2020年10月26日月曜日

トランプ氏“大逆転当選”なら「内戦」勃発!? 大統領就任阻止へ極左組織が実力行使も…銃撃戦伴う「南北戦争」起きたら日本も無傷でいられず―【私の論評】米国では誰が大統領になっても、大規模な内乱が起こる可能性がある(゚д゚)!

トランプ氏“大逆転当選”なら「内戦」勃発!? 大統領就任阻止へ極左組織が実力行使も…銃撃戦伴う「南北戦争」起きたら日本も無傷でいられず

トランプ氏(写真)とバイデン氏は選挙戦最後の直接対決で舌戦を展開した=22日


 終盤を迎えた米大統領選では、共和党のドナルド・トランプ大統領(74)が、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)の次男の疑惑で攻勢を強めている。国際投資アナリストの大原浩氏は緊急寄稿で、劣勢が伝えられるトランプ氏が逆転勝利した場合、日米の「韓国無用戦略」が加速する一方、米国内で暴力的左派が「内戦」を引き起こす懸念があると指摘する。


 11月3日の米大統領選が近付くにつれ、両候補の舌戦は激しさを増し、お高くとまっていた自称知識人のいわゆる「リベラル」たちも、感情をあらわにした下品な発言を抑えきれないようだ。

 そして、最近浮上してきたのが、バイデン氏の次男、ハンター氏の外国企業に関わる金銭疑惑である。これまでバイデン氏は「息子とはそのようなビジネスの話をしたことはない」と否定し続けていたのだが、関与を証明するとされるメールが「再発見」された。

 実は昨年、当該パソコンの修理を行った店主が、修理後も持ち主が取りに来ず不審な内容であるため米連邦捜査局(FBI)に通報し、押収されたパソコンに入っていたという。それまでまともな調査をしなかったのは、ミスでも故意でもFBIの信頼性を揺るがすものだが、後者であれば事態はかなり深刻だ。

 前回2016年の大統領選で民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏が敗北した大きな原因の一つが、私的メールサーバー使用の問題だったが、今回も民主党はバイデン氏の「メール問題」で墓穴を掘りそうだ。

 そもそも、偏向したメディアの世論調査でいくらバイデン氏有利という結果が出ても、本音は「トランプ氏支持」という米国民もいる。

 筆者はメール問題をきっかけにトランプ氏が再選する可能性は高くなっているとみるが、仮に敗北した場合、最高裁判事の構成で保守系が多いことから、法廷闘争に持ち込むだろう。

 しかし、バイデン氏敗北の場合、トランプ氏の大統領就任阻止のための暴力的実力行使が行われる恐れもある。ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動という大義名分を使って、アンティーファなどの極左組織が、商店からの略奪や放火を行ったことは記憶に新しい。選挙終盤での偏向メディアや左翼系学者のヒステリックな言動を見ていると、バイデン氏が敗北したら、どのような暴力行為が起こるかわからない。比喩ではなく、銃撃戦を伴った「南北戦争」が起こる可能性は決して低くはないと思う。

 そうなれば、日本も無傷ではいられないが、幸いにして7年8カ月続いた安倍晋三政権が、見事に菅義偉首相にバトンタッチされた。

 ■学術会議は“おとり”

 日本学術会議問題は、野党や偏向メディアが大騒ぎしたおかげで、その「闇」が世間に暴かれた。政府が正攻法で問題提起しても、偏向メディアは「報道しない自由」を駆使して無視したであろうから、国民に知られなかったはずだ。相手の力を利用したのも、官房長官時代に偏向メディアと特定野党の扱いに手慣れている菅首相だからであろう。

 留学生ビザ審査の強化、安全保障上重要な土地の取得への監視強化、防衛省における「電子戦専門部隊」の設置、先端技術規制の新たな枠組みの米国などへの提案、経済安全保障を推進する法案の提出準備などがスピード感を持って進められている。学術会議問題は日本の安全保障を妨害する勢力の目をそらすおとりだといえよう。

 菅首相は、いまや民主主義国家共通の敵といえる存在になった中国を牽制(けんせい)したほか、厄介な隣人である韓国に対しても、「いわゆる元徴用工問題」を韓国自身が解決しなければ訪問しないと言い渡している。

 こうした重要な時期に、トランプ氏の新型コロナウイルス感染問題があったとはいえ、ポンぺオ米国務長官が日本だけを訪問し、韓国訪問を中止した。

 これは、日米をはじめ、巨大な敵に立ち向かうため一丸とならなければならない民主主義陣営全体にとって、身勝手な主張を繰り返す国は「無用」であるということの証明ではないだろうか。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】米国では誰が大統領になっても、大規模な内乱が起こる可能性がある(゚д゚)!

米国は、すでに内乱状態にあるといつても良いかもしれません。白人警官による黒人暴行死事件が起きたミネソタ州ミネアポリス市で5月26日に始まった抗議デモは、全米50州に広がりました。

「息ができない」黒人男性が警察官に膝で首を押さえつけられ死亡

運動が盛り上がるにつれて、「今度こそ人種差別問題が解決に向かう」との期待が高まっていましたが、これは結局11年前にオバマ大統領が誕生した当時の米国の熱狂状態と同じ結末をたどるのではないかと思います。

オバマ大統領が8年間にわたり「国を変革し、国民を一つにしよう」と懸命の努力した結果、その意図とは裏腹に米国は分断されました。黒人大統領時代に白人層の間で溜まっていたマグマがトランプ大統領を誕生させたのは周知の事実です。

メディアの報道を見ていると、「人種差別撤廃」の旗の下で米国民が団結し、失言を繰り返すトランプ大統領が孤立無援となっている印象を持ってしまいますが、実態は違います。米世論調査会社ラスムッセンが6月に実施した調査によれば、「あなたの地域の警察の仕事ぶりはどうか」との質問に対し、67%が「良好又は優れている」と回答しています。

