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自民党内で、新たな経済対策を求める声が強まっている。新型コロナウイルスの感染拡大で菅内閣の支持率は低迷しており、大規模な財政出動を掲げて局面打開を図る狙いからだ。秋までに迫った次期衆院選をにらみ、党は近く議論を開始し、政府への提言をまとめる方針だ。
「コロナを克服するための追加経済対策にしっかり取り組んでいく」
10日朝、東京都板橋区の街頭に立った自民党の下村政調会長は、コロナ禍で打撃を受けた経済を下支えするための追加経済対策を取りまとめ、政府に働きかける考えを強調した。
政府は2020年度、コロナ対応のため3度にわたって補正予算を編成した。国民1人当たり10万円の一律給付や、観光支援策「Go To トラベル」を盛り込み、補正だけで歳出総額は70兆円を超えた。
21年度に入ってからは、追加対策が打ち出されておらず、党内からは「もう1、2回、大きなショットを出して国民の生活を支えていく対策が必要だ」(安倍前首相)との声が上がる。
背景には、衆院選までに政権浮揚の好材料が乏しいという事情がある。東京五輪でのメダルラッシュは内閣支持率の上昇につながらず、読売新聞社が7~9日に実施した全国世論調査では過去最低の35%に落ち込んだ。党幹部は「ワクチン接種拡大の一本足打法では限界がある」と吐露する。
二階幹事長は、補正予算案について「選挙前に骨格ぐらいは組んで国民に問いかけるのは、与党・自民党の責任だ」とし、衆院選前に大枠を提示すべきだとの考えだ。「30兆円に近い」規模が必要とも語る。
具体的には、生活困窮世帯への支援策が焦点となりそうだ。下村氏は個人的な考えとし、住民税非課税世帯などへの1人当たり10万円給付を提唱する。
首相も「常に経済対策は頭の中に入れている」とし、衆院選前の補正予算案の編成指示を視野に入れる。ただ、「先に数字を出せば、野党はさらにそれ以上の金額を言ってくる」(自民中堅)との懸念から、打ち出すタイミングは慎重に見極める考えだ。
「コロナを克服するための追加経済対策にしっかり取り組んでいく」
10日朝、東京都板橋区の街頭に立った自民党の下村政調会長は、コロナ禍で打撃を受けた経済を下支えするための追加経済対策を取りまとめ、政府に働きかける考えを強調した。
政府は2020年度、コロナ対応のため3度にわたって補正予算を編成した。国民1人当たり10万円の一律給付や、観光支援策「Go To トラベル」を盛り込み、補正だけで歳出総額は70兆円を超えた。
21年度に入ってからは、追加対策が打ち出されておらず、党内からは「もう1、2回、大きなショットを出して国民の生活を支えていく対策が必要だ」(安倍前首相)との声が上がる。
背景には、衆院選までに政権浮揚の好材料が乏しいという事情がある。東京五輪でのメダルラッシュは内閣支持率の上昇につながらず、読売新聞社が7~9日に実施した全国世論調査では過去最低の35%に落ち込んだ。党幹部は「ワクチン接種拡大の一本足打法では限界がある」と吐露する。
二階幹事長は、補正予算案について「選挙前に骨格ぐらいは組んで国民に問いかけるのは、与党・自民党の責任だ」とし、衆院選前に大枠を提示すべきだとの考えだ。「30兆円に近い」規模が必要とも語る。
具体的には、生活困窮世帯への支援策が焦点となりそうだ。下村氏は個人的な考えとし、住民税非課税世帯などへの1人当たり10万円給付を提唱する。
首相も「常に経済対策は頭の中に入れている」とし、衆院選前の補正予算案の編成指示を視野に入れる。ただ、「先に数字を出せば、野党はさらにそれ以上の金額を言ってくる」(自民中堅)との懸念から、打ち出すタイミングは慎重に見極める考えだ。
【私の論評】菅政権の経済対策においては、物価目標2%を達成するまでは財政出動を優先し続けよ(゚д゚)!
選挙のことなど別にしても、再びある程度の経済対策を打つべきことは、昨日もこのブログで解説したばかりです。昨日の記事のリンクを以下に掲載します。
高市早苗 前総務相 自民党総裁選挙 立候補に意欲―【私の論評】総裁候補になると見られる人で「インフレ率2%を達成するまでは財政出動を優先する」と発言したのは高市氏だけ(゚д゚)!
