「左派高学歴エリートは語義矛盾の存在になり果てた」それでも“トランプ再選”が世界のためになるワケ
当選すれば就任時78歳のバイデン氏 |
だが、仏の歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は、こうした論調に異議を唱える。
トッド氏がとくに問題視するのは、「左派」を自称する高学歴エリートの自己欺瞞だ。
「エリート主義vsポピュリズム」という分断
〈ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市のメディアや大学のエリートは、トランプ支持者を「学歴がない」「教養がない」と馬鹿にし、ヒラリー本人も、「嘆かわしい人々(deplorable)」とまで言いました。
〈「トランプ再選となれば、米国の民主主義も終わりだ!」といった言辞が繰り返されています。米国に限らず、エリート層が好む高級メディアほど、この論調です。トランプが、下品で馬鹿げた人物であることは言うまでもありません。私自身も、人として、とても許容できない。ただ、トランプをそう非難するだけで事足れりとすれば、米国社会の現実を見誤ることになるでしょう〉
「トランプの再選の方が、どちらかと言えば望ましい」
トッド氏は、前回の選挙の際も、トランプ勝利を半ば「予言」していた。
「トランプの再選の方が、どちらかと言えば望ましい」
トッド氏は、前回の選挙の際も、トランプ勝利を半ば「予言」していた。
〈2016年の米大統領選の際、私は「トランプが必ず勝つ」とまでは言わずとも、「トランプの勝利などあり得ない」という論調が大勢を占めるなかで、トランプ勝利の可能性を大いに強調しました〉 そして、こう続ける。
〈前回ほどオリジナルな見解とは言えませんが――というのも一度は起きたことなので――、今回もトランプ勝利の可能性が大いにあり、またトランプの再選の方が、米国にとっても、世界にとっても、どちらかと言えば望ましい――馬鹿げた対イラン政策などを理由に前回ほど積極的な支持ではないのですが――と私は考えています〉
トッド氏はなぜそう考えるのか。
勝利の可能性は「白人死亡率の上昇」から読み取れた
〈前回の大統領選を振り返ってみましょう。 ヒラリー・クリントンが「自由貿易」「移民受け入れ」「寛容さ」を米国の“理想”として単に繰り返すなかで、米国社会の“真実”を語ったのは、トランプの方でした。
勝利の可能性は「白人死亡率の上昇」から読み取れた
〈前回の大統領選を振り返ってみましょう。 ヒラリー・クリントンが「自由貿易」「移民受け入れ」「寛容さ」を米国の“理想”として単に繰り返すなかで、米国社会の“真実”を語ったのは、トランプの方でした。
その“真実”は、例えば、1999年から2013年にかけて上昇した「45~54歳の白人人口の死亡率」に現れていました。
中年人口の死亡率の上昇というのは、先進国では前代未聞の現象です。中国との競争に敗れ、産業空洞化が著しい州ほど、死亡率が上昇していたことが示すように、これは、「自由貿易」に大いに関係していました。
私は、かつて「乳幼児死亡率の上昇」から、「ソ連崩壊」を予言しましたが、「保護貿易への転換を訴えるトランプに勝利の可能性」を見たのは、この「白人死亡率の上昇」という指標からです。ところが、エスタブリッシュメント層は、こういう“現実”を見ようとしなかったのです〉
「エリート主義vsポピュリズム」という分断
〈ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市のメディアや大学のエリートは、トランプ支持者を「学歴がない」「教養がない」と馬鹿にし、ヒラリー本人も、「嘆かわしい人々(deplorable)」とまで言いました。
学歴社会とは、「出自」よりも「能力」を重視する社会です。しかし、本来、平等を促すための能力主義なのに、過度な能力至上主義によって、高学歴エリートが、学歴が低い人々を侮蔑するような事態に至ってしまったのです。
高学歴エリートは、「人類」という抽象概念を愛しますが、同じ社会で「自由貿易」で苦しんでいる「低学歴の人々」には共感しないのです。彼らは「左派(リベラル)」であるはずなのに、「自分より低学歴の大衆や労働者を嫌う左派」といった語義矛盾の存在になり果てています。「左派」が実質的に「体制順応主義(右派)」になっているのです〉
そして、「教育」が「格差拡大」につながっているとして、こう指摘する。
〈これは、「学歴」と「左派」が密接に結びつき、「高等教育」が「格差是認」につながっているという皮肉な事態です。その結果として、「エリート主義vsポピュリズム」という分断が生じています。米国に限らず、多くの先進国に共通する現象です〉 この他、「米国の原点としての黒人差別」「民主党の対黒人政策の欺瞞」「鍵を握るヒスパニック票」「米中対立」「もし私が米国人だったら……」を論じたエマニュエル・トッド氏「 それでも私はトランプ再選を望む 」の全文は、「文藝春秋」11月号および「文藝春秋digital」に掲載されている。
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年11月号
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年11月号
【私の論評】日本はもとより、世界にとってバイデンよりはトランプのほうがはるかにまし(゚д゚)!
