2021年11月23日火曜日

「GoToイート」食事券 年末年始の販売自粛呼びかけ―【私の論評】役人にまかせていれば浮世離れするだけ、岸政権は政権維持のために大規模経済対策を実施せよ(゚д゚)!

「GoToイート」食事券 年末年始の販売自粛呼びかけ


 飲食業界への支援策「GoToイート」のプレミアム食事券について、農林水産省は35の都道府県に対して年末年始は販売を控えるように呼び掛けました。

  「GoToイート」は新型コロナの感染拡大でプレミアム食事券の販売を停止していましたが、19日に閣議決定した政府の追加経済対策に盛り込まれました。

  ところが、年末年始は需要の高まる時期であることから、農水省は食事券の販売を終えていない35の都道府県に対して最大1カ月の販売停止期間を設けるよう呼び掛けました。

  食事券の販売や利用期限は各都道府県の判断で決まり、地域によっては期間が来年のゴールデンウィーク前後まで延長されることになります。

【私の論評】役人にまかせていれば浮世離れするだけ、岸政権は政権維持のために大規模経済対策を実施せよ(゚д゚)!

この販売自粛について、高橋洋一氏は以下のようにツイートしています。


まあ、年末年始は需要がただでも高まるので、それはそれとして、他のシーズンの売上をあげてトータルで売上をあげようという考えもなきにしもあらずです。

もう一つの考え方として、下のグラフでみてもわかるように最近は失業率が低下しています。ひといきついていた人手不足がまた深刻になりそうです。


そうであれば、年末年始に人手が欲しくてもままならない可能性もあります。であれば、年末年はあえてあまり販促をせず、それ以外のシーズンに販促をして、売上を平準化して、少ない人員で最大の成果をあげるという考え方もあります。

経営者であれば、それぐらいのことは考えます。ただ、そこまでは役人は考えていないでしょう。

やはり、コロナを心配しているのかもしれません。ただ、コロナ感染は最近は下火です。

東京都内の23日の感染確認は17人で、12日連続で30人を下回りました。東京都は23日、都内で新たに10歳未満から60代までの男女合わせて17人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の火曜日より2人増えました。

都内の一日の感染確認が50人を下回るのは38日連続、30人を下回るのは12日連続です。23日までの7日間平均は17.4人で前の週の83.3%です。一方、都の基準で集計した23日時点の重症の患者は22日と同じ8人でした。また死亡した人の発表はありませんでした。

この状況では、例年のインフルエンザよりもさらに低い感染者数ですし、死者もいないのですから、上であげた二つの理由以外に、飲食業者側からみてわざわざ年末年始の販売を自粛する必要はないようです。

全く、役人は浮世離れしていると言わざるを得ません。

私は、昔はイタリアンレストランのマネジメントをしていたこともありますから、その経験からいうと、人手不足などが深刻でない限りは、年末年始に一時的に人手を増やしても、年末年始の売上を上げるべきと思います。さらに、この時期は予約が多く、予想もたちます。多めにやとった人員を無駄にすることもあまりないです。

先がどうなるかなど、正確には予想できないですし、予測しないことも起こりがちですから、まずは目の前の売上を確実にとるというのが健全な経営者のあり方だと思います。それは、国の経済にも相通じるところがあると思います。

内閣府が15日に公表した7~9月期国内総生産(GDP)の1次速報は、年率換算で民間消費が4・5%減、住宅投資が10・1%減、設備投資が14・4%減、公共投資が5・8%減、輸出が8・3%減、輸入が10・5%減と、マイナスのオンパレードでした。

消費は4~6月期に3・4%増だったのがマイナスに転じ、住宅投資は1~3月期に4・3%増、4~6月期には8・3%増と2期連続プラスだったが、これもマイナスとなりました。設備投資も4~6月期の9・1%増からマイナスに落ち込んでしまいました。


新型コロナの緊急事態宣言などで個人消費が低迷し、輸入も国内消費と連動しマイナスでした。自動車の減産で輸出も落ち込んだ。GDP全体としてもマイナス成長は2四半期ぶりです。

これに対して政府は、財政支出55.7兆円規模の経済対策を19日の臨時閣議で決定しました。これに対しては、政府はGDP5.6%押し上げ効果があると試算していますが、これは疑わしいとする識者もいます。

この識者は以下のような発言もしています。
今まで実施されてきた巨額の経済対策の効果が薄れる中で、成長率は押し下げられるはずだ。いわゆる「財政の崖(フィスカル・クリフ)」が生じるのである。今回の経済対策は、それがなければ相応に落ち込むはずだった成長率を支える効果を持つのであって、成長率を大きく押し上げる効果を発揮するものではないだろう。
一方米国では米国は約200兆円の米国救済計画に加え、114兆円のインフラ投資法案を成立させました。約200兆円のビルドバックベター法案も控えています。

米国下院は11月19日、「ビルド・バック・ベター」法案(H.R.5376)を賛成220、反対213で可決した。共和党は全員が反対に回り、民主党からは1人が反対した。通過した法案は上院に送付され、同法案をベースにさらに審議されます。

日本の人口は1億二千万人です。一方米国の人口は3億3千万人です。大雑把にみて日本の3倍はあるということです。当然のことながら財政規模が大きくなるのは当然のことです。しかし、日本は米国の1/3 程度の規模であってしかるべきです。

「ビルド・バック・ベター」法案は、どうなるかはまだわかりませんが、それにしても、米国と比較すると日本の財政政策はあまりに、みすぼらしいです。

普通の経営者サイドからみれば、年末年始に売上をできればとれるだけとっておく、それも人手をある程度厚くし、予約などを通じて無理なくあげておくというのが普通だと思います。

経済対策もやはり、直近(ここ1〜2年:直近というと3秒と考える人もいるようなので念の為)で経済をできるだけ良くしておくというのが健全な行き方ではないかと思います。

直近でできるものはどんどん実施して、後でまずいことがおこれば、様々な修正をするというのは王道だと思います。そうして、それは意外に簡単にできることだと思います。それこそ、緊縮財政、金融引締などです。だからこそ、バイデン政権も大きな予算を組んでいるのだと思います。

支持率の低下に苦慮するバイデン

直近で出し渋って、後でデフレの悪影響が出て、それに対処するというのでは大変なことになります。たとえば、失業者が大量に出てから手当をするなどのことをするよりは、最初に失業者が出ないように手を打っておけば、インフレなどの悪影響が出ても容易に手をうつことができます。

その逆は大変なことです。日本がとてつもない貧乏国でそもそもやりようがないとか、中国のように国際金融のトリレンマにはまって金融緩和できないというのなら別ですが、日米などには十分にできるだけの余裕があります。ましてや、日本は未だに物価目標2%すら達成できないのですから、余裕は十分すぎるほどです。

日本も、やる気になれば、できるはずです。役人にまかせておけば、浮世離れした政策しかできません。今年が駄目なら、来年春には是非とも大型補正予算を組んでいただきたいものです。そうでないと、来年の夏頃にはかなり経済が悪化し、失業率の上がりその状態で岸田政権は参院選に突入し大敗することになるでしょう。

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