2021年11月2日火曜日

台湾「日本が出兵協力」58% 中国の武力攻撃に対して―【私の論評】日米潜水艦隊が協同で「台湾有事」に対応することを表明すれば、中国の台湾侵攻の意図を挫ける(゚д゚)!

台湾「日本が出兵協力」58% 中国の武力攻撃に対して

軍装の蔡英文総統

 台湾の民間シンクタンク、台湾民意基金会が2日発表した世論調査で、中国が台湾に武力攻撃した際に「日本が出兵して台湾防衛に協力すると思うか」との問いに58.0%が「見込みあり」と回答、「見込み無し」は35.2%だった。米軍については「見込みあり」が65.0%だった。

 日米の台湾軍事支援に対する期待の高さが浮き彫りになった。

 台湾軍による自衛能力については48.4%が「自信あり」と答えたのに対し、「自信なし」も46.8%。中国による武力攻撃に対する備えは「十分」が43.7%だったが、47.6%が「不十分」と回答した。

【私の論評】日米潜水艦隊が協同で「台湾有事」に対応することを表明すれば、中国の台湾侵攻の意図を挫ける(゚д゚)!

このブログに以前何度か掲載したとおり、台湾防衛はさほど難しいことではありません。米国の有名な戦略家でルトワック氏は、「潜水艦を三隻も派遣すれば守れる」と語っています。

ルトワック氏

私もそう思います。巷の軍事評論家などは、台湾防衛がいかにも難しいことのように語っていることも多いですが、それは完璧な間違いです。こうした軍事評論家は、決まって潜水艦のことは語りません。まるで、中国も米国も潜水艦なしで、空母やその他の艦艇だけで、米中が海戦を戦うような論評をします。

米軍は世界一の対潜哨戒能力を誇り、攻撃力がずば抜けて高い攻撃型原潜を多数持っています。そのため米軍は世界最高の対潜水艦戦闘能力(ASW)を持っています。

ASWに優れた米軍が、台湾に三隻もの潜水艦を派遣して、台湾を包囲してしまえば、ASWが格段に劣る中国軍が台湾を奪取しようとしても、この包囲網を破ることができないので不可能です。

米国の原潜は原潜という構造上ステルス性には難がりますが、それでも原潜としてはステルス性に優れたものも存在します。中国の攻撃型原潜や通常型潜水艦はステルス性はかなり劣っています。

米軍の攻撃型原潜はステルス性に劣るとはいえ、米軍は先に述べたようにASWが中国に比較して格段に勝っているので、米軍のほうが圧倒的に有利です。米中が海戦になれば、米軍に圧倒的に有利となり、中国には不利となります。

米中が海戦となれば、米軍は圧倒的に優れたASWにより、まずは台湾海域の中国の潜水艦隊を殲滅するとともに、空母を含むすべての艦艇を撃沈するでしょう。その他台湾の侵攻にかかわる、航空基地、レーダー施設、衛星監視のための地上施設等をことごとく破壊するでしょう。

そうなる前に中国は戦闘を中止せざるをえなくなります。もし、それでも無理やり戦闘を継続して、台湾に中国軍を上陸させることに成功しても、米軍が台湾を原潜で包囲してしまえば、輸送船や航空機などが近づけなくなり、台湾に上陸した中国兵に対して、食料・水・弾薬などの補給ができなくなります。これでは、中国軍は戦闘を継続できず、お手上げになってしまいます。

このように米軍は攻撃型原潜で台湾を包囲することにより、台湾を中国から守ることができます。

日本も米軍のように通常型潜水艦を5隻も派遣すれば、同じように台湾を守ることができます。日本の場合は、米軍の攻撃型原潜に比較すれば、攻撃力は高くはないですが、それでもその攻撃力は侮れません。

何よりも日本の潜水艦は、ステルス性が高く、最新鋭のものはほとんど「無音」と言っても良いくらいで、中国海軍にこれを発見することはできません。日本もASWにおいては、中国軍圧倒することになります。

10月14進水した日本の最新鋭潜水艦「はくげい」

中国海軍は台湾海域に日本の潜水艦が潜んでいるという懸念があれば、台湾に近づくことはできなくなるでしょう。何しろ中国海軍は日本の潜水艦を探知できないのですから、発見できない敵から攻撃されても防御できないからです。

さらにもう一つの利点は、日本が潜水艦を多様する戦闘を実施すれば、たとえ日中海戦になったとしても、日本側の犠牲はほとんどでないということがいえます。

これに対して、中国は強襲揚陸艦などを撃沈されれば甚大な被害を出すことになります。

冒頭の記事では、「日本が出兵して台湾防衛に協力すると思うか」とありますが、これはそもそも曖昧なアンケートだと思います。

アンケートをとる際に日本のASWが中国よりもかなり高度であることを知らせ、さらに潜水艦で加勢する可能性も示せば、「見込みあり」と答える人ももっと増えたのではないかと思います。

私は、日米ともに、台湾有事の場合は、日米単独でも加勢する旨を台湾に伝えるべきと思います。

日本は平和憲法の観点からそのようなことはできないという人もいるようですが、私はそうではないと思います。

中国が台湾に侵攻した場合の対応について、7月5日麻生副総理兼財務大臣は、安全保障関連法で集団的自衛権を行使できる要件の「存立危機事態」にあたる可能性があるという認識を示しました。

麻生太郎氏

「存立危機事態」は安全保障関連法で、集団的自衛権を行使できる要件として「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」などと規定されています。私は、台湾危機は「村立危機事態」であると十分解釈できるものと思います。

そうして、私は「台湾有事」の場合は、日本と米国が協同してこれを防ぐべきと思います。日米ともにASWに優れています。初戦においては、このASWを最大限活用して、潜水艦を最大限に活用して、中国の試みを打ち砕くべきです。

日本の潜水艦隊は、ステルス生を生かして情報収集にあたりその情報を米国潜水艦隊と共有し、いざ海戦ということになれば、日本は主に中国の潜水艦を攻撃し米潜水艦を支援し、米潜水艦艦隊は強大な戦闘力を用いて、あらゆる艦艇を撃沈、軍事施設を破壊するというような戦術をとるのが望ましいと思います。

さらに、日米は食料などの補給、乗組員の交代などを台湾の港でできるように予め台湾と交渉しておくべきものと思います。

このようなことをすることにより、日米は台湾を勇気づけ、中国の台湾侵攻の意図を挫くことになります。

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