2021年7月3日土曜日

豊田真由子氏が解説「実は4500万回分のワクチンが使われていない」―【私の論評】国民全員にワクチンを2回接種しても有り余るほどの準備がなされており、接種したい人は、いずれ必ずできる(゚д゚)!

豊田真由子氏が解説「実は4500万回分のワクチンが使われていない」

豊田真由子氏

 元厚労省官僚、元衆議院議員の豊田真由子氏が3日、読売テレビ「あさパラS」に出演。各地で供給不足が問題となっている新型コロナウイルスのワクチンについて「実は国から供給がきてないんじゃなくて、4500万回分のワクチンが全国のいろんな地域の医療機関の冷凍庫の中に分散されて使われてない」などと解説した。

  番組では、大阪市で12日以降の1回目接種の予約受付を停止し2回目接種を優先、神戸市では予約済みの1回目接種をキャンセルにするなど深刻な状況になっていると報道。

  豊田氏は「実は国から供給がきてないんじゃなくて、国は今まで9000万回分を自治体には配っている。だけど実際に接種をされているのが4500万回分。そうすると、4500万回分のワクチンていうのが全国のいろんな地域の医療機関の冷凍庫の中に分散されて使われてないってことなんです」と話し、ニューヨーク州弁護士・山口真由氏も「接種を入力しなきゃいけないシステムがある。結構手がかかるので、自治体によっては管理が進んでないところがある」などと付け加えた。 

 豊田氏は、使われていない4500万回分の解決法について「国から都道府県に送ったものを都道府県が市町村に分配してるので、都道府県の中で、『ここの市町村に余ってるからこっちの市町村に移そう』とか、あるいは市町村で医療機関と連携をして、『この医療機関からこっちの医療機関に回そう』とか横の動きをやらないと、国の分は今の時点で配っちゃってるのでそれしか方法がない」と提言した。

【私の論評】国民全員にワクチンを2回接種しても有り余るほどの準備がなされており、接種したい人は、いずれ必ずできる(゚д゚)!

職場や大学で新型コロナウイルスのワクチンを接種する「職域接種」が北海道でも始まりました。ワクチン接種が急ピッチで進められる一方で、格差も生まれています。

当別町にある北海道医療大学でも、先月21日から「職域接種」が始まっていました。学生や教職員、教職員の家族、約6000人が対象で1日最大400人の接種を予定しています。これについて、地元のSTV(6/21(月)「どさんこワイド179」)が報道していましたので、その内容を簡単に以下にまとめます。


(接種した大学職員(20代))「職場で(ワクチンを)打てるのはいいなと思っていたのでありがたい」

(接種した大学職員(30代))「大学で学生も(ワクチン接種を)受けられるとなれば安心できると思う」

接種にあたるのは大学内の看護師や歯科医師です。

「職域接種」は接種対象者が1000人程度のほか、会場や打ち手の確保など実施の条件があります。

北海道医療大学は医療系の学部の強みを生かし、学内で打ち手を確保しました。

18日、国からワクチンを保管するフリーザーなどが届き、他の大学に先がけて「職域接種」の実施にこぎつけたといいます。

(北海道医療大学 浅香正博学長)「8月6日ぐらいまでには(接種を)終えようと思っています。我々のほうが早く終わった場合、当別町とも相談しながら、年齢は関係なく(ワクチン接種を)やっていこうと計画をしています」

札幌市豊平区の札幌大学です。

現在、オンラインによる講義が中心の大学では、事態を打開しようと21日から学生と教職員ら最大3500人の「職域接種」を目指していましたが。

(水谷記者)「こちらの体育館では、本来ならばきょうからワクチン接種の会場として使われる予定でしたが、現在のところ滞っている状態です」

打ち手が確保できず、21日からの「職域接種」を断念したといいます。

道が厚別区に設置した大規模接種会場では、19日から札幌、江別、恵庭、千歳在住の65歳以上を対象に接種が始まりました。

22日からは新たに白石区でも集団接種が始まるため「職域接種」の打ち手の確保が難しい状況だといいます。

(札幌大学 秋山一二三事務局長)「(打ち手は)やはり自治体のほうが優先されることになるので、職域接種、医療系の大学はできて、文系の大学はできない現状があるので、そのへんを汲んでいただいてサポートしていただければ大変ありがたい」

