2022年1月7日金曜日

北朝鮮 北京五輪・パラ不参加 「敵対勢力の策動」とコロナが原因―【私の論評】今年の世界は、「ゼロコロナ」に拘泥せざるをえない国と、そうではない国との間で大きな違いがでる(゚д゚)!

 北朝鮮 北京五輪・パラ不参加 「敵対勢力の策動」とコロナが原因


北朝鮮が、北京オリンピック・パラリンピックに参加しないことを明らかにした。

これは、朝鮮中央通信が7日朝に報じたもので、北朝鮮当局は、中国側に渡した書簡で、北京大会に「参加できなくなった」と伝えた。

理由として、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と、「敵対勢力の策動」を挙げている。

書簡ではまた、アメリカなどの外交的ボイコットを念頭に、「中国への陰謀が悪質になっている」と非難したうえで、大会の成功に向け、中国への全面的な支持を強調した。

IOC(国際オリンピック委員会)は、東京大会に参加しなかった北朝鮮の資格を停止しているが、北京オリンピックには、個人参加を検討するとしていた。

【私の論評】今年の世界は、「ゼロコロナ」に拘泥せざるをえない国と、そうではない国との間で大きな違いがでる(゚д゚)!

北朝鮮で年明けに放送されたミュージカルです。

巨大な頭部を持つ着ぐるみが、コロナ対策を指南…。消毒の次は検温。体温計は最新式です。

実は、北朝鮮の感染状況、全く情報がありません。今年はコロナ対策を最優先とする、そんな方針を明らかにした金正恩総書記ですが、果たして、どうなっているのでしょうか。

コリア・レポート、辺真一編集長は上の動画で、「コロナの感染者はゼロと、いまだかつて1人も感染者・陽性者が出ていないと言っている」「誰もワクチンを接種していないと…、中国もロシアもワクチンの提供を申し入れているが、北朝鮮が応じたという報道もない」と語っています。

さらに、辺氏は、「北朝鮮の映像をチェックすると信じ難いことが多々ある。金正恩総書記が出席する会議。全国から6000人が一堂に集まって、室内で集会を開いている、2時間も3時間も。誰もマスクを着用していないんですね。ちょっと今のご時世ではありえないようなことが北朝鮮では垣間見られている、ということはもしかすると、平壌には一人も感染者がいないのではないか、そういう見方も成り立つ」

しかし、一方で。

「人口の半分近く48%が栄養失調の状況にある。抵抗力が強くない。むしろ不安材料はいっぱいだと思う」

公式発表による感染者ゼロ。しかし、それを裏付けるデータはありません。

「(感染者が)いるのかいないのかを検証しようがないと言いましょうか、客観的に裏付けになるようなものはないということですよね」とも語っています。

ただ、北朝鮮は感染者の発生を認めたこともありました。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は昨年4月17日、北朝鮮当局者が一般国民を対象にした講演で、国内3カ所で新型コロナウイルスの感染者が発生したことを認めたと伝えました。

北朝鮮は現在まで、対外的には「国内の感染者はゼロ」であるとする立場を取り続けていましすが。RFAの報道が事実なら、北朝鮮は近く、対外的にも感染者の発生を認めるかもしれないとされていました。そうすれば、すでに感染症対策での助力を申し出ている米国など国際社会から、支援を受け取ることができたかもしれなかったからです。

北朝鮮の北部・両江道(リャンガンド)の住民はRFAに対し、3月末に各職場や人民班(町内会)ごとに「元帥様の方針貫徹のために新型コロナ防疫事業にひとつになって取り組もう」と題した講演会が行われ、講師を務めた当局者が「朝鮮は最もすぐれた社会主義医療保健制度のおかげで、全世界的に感染者が最も少ない」としつつ、「感染者が発生したのは平壌市と黄海南道(ファンヘナムド)、咸鏡北道(ハムギョンブクト)3カ所だけだ」と強調したと伝えました。

また、平壌の住民も同様に「当局は住民講演会で、平壌市、黄海南道、咸鏡北道の3カ所で新型コロナウイルス感染者が発生したと明らかにした」と証言したといいます。

両江道の住民の証言によれば、講師はまた「住民たちが新型コロナウイルスに対する党の防疫指針をまともに守らず、人民経済に甚大なダメージをもたらした」と述べたといいます。

北朝鮮は新型コロナウイルス対策として最も過激な行動制限を行っており、規則違反が発覚した感染者が処刑されたとの情報もあります。実際、北朝鮮は体制の危機を迎えるたびに恐怖政治を強化し、国民の反発をけん制してきた。

「会場に集まった人々は、感染者が発生したという講師の言葉に、しばらくザワついたとされています。新型コロナウイルスによって南朝鮮(韓国)をはじめ全世界で人々が大量に死にゆく状況下でも、わが国は党の徹底した非常防疫対策でひとりの犠牲者も出ていないと強弁していた当局が、どんな理由から感染者の存在を認めたのかを皆が興味深く思っている」(両江道の住民)と発言しました。

