2021年8月26日木曜日

【日本の解き方】コロナが左右した横浜市長選 保守は分裂でまともに戦えず、今後の政局化は避けられない―【私の論評】数の力の意味を知る自民党は、何があっても総裁選を経て衆院選までには、「菅内閣」で一致団結する(゚д゚)!

【日本の解き方】コロナが左右した横浜市長選 保守は分裂でまともに戦えず、今後の政局化は避けられない

山中竹春氏

 22日に投開票された横浜市長選は、立憲民主党推薦の山中竹春氏が制した。

 横浜市を地元とする菅義偉首相は、今回の市長選に全力を投入した。

 元々菅首相は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進派だった。これに対し、「ハマのドン」との異名を取る藤木幸夫・横浜港ハーバーリゾート協会会長は、山下埠頭(ふとう)へのカジノ整備に猛反対だった。藤木氏は次点となった小此木八郎氏の名付け親として知られているが、小此木氏は藤木氏の意向をくみ、菅政権の国家公安委員長の職をなげうち、IR反対を打ち出して立候補した。

 菅首相は、小此木氏の父、三郎氏の秘書を務めていたので、これまでも小此木氏を自民党総裁選の選挙対策本部長に起用するなど厚遇してきた。IR反対を表明した小此木氏を支持したのも義理人情に厚い菅首相らしい政治判断だ。

 横浜市は、これまでIR推進で動いてきた。現職の林文子市長は当初は勇退するつもりだったが、急遽(きゅうきょ)IR賛成の立場で出馬することとなり、完全に保守分裂となった。しかも、IRについて賛否が分かれるのでは、まともに戦えるはずがない。

 選挙戦の主な争点は、IR誘致と新型コロナ対策だった。

 山中氏の当選は、政府の新型コロナ対策への不満が追い風になった。山中氏は、候補者のうち「唯一のコロナ専門家」を名乗ったことで、差別化が功を奏したようだ。

 もっとも、客観的には、政府の新型コロナ対策には致命的なミスはない。世界と比べると、パフォーマンスは悪くないといえる。

 累積での人口当たりの感染者数、死亡者数、ワクチン接種回収について、20カ国・地域(G20)諸国中でみると、菅政権が発足した昨年9月16日以降、感染者数で4位、死亡者数で4位、ワクチン接種回数で10位となっている。しかし、選挙は結果が全てだ。

 来月の自民党総裁選については、無投票という案はもはやなく、若手も出てきて喧々囂々(けんけんごうごう)となるだろう。その方が、自民党のためにもなる。それは、10、11月にも予定されている衆院選のためでもある。

 政府分科会は、1年半前から、感染者数抑制を中心にしてきたが、同時に医療体制の強化もやるべきだった。最近、政府分科会の尾身茂会長は、「臨時のプレハブ施設でもいい」と言っている。1年以上前に、そのための補正予算を約1兆5000億円も組んでいるが、それらはあまり使われなかった。

 さらに、新型コロナ病床確保のための補助金を受けながら患者受け入れに消極的な実態も一部に浮上してきた。世界トップレベルの病床を持つ日本でも医療崩壊といわれる背景に、補助金を受け取らなかったり、受け取っても患者を受け入れないというのでは、医療側の責任も小さくないのではないか。このあたりも検証すべきだ。

 いずれにしても、市長選の結果により、政局の始まりだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】数の力の意味を知る自民党は、何があっても総裁選を経て衆院選までには、「菅内閣」で一致団結する(゚д゚)!

数の力の意味を知る自民党は、何があっても最終的にはまとまる文化があります。そこが野党との違いです。ただ、それは国政レベルの話であって、地方の選挙では分裂選挙も珍しくはなく、実際分裂した選挙においては今回のように良い結果とはならないことのほうが多いようです。



報道などから自民党総裁選の状況を以下でまとめます。まず、2020年に自民党総裁選挙を経て菅首相が誕生した経緯を踏まえると、菅首相を支える安倍派と麻生派、ニ階派に属する重鎮政治家などが、菅首相の代わりとなる「選挙の顔」を求めるかどうかが焦点になります。今回の総裁選挙は、昨年のように国会議員による票取りだけではなく、自民党の党員による投票が加わるとみられます。

