2021年8月22日日曜日

<独自>アフガンに自衛隊機 邦人保護へ23日にも―【私の論評】今回の自衛隊機派遣は、日本大使館、JICA等の現地アフガニスタン人スタッフとその家族の保護も含んでいる(゚д゚)!

<独自>アフガンに自衛隊機 邦人保護へ23日にも

21日、アフガニスタンの首都カブールの空港の外で、警備するタリバン兵ら

 政府がイスラム原理主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガニスタンに残る邦人の国外退避に向け、自衛隊機を現地に派遣する方針を固めたことが22日、分かった。23日に国家安全保障会議(NSC)を開いて正式決定し、同日夜にも自衛隊輸送機を派遣する。複数の政府関係者が明らかにした。

 関係者によると、自衛隊機で国外退避するのは国際機関に勤める邦人のほか、在アフガン日本大使館や国際協力機構(JICA)で働いていた現地スタッフとその家族ら。スタッフは大使館、JICAともそれぞれ数十人程度が現地に残っており、本人の希望を踏まえ対応する。退避先は中東のカタールとする方向で検討しており、政府は職員を派遣し、調整に当たる。

 日本大使館の邦人職員12人は第三国の軍用機でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに退避した。大使館は15日に一時閉館し、トルコのイスタンブールに臨時事務所を設置している。

 加藤勝信官房長官は18日の記者会見で「政府としては、現地に在留する全ての邦人と連絡をとり、帰国支援を含め必要な支援を今後とも行っていきたい」と説明していた。

【私の論評】今回の自衛隊機派遣は、日本大使館、JICA等の現地アフガニスタン人スタッフとその家族の保護も含んでいる(゚д゚)!

岸信夫防衛相は20日の記者会見では、アフガニスタンの日本大使館職員の退避に自衛隊機の派遣を検討していたと明らかにしました。派遣に至らなかった理由について「現地の治安情勢が急激に悪化した。関係国の軍用機で退避するのが最も迅速な手段だということを踏まえた」と説明しました。

大使館職員12人はイスラム主義組織のタリバンによるアフガン制圧を受け、17日にドバイに退避しました。

佐藤正久氏

外務省は19日の自民党外交部会で、イスラム原理主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガニスタンをめぐり、日本大使館や国際協力機構(JICA)で働いていた現地スタッフとその家族について、国外退避などの対応策を検討していることを明らかにしました。本人の希望などを考慮し、第三国や日本への出国を調整します。佐藤正久部会長が部会終了後、記者団に説明しました。

外務省側は部会で、大使館とJICAの現地スタッフはそれぞれ数十人程度で、本人たちの希望を踏まえ、第三国や日本に出国するか、国内に残るかを安全確保を含めて考えていくと説明しました。

佐藤氏は「(現地スタッフへの)日本の対応が冷たいと今後の支援にも影響が出かねない」と述べました。欧米各国は首都カブールの空港に航空機を派遣し、自国民に加えアフガン人協力者や家族の出国を進めています。
部会では、出席議員から、大使館員ら邦人の退避で自衛隊機を派遣しなかった理由を尋ねる意見も出ました。これに対し、外務省は各国の派遣した軍用機を利用した方が安全かつ迅速に退避できると判断し、防衛省に要請しなかったと説明しました。

自衛隊機による邦人退避は2016年に南スーダンで大使館職員を輸送した事例などがあります。自衛隊法は外国で騒乱が発生した際、外相からの依頼で邦人を保護・輸送できると規定しています。

外相からの依頼がなければ、邦人を保護・輸送できないということです。外務省はこれに反対していたのではないかと思います。それだけではなく、大使館とJICAの現地スタッフに関しても、輸送するつもりはなかったのではないかと思います。

恐らく岸防衛大臣が中心となって菅総理を説得したのでしょう。 今後の台湾有事の際のモデルケースも踏まえた上での派遣かもしれないです。

それに、大使館やJICAの現地アフガニスタン人現地スタッフの方々のうち日本に来たいと考えられる方々も日本まで輸送していただきたいです。日本に来ることを希望しない方であって、アフガンから脱出したい方については、せめい中継地まで送って上げてほしいです。

タリバンは1996年にカーブルを制圧した際にも恩赦を与えると言ったのですが、アフガニスタンのナジブラ元大統領は、去勢され、射殺され、弟と一緒に、街灯柱に吊るして公開の絞首刑にされました。

下の写真はその時のものです。このような残酷な写真は本当は掲載したくないですが、多くの人に現実を知っていただくため、敢えて掲載します。タリバンが嘘つきなのは、今に始まったことではありません。


アフガニスタンのメディアによると、タリバンはガニ政権の高官一人を処刑したとされています。タリバンは変わった、結構良い人たちだと主張している朝日、NHK、中東イスラム研究者や、リベラル派の人たちは、タリバンの現実をよく見るべきです。タリバンは嘘つきです。恩赦を与えると言いつつ処刑するのがタリバンなのです。

おそらく、タリバンは大使館やJICAのアフガニスタン人現地スタッフたちやその家族に対して現地に残ったとしても、危害を加えないと約束するでしょう。そうして、外務省の官僚はそれを真に受けるかもしれません。しかし、岸防衛大臣や佐藤正久氏などの自民党議員の中にもそれを信じることができない人達もいたのでしょう。何よりも、茂木外務大臣や菅総理自身がそれに対する危惧の念を抱いたのでしょう。

岸防衛大臣

なにしろイランに2回も日本のタンカーを攻撃され、死者まで出ているにもかかわらず、「イランは伝統的親日国」と言い続けているのが、我が国の外務省です。政府や自民党の議員などから要請があったからこそ、現地スタッフとその家族について、国外退避などの対応策を検討し始めたのだと思います。

タリバンのいうことを真に受けて、現地アフガニスタン人スタッフやその家族が殺害されることにでもなれば、国際的にも大問題になることが予想されます。そうなれば、日本の信用も地に落ちることになります。それだけは、絶対に避けるべきと考えるのは当然であり、私は今回の自衛隊機派遣は、現地人アフガニスタン人スタッフとその家族の救出も含むものと考えています。

そうでないと、わずか2日前に「関係国の軍用機で輸送」と言っていたものを、本日になって急に自衛隊機を派遣することにしたことの説明がつきません。無論、現地に残る日本人に対して日本政府自身が手を差し伸べるという意味合いもあると思います。

これを「関係国の軍用機で輸送」ということになれば、これも非難されることになるでしょう。これは、野党・マスコミだけではなく、政権内部や自民党内や保守系の人々がも非難されることになるでしょう。

いずれにしても、今回の判断は正しい判断だと思います。無論、現地アフガニスタン人スタッフやその家族の保護も含んでいたとすればの話ですが・・・・・。何もしなかったら、あまりにお粗末です。

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