エマニュエル・トッド氏といえば、人口統計などからソ連崩壊を正確に予言した、フランスの歴史人口学者です。この方は、私の記憶ではソ連には一度も行ったことはないはずです。人口統計などを元に丹念に調べて、ソ連の崩壊の時期を正確に予測したのです。
フランス人というと、『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティも、米国だけではなく先進国で“高学歴な人”ほど左派政党を支持するということを指摘しています。
現在ではコロナ禍により影を潜めているようにみえますが、フランスでの燃料税増税への反対デモ「黄色いベスト運動」のように、世界中で政治への不満が高まっています。その背景として、世界の政党の大きな変容があります。
かつて左派といえば、労働者の権利を守る集団でした。ところが現在の左派政党は労働者の味方であることをやめ、エリートのための政党に変容しつつあるようです。
江南左派の典型と見られる韓国全法務部長官チョ・ゴク氏 |
日本や韓国でもそのような傾向があります。資本主義の豊かな生活をしながら高級住宅街に住み、いわゆるエリートであるにも関わらず左翼思想を持ち、親北左翼に同調する人々のことを韓国では「江南左派(かんなむさは)」と呼びます。
人権擁護を主張しつつ、独裁者を庇護し、親日派を糾弾しながら日本企業からお金を貰ったりもします。彼らは偽善者で、二重生活者という見方もできます。
そこから、経済評論家の上念司氏が「江南」を「世田谷」に置き換えて日本の左派(主に主体思想派)を揶揄するために「世田谷自然左翼」という言葉を使い始めました。
本来であれば「世田谷左派」「世田谷左翼」となるはずですが「世田谷自然食品」という響きの良さを取り入れ「世田谷自然左翼」と呼ばれています。ただし、「世田谷自然食品」とは無関係です。
保坂展人世田谷区長は元社民党副幹事長という経歴の持ち主 |
トマス・ピケティ氏も先進国に共通する同じような事柄に注目しました。
ピケティが研究対象としたフランス、イギリス、アメリカの3国には、選挙の出口調査の膨大なデータベースがあります。国により多少の差異はありますが、投票者の投票先、性別、人種、宗教、最終学歴、所得、資産、といったさまざまな属性が分か。選挙ごとのサンプル数も数千~1万件くらいはあるので、信頼性はかなり高い。
ピケティは、1948年から2017年にわたるこの膨大なデータを使用して、投票者の投票先ごとに、彼ら(彼女ら)の属性が時代とともにどう変化したのかを分析した。すると驚くべきことに、3国のいずれでも、ほとんど同じ傾向が見られたのだ。
ピケティの「発見」を整理すると、以下のようになります。
1.資産の多い人は「右派」に投票し、少ない人は「左派」に投票する。この傾向は、1948年から2017年まで変わっていない。
2.所得の多い人は「右派」に投票し、少ない人は「左派」に投票する。この傾向も変わっていない。ただし所得と投票先の相関は近年、弱まっている(高所得者が「左派」に投票する割合が増えている)。
3.マイノリティ(非白人)はいつの時代も圧倒的に「左派」に投票する。
4.女性は1948年には圧倒的に「右派」に投票していた。だが、徐々に「左派」に投票する人が増え、現在では、「左派」に投票する人の半数以上が女性である。
5.1948年には高学歴者の大多数が「右派」に投票していたが、高学歴者の「左派」に投票する比率が徐々に増えている。現在では、高学歴者のなかの「左派」に投票する比率が、低学歴者のなかの「左派」に投票する比率を超えている。前述の1~3はほとんど変化していない属性であり、4と5は大きく変化した属性ですが、このなかで、ピケティはとくに5に注目しています。
もともと左派政党というのは労働者階級の政党で、その支持基盤は労働組合でした。労働者は総じて低学歴であり、一方、高等教育が大衆化する以前の高学歴者とは、富裕な資産階級の子弟が圧倒的だから、1948年にいずれの国でも高学歴者が富裕層を代弁する右派政党に投票する傾向が強いのは納得できます。
ところが、先進国では高等教育が徐々に大衆化します。いずれの国でも、大学進学率が大きく上昇しました。これは資本主義経済がより技能の高い労働者、すなわちエンジニアやホワイトカラーのような知識労働者を必要とするようになった結果です。
