2021年12月8日水曜日

自民に“財政”2組織が発足 財政再建派と積極財政派が攻防―【私の論評】「○○主義」で財政を考えるなどという愚かなことはやめるべき(゚д゚)!

自民に“財政”2組織が発足 財政再建派と積極財政派が攻防

財政政策検討本部役員会で発言する安倍晋三元首相=1日午後、東京・永田町の自民党本部

 自民党内に財政をめぐる2つの組織が、ほぼ同時に立ち上がりました。財政再建派と積極財政派の攻防が始まっています。

 きょう、初めて役員会を開いた自民党の「財政健全化推進本部」。先月立ち上がった、岸田総理直轄の組織です。

岸田首相
 「財政健全化について考えていく。責任政党であります自民党にとっても大切な使命だと考えています」

 岸田総理は新型コロナ対応のための財政出動と、中長期的な財政健全化は決して矛盾しないとの考えを強調しました。今後、財政政策についての提言をまとめる方針です。

 一方、自民党内では、安倍元総理など財政支出に積極的なメンバーが参加する「財政政策検討本部」という別の組織も立ち上がったばかりです。

安倍晋三 元首相
 「失業率2.8%、先進国の中でも最もしっかりと守っている。それはやはり、今まで積極的な財政出動を行い、その成果でもあるのではないかと」

 こちらの本部でも、今後、望ましい財政政策を検討するとしていますが、結論は積極財政派に配慮したものになるとの見方が大勢です。党内では新型コロナ対策もあって、積極財政派の存在感が増しているといいます。

財政再建派の閣僚経験者
 「それは大盤振る舞いを続けた方が楽だからな。党内の財政再建派は息苦しい」

 関係者は議論の行方を注視しています。

【私の論評】「○○主義」で財政を考えるなどという愚かなことはやめるべき(゚д゚)!

「財政再建派と積極財政派の攻防」とは一体どういうことなのかと考えてしまいます。財政再建派といわれる人々は、どんな時でも財政再建を主張するのでしょうか。そうして、積極再生派の人々はどんなときでも積極財政をするというのでしょうか。

現状の財政が危機なのか、そうでないのか、あるいは現状は積極財政すべきなのかという「事実判断」をまず検討すべきです。それから再建すべきなのか、積極でいけるかのがわかるはずです。「主義」として議論する人は最初から間違えています。

デフレになっても、それでも財政再建ばかりしていれば、いずれさらに酷いデフレになるのは必定です。平成年間のほとんどの期間にわたり、このようなことを実施し続けたのと日銀が金融引締を続けたので、現在の日本はデフレ傾向にが続いています。積極財政主義にも確かに問題があります。積極財政を主義としていつまでも行いつづければ、いつかは超インフレになってしまいます。

日本は、財政再建主義を長い間続けてきた結果平成年間のほとんどの期間がデフレだったという、大失敗をやらかしたのですから、いい加減「主義」で財政を考えるという愚かな、馬鹿真似はやめるべきです。必要なのは、実体経済を分析した上で、積極財政すべきときは、積極財政をして、緊縮財政すべきときは積極財政をするという柔軟な姿勢てす。

安倍氏や高市氏などこのようなことは、重々承知なのでしょうが、岸田政権の枠組みの中で、このような二つの組織ができているので、「財政政策検討本部」の中で財政を検討するよりないのでしょう。

これを前提として、直近の経済を振り返ります。


総務省が7日発表した10月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は28万1996円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.6%減りました。前年同月を下回るのは3カ月連続。新型コロナウイルスの感染拡大で発令されていた緊急事態宣言が9月末に解除されましたが、飲食店の営業時間短縮や人数制限が続いた影響で伸び悩みました。

前月比(季節調整済み)では実質3.4%増でした。新型コロナの新規感染者の減少や行動制限の緩和により、前年同月比のマイナス幅は8月(3.0%減)や9月(1.9%減)に比べて縮小しました。

