2021年11月18日木曜日

岸田首相、安倍元首相と初会談 マレーシア特使派遣を伝達 「有意義な意見交換ができた」―【私の論評】マレーシアの帰りに安倍特使が台湾に寄れば、岸田政権は二つの大きな錯誤を是正することに(゚д゚)!

岸田首相、安倍元首相と初会談 マレーシア特使派遣を伝達 「有意義な意見交換ができた」


 岸田文雄首相は17日夕、衆院議員会館の安倍晋三元首相の事務所を訪れ、約30分間会談した。関係者によると、マレーシアに特使として安倍氏を派遣する方針を伝達。新型コロナウイルス対応を盛り込んだ2021年度補正予算案やロシアとの関係など外交が話題に上ったという。両氏の会談は首相就任後初めて。

 岸田首相は会談後、官邸で記者団に「これからの政治の動きの中で話題になる課題について、有意義な意見交換ができた」と語った。

 自民党総裁選で、安倍氏が高市早苗政調会長を全面支援したため、岸田首相と安倍氏に距離が生じたとの指摘がある。

【私の論評】マレーシアの帰りに安倍特使が台湾に寄れば、岸田政権は二つの大きな錯誤を是正することに(゚д゚)!

上の記事、最後の結論部分は間違っていると思います。自民党総裁選で安倍氏が高市氏を応援したのは、河野氏を総裁にはしたくなかったので、高市氏を応援したとみるのが、妥当だと思います。もし安倍氏が高市氏を応援していなければ、河野総裁ということもあり得たかもしれません。

総裁選決選投票へ向けて岸田・高市両陣営は前日9月28日午後からトップレベルの調整を進めました。岸田氏が決選投票に駒を進め、高市氏が敗れた場合に決選投票で高市陣営は岸田氏支持で合意し、本選で高市氏が獲得した議員票114の大半は岸田氏に流れたとされています。

そこに、自民党最大派閥旧細田派(現安倍派)の意思が働いていたのは間違いありません。

総裁選では、岸田派と旧細田派の共通の利益でもある河野総裁阻止と、当初は泡沫候補ともみられていた高市氏の初の女性総理への可能生を切り開いたということで、安倍氏の目論見は成功したと思います。

高市早苗政調会長

そういうこともあり、岸田氏は安倍氏や自民党最大派閥旧細田派(現安倍派)に一定の配慮を示していました。ただ、昨日もこのブログで示したように、10月31日の衆院総選挙で、自民党が身分不相応に勝ってしまったため、というか分不相応に負けなかったために、岸田政権が国民から信任を受けたと、岸田総理が勘違いしてしまったという可能性が大きいです。

それに関しては、昨日は財政面での「ショボさ、とろさ」について掲載しました。財政面での岸田首相の勘違いについては昨日の記事でまとめましたので、それを参照してください。

岸田首相のもう一つの勘違いとしては、外交上の勘違いです。

自民党では、中国当局による香港やウイグルなどでの人権弾圧を念頭に、海外での人権侵害行為に制裁を科す「日本版マグニツキー法」の整備が検討されてきたのですが、岸田首相が当面見送る方針を固めたと報じられました。

第2次岸田内閣では、政界屈指の「親中派」である林芳正外相を起用した一方、法整備に積極的な中谷元(げん)元防衛相を「国際人権問題担当の首相補佐官」に登用してバランスをとったとされたのですが、このバランスはすでに崩れつつあります。

中谷元・首相補佐官(国際人権問題担当)は15日夜のBS日テレ番組で、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区や香港での人権状況について「看過できないような状況がある。日本としてどう対応していくか政府で検討する必要がある」と語りました。

 一方、重大な人権侵害行為に制裁を科すための日本版マグニツキー法の制定については「簡単にいかない」と慎重な姿勢を示しました。

「一方的に価値観を押し付けて制裁するやり方も一つだが、寄り添って問題を解決する役割を日本は期待されている。紛争を助長したり、事を荒立てたりするのがすべてではない」と述べ、「対話と協力」を人権外交の基本とする日本政府の立場を説明しました。 中谷氏は「人権外交を超党派で考える議員連盟」の共同会長として、日本版マグニツキー法の制定を訴えていました。

