18日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を移動するロシア軍の装甲車両の列 |
英外務省は22日、ロシアでウクライナに親ロシア指導者を就任させようとの動きがあると発表した。親ロシアのヤヌコビッチ元政権下で最高会議議員だったムラエフ氏が最有力視されているという。トラス外相は「ウクライナの政権転覆を狙うロシアの活動が明るみに出た」との声明を出した。機密情報の発表は異例だ。
トラス外相 |
ロシアはウクライナ国境周辺に推定10万人の軍隊を展開。21日に米ロ外相が直接会談したが、緊張緩和への具体的合意はなかった。ロシアの軍事侵攻の可能性に危機感を抱く英国は阻止へ外交努力を続け、情報収集を強化している。ロシア外務省は「偽情報」だと非難した。
【私の論評】米国が「ウクライナ反浸透法」を成立させ、露の現状変更を許さなければウクライナ問題は解決する(゚д゚)!
ロシアのウクライナ侵攻については、昨年暮にどうなるか予想しました。その結論は以下のようなものです。
そうして、現在のロシアが、ウクライナを屈服させて従わせるのは至難の業であることも、この以前このブログに掲載しました。一人あたりGDPでは、韓国を大幅に下回る現在のロシアでは、そもそもウクライナ全土を併合するような大戦争はできません。それに、ロシア軍の兵站は鉄道に頼っているため、鉄道網が破壊されると、補給ができなくなるという致命的な欠陥があります。
それに、現在のロシアは、インフレの加速したため、中銀は金融引き締めの度合いを強めているほか、感染再拡大による影響も顕在化するなど、足下では幅広く企業マインドが下押しされるなど景気の悪化が懸念されています。
中略
ロシアによるウクライナ侵攻もかなり確率が低いと思います。ただ、状況が悪化した場合、来年はドネツク州への侵攻はあるかもしれませんが、年明けすぐということはないでしょう。ただ、確率は低いです。
これを裏付ける情報もあります。ロシア国防省は昨年4月23日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島に演習を名目に増派していた部隊が撤退を始めたと明らかにしています。ロシアのショイグ国防相が同年同月22日、部隊に帰還命令を出していました。ショイグ氏は、ロシア南部のウクライナ国境付近に集結している部隊にも帰還を命じていました。
ウクライナのクリミア半島で上陸訓練をするロシア軍兵士ら |
さらに、ロシアはカザフスタンに派遣していた小規模な空挺部隊を早々と引き上げました。その理由は、ロシアはカザフスタンとウクライナでの両作戦を実施するだけの力はないからです。
そうして、中露両国が恐れているのは、以前もこのブログで指摘したように、以下のようなものだと推測できます。
中露としては、大統領がトカエフだろうが、誰だろうが、とにかく安定していて欲しいというのが本音でしょう。トカエフ政権が崩壊するようなことでもあれば、力の真空が生まれます。そこに乗じて米国が暗躍し、中露の両方に国境を接するカザフスタンに親米政権でも樹立されNATO軍が進駐することにでもなれば、それこそ中露にとって最大の悪夢です。
米国にとっては、アフガニスタンでの失地を大きく回復することになります。失地回復どころか、アフガニスタンは現状では、中国とは一部国境を接していますが、ロシアは国境を接しているわけではないのですが、カザフスタンは両国と長い国境線をはさんで隣接しています。
中露にとっては、かつての米国にとってのキューバ危機のように、裏庭に米軍基地ができあがることになります。それ以上かもしれません。冷戦中にカナダやメキシコに、親中露政権が樹立され、中露軍基地ができるような感じだと思います。そこに長距離ミサイル等を多数配備されることになれば、中露は戦略を根底から見直さなければならなくなります。ロシアはウクライナどころではなくなります。中国は海洋進出どころでなくなるかもしれません。
