2021年12月2日木曜日

ウイグル弾圧、習主席らの関与示す「新疆文書」が流出―【私の論評】 習近平来日に賛成する政治家や官僚、識者、マスコミ関係者等がいれば、それはまさしく「国賊」!日本は三度目の間違いを繰り返すな(゚д゚)!

ウイグル弾圧、習主席らの関与示す「新疆文書」が流出


習近平と李克強

習近平国家主席をはじめとする中国の指導者たちが、同国の少数民族ウイグル族の弾圧に関与していることを示す文書の写しが、このほど新たに公表された。

 この文書は、ウイグル族に対する人権侵害を調べているイギリスの独立民衆法廷「ウイグル法廷」に9月に提出されたもの。これまで一部が明らかになっていたが、今回のリークで今まで確認されていなかった情報が表面化した。 複数のアナリストは、この文書の中に中国政府高官がウイグル族の大量収容や強制労働につながる措置を求めたことを証明する発言記録が含まれていると指摘する。

 中国はウイグル族に対するジェノサイド(集団虐殺)を一貫して否定している。 ウイグル法廷はウイグル問題が専門の学者3人、エイドリアン・ゼンツ博士、デイヴィッド・トビン博士、ジェイムズ・ルワード博士に対し、文書が本物であるか確認するよう依頼した。

このニュースの詳細は以下のリンクからご覧になってください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b116ad23fcbd15ecab628287747bb20d7e39937

【私の論評】 習近平来日に賛成する政治家や官僚、識者、マスコミ関係者等がいれば、それはまさしく「国賊」!日本は三度目の間違いを繰り返すな(゚д゚)!

この記事を見たときに、最初に「新疆文書」という文言が目に入り、7月ごろの出来事を思いまだしました。

それは、何かというと、バイデン米政権は7月13日、産業界に対し、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与しないよう警告する文書を発表したという報道です。この文書のことを一部の報道機関は、「新疆文書」と報じていました。以下にこれに関する動画を掲載します。


米政府の諮問機関は文書で、ウイグルのサプライチェーン(供給網)に関わると「米国の法律に違反する高いリスク」を伴うと指摘しました。人権侵害に加担した企業だけでなく、融資した金融機関も制裁対象になり得ると強調しました。

ウイグル供給網を関係省庁横断で調査する諮問機関はバイデン政権で初めて警告文書を発表し、「中国はジェノサイド(集団虐殺)と人道に対する罪を犯している」と明記。問題のある中国企業との直接取引に加え、製造段階での強制労働や、民族監視に使われるIT機器の提供など「間接的な取引」を含めて即時停止を求めた。対中投資や金融支援を制限する措置を「厳しく適用する」としました。

今回のBBCによる「新疆文書」はこれとは違い、習近平国家主席をはじめとする中国の指導者たちが、同国の少数民族ウイグル族の弾圧に関与していることを示す文書の写しです。

しかし、今回の「新疆文書」はバイデン政権のそれのうち、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害に関して明確にその事実があることと、それに習近平など中国の指導者が絡んでいることまで明らかにするもののようです。

現在その真偽が明らかにされようとしているそうですが、はやくして欲しいものです。

米国は、従来から中国の人権侵害を非難してきましたが、米国の情報収集能力はかなり高いですから、故なく中国を批判することはないでしょうに、それに対して中国はことごとく反論してきました。

しかし、今回の「新疆文書」のような証拠がこれからも次から次へと表に出てきて、中国は言い訳をすればするほど国際社会から非難され続けることになるでしょう。中国がいつまでも人権侵害をやめなければ、世界は中国を経済的にも政治的にも遮断して、中国は孤立することになるでしょう。

