2021年7月26日月曜日

蓮舫氏が大炎上 五輪中止派なのに「金」祝福ツイート 「お見事なダブルスタンダード」痛烈な批判相次ぐ―【私の論評】実は、オリンピック後に菅政権が存続できる政治情勢となる(゚д゚)!

蓮舫氏が大炎上 五輪中止派なのに「金」祝福ツイート 「お見事なダブルスタンダード」痛烈な批判相次ぐ


 立憲民主党の蓮舫代表代行のツイッターが大炎上している。東京五輪・パラリンピックの中止を一貫して求めていたのに、開幕後は出場選手の健闘に歓喜していることに、「すごい手のひら返し」「あんだけ 中止しろ と叫んでおいて」「どの口が」「あきれた」などと批判が噴出しているのだ。蓮舫氏が反論すると、さらに燃え上がる状況となっている。

 「素晴らしいです! ワクワクしました!」

 蓮舫氏は25日、スケートボード男子ストリートで堀米雄斗選手が金メダルを獲得すると、こうツイートした。彼女は「仕分け人」として、「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言した人物でもある。

 冒頭のような批判が相次ぐと、蓮舫氏は次のように書き込んだ。

 「開催そのものへの反対は変わらない。国民を守る危機管理の問題だからだ」「選手の活躍には心から敬意を表する。反対なら応援するな、ではない」「菅義偉首相には国民の命と暮らしを守るリスク管理ができていない」

 これに対し、「お見事なダブルスタンダード」「五輪を中止すれば選手の活躍もなかった」「どうやったらオリンピックができるかを少しでも考えましたか?」「金メダルを取った選手が『開催していただきありがとうございます』と言っている」「こんなのだから信頼されない」など、痛烈な意見が相次いでいる。

【私の論評】実は、オリンピック後に菅政権が存続できる政治情勢となる(゚д゚)!

日本では左翼運動家などが五輪開催中止を叫び、わずか数ヶ月前まではマスコミや野党も中止が当然のような論調だった

東京五輪反対を主張した野党の人のほとんどのツイッターでは、五輪を楽しんでいる様子は見えないです。そうした中で、蓮舫氏は、上の記事にもある通り、スケボーの堀米選手の金メダルについて、

「堀米雄斗選手、素晴らしいです! ワクワクしました!」とツイートしました(https://twitter.com/renho_sha/status/1419155844952854530)。

これに対し、高橋洋一氏は、

「こんなにスポーツで感動するのに、それまでの五輪中止は理解できないな。『五輪の感動>>>さざ波の中での医療崩壊リスク』ということは前からわかっていはずだが。五輪中止の人はあと2週間どうするの?」とツイートしていました。(https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/1419206109919809538)。

なお蓮舫氏は、

「五輪で健闘された選手へのTweetに「反対してたのに」と言う反応がありますが、選手への応援と政府の危機管理体制への姿勢は別です。感染拡大の最中、今でもこの東京五輪強行の政府と東京都、組織委員会、IOCの判断には反対です。菅総理には国民の命と暮らしを守るリスク管理ができていません。」

ともツイートしています(https://twitter.com/renho_sha/status/1419184149466816517)。

なんともわかりにくい弁明だが、松井大阪市長は、

『蓮舫さん、オリンピックが開催されなければ、選手の皆さんが健闘する場所が無かったんですがね! オリンピックパラリンピックが終われば、いよいよ選挙ですからね。』

とわかりやすく応じた(https://twitter.com/gogoichiro/status/1419237008015167490)。

確かに、東京五輪の開催は、政局にも大きな影響を与える可能性がでてきました。

2021年に入ってから、菅義偉政権は新型コロナウイルスの感染者数の抑制を優先したため経済活動の停滞が長引きました。各種世論調査で内閣支持率は菅政権発足以来の低水準まで低下していますが、このまま総選挙を挟んで、菅政権発足1年余りで首相交代という展開も完全には否定できません。

実際に、自民党の中の公認候補を巡る「内輪もめ」が聞かれ、自民党の幹事長人事などを巡る思惑もあり、自民党内の「菅おろし」が本格化するシナリオさえ予想されます。

もっとも、内閣支持率は低下していますが「反対勢力」というパフォーマンスに徹しているとみられる野党に対して国民の期待が高まっているようには思えず、次の総選挙において野党への政権交代はほとんど想像できません。二階、小沢、小池のきな臭い動きもうわさされていますが、これが本格的に大きな動きになるという予兆はみられません。

この意味で、今後政局に変化が起こるとすれば、それは自民党内部の主導権争いが引き起こすことになりそうです。

まず、世論の風向きですが、実際にはオリンピックが始まり、テレビなどは日本人選手を中心とした活躍を大きく伝えるので、これまでのオリンピック同様に相応に盛り上がっています。すると、多くの国民が抱く釈然としない感情は、今後、当初の想定よりも容易に払拭されることになりそうです。

