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中国が軍事的覇権拡大を加速するなか、日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国による戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の政府高官は12日、オンライン会合を開き、「台湾海峡の平和と安全の重要性」などをめぐって協議した。菅義偉首相は米誌のインタビューで、「台湾有事」は「沖縄有事」に直結することを示唆した。
【画像】尖閣諸島を日本領と記した海外の地図
菅首相とジョー・バイデン米大統領、スコット・モリソン豪首相、ナレンドラ・モディ印首相は来月下旬、米国でクアッド首脳会談を行い、アジア太平洋地域の安全保障問題などについて議論することで調整している。
高官会合はこれに先立ち、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海洋安全保障やテロ対策などで実践的な協力を進める方針で一致。4カ国が設置した新型コロナウイルスのワクチンや、気候変動などに関する作業部会の議論の進捗(しんちょく)も確認した。 台湾海峡問題では、4月の日米首脳声明や6月の先進7カ国(G7)首脳会議の声明では「安定」の重要性を強調していたが、米国務省は今回の協議で「安全」を議論したと説明した。台湾に軍事的圧力を強める中国を意識したとみられる。
インド国防省は今月2日、日本の海上自衛隊や、米国、オーストラリアの海軍との共同訓練「マラバール」を昨年に続き、今年も実施する方針を発表した。詳細な期日は未定だが、西太平洋で実施するという。
【画像】尖閣諸島を日本領と記した海外の地図
菅首相とジョー・バイデン米大統領、スコット・モリソン豪首相、ナレンドラ・モディ印首相は来月下旬、米国でクアッド首脳会談を行い、アジア太平洋地域の安全保障問題などについて議論することで調整している。
高官会合はこれに先立ち、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海洋安全保障やテロ対策などで実践的な協力を進める方針で一致。4カ国が設置した新型コロナウイルスのワクチンや、気候変動などに関する作業部会の議論の進捗(しんちょく)も確認した。 台湾海峡問題では、4月の日米首脳声明や6月の先進7カ国(G7)首脳会議の声明では「安定」の重要性を強調していたが、米国務省は今回の協議で「安全」を議論したと説明した。台湾に軍事的圧力を強める中国を意識したとみられる。
インド国防省は今月2日、日本の海上自衛隊や、米国、オーストラリアの海軍との共同訓練「マラバール」を昨年に続き、今年も実施する方針を発表した。詳細な期日は未定だが、西太平洋で実施するという。
こうしたなか、菅首相は12日までに米誌ニューズウィークのインタビューに応じ、米中対立で「台湾有事」が発生した場合、中国や台湾に近い沖縄を「守らなければならない」との考えを示した。同誌が発言の抜粋をホームページに掲載した。
台湾と沖縄は地理的にも近接しており、「台湾有事」は、地政学的にも軍事戦略的にも「尖閣有事」「沖縄有事」「日本有事」に直結する可能性が高い。
菅首相は、沖縄を日米同盟によって防衛することは、「日本政府にとって非常に重要な目標だ」と強調し、台湾への軍事圧力を強める中国を牽制(けんせい)した。
台湾と沖縄は地理的にも近接しており、「台湾有事」は、地政学的にも軍事戦略的にも「尖閣有事」「沖縄有事」「日本有事」に直結する可能性が高い。
菅首相は、沖縄を日米同盟によって防衛することは、「日本政府にとって非常に重要な目標だ」と強調し、台湾への軍事圧力を強める中国を牽制(けんせい)した。
上の記事にもあるように、菅義偉首相は12日までに米誌ニューズウィークのインタビューに応じ、米中対立で台湾有事が発生した場合、中国や台湾に近い沖縄を「守らなければならない」との考えを示しました。
首相は米軍基地がある沖縄を日米同盟によって防衛することは「日本政府にとって非常に重要な目標だ」と強調し、台湾への軍事圧力を強める中国を牽制(けんせい)しました。
サイバー攻撃を繰り返しているとされる中国に対しては「国際ルールにのっとり、大国としての責任を果たすことが決定的に重要になっている」と自制を求める一方で、問題解決に向け、日中間の意思疎通を続ける意向を示しました。
半導体などの安定的な確保に向け、中国に依存しないサプライチェーン(供給網)構築を日本企業に促す意向も明らかにしましたが、中国との経済的な関係を絶つことまでは考えていないとも述べました。
