五輪モニュメント |
東京五輪について、政府や大会組織委員会、東京都などは8日、東京と神奈川、千葉、埼玉の1都3県で行われる競技会場を「完全無観客」とする方向で最終調整に入った。同日夜に行われる国際オリンピック委員会(IOC)などとの5者協議で正式に決める。
複数の大会関係者が明らかにした。都内では新型コロナウイルスの感染状況が悪化していることから、週明けにも緊急事態宣言が発出される見通し。小池百合子知事は7日夜、記者団に「コロナ対策を進めながら安全に開かれるように進めていきたい」と話していた。
文部科学省は6日、スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」を使い、国立競技場(東京都新宿区)に観客1万人を入れた場合の新型コロナウイルスの感染リスクを解析した結果を発表した。間隔を空けて座るなど感染対策を行えば、リスクは「ゼロに近い」と評価した。
東京に4回目の緊急事態宣言へ 政府方針―【私の論評】死者・重傷者数が減った現状では、緊急事態宣言を出さずに五輪を開催すべき(゚д゚)!
複数の大会関係者が明らかにした。都内では新型コロナウイルスの感染状況が悪化していることから、週明けにも緊急事態宣言が発出される見通し。小池百合子知事は7日夜、記者団に「コロナ対策を進めながら安全に開かれるように進めていきたい」と話していた。
【私の論評】まともなリスク管理もせず緊急事態宣言を出したり、五輪の無観客実施を決めてしまうのはあまりに拙速(゚д゚)!
昨日は、東京に緊急事態制限を出す必要性がないことについて、掲載しました。しかし、緊急事態宣言は出されることに決まりました。そうして、今度は東京と神奈川、千葉、埼玉の1都3県で行われる競技会場を「完全無観客」とする方向で最終調整というニュースです。これは、もう決まりのようです。
一体どうなっているのでしょうか。私自身は、通常通りにすることは避けるべきだとは思うのですが、それにしても、現在の状況で「完全無観客」は完璧に行き過ぎだと思います。
昨日は、このブログで、感染症対策にはリスク管理が重要であるにもかかわらず、それが行われていないことを指摘しました。感染症だけのことを考えれば、東京五輪は開催しないほうが良いかもしれませんが、そんなことはわかりきったことであり、誰もが理解できることです。
さらに、開催するにしても、無観客にするかどうかの対応も変わって然るべきです。感染症対策だけを考えれば、無観客が一番良いには決まっています。
ただ、リスク管理の立場からいえば、そうはならないはずです。リスクがどの程度マネジメントできるかによって対応は変わるはずです。
ただし、このことについてはあまり明確には説明しなかったので、理解しにくい内容になったかもしれません。しかし、これを理解する上で非常に理解しやすい例を高橋洋一がツイートしていましたので、以下に掲載します。
若い人の新型コロナでの死亡率はほぼゼロ。なのに、若い人が感染しているからといって緊急事態宣言するのはおかしい。死亡率の観点から言えば交通事故の死亡率の方が若い人では高いから、交通事故撲滅のために東京で交通ストップしますか、しないだろ pic.twitter.com/0opZaAhwLN
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) July 8, 2021
この事例をみれば、リスク管理的にはどのようなことをすれば良いが良く理解できます。若い人の場合は、コロナに感染しても重症化・死亡はかなり低いので、若い世代のコロナ感染症は、ジフテリア、鳥インフルエンザ、結核なみのの二類に分類するのではなく、鳥インフルエンザなどを除く通常のインフルエンザなみの五類に分類して、インフルエンザなみの扱いにすべきです。
そうすれば、医療崩壊など起きようがありません、実際2016 年には、インフルエンザが蔓延して、1周間で200万人の感染者が発生しましたが、医療崩壊は起きませんでした。
ただし、高齢者の場合は、重症化率が高いので、二類扱いのままにするなどの措置が考えられます。そうはいいながら、高齢者のワクチン接種がすすみ、高齢者の重病化、死亡はかなりすくなくなりつつあります。ただし、感染してしまえば、重症化率は高いということを念頭におけば、二類扱いが妥当だと思います。
このようなリスク管理をせずに、単純に緊急事態宣言を出し、あろうことか、五輪の無観客実施を拙速に決めてしまうことなど、考えられないことです。新型コロナ感染症が未知であつた、昨年までであれば、まだこれも理解できますが、この感染症の傾向等が判明した現状では考えられないことです。
何やら、この出来事何かに似ています。そうです、平成年間に実施された、デフレ政策です。財務省や識者といわれる人々が、日本は財施破綻寸前だとして、なにかといえば増税をしたことや、日銀官僚や識者が、インフレになるからといって、金融引締ばかりやっていました。
本来は、デフレから抜け出すには、積極財政と金融緩和をするべきなのですが、財務省や日銀や識者それにマスコミなどが、様々な屁理屈で、間違った政策を先導し、結局日本は平成年間のほとんどの期間にわたりデフレが継続されました。
今回は、オリンピックとコロナ感染対策ということですが、今回も感染症専門家やマスコミが、様々な理屈で、まともなリスク管理をすることもせずに、結果として煽りまくり、挙句の果てに、必要もない緊急事態宣言と、五輪無観客開催を決めました。
マスコミとしては、オリンピック開催中止はさすがに無理だったものの、「完全無観客」を勝ち取ったわけですから、「やった」ということで、少し前までのコロナワクチンの猛烈なダッシュによる意気消沈モードは晴れたかもしれません。
誰も止められなかったデフレ政策、それに、誰も止められない緊急事態宣言と五輪無観客開催です。
日本でも、明らかに間違いであるという方向に大勢の人間が走ってしまうという傾向が見られます。このようなことは、二度と繰り返すべきではありません。コロナが収束した後に将来のことも考えて再度真摯に検証すべきです。そうでないと何度でも同じ間違いが繰り返されることになります。
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