そして、このようにして高学歴になった人びとは、終戦直後の高学歴者とは異なり、必ずしも右派政党に投票する保守層ではなく、むしろ左派政党に投票する傾向があります。
ピケティによれば、これには2つの理由があります。一つは、高等教育がそもそもリベラルな価値観を涵養するということがあります。たとえば、ほとんどの世論調査で移民に寛容でマイノリティに同情的な人の比率は、高学歴層のほうが低学歴層よりはるかに高いです。
もう一つの理由は、高学歴労働者の所得水準は比較的高いですが、必ずしも資産を多くもつ富裕層ではないからです。彼らには、伝統的に資産階級を優遇する保守政党、つまり「右派」に投票するインセンティブがありません。
このようにして、高等教育の大衆化に伴い、左派政党の支持基盤が低学歴労働者から高学歴の知識労働者へと、大きくシフトしたのです。高学歴の「左派」支持者は、所得水準が比較的高いので、所得再分配にさほど関心をもちません。
彼らが関心をもつのは、リベラルな価値です。こうして現代の左派政党は知的エリートの政党に変質し、その結果として左派政党の関心も所得再分配から移民やマイノリティの問題、あるいはLGBT問題に代表されるアイデンティティ・ポリティックスにシフトした、というのがピケティの見立てです。
このような、リベラルの価値観を重視する米国のリベラル・左派のことを、先の上念氏は、「ビバリーヒルズ青春左翼」と呼んでいます。これは、無論米国の人気テレビ番組の「ビバリーヒルズ青春白書」をもじって揶揄したものです。
このドラマ、実際に放映されていたときは、自分が過ごした高校生活と比較して、あまりに贅沢で、ファッショナブルで眩しく、登場人物たちのものの考え方や、価値観が、自分とは違い、格好も良く感じられ、当時は羨ましくもあり、ある意味妬ましくもありました。そのため、このドラマの登場人物たちに感情移入ができませんでした。
今考えると、こうした妬ましさがもっと大きな度合いにまで、それも絶望的な閉塞感にまで高まっているのが米国の低学歴ブルーカラーの実情なのではないかと思います。
実際、この年代の人たちで、このドラマにでてくるようなライフスタイルをしていた裕福な人たちが、現在リベラル・左派の中心的な存在になっていると考えられ、言い得て妙な揶揄だと思います。
米国で1990年から2000年まで放送された「ビバリーヒルズ青春白書」 |
かつて、政治における右派と左派の対立は「もつ者ともたざる者の対立」、つまり資本家と労働者の階級対立であると考えられてきました。ところが、現代では左派政党の変質により、右も左もエリートの政党になったのです。そうして、現在ではかつての保守・革新という分類もほとんど用をなさなくなっています。
ピケティの言葉を借りれば、右は資産(物的資本)を所有する「商人エリート」、左は「知的エリート」です。後者は、ヒューマン・キャピタル(人的資本)の所有者と言い換えてもよいでしょう。ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンを思い浮かべれば分かりやすいでしょう。
つまり、右派の伝統的な支持基盤はそれほど変わっていないのですが、左派の支持基盤が大きく変わって、ブルーカラー労働者の味方がいなくなるというエア・ポケットが生まれたのです。
事実、どの国でも、低学歴層の投票率は時を追うごとに低下しています。そしてこの変化に気づいたのは、フランスでも米国でも、左派ではなく右派でした。マリーヌ・ル・ペンであり、ドナルド・トランプです。
さらに、バイデンや民主党が厳しく批判する割には、概してトランプの経済政策は非常にまともです。特に雇用についてはかなり改善しました。これについては、このブログにも過去に掲載したようにFRBも認めています。そうして、経済政策ではトランプ大統領は、雇用にかなり注力しています。それは、低所得者を意識しているからでしょう。
しかし、バイデンは様々な政策を提言をしているのですが、その財源には増税すると発言します。この政策には、低学歴層はとてもついていけません。
それに、そもそも米国民主党が「反日・媚中」であるのは歴史的伝統であることも忘れるべきではありません。