【東京五輪2020 スケートボード】〈女子ストリート決勝〉西矢椛の決勝の演技=26日、有明アーバンスポーツパーク

菅政権は新型コロナやオリンピック対応で迷走している部分もありますが、内閣支持率は新型コロナ感染動向に大きく連動している部分が大きいです。菅政権が注力するワクチン接種は他の先進国並みのペースにしっかり速まってきていますし、緊急事態宣言など経済活動制限の効果もあり、新型コロナ感染者数は秋口にかけて落ち着くでしょう。

それにこのブログでも指摘したように、最近では高齢者ではワクチンの接種が進んだため、そもそも感染者数が少なくなりました。確かに若年層の感染者数は増えていますが、それでも、元々感染者数が他国より二桁以下の日本では、若年層の死者数は交通事故の死者よりも少ないくらいです。

そのため、感染者数が増えても、ワクチン接種が進んでいなかった数ヶ月前と現在とでは、意味合いが明らかに異なっています。死者数は減っていることから、現在医療崩壊を声高に叫ぶ人はいなくなりました。

そうして、2021年末頃から日本経済が急回復する条件がそろうことになるでしょう。

結局、菅政権が注力する、「オリンピックというイベントを無事終わらせる」「ワクチン接種を進める」という2つの課題をクリアすれば良いのです。これらが高いハードルであるかと言えば、そうは見えないです。このため、オリンピックにおいて、テロ発生などのかなりの想定外の出来事でも起こらない限り、総選挙が近づく秋口にかけて経済活動の正常化期待が高まると予想できます。

確かに、オリンピックが多くの会場で無観客試合となったことが、経済活動の下押し効果を懸念する声もあります。しかし、無観客試合のチケットが払い戻しされるだけなら、数百億円程度でマクロ的には影響はほぼありません。

もちろん、首都圏を中心に7月から経済活動制限が強化されたため、これによる経済的な下押し効果は続いています。また、これまで飲食店などの営業自粛に対する協力金が、東京都などから迅速に支給されなかったという対応の不手際が目立っていました。

それでも7月以降については、先払いで飲食店への協力金支払いが行われ始めており、政府・自治体の対応は改善する方向にあります。今後こうした対応を続けるなかで、秋口以降期待できる経済活動の本格化とともに、これまで執行されなかった財源を必要な歳出に回すなどで、効果的に大規模な財政政策を発動する余地があります。

最終的には、官邸の判断次第ではありますが、いずれ再度補正予算を組み、30兆円はあるというGDPギャップが埋められる手立てが講じられれば、財政政策の発動が経済正常化を後押しし、春先から夏場にかけて米国で見られた経済活動の急回復が、日本でも2021年末頃から始まるでしょう。

新型コロナが収束に向かえば、どの程度経済成長率は高まるのでしょうか。日本人による国内旅行消費(2019年)は約21.8兆円(GDP比約4%)です。新型コロナで国内旅行消費は大きく落ち込んでおり、2020年4~6月以降の1年間では旅行消費は約8.3兆円へと半分以下に落ち込んでおり、この需要喪失はGDPの約2.5%に相当します。

政府が目指すとおりに、今年の年末までにワクチン接種が進めば、抑制されていた日本人の旅行消費がかなり顕在化すると見られます。中止されていた、GOTOキャンペーンも再び実施されることになるでしょう。

GOTOトラベルはかなりコスパの良い経済対策だったことがわかつている

2022年内に2019年の水準まで国内旅行消費が戻るとすれば、GDP成長率を約2%程度押し上げる効果が期待されます。

また、2022年に新型コロナリスクが低下すれば、現在ほとんど蒸発している海外からの訪日客の増加にも期待できます。新型コロナ禍前の海外旅行者による消費金額(2019年)は4.8兆円である(GDP比約1%)。

もちろん、国内旅行消費ほど早期に海外旅行者が増える可能性は低いので、訪日外国人への大きな期待は難しいです。それでも、訪日外国人が2019年の半分程度まで戻るだけで約2兆円の消費需要が現れることになります。

これらの旅行需要が顕在化することに加えて、営業自粛を余儀なくされていた外食やレジャーなどの産業の売り上げも、国内旅行消費と同様に2022年にはかなり正常化するでしょう。

これらのサービス消費が増える時には、同時に他の消費需要が減るので、旅行需要などの顕在化が全てGDPの押し上げ効果にはならないです。ただ、ワクチン接種が菅政権の想定する通りに進めば、2022年の日本経済の成長率はかなり高まるでしょう。

オリンピック後には、ワクチン接種も進み、30兆円規模の補正予算を組むことにより、菅政権が存続する政治情勢となり、上記のシナリオへの期待が強まるなかで、これまでの日本株の出遅れのかなりの部分が解消されることになるでしょう。

このような軌道にはやく乗れば、菅内閣が存続しうる環境が整うことになります。

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