結局ロシアが、ウクライナに拘るのは、ウクライナがNATOに加わることを是が非でも阻止したいということに尽きると考えられます。
ウクライナがNATOに加われば、ロシアはNATOと直接国境を接することになり、これはロシアにとっては大きな脅威です。それに、現在のロシアでは、米国抜きのNATOと戦っても勝てる見込みはありません。
無論ロシアには、核もあり、旧ソ連から継承した軍事技術もあり、侮れる相手ではありませんが、それにしても通常兵器による戦いでは、初戦では軍事技術に優れたロシアが勝利をおさめるかもしれませんが、本格的な戦争になれば、そのための兵站を維持できるだけの経済力はありません。
プーチンとしては、ウクライナを親露的にできれば、軍事的にウクライナに侵攻しなくても、NATOの脅威を取り除くことができます。ロシアでウクライナに親ロシア指導者を就任させようとの動きはプーチンの立場にたてば、当然といえば当然です。
これは、台湾と中国との関係にも似たところがあります。中国も台湾に武力で侵攻するのは難しいことをこのブログに掲載したことがあります。それは、中国軍の海上輸送力が脆弱であり台湾に一度に十分な兵力を送ることができず、小出しにするしかないからであるとしました。
そうすると、小出しにした人民解放軍は、その都度台湾軍に個別撃破されることになります。これでは、中国は海上輸送力を劇的に改善するまでは、台湾に侵攻できないのははっきりしています。
しかし、それでも中国にできる方法があります。それは、人民解放軍をこっそりと目立たないように民間人のようにみせかけて、少しずつ台湾に送り込むことです。あるいは、台湾人でも中国に親和的な人々を取り込んで、こっそりと軍事訓練をして、人民解放軍に組み込むことです。
中国は、かつて南シナ海でサラミ戦術で成功しています。台湾併合もサラミ戦術ですこしずつ台湾内に人民解放軍を増やしていけば成功することもしれません。
両者合わせて30万人も超えれば、クーデターなどのみせかけて、台湾を絡め取ることができます。直接軍事力を用いなくても、このような方法なら長い年月をかけて、台湾を併合することができるかもしれません。
そうして、これに米国が対抗するためには、私は米国が「台湾反浸透法」を成立させて、台湾への中国の不当な浸透があった場合には、制裁を課すなどの措置をすべきと思います。さらに、中国が台湾に人民解放軍を合法的にみせかけて送り込む等の挙に出た場合は、一定数以上の米軍を台湾に派遣する等の旨をはっきりさせるべきでしょう。
このようなやり方を、ウクライナにも適用すべきと思います。米国が「ウクライナ反浸透法」を成立させて、ウクライナへのロシアの不当な浸透があった場合には、制裁を課すなどの措置をすべきと思います。無論、ロシア産ガスを取引材料にした場合もそのような制裁を課すべきと思います。
そうして、中露両国が恐れているのは、以前もこのブログで指摘したように、以下のようなものだと推測できます。
中露としては、大統領がトカエフだろうが、誰だろうが、とにかく安定していて欲しいというのが本音でしょう。トカエフ政権が崩壊するようなことでもあれば、力の真空が生まれます。そこに乗じて米国が暗躍し、中露の両方に国境を接するカザフスタンに親米政権でも樹立されNATO軍が進駐することにでもなれば、それこそ中露にとって最大の悪夢です。
米国にとっては、アフガニスタンでの失地を大きく回復することになります。失地回復どころか、アフガニスタンは現状では、中国とは一部国境を接していますが、ロシアは国境を接しているわけではないのですが、カザフスタンは両国と長い国境線をはさんで隣接しています。
中露にとっては、かつての米国にとってのキューバ危機のように、裏庭に米軍基地ができあがることになります。それ以上かもしれません。冷戦中にカナダやメキシコに、親中露政権が樹立され、中露軍基地ができるような感じだと思います。そこに長距離ミサイル等を多数配備されることになれば、中露は戦略を根底から見直さなければならなくなります。ロシアはウクライナどころではなくなります。中国は海洋進出どころでなくなるかもしれません。