最も象徴的だったのが、民主党のクリントン大統領が1998年、日本に立ち寄ることなく9日間にわたって中国に滞在したため、「ジャパン・パッシング」と非難された「事件」です。この当時は、日本は世界第2の経済大国でしたし、その頃には天安門事件後様々中国のルール違反や人権無視の状況は散見された時ですが、まさにクリントンの行動は、無礼千万と言わざるを得ません。しかし、邪悪と知りながら、金儲けの誘惑に負けた、民主党はその後中国に傾斜し、オバマでその頂点を迎えることになったのです。
さらに、第二次世界大戦中に日系人を強制収容所に送ったのは民主党のルーズベルト大統領でした。米国では、他の敵国であるドイツ系人やイタリア系は、強制収容所に送られませんでしたから、これは明らかに日本人に対する人種差別です。戦後、88年にレーガン大統領、92年にブッシュ(父)大統領がこれに対して謝罪と賠償を行こないましたが、どちらも共和党です。
そうして、日本人が決して忘れるべきではないのは、民主党のトルーマン大統領が日本に原爆を投下させたことです。ほとんど日本の敗北が濃厚だったときに、長崎と広島に違ったタイプの爆弾を落としたのは、効果を測定する「人体実験」と言われても仕方がないです。
米民主党は、元々は日本の「特定野党」のような政党がが大同団結して巨大化したような組織です。「アベノセイダーズ」ならぬ「トランプノセイダーズ」として声を張り上げたり、「俺にもよこせ」と主張はできても、国家全体の豊かさを増やすことはできません。それは、オバマやバイデンの経済政策をみてもわかります。国富を増やすのは共和党の役割です。
米キニピアック大学が2014年に発表した世論調査で、トルーマン氏以後の米大統領の中でオバマ氏への評価が最低だとの結果が出た後、米国の良識ある国民はトランプ氏を選択したのです。
日本にとっても「反日・媚中」の民主党は鬼門といっても良いくらいの存在です。
ヒラリーの悪夢、再び…? 米国「女性大統領候補」を待ち受ける「イバラの道」―【私の論評】バイデンが大統領になり職務を遂行できなくなくなった場合、ハリスが大統領になる!その時米国はどうなるのか(゚д゚)!
さらに、トランプ大統領の一見乱暴に見える言葉遣いや態度は、意図的にブルーカラー労働者に訴えかけるものです。自分は、エリート層の養護者ではないことをその最たるものが、「国境に壁を作る」というネイティビズム(排外主義)です。
なぜなら、移民労働力との競争に真っ先にさらされるのは低所得の労働者であって、知的エリートではないからです。知的エリートはこの壁に激しい拒絶をしていましたが、壁のあるなしは彼らにはほとんど関係がないからです。
ブルーカラー労働者のエア・ポケットは、本来政府が埋めなければなりません。ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市のメディアや大学のエリートは、トランプ支持者を「学歴がない」「教養がない」と馬鹿にし、ヒラリー本人も、「嘆かわしい人々(deplorable)とまで呼んだわけですから、とんでもないです。
なぜなら、移民労働力との競争に真っ先にさらされるのは低所得の労働者であって、知的エリートではないからです。知的エリートはこの壁に激しい拒絶をしていましたが、壁のあるなしは彼らにはほとんど関係がないからです。
企業などの組織であれば、「嘆かわしい人々」は、企業の外に出せば、それは企業にとっては、外部経済となるのでそれでも良いかもしれませんが、国単位ではそういうわけにはいきません。国には外部経済という概念はありません。ヒラリーのいう「嘆かわしい人々」が貧困層となりそれが増えれば、国全体としても問題になります。
そうして、企業にとっても外部経済に貧困者が増えれば、顧客減少につながることになります。
こうしした問題には、従来の民主党政権も共和党でさえも応えようともしなかったのです。それに応えようとしたのが、トランプなのです。
この問題に関しては、もしトランプ氏が再選されたら、雇用を良くするだけではなく、本格的に取り組んでいただきたいものです。