品目別にみると「食料」は前年同月比0.9%減でした。10月下旬まで飲食店の時短や酒類提供の制限が残っていたため外食が減りました。

宿泊料などを含む「教養娯楽」は5.4%減少しました。旅行需要は回復しつつありますが、政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」が適用されていた20年10月の支出には及ばず、宿泊料や国内パック旅行費が減りました。

「交通・通信」は10.9%増でした。緊急事態宣言の解除で外出機会が増えて交通機関を利用する人が多くなり、鉄道運賃や航空運賃が伸びました。

コロナ感染拡大前の19年10月と比べると、飲酒代(57.3%減)や航空運賃(55.2%減)、婦人服(20.2%減)などコロナ前の水準に戻っていない品目も多いです。

足元では外出関連の消費が回復しつつあるが、先行きについて総務省の担当者は「新たにオミクロン型が出てくるなどコロナ感染で不透明な状況もある」と説明しました。

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この状況ではどう考えても、財政再建よりも積極財政をすべきでしょう。

さて、オミクロン株が話題ですが、この感染者は南アフリカがいちばん多いです。南アフリカの8割以上がデルタ株からオミクロン株に変わっています。南アフリカの新規感染者数は急増しています。

感染力はグラフの傾きでわかるのです。従来に比べて傾きが大きいので、間違いなく感染力は高いということができます。

一方死者数のデータを見ると、増えていません。逆に下がっています。死者数のデータは感染者数のデータは少しあとに出て来てきますが、11月の頭からのデータを見ると、感染者数に比べて死者数が低いので、「毒性が低い」ということが推測できます。

現段階でこういうことを言うと「時期尚早」と言われかもしれませんが、あと1~2週間もすれば、「オミクロン株の毒性の強さ」についてはデータに基づきはっきり言えるようになるでしょう。

米政府の首席医療顧問を務めているファウチ氏は、「断定するのは時期尚早だが、これまでの重症化の度合いは高くないようだ」とCNNのインタビューで答えています。

データをみるとそのようなことがいえます。11月初旬からアフリカで感染が始まったことがわかっています。そこから40日くらい経っていますので、確定的ではないもののある程度の特性は言えると思います。

この種データは長ければ長いほど理解しやすいのですが。ただ、いまのところの重症化率や死者の出方から見ると、毒性は強くなさそうです。これはウイルス学の基本ですが、「感染力が強いと毒性が下がる」という傾向があります。変異するとそうなる傾向があります。ただ、オミクロン株については、現状では断定まではできません。

政府としては、1〜2週間して、オミクロン株の毒性が低いということがはっきりすれば、すぐにも大型の対策を打つべきでしょう。無論、財政再建など二の次にして、積極財政に打ってでるべきです。

南アフリカ・ケープタウン在住 岩瀬早織さん

しかし、先にもあげたように、「財政健全化推進本部」と「財政政策検討本部」の二つの組織を立ち上げる岸田政権ではまともな経済対策は期待できないです。

岸田氏としては、財政健全化主義者の組織と、財政政策を検討する組織の二つの組織の意見を聴いたうえで、財政政策を実施することになるのでしょう。これは、どちらがわの意見も聴いたということをアピールするためとしか考えられません。

このようなことを実施すれば、財政政策としては、両者の意見を折衷したものとなり、不十分なものしかできないでしょう。無論先日もこのブログで述べたような米国における「高圧経済」など望むべくもないでしょう。

「高圧経済論」とは潜在成長率を超える経済成長や完全雇用を下回る失業率といった経済の過熱状態を暫く容認することで、格差問題の改善も含めて量・質ともに雇用の本格改善を目指すというものです。

これによって、コロナで落ち込んだ経済を素早く回復させることができます。岸田政権下では、これは望むべくもないので、来年にかけて景気は落ち込み、失業率もあがり、岸田内閣への風当たりが強くなり、参議院選挙でボロ負けして、その後岸田総理は引責辞任ということになるでしょう。

その後に、総裁選で経済対策では一番まともなことを言っていた高市氏が総裁になるか、安倍総理の経済政策を引き継ぎ、それを高市氏が補佐するような形にでもならない限り、日本での「高圧経済」は難しいでしょう。一番良いのは、安倍氏がまた総理大臣になることだと思います。

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