この菅総理の発言、軍事的にも十分に裏付けがあります。現状でも中国は日本の卓越した海戦能力に太刀打ちできません。
それは、このブログでも何度か述べましたが、まずは日米ともに、潜水艦探知能力が世界のトップレベルにあり、中国の潜水艦を簡単に探知することができます。しかも、中国の潜水艦は
ステル性が低いという弱点もあります。そうして、日本の通常型潜水艦は、ステルス性がかなり高く、中国はこれを発見できないという弱点があります。
中国の弱点は最近も露わになったばかりです。中国の原子力潜水艦がインド太平洋地域を航海中の英空母「クイーン・エリザベス」を追跡し、発覚するという事態があったのです。
英空母「クィーン・エリザベス」 クリックすると拡大します |
英空母打撃群は南シナ海を離れて太平洋へ向かう間、対潜護衛艦「ケント」「リッチモンド」の状況室で2隻の商(シャン)級潜水艦(093A型、排水量7000トン)を確認しました。対潜水艦ソナーで発見されるまで尾行していたとみられます。
中国潜水艦などの諜報活動を予想した英海軍は南シナ海を抜けてから6時間も経たないうちにソナー(水中音波探知機)で空母打撃群を追跡する中国潜水艦を発見したといいます。南シナ海は中国が人工島を建設した後、航路領有権を主張しているところです。
英海軍の関係者は「中国の潜水艦戦力は急速に成長していて、決して過小評価できない。しかし中国は米国と英国が冷戦時代に経験した戦闘経験がない」と伝えました。 続いて「中国は我々の位置を発見する技術を使っている。超強大国の地位を確保するために、そして太平洋全域の貿易と安全保障を支配するという意図を強化しようと潜水艦を配置している。これは国際法に違反する事項」と指摘しました。
中国は現在66隻の潜水艦を運用しています。これは米海軍や英海軍よりも多いです。中国は潜水艦を太平洋全般にわたる国に軍事力を行使するために使用しています。 中国の尾行は初めてではありません。
米海軍筋は中国の艦船は米国の艦船を尾行するなど、太平洋全域で活動を増やしていると伝えました。2015年に米空母「ロナルド・レーガン」が中国の潜水艦に尾行された事例があり、2009年にも中国の宋(ソン)級潜水艦が5マイル以内で空母「キティホーク」に発見されなかったことがあるとされています。 一方、「クイーン・エリザベス」は現在グアムに到着していて、今月末または来月の初め韓国に寄港する予定です。
米空母「キティーホーク」 |
ただ、中共海軍の潜水艦が突然現れたことについては、潜水艦がそこでじっと待っていたとの可能性を排除することはできないとの見方もあります。米国の対潜哨戒能力は当時から世界トップ水準であり、中国の潜水艦が動き回っていれば、発見できたはずとの見方です。
そうして、その後日米ともに中国の潜水艦を何度も探知していること、今回の英空母による中国潜水艦の発見により、キティーホークに発見されなかった中国潜水艦は、水中に潜んでいたとみるのが妥当です。
英国やオーストラリアは、対潜水艦戦(ASW)の装備は米国のものを使用しています。上の記事にもあるとおり、中国はロシアから輸入した技術をベースにしながらも、米国の技術を剽窃して流用してはいるようですが、さすがにすべての技術を剽窃で賄うことはできず、未だかなり低い水準にあるようです。
日本のように、静かな潜水艦なら中国軍の対潜戦(ASW)部隊による探知が難しいです。台湾有事の際には、日本の潜水艦が、台湾海峡の海底付近にひそみ、台湾に向かう中国の兵員輸送艦を探知し、直接攻撃したり、攻撃力の高い米攻撃型原潜に情報を提供して攻撃するということも考えられます。
台湾有事には、日本は台湾付近や、尖閣・沖縄付近の海域に潜水艦隊を出撃させるでしょう。そうして、これらを包囲すれば、中国海軍はこれを発見できないため、近づくことすらできなくなります。
近づけば、日本の潜水艦が中国海軍の艦艇を撃沈することはかなり容易なことです。なにしろ、海自側は中国の艦艇・潜水艦を簡単に発見できるのに対して、中国側は日本の潜水艦を発見することはできないからです。
このような卓越した海戦能力を有する日本の菅総理が「台湾有事」には沖縄を守ると発言したわけです。沖縄の米軍は安全です。さらには、7月には“台湾有事は「存立危機事態」にあたる可能性” があると麻生副総理が発言しています。
これでは、どうあがいても中国が台湾に軍事力で侵攻するのは不可能です。尖閣・沖縄はさらに無理筋です。このような卓越した海戦能力を持つ日本だからこそ、「菅総理」の「台湾有事あれば沖縄守る」は、大きな意味を持つともいえます。
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