またこの住民は、「わが国の地図で見ると、咸鏡北道はいちばん上に、黄海南道はいちばん下の方にあり、平壌はちょうどその中間だ。それなのに、これら3カ所でだけ感染者が出たという話を信じられるか。北端から南端までウイルスが広がったなら、すでに全国に拡散しているのだろう」との見方を騙ったとされています。

外務省海外安全ホームページの北朝鮮の地図、すべてレベル2「不要不急の渡航中止(感染症)」と表示されている。クリックすると拡大します。

韓国の情報機関・国家情報院は昨年11月3日の国政監査で、北朝鮮が新型コロナウイルス対策を怠った幹部を最高刑で死刑とする「コロナ怠慢罪」を新設したことなどを報告しました。北朝鮮は自国の防疫体制の脆弱ぜいじゃくさを認め、新型コロナで「30万人死ぬか、50万人死ぬかわからない」とする文書も作成していたといいます。

今回、北朝鮮が北京五輪、パラリピックに参加しない旨を公表したのは、やはりコロナが万円しているか、蔓延することを極度に恐れていることの証だと思います。さらに、コロナに対する備えもほとんどできていないというのが、実体なのだと思います。

北朝鮮の朝鮮中央放送は5日、新年に入り、新型コロナウイルスの流入と感染を徹底的に遮断するための「非常防疫戦」が一層強化されていると伝えました。世界中で新型コロナとの闘いが3年目に入った今も北朝鮮は「感染者数ゼロ」を主張していますが、ウイルスの流入と万が一の感染拡大の可能性に神経をとがらせている様子がうかがえます。 

北朝鮮の防疫活動(労働新聞)

朝鮮労働党中央委員会は昨年12月27~31日に第8期第4回総会を開き、新型コロナ対応を「国家事業の第一順位」に据え、「ささいな緩みや抜かりもなく強力に展開していかなければならない最重大事業」に掲げました。

手洗いやマスク着用、消毒などの基本的な対策は昨年と変わりないですが、防疫の重要性が強調されただけに、さらに警戒を強めているようです。 

中央放送はこの日、「平壌市と沿線、沿岸地域の主要地点と周辺地域で非常防疫の実態を具体的に把握し、わずかなすきも発生しないよう先んじて関心を向けている」と伝えました。

北朝鮮では、中国の「社会面清零政策」のような政策がすでに行われているか、さらに大掛かりに実施されているか、実施されようとしているのではないでしょうか。

中国の「社会面清零政策」は、先進国などでいう「ゼロコロナ政策」とは似て非なるものであり、数字上コロナ感染者がゼロになれば、住民の生活や命はどうなっても構わないという政策です。

例えば、平城などの重点地区とそうではない部分を明確に分離して、平城などで感染者が発生した場合は、感染者とその接触者とみられる人を、感染も有無なども確かめず、平城市内に追い出し、平城市街からの交通を絶ち、境界線で必要物資を受け取るとか、感染者や接触者の住居などは焼き討ちするなどして、とにかく平城市内等は感染者ゼロを保つということが行われているのではないでしょうか。

昨日は、中国がゼロコロナ政策に失敗し、国内サプライチェーンが毀損され、それが世界経済にも悪影響を与えることが、世界最大のリスクになる得ることをこのブログに掲載しました。北朝鮮でもゼロコロナ政策に失敗して、国内が大混乱するという可能性もあります。

最近の北朝鮮によるミサイル発射も、コロナによる疲弊を見透かされないようにするための、デモンストレーションなのかもしれません。

日本でもマスコミはオミクロン株の報道を盛んにしていますが、確かに感染力は、強いようですが、死者はほとんど出ていません。以下に死者数の推移のグラフを掲載します。


最近ではコロナワクチンの他にも飲薬が普及しつつあります。日本では、ワクチン+飲薬という対処法でもう少しで、コロナ感染症を普通の風邪のように扱える日がくると思います。日本も、「ゼロコロナ」にいつまでも拘泥していると、中国や北朝鮮のようにとんでもないことになりかねません。

とはいいながら、日本では人権が中国や北朝鮮よりは尊重されているので、とんでもないことにはならないでしょうが、そうはいっても、たとえば医療崩壊などが起こってしまえば、とんでもないことになり、人権無視ということになりかねません。

北朝鮮は、ワクチンも飲薬もない状況です。中国はワクチンはありますが、中国製ワクチンはオミクロン株にはあまり効き目がないようです。両国とも「ウィズコロナ」政策をしたくてもできない状況です。

しかし、日本は違います。日本はワクチンと飲薬などで、コロナ感染症を風邪のように扱える目処がたてば、すぐにコロロな感染症を二類から五類に分類し直すべきでしょう。感染症に強い強靭な社会を目指すべきです。

今年の世界は、「ゼロコロナ」に拘泥せざるをえない国と、そうではない国との間で大きな違いがでることになるでしょう。

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