2021年6月29日火曜日

誰が五輪を「政治利用」するのか 一部野党は政府批判の材料に…日に日に現実離れする中止論 ―【私の論評】世界に先駆けて日本が「人類がコロナ禍に打ち勝てる可能性を世界に示す」 ことの意義は大きい(゚д゚)!

誰が五輪を「政治利用」するのか 一部野党は政府批判の材料に…日に日に現実離れする中止論 
高橋洋一 日本の解き方

白血病から復帰した池江璃花子選手

 政府の新型コロナ対策については「東京五輪ありきだ」「五輪を成功させてその後の選挙を有利にする狙いだ」といった批判もある。野党やメディアに対しては、政権批判を目的としたものも少なくないように思われるが、コロナ禍の五輪が「政治利用」されているのか。

 五輪憲章では、「五輪の競技会場などでいかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められない」と定められている。

 この趣旨からいえば、五輪の政治利用は好ましいことではない。自民党や公明党は、この規定を根拠として、都議選での公約に五輪関係を含めていない。

 一方、都民ファーストの会は「国が有観客での開催を強行する場合、『無観客』での開催を強く求める」、立憲民主党は「延期または中止」、共産党は「中止」をそれぞれ公約に入れている。

 都民ファーストは、小池百合子知事が特別顧問を務め、本来なら五輪を推進する側であるが、国に文句を言いたいので、「国が開催を強行」という意味不明な公約になっている。五輪開催都市契約では、主催者は国際オリンピック委員会(IOC)で、東京都はせいぜい会場管理責任者だが、国は契約当事者でもない。なので、そもそも国には開催権限がないのだ。

 立憲民主党や共産党は、すでに選手の受け入れが始まり、開幕が迫る五輪を止めろというのはあまりに選手らに失礼で、現実離れしている。これらの勢力こそ、五輪を政治利用しているといっていいのではないか。

 国政レベルでも一部野党は、政府・与党が五輪を政治利用していると決めつけている。そうしないと政府批判の迫力がなくなるからだと思われる。

 メディアで五輪批判が多かったのは、一部野党を応援していたからだろう。もっとも、メディアは五輪を報じざるを得ないので、そのうち手のひら返しになるのではないか。

 では、一部野党はなぜ五輪批判をするかといえば、もともと五輪反対の支持層が多いからだろう。政府は五輪を政治利用しにくいので、批判する側が有利という計算もあるはずだ。

 しかも、五輪以外で政府を批判できないからという理由もあるのではないだろうか。

 ワクチン接種については、一部野党の支持層に反ワクチン活動家が多いこともあり、当初は格好の批判材料だったが、国民の多くが接種を希望しているので言えなくなった。しかも、当初は接種が遅れ気味だったので批判もしやすかったが、ここにきて職域接種など接種の多様化を行った結果、予想以上のペースで進んでいるので攻めにくい。そこで、五輪批判なのだろう。

 もっとも、この戦略は五輪が近づくにつれて浮世離れするばかりなので、賢明とはいえないのではないか。7月4日投開票の都議選で、有権者の意向が分かってくるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】世界に先駆けて日本が「人類がコロナ禍に打ち勝てる可能性を世界に示す」 ことの意義は大きい(゚д゚)!

現在日本では、急ピッチでワクチン接種がすすんでいます。新型コロナウイルスワクチンの接種率が高まると、接種していない人たちへのウイルス感染も抑止されるとの分析結果を、イスラエルの研究チームが発表しました。免疫を持った人が増え、感染が広がりにくい状況になっているためとみられるといい、論文が米医学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載されました。

昨年12月から米ファイザー社製のワクチン接種が始まったイスラエルでは、接種が世界最速ペースで進みました。現在は16歳以上が対象で、既に国民の60%超が1回以上の接種を受けています。

日常を取り戻しつつあるイスラエル

チームは、国内177地域の住民の接種率と検査陽性率を分析。その結果、子供との接触機会が多い16~50歳の接種率が20%程度に達すると、未接種の16歳未満の陽性率が、接種がほとんど進んでいない頃と比べてほぼ半減しました。接種率が20ポイント上がると、さらに陽性率は半減すると推定される。

ただ、免疫がない人にも感染が広まらなくなる「集団免疫」の獲得には、接種などで免疫を持った人が少なくとも60%程度必要と言われています。

日本では、1日百万回のワクチン接種が行われています。1日百万回というと、10日では一千万回、一月では3千万回です。4ヶ月では、1億2千万回です。これは、日本の人口に匹敵します。

もちろんこれは、一人一回ですから、二回接種することを考えると、この倍くらいは期間が必要という計算になります。

それにしても、この速度でワクチン接種をすすめれば、五輪開催時には現在よりかなりの人数になるのは確かです。接種率が高まると摂取していない人たちへのウイルス感染も抑制されることが予想されるわけですから、五輪からパラリンピックにかけての抑制が期待できるわけです。

そうして、この100万回に関しては識者の人でも不可能と語っていました。しかし、この認識は全くの間違いです。

安倍政権だった2020年5月、2次補正予算が成立したときにワクチンに関しては1300億円の補正予算がつけられました。その予算計上の積算においては、ワクチンはファイザー製を用いることが前提でしたから、冷凍施設が必要とされ、これを全国1万ヵ所に設置するという想定で積算したのです。