情勢はなお流動的ですが、菅首相は総裁選挙への出馬を明言しています。重鎮政治家は菅首相を支持する姿勢を示しています。菅首相に加えて、8月23日時点で総裁選挙に出馬する意向を示しているのは、下村博文政調会長、高市早苗元総務相です。

自民党の岸田文雄前政調会長は本日26日、国会内で記者会見し9月末の任期満了に伴う党総裁選に出馬すると正式に表明しました。「このたびの自民党総裁選に立候補すると決意した」と述べました。

岸田氏は「国民政党であったはずの自民党に声が届いていないと国民が感じている」と強調した。「自民党が国民の声を聞き、幅広い選択肢を示すことができると示し、日本の民主主義を守るために立候補する」と語った。

国民の信頼を回復するために「党のガバナンス改革をしっかりと進めていく」と訴えました。党役員への中堅・若手の大胆な登用や衆院選の比例代表候補に適用する「73歳定年制」の堅持などを主張しました。

「政治とカネ」問題は「国民に丁寧に説明し、透明性を高める」とも言明しました。総裁以外の党役員の任期を「1期1年」で連続3期までとし「権力の集中と惰性を防いでいきたい」と話しました。

新型コロナウイルス対策については「危機管理の要諦は最悪の事態の想定だ。『たぶんよくなるだろう』ではコロナに打ち勝つことはできない」と指摘しました。人流抑制や病床確保、ワクチン接種の推進などとあわせて、早期に「経済対策をとりまとめる」と説明しました。

経済政策を巡り「成長と分配の好循環による日本型の資本主義を構築すべきだ」と唱えました。中間層の拡大に向けて「『令和版所得倍増』を目指す」と力説しました。子育て世代への住居費の支援拡充などを掲げました。

岸田氏は、経済政策においては、「インフレ2%目標が最優先とされ、経済成長を押し上げる拡張的な財政政策」については触れていません。金融緩和と積極財政がなされないままでは、経済成長は不可能です。その状態で分配に力を入れるとなると、過去の民主党政権時代や最近の韓国文政権の経済政策と同じで、雇用が激減します。

岸田氏

この発言からも 岸田氏の経済政策は、経済成長を重視していた安部前首相の路線を引き継ぐとした菅政権とは、異なる経済政策運営を行う可能性が高いです。

元々岸田ファミリーは財務省で固められていますので、彼が総理になれば、消費減税どころか消費増税の可能性が高くなります。また、世界遺産登録で外務大臣当時、いわゆる徴用工の記述を「forced to work」との表現で、韓国と妥協した方なので、彼は外交面でも問題視されています。

具体的に、2023年に任期を迎える日銀執行部人事には、今後の官邸の経済政策の姿勢が大きく影響するでしょう。岸田氏による政策転換によって、2%インフレ目標に対するコミットを弱め、そして、1990年代半ば以降デフレ克服に十分な対応を繰り出さなかった官僚組織の意向に沿った金融政策に変わると予想されます。

財政政策に関しては、現状、新型コロナという非常事態において、財政健全化を最優先とする政治家などからの声は目立っていません。ただ、大きく拡大した財政赤字を前に、早期増税を狙う政治勢力は根強いと見られます。新型コロナ問題が落ち着いた時点で早々に、岸田氏は、所得再分配に政策の主軸が移ることを契機として、増税を伴う緊縮的な財政政策に転じる可能性が高いです。

一方、下村、高市両氏に関しては、総裁選挙出馬に必要な推薦人を集められるのか、現状では不明です。また、彼らが出馬するとしても、次次回以降の選挙を睨んで首相候補として知名度を高める意味合いが大きいと考えられます。

こうした中で、総裁選出馬の立場を表明する高市氏は、先日もこのブログで示したように、マクロ経済政策に対する考えを明確に打ち出していました。最近の文藝春秋のインタビュー記事などからピックアップすると、高市氏は、菅総理を応援しているとする一方で「小出しで複雑な支援策に終始している」とコロナ対応のための菅政権の財政政策をやや批判的に評しています。

そうして、「インフレ率2%に達成するまでは、時限的にプライマリーバランス規律を凍結して、戦略的な投資に関わる財政出動を優先する」と述べています。

インフレ2%目標が最優先とされ、経済成長を押し上げる拡張的な財政政策が実現したのは、第2次安倍政権発足直後の2013年の短期間でした。この時期のみが、金融財政政策が一体となったマクロ安定化政策の徹底された期間でした。この時の政策を続けることが、2%インフレと完全雇用実現という経済正常化に必要と高市氏は主張しています。

