中国が台湾に侵攻した場合の対応について、麻生副総理兼財務大臣は、安全保障関連法で集団的自衛権を行使できる要件の「存立危機事態」にあたる可能性があるという認識を示しました。
麻生副総理兼財務大臣は5日、都内で講演し、中国が台湾への圧力を強めていることを踏まえ「台湾で騒動になり、アメリカ軍が来る前に中国が入ってきて、あっという間に鎮圧して『中国の内政問題だ』と言われたら、世界はどう対応するのか」と指摘しました。
そのうえで「台湾で大きな問題が起きると、間違いなく『存立危機事態』に関係してくると言っても全くおかしくない。日米で一緒に台湾を防衛しなければならない」と述べ、中国が台湾に侵攻した場合「存立危機事態」にあたる可能性があるという認識を示しました。
「存立危機事態」は安全保障関連法で、集団的自衛権を行使できる要件として「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」などと規定されています。
麻生副総理兼財務大臣は5日、都内で講演し、中国が台湾への圧力を強めていることを踏まえ「台湾で騒動になり、アメリカ軍が来る前に中国が入ってきて、あっという間に鎮圧して『中国の内政問題だ』と言われたら、世界はどう対応するのか」と指摘しました。
そのうえで「台湾で大きな問題が起きると、間違いなく『存立危機事態』に関係してくると言っても全くおかしくない。日米で一緒に台湾を防衛しなければならない」と述べ、中国が台湾に侵攻した場合「存立危機事態」にあたる可能性があるという認識を示しました。
「存立危機事態」は安全保障関連法で、集団的自衛権を行使できる要件として「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」などと規定されています。
【私の論評】麻生氏の発言には、軍事的にも裏付けがある(゚д゚)!
存立危機事態とは日本が集団的自衛権を使う際の前提条件で、「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」事態のことです。
政府がこの事態に認定したうえで、「他に適当な手段がない」「必要最小限度の実力行使」という要件を満たせば、首相は自衛隊に対し、防衛出動を命令することができます。安倍政権が2015年9月に成立させた安保関連法に規定されています。
この文脈からいけば、当然のことながら、台湾有事は存立危機事態とみなすことは十分可能です。一般的な想定は以下のようなものですが、実際はそうはならないように思います。
台湾有事が実際に発生したときには、日本がどのように貢献するかは、このブログでは何度も述べてきましたが、以下のようになるでしょう。
それは、日本の潜水艦隊の参戦です。中国は、対潜哨戒能力がかなり低いことと、日米のそれが格段に高いくて、世界トップ水準であること、日本の潜水艦のステルス性が格段に高いこと等があいまって、中国は日本の潜水艦を探知できません。そこで、日本の潜水艦は台湾周辺などを自由に潜航して、情報収集にあたることができます。
米軍の原潜は原潜であることの宿命で、日本の通常型潜水艦にステルス性には劣るものの攻撃力に優れています。これらの長所を組み合わせ、日米が協同して、台湾を包囲すれば、人民解放軍は太刀打ちできません。
呉第一潜水群 |
米原潜が軍事上の要所、要所に潜み、台湾を包囲しつつ、日本の潜水艦は台湾付近などを自由に潜航し、情報収集をしつつ、米軍と情報を共有すれば、日米は台湾に近づこうとする中国の艦艇をすべて撃沈できます。
さらに、いくつかの艦艇を撃沈できず、人民解放軍が仮に台湾に上陸できたとしても、日米により補給を絶つことができます。そうなると、人民解放軍は自給自足のゲリラ戦に転じるでしょうが、ゲリラとて水、食料、弾薬が尽きれば戦えません。そうなるといずれお手上げになります。
そうなると、海戦でも空戦でも、日米台がかなり有利です。以上のようなことを考えると、中国が台湾を奪取しようにも、日米台が協同して、中国に対抗すれば、中国が軍事力で無理やり台湾を奪取することは不可能です。
中国が核弾道ミサイルを使ったらどうなると考える人もいるかもしれませんが、そうなれば、米台とて、手段を選ばない攻撃をすることになります。そのときは、三峡ダムなどは格好の標的になるはずです。核を使用しなくても、ここを破壊すれぱ、中国の国土の4割は水浸しになるといわれています。
数百発の巡航ミサイルを発射して、飽和攻撃をすれば、人民解放軍はこれを撃墜することはできず、確実に三峡ダムは破壊されることになります。だから、中国は核兵器を使用することはないでしょう。
改良型アイオワ級原潜一隻で、154発ものトマホークを発射できるのです。そうして、中国には三峡ダムのように脆弱な標的はほかにもいくらでもあります。当然のことながら、米国のCIAはこれに熟知していることでしょう。
昨年7月19日、湖北省の洪水 |
このようなことになることを中国も承知しているので、中国が台湾に侵攻することは、当面ないでしょう。
にもかかわらず、米軍のある将官が、米国は中国に負けるようなことを語っていましたが、これは、単なる米軍による日本に対する「政治的メッセージ」であることをこのブロクに掲載したばかりです。
このように、中国台湾侵攻はあり得ないことなのですが、それにしても、日本の副総理が安全保障関連法で集団的自衛権を行使できる要件の「存立危機事態」にあたる可能性があるとい発言をしたことは、中国側にとっては、かなりショッキングだったと思います。
また、「いかなる国も台湾問題に干渉することを容認しない」と牽制(けんせい)しました。
さらに「中国人民の、国の主権を守る断固とした意思を見下してはならない」と述べました。
ショッキングだったからこそ、このような声明を出したのでしょう。そうして、これは、中国に対する抑止となるのは確かです。しかも、麻生副総理の発言には、上でも述べたように軍事的裏付けもあるのです。
【関連記事】
0 件のコメント:
コメントを投稿