結局ロシアが、ウクライナに拘るのは、ウクライナがNATOに加わることを是が非でも阻止したいということに尽きると考えられます。
ウクライナがNATOに加われば、ロシアはNATOと直接国境を接することになり、これはロシアにとっては大きな脅威です。それに、現在のロシアでは、米国抜きのNATOと戦っても勝てる見込みはありません。
無論ロシアには、核もあり、旧ソ連から継承した軍事技術もあり、侮れる相手ではありませんが、それにしても通常兵器による戦いでは、初戦では軍事技術に優れたロシアが勝利をおさめるかもしれませんが、本格的な戦争になれば、そのための兵站を維持できるだけの経済力はありません。
プーチンとしては、ウクライナを親露的にできれば、軍事的にウクライナに侵攻しなくても、NATOの脅威を取り除くことができます。ロシアでウクライナに親ロシア指導者を就任させようとの動きはプーチンの立場にたてば、当然といえば当然です。
これは、台湾と中国との関係にも似たところがあります。中国も台湾に武力で侵攻するのは難しいことをこのブログに掲載したことがあります。それは、中国軍の海上輸送力が脆弱であり台湾に一度に十分な兵力を送ることができず、小出しにするしかないからであるとしました。
そうすると、小出しにした人民解放軍は、その都度台湾軍に個別撃破されることになります。これでは、中国は海上輸送力を劇的に改善するまでは、台湾に侵攻できないのははっきりしています。
しかし、それでも中国にできる方法があります。それは、人民解放軍をこっそりと目立たないように民間人のようにみせかけて、少しずつ台湾に送り込むことです。あるいは、台湾人でも中国に親和的な人々を取り込んで、こっそりと軍事訓練をして、人民解放軍に組み込むことです。
中国は、かつて南シナ海でサラミ戦術で成功しています。台湾併合もサラミ戦術ですこしずつ台湾内に人民解放軍を増やしていけば成功することもしれません。
両者合わせて30万人も超えれば、クーデターなどのみせかけて、台湾を絡め取ることができます。直接軍事力を用いなくても、このような方法なら長い年月をかけて、台湾を併合することができるかもしれません。
そうして、これに米国が対抗するためには、私は米国が「台湾反浸透法」を成立させて、台湾への中国の不当な浸透があった場合には、制裁を課すなどの措置をすべきと思います。さらに、中国が台湾に人民解放軍を合法的にみせかけて送り込む等の挙に出た場合は、一定数以上の米軍を台湾に派遣する等の旨をはっきりさせるべきでしょう。
このようなやり方を、ウクライナにも適用すべきと思います。米国が「ウクライナ反浸透法」を成立させて、ウクライナへのロシアの不当な浸透があった場合には、制裁を課すなどの措置をすべきと思います。無論、ロシア産ガスを取引材料にした場合もそのような制裁を課すべきと思います。
ただ、それ以前に、EUはロシア産ガス以外のエネルギー源の多様化も進めるべきでしょう。これも、ロシアに対抗する措置となり得ます。
さらに、ロシアがウクライナに非合法な手段で親ロシア指導者を就任させようとの動きをした場合、さらにロシアがウクライナにいかなる理由であれ、軍を派遣すれば一定数以上の米軍もしくはNATO軍をウクライナに派遣する等の旨をはっきりさせるべきでしょう。無論、これはウクライナの了承も得る必要があります。
無論、これはバイデン大統領が主張するように、ロシアによる現状変更を一切許さないという前提で行うべきでしょう。これを裏返せば、米国も現状変更をしないことを意味します。
バイデン米大統領とプーチン露大統領 |
このような条件のもとで、バイデン氏がプーチン氏と交渉すれば、ウクライナを巡る緊張がとける可能性は十分あると思います。
バイデン政権も現状では中国対応が最優先課題であり、ロシアが現状変更しないと確約し、それを遵守すれば、ことさら事を荒立てたくはないでしょう。
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