は低いと伝えているものの、前代未聞の訴えですから、誰もこうした裁判について熟知するものは存在しません。

さらに、トランプ大統領の反撃が他にもある可能性があり、トランプの再選は今の段階で完璧に否定できるる状態ではないと思います。それとごろか、以前もこのブログに掲載したように、トランプもバイデンも大統領にはならないというシナリオすらあり得ます。

他のトランプ大統領の反撃としては、元陸軍中将でトランプ政権の元国家安全保障顧問のマイケル・フリン将軍の陳情書の内容を進め、トランプ大統領が臨時戒厳令を宣言し、2020年の大統領選の全国再選挙を軍に監督させるよう呼びかけています。

マイケル・フリン氏

この請願書は、オハイオ州に拠点を置く非営利団体「We The People Convention」が12月1日(火)に発表したものでした。請願書の中で、議員、裁判所、国会が憲法を守らない場合、戒厳法を発布して、新たな選挙を行い、私たちの票を守ることで、内戦の勃発を防ぐよう大統領に呼掛けたものです。

請願書には、歴史的にエイブラハム・リンカーン大統領は、南北戦争の間、米国を救うために非凡な行政行動を取ったことがあり、国会と裁判所が憲法第12条修正案を遵守できるかどうか、選挙を守れるかどうかの疑惑から、「私たちは、トランプ大統領がリンカーン氏のように特別な権限を行使し、限定的な戒厳令による憲法の一時停止を宣言することを呼掛ける。軍事統制により、国民の本当の意志を反映した全国投票を行う。投票は連邦候補者のみに限定されるものとする。選挙は紙の投票用紙を採用し、コンピュータを使用せず、両党が直接投票を見て、登録された有権者のみが投票し、投票者に対して有権者の身分検査を行うものとする」と書かれています。

「神様の前以外では、自由は決して膝を曲げることはない」とフリン将軍はツイートで書いている。

ただ、この内容自体は、実際には実行されないような気がしていますが、このような誰もが思いつかなかったような手段が講じられることもあり得ると思います。

ドナルド・トランプ米大統領の顧問弁護士のルディ・ジュリアーニ氏は、1994年1月1日から2001年12月31日まで107代目ニューヨーク市長を務め、マフィア等の脅しに屈することなく、凶悪犯罪の撲滅及び市の治安改善に大きな成果を挙げました。

ルディー・ジュリアーニ氏

このような人物がさしたる証拠もなく、「不正選挙」の裁判に加勢するとは考えにくいです。

シドニー・パウエル弁護士は今回の大統領選挙で大規模な不正があったとして、訴訟の準備を進めた人物です。また、先日軍事弁護士として登録をしたことで、被告を国家反逆罪で訴えることが可能になったとの情報もある。 同弁護士は不正に関わった人物は民主党、共和党にかかわらず処罰するという姿勢でその言動が注目されていますが、彼女は「私の真意は共和党であれ民主党であれ全ての不正行為を暴露する事。偉大な米国が内外の共産主義者に盗まれるのは許さない」と語っています。

シドニー・パウエル氏

これら両弁護士は、いくつかの隠し玉を持っている可能性は大きいです。これらが、表に出れは、当然のことながら、また一波乱、二波乱が起きそうです。

ただ現時点ではっきりしていることがあります。それは、バイデンが仮に大統領になったとしても、当初からほとんど死に体でスタートすることになることです。

トランプ陣営の「不正の疑いが濃厚なのに、きちんと調査をせずに選挙結果を承認すると罪に問われる」という戦術も有効です。それに、1000件におよぶ宣誓供述調書を、司法や州議会は無視できないはずです。

「(バイデン氏の息子である)ハンター氏の疑惑を知っていればバイデン氏に投票しなかった」という民主党党員支持派もかなり存在します。法廷、州議会戦術の可否に関わらず、民主党幹部は党員や支持者に対する「説明責任」を果たさなければならないです。これをおろそかにすれば、民主党は内部分裂の憂き目をみるかもしれません。

トランプ氏の法廷闘争は、民主党がこれまでスルーしてきた疑惑を明らかにしていくという意味合いもあるのです。こままだと、大統領選挙に仮に敗北しても、民主党、マスメディア、SNS痛撃という結果となりトランプ大統領の目論見が、結局実現する可能性はかなり高いと思います。

バイデン大統領の登場が濃厚になった一時米民主党、マスメディア、SNSはぬか喜びしたかもしれませんが、これが彼らの凋落が始まる一歩となるでしょう。

このドランプ氏の戦いは、きっと後世の歴史にも残ると思います。そうして、このときが米国史の転換点であったことが知られるようになることと思います。米国では、マスコミ等で報道されることはないでしょうが、多くの人が認識していることでしょう。それは、共和党員やその支持者だけではなく、民主党員やその支持者の中にも大勢存在するでしょう。

日本では、残念ながら、現状でこれを認識する人はほんの一握りであり、この出来事が終わってから20年、30年たって、一部の人が認識するにとどまるでしよう。

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