その中で、特に経済対策にして「インフレ率2%を達成するまでは財政出動を優先する」としている点に注目しました。
コロナ禍になる前から、物価目標2%はとても達成できる見込みはありませんでしたが、このような状況下では、2%物価目標を達成するために、政府は財政出動を何よりも優先すべきであり、日銀は包括的な金融緩和をするのが当然です。
この目標すら達成できず、しかもコロナ禍に見舞われたわけですから、なおさら、政府は積極財政、日銀は大規模な金融緩和に踏み切るのが当然です。
そのためにも、政府が大量の国債を発行し、日銀がそれを買い取るという方式(政府と日銀の連合軍)で、資金を調達するのは当然のことです。これを大掛かりに実施すれば、経済に悪影響があるのではと懸念する人もいますが、唯一の懸念はインフレだけです。
ただ、日本は未だ2%の物価目標も達成できない有様ですから、デフレ傾向にあり、かなり国債を発行してもインフレになる心配はありません。
だからこそ、高市氏は「インフレ率2%を達成するまでは財政出動を優先する」と名言したのでしょう。
しかし、このことを理解している議員は、安倍氏や高市氏など自民党でも一部の議員のみです。菅総理は、どの程度理解しているかは、わかりませんが、安倍政権の政策を踏襲するという意味では、ある程度は理解しているでしょう。
しかし、多くの議員は冒頭の記事にもあるように、経済対策を選挙対策の一環ぐらいにしか考えていません。
野党議員だとほとんどの人が理解していません。さらに、マスコミはほとんど理解していません。与野党の議員も、マスコミも、ほとんど経済に関して正しい認識ができず、その時々の政争の道具くらいにしか考えていません。
議員ですらこの有様ですから、議員の発言や主張などを切り取って報道するマスコミの報道のみを情報源とする人々は全く経済のことなど理解せず、単なる気分で、政府を批判しているようです。
世論調査では、自民党支持層でも菅政権への支持率が低下傾向にあります。再び民主党政権誕生前にみられた、ワイドショー的な煽りが加熱していることもあるのでしょう。
あの当時は、「自民党にお灸をすえる」「一度は民主党にやらせよう」という無責任で無思考な流れがありました。今回は、ワイドショーなど報道は、新型コロナの感染拡大やワクチン接種などで、「印象操作報道」を多く繰り広げています。それが政権へのダメージになるからです。
ワクチンに関しては、日本は摂取が世界でも遅れて、菅政権は大失敗したとの印象操作がなされています。現実には、日本はすでに必要なワクチンを確保しているどころか、それを上回り有り余るほどのワクチンを確保ずみですし、1日のワクチン接種回数は世界トップクラスです。以下のグラフは、100人あたりの1日ワクチン接種数の国際比較。
この事実を見る限り、日本はかなりの速度でワクチン接種が進んでいるというか、世界一であることがわかります。
以下のグラフは、コロナワクチンの確保状況を示しています。日本は100%を超えています。
いまだに根強い偏見のひとつは、「日本はワクチンを確保していない。ワクチンが足りないし個別交渉でファイザーからの追加供給に失敗した大失態。ワクチンを確保できないのは菅政権のせい」というものです。確かに国内では、供給のミスマッチがあっても人口を上回るワクチンを確保しています。IMFとWHOによるわかりやすい図です。
いかなる政権も弱体化すればするほど、大胆な政策は打てなくなります。だからこそ、戦争や未曾有の大災害の場合など、政権交代などするべきではないのです。
菅政権も弱体化しつつつあるというのは事実のようです。実際本来菅政権自体は、もともとはGOTOトラベルを継続するつもりでしたし、緊急事態宣言も繰り返すつもりはなかったようですし、五輪ももともとは制限しつつも有観客で実施しようとしていました。しかし、野党・マスコミによる印象操作により、弱体化し大胆な政策は打てなくなり、現在に至っています。菅政権としても、これは不本意てしょう。
民主党政権誕生の時の教訓は、世論というかワイドショー民(ワイドショー的報道に判断を大きく左右される人たち)には、合理的な判断よりも目先の印象が重要になる、そして、その結果は、日本社会や経済にとって最悪なものになるということでした。多くの有権者が自民党に「お灸」を据えるつもりが、民主党政権が誕生してしまい、とんでもないことになってしまいました。
有権者がまた「お灸」を据えるというつもりで、政権交代を許してしまえば、「悪夢の民主党政権時代」の繰り返しなってしまいます。それだけは避けたいところてすが、菅政権も自らそのようなことは避けるべきです。
菅政権は世論の関心を大きく転換するような大胆な経済政策を行うべきです。それしか現在の八方ふさがりの閉塞感を打開することはできないでしょう。
その意味でも、菅政権は高市早苗氏の経済対策を、そのまま実行する必要まではありませんが、参照はすべきでしょう。特に財政政策として「インフレ率2%を達成するまでは財政出動を優先する」というところは外せません、これを外せば、一時的には良くなっても長続きはせず、閉塞感を打開することはできなくなるでしょう。
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