その中国を日本は二度も救っています。

ベルリンの壁が崩壊した後、東側諸国が次々とソ連の軛から解かれ、ソ連共産党の一党独裁が終焉を迎えてから今年で30年たちました。

天安門事件を引き金として中国共産党による一党独裁体制が崩れていたとしても、何の不思議もなかったはずです。ところが、そのような瀕死の状態であった中国共産党を救ったのが、日本でした。当時の日本政府は、天皇陛下に中国を訪問していただき、さらに世界に先駆けて、経済支援を再開しました。

天皇皇后両陛下(現上皇皇后陛下)の中国訪問を伝える中国の雑誌の日本語版

この日本の経済支援をきっかけにして、米国やEUなどの国々も支援を再開し始めました。このときは、中国共産党を崩壊させるのにはまたとない好機だった思いますが、日本はそのチャンスを自ら棒に振るどころか、中国共産党を支援したのです。

これは、このブログにも以前掲載しましたが、日本は戦時中も中国共産党を救っています。

1994年に中央文献出版社&世界知識出版社から出版された『毛沢東外交文選』によれば、
毛沢東は1960年6月21日に日本の左派文学者・野間宏らに会った時、日本の皇軍に感謝する話をしました(省略)。


1964年7月10日に、日本の社会党の佐々木らと会った時も、佐々木が謝罪するので「謝罪などする必要はありませんよ。もし日本の皇軍が中国の大半を占領していなかったら、われわれは政権を奪取することはできませんでした」「皇軍が来たからこそ、われわれは国共合作をすることができて、だからこそ2万5千まで減っていた(中共の)軍隊は、8年間の抗日戦争の間に、なんと120万人の軍隊に発展することができたのです。皇軍に感謝しないでいいと思いますか?」などと回答しています。

1972年に日本の首相・田中角栄がやって来たときにも、毛沢東は「日本が中共を助けてくれたことを感謝します。もし抗日戦争がなかったら、中共は政権を掌握することはできませんでした」と語っています。


中国を訪問した田中角栄(右)と毛沢東(左)

日本が、中国の満州等に軍隊を派遣する真の目的は、当時のソ連と対峙するためでした。中国の国民党軍と戦ったのは、本来はこの目的を完遂するためでした。ところが、日本軍は本来の目的を忘れ、国民党軍との戦いを本格化し、泥沼にはまり込んでしまいました。

国民党軍との戦いなどは、ほどほどにしておき、ソ連との対峙に主に専念していれば、当時の国際社会も日本を理解したかもしません。日本は、ソ連の防波堤としての評価を受けたかもしれません。しかし、中国大陸の広い地域に戦線を拡大して、結局中国共産党に塩を送ったのです。

さて、現在に話を戻すと、新型コロナウイルスによって世界は一変したのですが、中国・武漢で最初の感染爆発が起きた際、中国共産党当局による情報隠蔽が、パンデミックの引き金になったことを忘れるべきではありません。

さらに中国共産党は、すべての個人情報を国家が管理し、自由を求める人たちを「危険人物」として容赦なく監獄や収容所にぶち込み、チベットやウイグルでの弾圧が、香港でも公然と行われ一国二制度を自ら潰したにもかかわらず、現実から日本政府も国会も目を背けているようです。岸田政権になってから、その傾向がさらに強くなったようにみえます。

昨日も述べたように、台湾侵攻を諦めざるをおえない中国共産党は西側諸国の「反中同盟」を切り崩そうと日本を懐柔しようとしています。手始めが、習近平国家主席の国賓来日実現です。これが実現すれば、日本はまた過去の二度の過ちを繰り返すことになります。ただ、過去とは違い、国際社会は日本のこの動き同調することはないでしょう。日本は中国とともに世界から孤立する道を選ぶことになりかねません。これを未だ林外務大臣ははっきりと否定していません。

日本は、瀕死の中国共産党を2度助けました。3度目は、絶対にあってはならないです。いまはなりを潜めているようですが、今後習近平来日に賛成する政治家や官僚が、識者、マスコミ関係者等がいれば、それはまさしく「国賊」以外の何者でもありません。

私自身としては、台湾有事などよりも、こちらのほうが余程心配です。

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