2021年11月6日土曜日

ロシア極東戦力の一端明らかに 軍事演習、異例の公開 潜水艦基地や最新鋭艦も披露〔深層探訪〕―【私の論評】東西冷戦の戦勝国でもある日本は、「インド太平洋憲章」を提唱し新たな世界秩序の樹立に貢献すべき(゚д゚)!

ロシア極東戦力の一端明らかに 軍事演習、異例の公開 潜水艦基地や最新鋭艦も披露〔深層探訪〕

 ロシア国防省は10月下旬、時事通信など内外メディアに極東のカムチャツカやサハリン、ウラジオストク沖で行われた軍事演習の様子を公開した。海軍太平洋艦隊の潜水艦基地区域の立ち入りや最新鋭コルベット艦の乗船も許可するなど異例の公開ぶりで、アジア太平洋をにらむ極東のロシア軍の戦力の一端が明かされた。

  ◇潜水艦4隻を近く配備 

 「近く新たに潜水艦4隻が配備される」。太平洋艦隊潜水艦部隊のアルカジー・ナワルスキー海軍少将は10月27日、カムチャツカ半島ビリュチンスクの基地に停泊したボレイ型原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマフ」の艦上でこう語り、戦力拡充ぶりをアピールした。少将は「潜水艦部隊の活動目的は、アジア太平洋地域でのロシアの軍事的安全の確保だ」と強調。軍事インフラも絶え間なく改善されていると自信たっぷりに述べた。

ボレイ型原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマフ

  半島南部の太平洋側に位置する基地には複数の潜水艦が停泊しており、この日は基地水域に侵入した敵艦艇の撃退を想定した訓練が行われた。入出域が管理されている基地区域には軍人やその家族向けにプールなどを備えた娯楽施設もあり、少将は「インフラ拡充や部隊の戦闘能力向上のほかに、国家指導部や国防省は軍人の生活の質向上に大きな関心を払っている」と説明した。 

 カムチャツカでは、ロシアが介入したシリア内戦にも投入された地対空ミサイルシステム「S400」による対空防御訓練も実施。実際に発射はしなかったが、発射台を動かしたり、訓練場所に煙幕を張ったりした。翌28日には北海道北方に位置するサハリン島での訓練を公開。島南部のアニワ湾沿岸で、無人機「エレロン3」やT80戦車などを投入して敵の上陸阻止訓練が行われた。 

 ◇中国と軍事協力強化 

 欧米と対立を続けるロシアは、対米で結束する中国との軍事協力を深めており、アジア太平洋地域での軍事演習を活発化させている。中ロは10月14日からウラジオストク沖の日本海で海上合同軍事演習を実施。そのまま中ロ軍艦10隻は津軽、大隅両海峡を通過し、23日まで日本周辺で「海上合同パトロール」を行った。航行は中ロの連携を示し、日米をけん制する狙いがあったとみられている。 

 演習公開3日目の10月29日には津軽、大隅両海峡を通過した中ロ軍艦10隻のうちの1隻である太平洋艦隊のコルベット艦「アルダル・ツィデンジャポフ」に報道陣を乗せ、ウラジオストク沖の日本海で砲撃訓練などが行われた。同艦は昨年12月に配備された最新鋭艦で100ミリ砲や機関砲を備え、対潜哨戒ヘリコプターの発着艦が可能だ。

  ロシアは毎年9月ごろに国内の軍管区の一つで大規模軍事演習を実施。来年は極東を管轄する東部軍管区で「ボストーク(東方)2022」が予定されており、国防省によれば、今回公開された訓練の一部は来年の大規模演習に向けた準備の一環でもあった。 

 18年に行われた前回のボストークには中国軍が参加した。30万人が動員され「冷戦後最大規模」とも言われた。来年のボストークも中ロが軍事的結束を誇示する場となりそうだ。

【私の論評】東西冷戦の戦勝国でもある日本は、「インド太平洋憲章」を提唱し新たな世界秩序の樹立に貢献すべき(゚д゚)!