これら二つの錯誤を起こしている可能性が高い岸田総理ですが、これに対する是正の動きが自民党内で必ずでてくるはずです。

なぜなら、まずはくてショボくてとろい経済対策では、コロナ禍からの経済の回復が遅れ、国民の不満が高まるからです。

外交面での錯誤、特に中国に配慮するような政策をとれば、以前このブログにも示したように、米国ピュー・リサーチ・センターの調査では、反中感情を持つ人の割合は、日本では86%にものぼるわけですから、国民の不満は高まることになります。以下に昨年10月のピュー・リサーチ・センターの調査結果のグラフを掲載します。


このまま岸田政権がこれらの錯誤を続けた場合、岸田政権の支持率は確実に下がることになるでしょう。

これに対する是正の動きが、自民党内から出てくるのは当然のことです。それでもこれに岸田政権がこれ対して何もしなければ、それこそ昨日もこのブログで指摘したように、岸田おろしの嵐が吹き荒れ、来年また総裁選ということになりかねません。

このような動きがどうなるか、見定めるための一つの目印があります。それは、安倍晋三台湾に電撃訪問のタイミングはいつごろになるかで推し量ることができます。

以前このブログでも述べたように、安倍晋三元首相が、首相経験者として初めて台湾を訪問する計画が持ち上がっています。安倍氏は超党派で作る親台議連「日華議員懇談会」の顧問を務めており、その動きは、中国との距離が近いとされる岸田文雄首相や林芳正外相、党内では茂木幹事長へのけん制と指摘する声も少なくないです。


岸田首相は、どのようなつもりで、これらの人事を決めたのかわかりませんが、外相、幹事長ともに中国との距離が近いとされる人を任命するのは、明らかにバランスを欠いています。これは、中国に誤ったメッセージを与えかねません。

バランスを保つ意味でも、安倍元総理は台湾訪問を考えたのでしょう。冒頭の記事にもあるように、マレーシア特使に任命された安倍晋三元首相は来月12月にマレーシア訪問が予定されています。その帰りに台湾訪問をするにはマレーシア帰りに、台湾に寄るのではないかという憶測があります。

もしこれが成就すれば、岸田・安倍会談においても、このことが話し合われ、岸田総理には安倍元総理や安倍派に対して一定の配慮をするつもりがあると考えられます。

もし、これが成就せず、安倍元総理が台湾を訪問することがなけれは、岸田総理には先にあげた二つの錯誤を訂正するつもりはないと考えられます。さすがに安倍元総理も、岸田現総理にはっきりと反対されれば、台湾に自己判断でいくことはできないでしょう。

果たしてどうなるのでしょう。私としては、無論来月是非とも安倍元総理の台湾訪問を実現していただきたものと思います。

そうして、これを皮切りに以前このブログでも提唱したように、岸田総理はマレーシア以外にも、特使として安倍総理を派遣すべきと思います。

このブログでは、米国バイデン政権では、ジョン・ケリー氏が、気候変動問題担当特使を担っていることから、日本でも、安倍晋三氏を日仏関係担当特使に任命して、日仏関係の強化ならびに、米豪とフランスの関係修復を推進していただいてはどうかという主張をしたことがあります。

マレーシアを皮切りに、米・仏・豪などに特使として派遣し、過去に安倍氏が成したように、大きな方向性や枠組みを構築してもらうようにすべきです。このような役割は、林外務大臣はもとより、岸田総理にも荷が重すぎです。

当面は岸田政権は、安倍元総理に外交の道筋をつけてもらうべきです。そのようなことになれば、無論財政面でも、岸田政権は安倍派に一定の配慮を示し、緊縮財政に走ることもなくなるでしょう。

何よりも、岸田総理は、安倍元総理の言うことに耳を傾けるべきです。そうしなければ、自分では人のことを良く聞いているつもりであっても結果として、唯我独尊に陥ってしまいかねません。


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