「あなたの地域の警察は人種差別的か」という質問に対しては、65%が「そうは考えていない」と答えています。「暴徒に対する警察の対応」については、「不十分」が28%、「適切」が30%でした。こうした隠れた民意を意識して、トランプ大統領は「法と秩序」を強調したとみられます。

トランプ大統領が「抗議デモを煽っている真犯人」と名指ししたことで日本でも有名になった「アンティファ」については、49%が「テロリスト」と捉えています。アンティファとは、左派の過激な活動家らの運動のことであり、人種差別、極右の価値観などに猛然と抗議の意思を示し、自己防衛としての暴力的戦術は場合によって正当化されると主張しています。グループ同士の結束は緩やかで、明確なリーダーは存在されていないといわれています。

 
                    極左集団「アンティファ」の旗を身にまとう抗議デモ参加者
                    =米東部マサチューセッツ州ボストンで2020年5月31日

アンティファの歴史は長く、1930年代に旧ソ連がドイツに共産党政権を実現するための作戦の一環として誕生したとの説があります。黒いマスクや服装を着用しているのが特徴であり、米国ではトランプ大統領の就任を契機に台頭し、2017年1月20日の大統領就任式にはワシントンで窓を壊したり車を燃やしたりしました。トランプ大統領にとってアンティファは、自らの晴れの舞台にケチをつけた因縁の仇敵です。

このように人種差別撤廃というスローガンに酔いしれる抗議デモの陰には、その動きを苦々しく思っている米国人が少なからず存在します。

抗議デモ参加者を民主党支持、これに批判的な人たちを共和党支持と仮定すると、両者は新型コロナウイルス対策でも意見が対立しています。

5月21日付ロイターによれば、民主党支持者の多い地区(人口密度が高い都市など)では新型コロナウイルスの死亡率が、共和党支持者の多い地区(農村部や郊外)の3倍に達していました。このこともあってか、共和党支持者のほうが封鎖措置の解除を強く望んでおり、大統領選挙運動が本格化する過程で新たな対立の火種にもなっていました。

ウォールストリートジャーナルとNBCが5月下旬から6月上旬にかけて1000人を対象に調査を行ったところ、80%の人々が「米国はコントロール不能の状態にある」と回答しました。このような情勢を見ていると、2018年に実施された世論調査結果が現実味を帯びてきていると思わざるを得ないです。

ラスムッセンが18年6月に有権者登録済みの1000人を対象に実施したアンケート調査によれば、3人に1人が「今後5年以内に南北戦争のような内戦が起きそうだ」と回答し、10人に1人は「その可能性が極めて高い」と考えていました。戦争の原因については6割が「不法移民の親子を強引に引き離そうとするトランプ大統領に対して、反トランプ派が過激な暴力に訴えるのが心配だ」とする一方、「メディアのトランプ大統領の扱いを不満に思う人々がいずれ暴力に訴える」との声も5割を超えていました。

しかし国が二分されてしまうことへの不安の高まりは、18年が最初ではありませんでした。オバマ前大統領が成立させたオバマケア(医療保険制度改革)をめぐって国民の間で対立が極度に先鋭化した2010年も同様の状態だったとされています。

19世紀半ばに起きた南北戦争は、奴隷制度をめぐる対立が原因でしたが、現在の米国は道徳的、思想的、政治的というあらゆるレベルで深刻な分断が起きているようです。対立の構図も当時のように州単位ではなくモザイク状になっていることから、今後生じるかもしれない事態は正規軍同士の戦争ではなく、市民レベルの紛争が内乱状態に発展するというかたちになるのかもしれないです。

意外なことに、このような事態を予言した小説が10年以上前の日本で出版されています。『アメリカ第二次南北戦争』(佐藤賢一著)と題する小説が04年から05年にかけて雑誌「小説宝石」(光文社)に連載され、06年に単行本として出版されたのですが、作中の時間は13年1月でした。


米国初の女性大統領が暗殺されたことで大統領の座についた黒人の副大統領が、銃規制に乗り出したことを契機に反政府運動が生じ、それが内乱に発展するというストーリーですが、米国の内乱のおかげでその他の世界各国は戦争特需の恩恵に浴しているということになっています。

「事実は小説より奇なり」ではないが、コロナ禍の世界では何が起きてもおかしくないのではないでしょうか。

私は、上で大原氏が指摘しているように、トランプ氏が逆転勝利して大統領に再戦された場合、アンティファなどが動き出してとてつもない内乱のような状態になる可能性は高いでしょう。

一方バイデン氏が大統領になった場合もそのようなことが起こる場合もあり得ると思います。特にトランプ氏が法廷闘争に持ち込んだ場合、これを阻止しようという勢力がまた、大規模なデモから内乱に発展する可能性も十分にあります。

いずれになっても、米国は内乱状態をすみやかに沈静化させるべきです。多くの米国民にとって本当の敵は、全体主義で世界を脅かす中国なのです。仲間内で争っている場合ではないのです。

2009年には、ロシアの学者が米国は分裂するという説を出しています。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その当時には全くありえないと思っていましたが、以上で述べたてきたことを考えると、あながちありえないことでもないと思えてきます。

ただ、私はこれは、ロシアの願望でもあると思います。米国が分裂すれば、現在よりは弱体化し中国やロシアにとっては動きやすいです。無論、中露は米国が分裂の兆しをみせれば、これを助長するような様々な行動をするかもしれません。それが本格的になれば、大変なことになります。

米国はこの動きも牽制しつつ、中国と対峙していく必要があります。

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