連携を深めつつある中露海軍ですが、これに日本はどう対処すべきかについては以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中露の航行許す津軽の「特定海峡」指定 「領海」にしないと国益を損ねる 「非核三原則」も早急に見直しを ―【私の論評】中露などの軍艦艇、潜水艦や核兵器積載艦艇の海峡通過は有害通行とみなすべき(゚д゚)!
津軽海峡を通過する中露艦隊

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に結論部分のみ引用します。
日本は、1968年の国会において、核兵器積載艦船の領海通航は無害とはみなさないという立場を表明し、この立場に変更がないことは、96年の国連海洋法条約を批准する際の国会審議においても確認されています。

日本としては、「核三原則」は捨てても、この立場は堅持すべきです。ただし、米国など同盟国の艦艇や潜水艦、核兵器積載艦艇の通過は無害とみなし、中露などの艦艇や潜水艦や核兵器積載艦艇に関しては、有害とみなすようにすべきです。

これにより、今回の中露の軍事演習のような行為は国際的にも認められなくなります。
ただ、これは日本が単独で、中露に対して牽制をするということであり、日本としてはそれだてげはなく、同盟国等他の国々にも働きかけていくべきでしょう。何よりも日本が世界に向かって新たな世界の秩序をつくりあげるための提言をしていくべきです。
 
現在の世界は、第二次世界大戦やその後の世界とは異なり、「自由民主主義国家 vs.中露などの全体主義的強権国家」の対立であり、新冷戦とも言える状況にあります。

過去に似たような状況があったとしたら、それは、1989年に終了した東西冷戦です。米国を中心とする西側陣営は、この東西冷戦に明確な勝利を得ました。


米国は、第2次世界大戦終了後、数々の戦争に関与してきました。しかしながら、世界最強の軍事力を持ちながら、主要な戦争に敗北し続けてきました。

米国の著名な戦略家のエドワード・ルトワックが著書『ルトワックの日本改造論』(飛鳥新社、2019年12月)第3章の中の一節「1945年以降、アメリカは負け続けている」という箇所の中でも明言しています。

ルトワックは、朝鮮戦争は、「参戦してきた中国義勇軍兵の攻勢に米韓軍は統制も士気も乱れ、大打撃を受けた。結果として、運よく引き分けに持ち込んだ程度だった」と述べています。

第2次世界大戦後、最大の米兵犠牲者(5万8000人強)を出したベトナム戦争は米国の敗北で終わっています。

最近では、20年間にわたり2兆ドル以上(250兆円)を投じたアフガニスタンへの米軍の駐留は、再びタリバンが同国支配の奪還に成功する中、さる8月30日、米軍の完全撤退の形で終了しました。

まさに、ルトワック氏が主張する大国は小国に勝てないという理論を実証した形になりました。

そうして、外交政策についても、米国は重要な節目節目で大きな間違いをすることが多いです。

東西冷戦は熱戦ではないですが、米国にとって第2次世界大戦後、ほとんど唯一といっても良いほどの輝かしい勝利と言えます。これは、西ヨーロッパ諸国と日本が全面的に協力したからこそ勝利できたのです。


日本では多くの人が認識していないようですが、わが国は、米国、西ヨーロッパ諸国とともに、冷戦の勝者です。日本は冷戦の戦勝国なのです。さらに、日本はこの戦いに手をこまねいて何もしなかったということはありません。

オホーツク海においては、日本は米国の要請に応じて、対潜哨戒能力を強め、ソ連原潜の探査を行い、米国と協同の上ソ連原潜の実質上の封じ込めに成功しました。

冷戦期間という長期にわたって、日本はオホーツク海における対潜哨戒活動を行ってきたため、哨戒の能力が飛躍的に伸び、いっときは米国を凌駕するまでになり、世界一といっても良い状況にありました。この貢献は米国や西側諸国にとっても非常に大きいです。

日本の対潜哨戒能力は今でも世界のトップレベルです。米国もそうです。そのため、日米は海戦能力がトップレベルであり、中露と日米が本格的な海戦をすれば、中露に勝ち目はありません。

中国は海戦では日本単独でも勝つことはできないでしょう。ロシアも総力戦ではなく、海戦ということでは、日本と戦えば相当厳しいです。特に長期の海戦になれば、陸空の軍事技術には秀でてはいますが、海においてはそうでもありませんし、経済力が今や日本の1/3程度ですから、兵站に支障をきたす可能性が高いです。

朝鮮戦争においては、日本は直接戦争に参加することはありませんでしたが、朝鮮で戦う米軍に対する巨大な兵站基地となって支えました。日本は今でも中国と対峙する米軍の巨大な兵站基地の役割を担っています。

これらを実施するために、日本は莫大な経費と時間と努力を費やしてきました。おそらくこれは、米国に次ぐ多さだと思います。

ここで話は変わりますが、現在すでに時代遅れとなった「大西洋憲章」なるものが「新大西洋憲章」として、未だに生き残っています。「大西洋憲章」は、第2次世界大戦に至る「連合国 vs. 枢軸国」の対立の過程で作成されたものです。「新大西洋憲章」も枠組みは「大西洋憲章」と変わりありません。