高市氏は、債務残高の制約によらずに長期間財政赤字を継続させている米国の財政政策運営など、幅広い知見を複数のブレーンなどから得たことで、この財政政策に対する考え方を理解さしたのでしょう。

自民党の有力政治家からこうした財政政策に対する考えが打ち出されたことは、大きな変化です。今後の自民党政治家の中で経済政策の議論の質が高まり、マクロ安定化政策が更に改善することを期待させる動きと評価できますし、今後の菅政権の経済政策運営に影響する可能性があります。

これまで菅政権を支えてきた重鎮政治家の意向は変わらず、菅政権の継続をのぞんでいるようでし、安倍氏前総理も菅政権の存続を望んでいます。これを考えると、総裁選においては、菅首相が消去法的に自民党総裁として選ばれるなるのではないでしょうか。

ただ、政治は流動的であり、一瞬先は闇ともいわています。

それにしても、新型コロナの混沌を経て、高市氏のような世界標準の経済政策を標榜する自民党の政治家が現れました。また、8月22日に日本維新の会の馬場幹事長は、総選挙の結果によっては、自民・公明両党と、政策ごとの部分的な連携がありうる、との考えを示しました。

日本維新の会は、経済成長を重視する政策を掲げています。菅政権の支持率低下が続き、政局に対する不透明感は高まっていますが、将来を期待できる動きが永田町でみられることは、日本株市場の一筋の光明と言えるでしょう。

衆院選は、最大に延長すると11月にできますし、その可能性が高くなっているともいわれています。それ以前に総裁選が開催されることになります。

総裁選においては、候補者らの政策の博覧会のようになります。様々な論議がなされて、良い方向に向かうことが考えられます。

新総裁、おそらくは菅総裁のもとに自民党は結束を固めることができるのではないでしょうか。ここで、新たな感染対策や、経済対策を打つべきです。

特に感染対策に関しては、このブログでも過去に主張してきたように、いままでのように、感染者数を減らすことだけに注力するのでなく、多少感染者が増えたにしても、重症者、死者を増やすことなく、自粛をしなくてもすむような強靭な社会を目指すようにすべきです。

経済対策に関しては、高市早苗氏のものが最もまともで、世界標準の政策であるので、これを参照しつつ、安倍政権を継承することを旨とする菅政権において、アベノミックスをさらに拡張するような政策を打ち出すべきです。特に、物価目標2%を達成するまでは、財政均衡ではなく、積極財政を実施するという点は譲れません。

先に述べたように、数の力の意味を知る自民党は、何があっても最終的にはまとまる文化があります。総裁選を経て、新たな政策を打ち出せば、11月にはその成果がはっきりするまではいかないまでにしても、コロナ感染でも、経済も好転するという予兆が多くの国民に認識される可能性があります。

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在している野口聡一飛行士(56)が4月20日、菅義偉首相とオンラインで交信

そうなれば、11月にはコロナ感染症が収束する可能性が大きく、さらに以前このブログに述べたように、コロナ感染者数と、菅政権の支持率にはかなり強い負の相関関係があることから、菅政権の支持率も上がり、衆院選挙に勝つ可能性もでてきます。

以前にも述べたように、私自身は熱烈な菅首相ファンというわけではないのですが、コロナ感染のような未曾有の危機のときには、政権交代などがあれば、大胆な政策をできなくなる可能性が高いので、できれば菅政権を継続すべきと思っているので、菅政権には衆院選にも勝利していただきたいと思っています。

政局や政策も含めた大胆な改革などは、今ではなく、コロナ禍が収束し経済も回復した後でやるべきと思います。

先に述べたように、二階幹事長をはじめ菅政権を支えてきた重鎮政治家の意向は変わらず、菅政権の継続を望んでいるようですが、これは本当にまともな判断だと思います。二階氏に関しては、親中的な部分では、まったく賛同できないのですが、ぶれずに菅内閣の継続を望んでいることでは、高く評価したいです。

マスコミや評論家の中には、菅政権はおしまいというような論調のものも多いですが、自民党の重鎮政治家は、この点ではまともな判断をするということで、さすがは、数の力の意味を知る自民党であり、何があっても衆院選を目指してまとまることでしょう。


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