ワクチン接種が加速化する中、道内でも始まった「職域接種」。打ち手不足をどう解決するかが課題となっています。

 ワクチン接種の遅れは、打ち手不足の問題もあるのでしょう。それに、上の記事で、豊田真由子氏が語るように、市町村で医療機関と連携をして、『この医療機関からこっちの医療機関に回そう』とか横の動きもすべきなのでしょう。打ち手が足りないのなら、まず足りているところに、ワクチンを回すというのが筋です。

感染症の専門家などは、五輪開催開催がどうのこうの、飲食店での感染がどうのこうのと言う前に、こうしたノウハウに関して、日本に適用できるものなど広く啓蒙周知すべきだったと思います。

厚生労働省によりますと、自治体が接種しているファイザー社製のワクチンは、7月5日からの2週間で1万1千箱(1箱195瓶入り。1瓶6回接種で計1287万回分)を全国の自治体に配分する予定です。その前の2週間で1万6千箱配分したのに比べて大幅に減りますが、当初の計画通りといいます。6月末までにファイザーからは約1億回分届いて十分な供給量になりつつあり、今後も配分量は減る見通しです。田村憲久厚生労働相は供給不足にはならないとの考えを示しました。

田村憲久厚生労働相

その上で、田村氏は「心配で、なるべく多く確保したいという気持ちがあるかも分からないが、ワクチンの偏りが出てくると本来必要なところへ行かなくなる」と強調。偏在が起きている可能性を指摘し、実態調査に乗り出す方針を示しました。

今回のような大規模なワクチン接種は、日本では久方ぶりのことです。そのため、各自治体からワクチン接種のノウハウの蓄積がありません。そのため、思いがけない手違い等がある程度発生することは予め予期できました。それについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その内容を以下に再掲します。

先に、自治体にコロナ集団接種のノウハウがなくなっているとしましたが、このノウハウが急速に蓄積されて、これから幾何級数的に投与が増えていくと思います。そうなると、感染者数もおのずから減っていくはずです。

各自治体は、ワクチン投与の良い事例に関しては、積極的に他の自治体に知らせるべきです。そのようなシステムを構築すべきです。それが、ノウハウの蓄積に大いに役立つはずです。

政府は、ワクチンの供給はもとより、日本の自治体のワクチン大量摂取のノウハウを補うために、以下のようなサイトを作成しています。

ワクチン接種これいいね。自治体工夫集 
自治体でも、市町村あたりになると、感染症に縁のない人でも、ワクチン接種に関わる自治体関係者も大勢いると思います。ワクチン接種関係で何か疑問に感じたり、悩んだ場合は、まずはこのサイトをご覧いただくと良いと思います。すぐに解決策が見当たらなくても、質問先を見つけるなど、解決の緒になると思います。

そうして、最後に言いたいことは、政府によるワクチンの供給体制は十分です。これは、先日もこのブログにも掲載したように、予算を十二分にとったうえで、昨年の5月あたりから予定されていたものです。国民全員に2回ワクチンを接種しても、有り余るほどの、準備がなされています。そのため、ワクチンを接種したいと考えている人は、多少の遅れはあるかもしれませんが、必ず接種できます。だからこそ、日本は他国に対してワクチンの供給支援ができるのです。


そうして、先進国を見ていると、国民の5、6割はワクチン接種をするようで、それで十分です。6割がワクチンを打てば、集団免疫を獲得さているといわれてますし、それを下回っても5割くらいの人が接種を受ければ、いずれ比較的短期間で集団免疫は獲得できます。ワクチンを打たない自由はありますが、デマで人をだますのは厳に慎むべきです。

エビデンスに乏しいワクチン懐疑論は、そもそも流さないか、流すにしてもコロナが収束した後にするというのが、ものの道理というものです。

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