1941年8月の米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相による大西洋に浮かぶ英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦上で合意されました。

「新大西洋憲章」は米英で定められたものです。第二次世界大戦後はこれで良かったかもしれませんが、現在ではこれにかわる新たな「憲章」が必要です。そうして、現在日本が中心となり自由民主主義諸国の理念を「インド太平洋憲章」として起草する資格が十分にあるといえるでしょう。

そもそも、一番最近終わった世界大戦は第2次世界大戦ではなく、1989年に終わった東西冷戦です。

ロシア(ソ連)は、東西冷戦の明確な敗者であり、中国もほとんどそれに近いです。ただし、中国は当時は軍事的にも経済的にもとるに足りない存在であったので、失うものがソ連に比較して少なかったということであり、敗戦国であることに変わりはありません。

わが国は、一番最近終わった世界戦争の勝者の主要な一員という意味でも、新冷戦の理念を掲げる「インド太平洋憲章」を起草する資格を有していると言えるでしょう。

日本は、いつまでも、敗戦国の汚名を着せられたままでいることはできません。これを機に、わが国は、直近の世界大戦の勝者として、国際社会に登場すべきです。

「インド太平洋憲章」に盛り込むべき内容としては、そもそも先の「新・大西洋宣言」の8つの条項には、人権の尊重が明示されていないですが、東トルキスタン、チベット、モンゴル、香港など酷い人権侵害を続けている中国を牽制する観点からも、こうした条項は「インド太平洋憲章」には不可欠です。

そもそも日本は、世界で最初に人種的差別撤廃を提案した国です。第一次世界大戦後のパリ講和会議の国際連盟委員会において、日本が主張した、「国際連盟規約」中に人種差別の撤廃を明記するべきという提案をしました。

ところが、この提案に当時のアメリカ合衆国大統領だったウッドロウ・ウィルソンは反対で事が重要なだけに全員一致で無ければ可決されないと言って否決しました。国際会議において人種差別撤廃を明確に主張した国は日本が世界で最初です。

このような経緯からも、「インド太平洋憲章」を日本が起案して、人権尊重の条項を盛り込む資格を有しているといえます。

参加国の枠組としては、新冷戦の自由民主主義陣営は、日米豪印4カ国のQUADを中心として、世界のすべての民主主義国に参加してもらうべきです。

ただし、「インド太平洋憲章」に当初参加してもらうのは、「QUAD +α」とするのが適当でしょう。

このプラス・アルファの諸国には、すでに軍事的なものを含めて、インド太平洋への関与を表明している英仏独蘭の4カ国に、カナダとニュージーランドの2カ国を加え、計6カ国とするのが適当であると思います。

そのため、「インド太平洋憲章」は、少なくとも当初は、この「QUAD +α」の計10カ国によって合意されるものとすべきと思います。

是非とも、これらの10カ国を主導して、日本政府が、「インド太平洋憲章」の草案作りをすべきです。

なぜならば、上で述べてきたようにその資格が最もあるのは、わが国だからであり、さら付け加えると、自由で開かれたインド太平洋戦略は、元々は2016年(平成28年)8月に、時の内閣総理大臣・安倍晋三が提唱した、日本政府の外交方針だからです。

こうした下地があったからこそ、米国はインド太平洋戦略を推進しやすかっといえます。米国に反対する勢力も多いこの地域で安倍総理が関係諸国に橋渡ししたからこそ、うまくいったといえます。

さらには、クアッド構想も06年に安倍晋三首相が4カ国の戦略対話を訴えたのがきっかけだからです。2013年安倍氏が首相へ返り咲いて計画が再浮上しました。17年11月に局長級会合が始まり、19年9月にニューヨークで初の4カ国外相会談を開催しました。

そうして日本は第二次世界大戦から、冷戦を経て今日に至るまで、戦争や紛争に直接関与したことは一度もないからです。

米国をはじめとして、戦争や紛争に直接関与してきた国が草案をつくれば、利害関係のある国々の執拗な反対は免れないと思います。それに比して、日本の草案づくりに反対するのは、対抗軸にある中露と北朝鮮、及び風変わりな国である韓国だけでしょう。

「インド太平洋憲章」ができあがれば、世界はまた結束して新冷戦に勝利することになるでしょう。


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