【日本の解き方】日中韓首脳会談「元徴用工問題で措置を講じない限り出席しない」菅政権でも緩めない対韓路線 韓国・文政権は“日本叩き”で人気取り…約束守らぬ国と交渉できない
「元徴用工」どうなる日本企業の資産現金化
菅総理 |
政府は韓国で開かれる次回の日中韓首脳会談に関し、いわゆる元徴用工問題で受け入れ可能な措置を講じない限り、菅義偉首相は出席しないとの立場を韓国に伝えたという。元徴用工訴訟問題や半導体素材の対韓輸出管理強化などについて、菅政権は今後、どのようなスタンスで臨むのか。
菅首相は、官房長官時代に数々の韓国案件を手掛けていた。その一例は、慰安婦問題に関する2015年12月の日韓合意だった。これは朴槿恵(パク・クネ)政権の時だったが、文在寅(ムン・ジェイン)政権も、韓国政府の継続性の面から合意を維持しないとおかしい。しかし、18年1月、韓国は国内事情から日韓合意を反故(ほご)にした。
さらに18年10月には、韓国の最高裁にあたる大法院が新日本製鉄(現日本製鉄)に対し損害賠償を命じた。
これについて文政権は、賠償の肩代わりなどの法的措置をとらずに大法院の損害賠償命令を放置し、1965年の日韓請求権協定を反故にする暴挙に出てきた。
2019年1月、日本は日韓請求権協定に基づく韓国との協議を求めたが、韓国はこれに応じなかった。そのため、日本は5月、韓国に対し同協定に基づく仲裁付託を通告し仲裁手続きを進めた。しかし、韓国はこれにも全く応じないで、結果として同協定を無視した状態が継続している。
これは、明確な国際法違反であり、日韓関係の基本原則をゆがめるもので、ここまでくると、とても韓国とはまともな話し合いはできない。
日韓関係は、戦後最悪といわれるが、前政権が結んだいくつもの日韓合意を簡単に反故にする文政権と話し合いをする余地はない。仮に合意に達したとしても、後継の政権で反故にされる可能性が高いので、日本としても文政権と交渉する関係を持つことはないだろう。
以上見てきたように、17年5月に文政権になってから、日韓関係は悪化の一途であるが、それは文政権の仕掛けたことが原因だ。例えば、18年12月、韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP-1哨戒機に対して火器管制レーダーを照射する事件もあった。
こうした一連の文政権による不誠実な対応を菅首相は、官房長官として対処してきた。当然であるが、毅然(きぜん)とした対応だったので、首相になってからもそれがぶれるとは考えにくい。
一方、文政権も支持率が低迷しており、打開策は日本叩きか、北朝鮮と関係改善の二択だとの見方もある。
ただ、北朝鮮としてはトランプ米大統領と直接のパイプができたので、韓国の仲介は「余計なお世話」であり、韓国主導で関係を改善できる環境にはない。ということは、日本叩きをするしか方法がないので、文大統領が菅首相と対話しようとする状況にもない。
このような事情は菅首相も当然把握しているので、元徴用工や輸出管理の問題で手を緩めることはないと思われる。当分の間、日韓関係は改善の兆しは見えず、冷え込んだままだろう。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】菅総理の韓国に対する、激怒の限界を超えさせたのは文在寅(゚д゚)!