さらに、米国の人口の少なくとも半分は存在している保守層が、米国内のありとあらゆるところで、幅を利かせているリベラル・左派の主張や考え方に、自分たちの考えがかき消されることに、焦燥感や閉塞感を抱いていたところに、トランプが登場したわけです。これらの人々の多くもトランプ支持に回ったので、トランプ大統領が誕生したのでしょう。そうして、これらの人々の多くは、隠れトランプ支持派にまわったとみられます。
無論、米国は大きな国で、様々な要素がからみあっていますから、そう簡単には分析はできないとは思いますが、それにしても少なくとも以上で述べたようなことがなければ、トランプ氏が大統領になることなど考えられませんでした。
トマス・ピケティ氏自身は、トランプ支持の立場を表明したことはないようですが、彼風の見方をしても、どうやらバイデン氏よりは、トランプ氏が大統領になったほうが良いようです。
そうして、日本にとってはどうなのかということですが、これも無論バイデンよりはトランプのほうが良いです。
なぜなら、トランプ氏が登場して、米国が中国に対峙するようになってから、米国の日本に対する過剰な要求や、理不尽な要望が影を潜めるようになってきたからです。
トランプ氏も大統領になりたてのころは、日本に対して厳しい要求をするように見えましたが、結局それらは影を潜めました。それはやはり、中国の国際法やWTOを完璧に無視したようなやり方と、日本を比較すれば、日本は国際法をはじめルールを守っていることが、明白になったからでしょう。
これが、トランプ氏の日本に対する認識を変え、日本に過大な要求をするのは間違いであり、中国こそ過大な要求をするどころか、制裁するべき対象であると考えるようになったのでしょう。そうして、日本との同盟関係を一層強めることこそ、米国にとって利益であると考えるようになったのです。
無論、これに関しては安倍元総理が築いたトランプ氏との太いパイブが役にたっていたのは言うまでもありません。菅政権は、安倍元総理のレガシーでもある米国との太いパイブを維持し、日米の同盟関係をさらに強化していくべきです。
それに、そもそも米国民主党が「反日・媚中」であるのは歴史的伝統であることも忘れるべきではありません。
最も象徴的だったのが、民主党のクリントン大統領が1998年、日本に立ち寄ることなく9日間にわたって中国に滞在したため、「ジャパン・パッシング」と非難された「事件」です。この当時は、日本は世界第2の経済大国でしたし、その頃には天安門事件後様々中国のルール違反や人権無視の状況は散見された時ですが、まさにクリントンの行動は、無礼千万と言わざるを得ません。しかし、邪悪と知りながら、金儲けの誘惑に負けた、民主党はその後中国に傾斜し、オバマでその頂点を迎えることになったのです。
さらに、第二次世界大戦中に日系人を強制収容所に送ったのは民主党のルーズベルト大統領でした。米国では、他の敵国であるドイツ系人やイタリア系は、強制収容所に送られませんでしたから、これは明らかに日本人に対する人種差別です。戦後、88年にレーガン大統領、92年にブッシュ(父)大統領がこれに対して謝罪と賠償を行こないましたが、どちらも共和党です。
そうして、日本人が決して忘れるべきではないのは、民主党のトルーマン大統領が日本に原爆を投下させたことです。ほとんど日本の敗北が濃厚だったときに、長崎と広島に違ったタイプの爆弾を落としたのは、効果を測定する「人体実験」と言われても仕方がないです。
米民主党は、元々は日本の「特定野党」のような政党がが大同団結して巨大化したような組織です。「アベノセイダーズ」ならぬ「トランプノセイダーズ」として声を張り上げたり、「俺にもよこせ」と主張はできても、国家全体の豊かさを増やすことはできません。それは、オバマやバイデンの経済政策をみてもわかります。国富を増やすのは共和党の役割です。
米キニピアック大学が2014年に発表した世論調査で、トルーマン氏以後の米大統領の中でオバマ氏への評価が最低だとの結果が出た後、米国の良識ある国民はトランプ氏を選択したのです。
日本にとっても「反日・媚中」の民主党は鬼門といっても良いくらいの存在です。
日本はもとより、世界にとってバイデンよりはトランプのほうがはるかにましということはいえそうです。
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