2021年8月19日木曜日

【日本の解き方】ワクチン接種回数が1億回突破した日本 スピードは先進国トップレベル、40~50代も焦らず接種優先で―【私の論評】コロナ言説に惑わされて、煽られることないよう普段から出所が明らかにされている資料にあたる習慣をつけよう(゚д゚)!

【日本の解き方】ワクチン接種回数が1億回突破した日本 スピードは先進国トップレベル、40~50代も焦らず接種優先で


 新型コロナワクチン接種が進んだ65歳以上の重症化や死亡は抑えられている。一方で20~30代の感染や40~50代の重症が多いというが、接種のスピードや進捗(しんちょく)は各国と比べてどうなっているのか。

 ワクチン接種状況は、累積で100人当たり何回打ったかという数字をみるといい。日本は4月中旬時点で2回だったが、5月中旬で6回、6月中旬で25回、7月中旬で55回、8月中旬で85回程度まで増えてきた。

 たしかに日本は接種開始で出遅れたが、現在の1日の接種スピードは先進国のトップレベルになっている。累積での接種回数も1億回を越えた。官邸ホームページで6月中旬以降の接種回数が出ているが、1日平均の接種回数は単純計算で200万回を超えている。

 かつて、テレビなどで「1日100万回」という政府の目標について、積算根拠がなく、計画から逆算した「いい加減な数字」と発言した人もいたが、現状をどう説明するのだろうか。

 筆者は当時、ワクチン接種予算で1400億円程度計上されたが、その積算根拠は1万個のワクチン貯蔵用冷凍庫だといい、1箇所当たり1時間で30人は可能なので、輸入量さえ確保できれば1日100万人は達成できる数字と反論していた。

 日本としばしば比較される英国の同じ時期でみると、100人当たりの累積接種回数は4月に60回、5月に85回、6月に105回、7月に120回、8月に130回程度だ。

 英国で直近の新型コロナ感染の波が来たのは4月中旬である。そのときの接種率は60回程度だった。その波では、100万人当たりの死者数は20人程度だったのが、現状は2人程度以下と一桁も低くなっている。ここから考えると、60回程度を超えると、死者数を減らすなど一定の抑制効果があるのだろう。

 日本の現状の感染の波がスタートしたのは6月下旬だ。その時点のワクチン接種は100人当たり40回程度で、英国と同じ60回程度になったのは7月中旬だ。この差がどうなるのか。筆者の直感としては、日本は高齢者接種を重点的に実施したので死亡率はそれほど高くならないが、感染率は高くなりそうだ。

 いずれにしても、ワクチン接種を進めたほうがいい。

 先進7カ国(G7)の動きをみると、カナダ、イタリア、フランス、ドイツは順調に進んでいる。先ほどの数字をいえば、4月に25回程度、5月に45回程度、6月に70~75回程度、7月に95~115回程度、8月に115~135回程度だ。

 米国は進捗スピードが遅くなり、4月に60回、5月に80回、6月に95回、7月に100回、8月に105回程度と伸び悩んでいる。日本はあと1カ月少しすると米国に追いつき、追い越しそうだ。

 筆者としては、今の日本のペースで全体としては問題ないと考えている。40~50代の人の出遅れ感はあるが、焦ることはない。個人としての心構えとして、仕事優先ではなく、ワクチン優先でスケジュールを考えたほうがいい。その方が結果として、個人の仕事も健康もうまくいくだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】コロナ言説に惑わされて、煽られることないよう普段から出所が明らかにされている資料にあたる習慣をつけよう(゚д゚)!

東京では、感染者数がかなり増えたとマスコミは大騒ぎですが、では死者はどうなのだろうと、調べてみたところ、以下の通りでした。


これは、おそらくワクチン効果で死者は半年前の20分の1なったのだとみられます。その事を指摘せず陽性者“数”絶対主義でマスコミは未だに恐怖を煽り続けています。人災はいつまで続くのでしょうか。

大阪府が3月以降の新規感染者計約8万4千人のうち、ワクチンを接種した人は全体の2.5%の2118人だったとの分析結果を公表しました。2回目のワクチン接種後、2週間以上が経過して発症した人は317人で0.4%で、重症者や死亡者はいませんでした。


ワクチンを2回接種して14日間経過した方の感染者数は僅か317人。重症者数・死者共に0人。ワクチン接種が進めば医療提供サービスが崩壊することはないといえるでしょう。稀なブレーク・スルー感染に焦点を当てるより、こうした明らかなワクチン効果、マスコミは、明確なエビデンスを積極的に報道すべきです。

新型コロナウイルスに感染した札幌市内の人工透析患者について、4~6月は5割強が命を落としたのですが、5月末からワクチンを優先接種した結果、今月16日までの2カ月間で死者はゼロとなりましたた。市保健所のまとめで分かりました。

市保健所によると、石狩管内の透析患者数は約6600人。4~6月に市内の医療機関18カ所に入院、通院していた透析患者の感染者は計118人。このうち53・4%に当たる63人が死亡しました。

年代別の感染者数に対する死者数は90代以上が6人中5人、80代が28人中21人、70代が30人中17人、60代は24人中13人、40~50代は30人中7人。60代以上の死者が56人と9割近くを占めました。

新型コロナウイルスの変異株「デルタ型」は、従来型のウイルス株より高い確率でワクチンの防御を突破しているとみられますが、ワクチン接種完了者の感染は全体のごく一部にとどまり、症状も軽い傾向にあります。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析で明らかになっています。

日本はワクチンの進展状況(一日平均130万接種)から推測すると、一月後には米国と並ぶ人口比接種率に到達し、さらに一月経過すると速度を弱めながら欧州諸国(独、英など)と並ぶ。そこから各国同様に拡大に苦しむはず。マスコミや考えの浅い人たちの言う「遅れ」ではなく、拡大しきれないが真の論点です。

ワクチンを打った人の割合 クリックすると拡大します

分科会が人流5割削減を求めました。しかしこれは、経済悪化による自殺者を増やすことになりかねません。感染が増えてもワクチン効果で死者は増えていません。病床を増やすことこそ重要です。厚労大臣は3月に病床を2倍にするよう述べたのですが、実際には1.2倍程度。分科会は本来の役割を果たしていません。人流削減の提言は、事態をさらに悪くするだけです。

上に、様々なエビデンスを掲載しましたが、これらはネット、特にツイッターなどのSNSには頻繁に掲載されているものです。SNSでは、コロナに関するデマも多いですが、このように出所が明らかにされているデータは、出所のデータをそのまま引用しており、信用できるものが多いです。

テレビの報道や、一部野党の言説に惑わされて、煽られることなく、疑問を感じた場合はSNSなどの出所が明らかにされている資料にあたり、できれば出所そのものにもあたってみるべきです。

また、冒頭の高橋洋一氏の記事のように、明確なエビデンスをもって論じるような人の記事なども参照すべきでしょう。エビデンスなしに語る人の言説は信用すべきではありません。

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