冷蔵庫を1万ヵ所設置することを前提とすると、そこで1日に100人打つというのは難しい数字ではありません。100人には3時間ほどで打ててしまいます。だから100万回というのは、別にとんでもない数字ではないのです。当時の安倍総理はおそらく、一日100万回はふかのうではないと思っていたと思います。 さらに、ワクチン供給に関しては、2021年3月のときにほぼ決まっていました。さらに菅総理が渡米したときに、ファイザー協議して本決まりになりました。このときに、6月末までに1億回分のワクチンが送られて来ることは決まっていたのです。そうなと、6月末には高齢者はそれで全員接種できるし、2回打っても余ってしまうのです。それはもうわかっていたことです。

一日100万回のワクチン接種は昨年の5月から予定されていた・・・・

1年前に話をもどしますと、契約上五輪開催の4ヵ月間前でないと延期できなくなり、開催するしかなくってしまいます。あのときのベストシナリオは、中止ではなくて延期でした。当時の安倍総理は延期を決断したのです。あとはそれに間に合わせるよう様々ななことを実施しました。ワクチンにかんすね事柄もそれに含まれます。 オリンピックの規定上、延期き難しかったのです。だから安倍総理が延期にかけたというのは1つの勝負だったのです。それとともにワクチンに関しても準備していたのです。それが菅政権に受け継がれ、現在予定通りに進んでいるのです。

こういうことが報道されないから、多くの人が「とんでもない数字だ」とか、「逆算で100万回と言ったのだろう」と言う人もいるのですが、そうではありません。これは、2020年5月から予定されていたことなのです。

だからこそ、先日のG7でも、東京五輪開催に賛成する声はあっても、反対する声はなかったのです。G7の首脳達が、様々な情報を持った上で、賛成しているのです。にもかかわらず、五輪開催をする必要はないと私は考えます。

東京五輪の開催が決まったのは2013年9月。選手たちは7年半前から東京五輪の舞台を目指して準備をしてきたのです。スポーツ選手のピークはさほど長くありません。しかも4年に一度しかない五輪です。今回が最後のチャンスとなる選手もいます。自分の素直な気持ちを発信できず、開催されることを祈りながら、黙々とトレーニングに励んでいる選手たちも多いに違いないです。

緊急事態宣言下でも必要に迫られて通勤電車に揺られて会社に向かう人も少なくないてす。それはコロナとの共存を図りながら、勤務先の企業や経済をまわしていくためでしょう。東京五輪でも「両立」するための手立てはあるはずです。

参考になるのは2月21日まで豪州メルボルンで行われたテニスの4大大会、全豪オープンです。新型コロナウイルス対策が徹底されたなかで全日程を無事に終えました。東京五輪とは大会の規模が異なりますが、開催に向けてのヒントになることがたくさんあり、大会関係者は大いに参考にすべきです。

この大会では、たとえばチャーター機で豪州入りした参加選手や関係者ら1016人に対して約2週間の隔離措置を義務付けました。隔離期間中はコートでの練習は許されましたが、時刻やパートナーを指定され、上限2時間という制限付きでした。

また、紙のチケットを全廃し、観客はスマホに表示した電子チケットのQRコードをゲートでかざして入場。売店での支払いはカード限定にするなど、「接触レス」を徹底しました。開催地ビクトリア州のロックダウン(都市封鎖)発令に伴い、大会期間の途中の5日間を無観客で開催、などのことが実施されました。

全豪オープンで優勝した大阪なおみ選手

いま日本国民にできることは何でしょうか。東京五輪の成功に向けて、一致団結することではないでしょうか。これは精神論ではありません。まず、国内の新規感染者をさらに減らすために、気を緩めずにマスク着用や3密・会食の回避を徹底するのです。ワクチン接種も可能な限りはやくするのです。テレワークを増やすのです。ひとりひとりが最善の感染対策を講じたうえで、ルールを決めて可能な限りの来日者を迎え入れる。それこそがコロナ禍における日本が世界誇る「おもてなし」の心の表現ともなるのではないでしょうかか。

主役となるアスリートたちが気持ちよく競技に向かえる雰囲気をつくり、温かい声援を送るのです。できない理由を並べるより、やれる可能性を探るべきなのです。

これは、コロナ禍で蔓延した“沈んだ空気”をスポーツの力で少しでも明るいものにする機会であり。人類がコロナ禍に打ち勝つ大きな可能性を世界に示す機会でもあるのです。
問題ではなく、機会に焦点を合わせることが必要である。もちろん問題を放っておくわけにはいかない。隠しておけというわけではない。しかし問題の処理では、いかにそれが重大なものであろうとも、成果がもたらされるわけではない。損害を防ぐだけである。成果は機会から生れる。(ドラッカー)

問題ではなく、機会に焦点を合わせるというなら、五輪も中止ではなく、 人類がコロナ禍に打ち勝つ大きな可能性を世界に示す機会に焦点をあてるべきです。

さらに、ドラッカー氏は以下のようなことも述べています。

問題に圧倒されて機会を見失うことがあってはならない。ほとんどの組織の月例報告が第一ページに問題を列挙している。しかし、第一ページには機会を列挙し、問題は第二ページとすべきである。よほどの大事件でも起こらないかぎり、問題を検討するのは、機会を分析しその利用の仕方を決めてからにすべきである。

五輪の危機ばかりを問題として、これの中止を叫ぶのは、五輪という機会を分析してその利用の仕方を決めてからにすべきなのです。私自身は、五輪には、あまり直接的な経済効果は期待していませんが、日本の「おもてなし」の文化を発信できる大きな機会にもなりえると思います。そうして、何よりも世界に先駆けて日本が「人類がコロナ禍に打ち勝てる大きな可能性を世界に示す」 ということの意義はとてつもなく大きいことだと思います。

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