2021年12月9日木曜日

「ファクターX」判明か 新型コロナが欧米より少ないわけ 理研―【私の論評】この発見により、いずれ新型コロナを普通の風邪並に扱える日がくる(゚д゚)!

「ファクターX」判明か 新型コロナが欧米より少ないわけ 理研

 日本の新型コロナウイルスの感染者数が欧米と比べて少ないとされる要因「ファクターX」について、HLAと呼ばれる細胞の表面にある物質の種類が関係しているのではないかという研究結果を理研(理化学研究所)の研究チームがまとめました。


 人間には様々な種類の免疫機能があり、ウイルスが感染した細胞を殺傷する白血球の一種「キラーT細胞」もその一つです。キラーT細胞は「エピトープ」と呼ばれるウイルスの特定の部分に反応して「敵」であると認識し、ウイルスを攻撃します。同時にウイルスを記憶して次に同じウイルスがやってきたときに、速やかに反応します。

 理研で「風邪を引き起こす従来のコロナウイルス」と「新型コロナウイルス」のエピトープを調べたところ、「極めてよく似たエピトープ」があることがわかりました。さらに、そのエピトープは日本人の6割近くが持つといわれるHLA-A24型によく結合することもわかりました。HLAは細胞の表面にあって、様々な種類があり、免疫に深く関わっている物質です。このためHLA-A24型を持っている人は、新型コロナの抗体を持っていなくても、従来のコロナウイルスの記憶を持つキラーT細胞が速やかに活性化して新型コロナウイルスを攻撃するため、感染や重症化が防げたのではないかと理研では見ています。ちなみに欧米ではHLA-A24型を持っている人は1割から2割だということです。

 研究チームの藤井眞一郎リーダーは研究の成果について、「日本の感染が少ない『ファクターX』の一部であるのは間違いないと考えている」「今後、新たな変異株にも有効なワクチン開発などにつながる可能性がある」と話しています。

【私の論評】この発見により、いずれ新型コロナを普通の風邪並に扱える日がくる(゚д゚)!

ファクターXについて、理研の研究を一言でまとめると、「日本人に多い特定の免疫タイプの影響」ということです。これは、かなり有力だと思います。要因の一部がどの程度のものであったのか、もし70%以上であった場合、「ファクターX」はこれが主要因としても良いと思います。

この研究の詳細については、以下の動画をご覧になってください。非常にわかりやすく解説しています。


「ファクターX」については、以前から様々なことが言われてきました。コロナ感染がはじまってから数ヶ月した6月あたりには、「ファクターX」について報道されるようになりました。下の表は、昨年6月11日の中日新聞から引用したものです。


どれも、あまり信憑性がありそうにもないものばかりです。唯一「遺伝的要因」というのは近いかもしれません。「日本人に多い特定の免疫タイプ」はほぼ遺伝で決まると考えられるからです。HLAの型は、親から子へ遺伝するからです。


日本医事新報社のサイトを検索してみたところ、「ファクターX」については、以下の3つの記事が掲載されていました。
【識者の眼】「日本人の協調性こそファクターX」神野正博|Web医事新報
【識者の眼】「ファクターXは実在しない」岩田健太郎|Web医事新報
新型コロナ禍で日本の医療崩壊を防いだファクターXは 民間病院の存在であった[炉辺閑話]

 「日本人に多い特定の免疫タイプ」=「ファクターX」ということになれば、これらの説はことごとく間違いということになるでしょう。

上の記事の「新型コロナの抗体を持っていなくても、従来のコロナウイルスの記憶を持つキラーT細胞が速やかに活性化して新型コロナウイルスを攻撃する」というくだりでは、「はたらく細胞」というアニメのキャラクターを思い出してしまいました。


「ファクターX」の解明にかなり大きな一歩を踏み出した理研の快挙です。日本人が欧米人に比べ武漢コロナの死者と重傷者が極端に少ない理由を解明し。日本人の遺伝子にその秘密があったことを明らかにしました。この研究により、従来の感染者は勿論、オミクロン株や基礎疾患等でワクチンが効かない感染者の治療薬開発も可能と期待されています。

この発見により、いずれ日本でも、そうし世界中で新型コロナも普通の風邪並に扱える日がくるのが、かなり早まったといえます。そうなれば、過度に恐れる人もいなくなると思います。

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