上の高橋洋一氏の記事を裏付けるようなことがすでに起こっています。菅総理大臣は10月13日、自民党の役員会で、18日から4日間の日程でベトナムとインドネシアを訪問することを明らかにしました。菅総理が外国を訪問するのは就任後はじめてとなります。 そうして、韓国は素通りです。
菅総理は電話では韓国をはじめとして様々な国々と会談しています。この電話会談の順番が興味深いところがあります。 たとえば米国の前にオーストラリアとしていました。 韓国の後に中国とするという具合でした。
中国の王毅氏は、菅政権ができてすぐに日本に来たかったようですが、来づらい理由もあったたようです。それは、インド太平洋戦略にもとづいた日米豪印の外相会談を日本で開催されたということです。
これは安倍前首相が提唱したもので、日本に敬意を表して日本で実施ことになったのだと考えられます。日本に様々な国の外相が来たので、王毅氏としては、来日しずらくなったようです。
四カ国外相会議の直後に来れば、中国は何を言われるかわかりませんので。そこで距離を置いている間に尖閣に侵入したのです。そういう意味では中国は理解しやすい国です。菅総理のやり方は興味深いです。韓国が元徴用工問題で受け入れ可能な措置をしない限り、日中韓首脳会談には行かないようです。
今年(2020年)は韓国が議長国で12月にも日中韓首脳会議にはするということでしたが、菅総理は、徴用工の件で、資産の差し押さえと売却をやめるということでもなければ、行かないでしょう。 そもそも、菅総理は韓国が日本企業の資産現金化を行う場合には報復を行うと再三言及していることも紹介しています。
海自の航空機に対してのレーダー照射等の一連の問題が発生したときも、菅氏は官房長官をやっていましたから、当然のことながら細部にいたるまで時系列で覚えているでしょう。この件については、未だに韓国側から謝罪はありません。
安倍政権は「嫌韓」一色だったと国内外では見られがちでが、必ずしもそうとはいえないです。
たとえば、2015年末に締結された慰安婦合意のときがそうでした。
たとえば、2015年末に締結された慰安婦合意のときがそうでした。
2014年慰安婦合意の時の安倍総理(当時) |
韓国サイドから“極右政治家”と見なされていた安倍首相は、ソウルにまで乗り込み朴槿恵大統領(当時)と日韓首脳会談を行い、慰安婦合意への下交渉を行ったのです。
日韓首脳会談の成果が結実する形で、2015年12月28日・日韓外相会談で日韓合意が発表される。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したのです。
岸田文雄外相(当時) は「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり日本政府は責任を痛感している」と謝罪の気持ちを表明していました。
慰安婦合意は、韓国のテレビキャスターが速報を見て絶句してしまうほどの衝撃のニュースでした。ある意味で反日に慣れきっていた韓国側も、驚愕するほどの外交成果だったといえます。
もし安倍氏が巷で言われている“極右政治家”であれば慰安婦合意を成し得ようとは思わなかったはずですし、岸田氏のコメントを「良し」とはしなかったはずです。
こうして見てみると、安倍政権は決して嫌韓一辺倒ではなかったということが理解できます。私自身は、安倍晋三氏は現実主義的な人だと思います。
このとき、官房長官だった当時の菅総理は慰安婦の基金に関する折衝を担当していました。菅官房長官(当時)は李丙ギ(イ・ビョンギ)大統領秘書室長(朴槿恵政権時)とともに調整にあたっていましたが、文政権になってこの合意が一方的に覆されたばかりか、李丙ギ氏が文政権下で逮捕されてしまいました。
イ・ビョンギ氏 |
菅首相は『文藝春秋』の最近のインタビューで「日韓両政府は2015年末、慰安婦問題の『最終的かつ不可逆な解決』で合意した。韓国側が合意を覆す可能性もゼロではなかった。もっとも、これほど早く関係がおかしくなるとは思わなかった」と述べました。慰安婦合意が紙切れになった後、菅氏の韓国を見る目が大きく変わったことは間違いないでしょう。
この一連の出来事で受けた失望感、文政権への不信が菅総理の対韓姿勢に強く反映されているのは当然のことです。そうしてこれらを文政権がすべて反故にしたということに菅総理は心底憤慨していると思います。韓国は、過去の経緯を踏まえて対応しなければ、菅総理もまともに対応できないのは当然のことです。
文在寅 |
この時に安倍晋三氏とともに、味わった苦い思い出を菅総理は一生忘れないでしょう。総理は、韓国が何らかの形で折れて、向こうのほうからまともな条件を出せば対応はするでしょうが、そうでなければ、表面的には無視し続け韓国との接触は避け、裏では韓国が何かをすれば、すかさず何らかの対抗措置をとることになるでしょう。そうするように仕向けたのは韓国であり、文在寅です。
こうした菅氏を怖いと感じる、日本の官僚、野党、マスコミ関係者もいるでしょうが、そう感じるのにはそれなりの理由があると思います。どれだけ、彼らが韓国のように安倍総理や安倍政権をコケにしてきたか、菅総理はそれを逐一細部まで知っているのです。だから怖いのです。
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