元財務官僚で嘉悦大教授の高橋洋一氏が16日に更新した自身のYouTubeチャンネルで「ショボい!とろこい!グダグダ岸田内閣」と岸田政権をぶった切った。
高橋氏は、10月31日の衆院総選挙で、自民党が「身分不相応に勝っちゃった」と話し、その結果、「結果的に変わるチャンスがなくなっちゃった」「あまりにも負けなかったから信任を受けたんだと、岸田さんが勘違いしちゃったのかもしれない。勘違いしない方がよかった」と述べた。
選挙前から岸田政権は、スピード感がなくグダグダだという高橋氏は、18歳以下に現金5万円クーポンで支給するという特別給付金についても「今月に補正予算出して、来月に国会で審議するから、そのあと、すぐ年末年始の休みになっちゃう。
GOTOキャンペーンも来年2月からを予定するなど、岸田政権の政策を「とろこい」とぶった切った高橋氏。新型コロナウイルスからの経済回復も「日本だけが出遅れている」と指摘し「どうしようもないこのスピード感のなさ。こんなんで参院選戦える?無理だよ。参院選にしっぺがえしがくるかもしれない」とも。
一方で、衆院選で躍進し、現在、文書通信交通滞在費問題を指摘して注目を集めている日本維新の会について「維新と国民(民主党)の方がまともに見える。期待するところがないから」と再躍進する可能性を想像していた。
自民党の岸田文雄前政調会長は19日、東京都内で開かれた岸田派の会合であいさつし、菅義偉首相の任期満了に伴う党総裁選について「自民党は幅広い選択肢を持つ政党だと示す貴重な場だ。しっかりとした選挙をやらなければならない」と述べました。首相の無投票再選に異論を唱え、自身の出馬に意欲をにじませた発言です。岸田派内では、岸田氏以外に首相の対抗馬が出れば、立候補すべきだとの声が出ています。
古賀誠氏 |
自民党岸田派の名誉会長を務めていた古賀誠元幹事長は19日、TBSのCS番組収録で、同派会長の岸田文雄前政調会長の党総裁選への対応について「利口な岸田会長だから、こういう状況で出馬まで踏み切る決断には至らないのではないか」と述べ、自制を促しました。
古賀氏のこの発言は、今回岸田氏が総裁選に立候補して、落選した場合、修復が不可能な位の大きな傷がつくことを恐れた、親心によるものとみられます。確かに、その可能性は否定できないです。
総裁選候補がはっきりと決まっていないかった、この時期は、様々な憶測が飛んでいました。その中で自民党岸田派の名誉会長を務めていた古賀氏は上のような発言をしたのです。古賀氏のような人物が故なく、このような発言をするはずはありません。
確かにに現状の岸田総理の行動をみていると、古賀氏の諫言はあたっていたのかもしれません。それに、確かにこの時点では、岸田に目がでることは考えにくい状況でした。
ただ、安倍元総理や麻生氏、それに甘利氏などの当時の党内実力者が、石破氏、河野氏などが総理大臣になることを完璧に阻止すべく、岸田派と手を組み、高市氏を応援するという形で、岸田氏が総裁選に勝つように仕向けたというのが、事実でしょう。
そうして、岸田総理大臣が生まれたわけですが、その後の10月31日の衆院総選挙で分不相応に勝ってしまったのです。これは、立憲共産党とも揶揄されたように、共産党と立民の共闘が、多くの有権者に受け入れられず、これに有権者が反対するという意味で、自民党、維新に票が流れたというのが実体です。
様々な幸運が重なり、岸田氏は総裁選と衆院選に連続して勝利してしまったのです。特に衆院選では、「あまりにも負けなかったから信任を受けたんだと、岸田さんが勘違いしちゃったのかもしれない。勘違いしない方がよかった」と高橋洋一氏が語っているような状態になってしまったようです。
本来ならば、岸田氏は勘違いせずに、麻生派や安倍派のことも考慮しながら、国政に取り組むべきでした。そうして、政治は派閥の力学だけで動くわけではありません。
15日に出された「四半期別の実質成長率」をみると以下のよう状況です。
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この状況を高橋洋一氏は、「派手にマイナスばかり。景気対策は真水50兆円ないと立ち直りは難しいな」とツイートしています。
この状況を認識していれば、派閥の力学などは脇に置いても、特に経済対策においては、高橋洋一が指摘するような「ショボい!とろこい!グダグダ岸田内閣」であってはいけないはずです。大規模で、素早い経済対策が必要なはずです。
そもそも給付金における所得制限は事前に行うのは不味く、あるとしても課税所得にして事後課税が筋です。そうすることにより、給付を素早くできます。しかも、事前所得制限で世帯主所得基準にしたのは間抜けと言わざるを得ません。「聞く力」をキャッチフレーズに掲げる岸田文雄総理が「文藝春秋」のインタビューに応じ、同誌11月号に掲載された財務事務次官・矢野康治氏の論文「 財務次官、モノ申す『このままでは国家財政は破綻する』 」について、「いろんな議論があっていい」と言及しました。
財務事務次官・矢野康治氏 |
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