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2020年8月13日木曜日

「沖縄独立」に中国暗躍! 外交、偽情報、投資で工作…米有力シンクタンク“衝撃”報告書の中身―【私の論評】国民の支持を失い、米国からも否定されれば、安倍政権が窮地に!親中派議員と官僚を成敗せよ(゚д゚)!

「沖縄独立」に中国暗躍! 外交、偽情報、投資で工作…米有力シンクタンク“衝撃”報告書の中身

「日本における中国の影響」の表紙

 沖縄県・尖閣諸島周辺海域に、中国の休漁期間明けの来週16日以降、中国漁船が大量に押し寄せ、日本領海を侵犯する危険性が指摘されている。日本政府は先月、外交ルートを通じて「日中関係は壊れる」と警告したが、中国政府側は「(尖閣は)固有の領土」と反発したという。こうしたなか、米国の有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が発表した調査報告書「日本における中国の影響」にある「中国の沖縄工作」が注目されている。新型コロナウイルスの大流行を引き起こしながら、覇権拡大を強める中国の浸透工作とは。ジャーナリストで、日本沖縄政策研究フォーラム理事長の仲村覚氏が緊急寄稿した。


 注目の報告書は、2018年から2年間かけて、約40人の専門家にインタビューするなどしてまとめられた。約50ページの中では、「中国の沖縄工作」にも多くの文字数を割いている。

 日本の安全保障上の重要懸念の1つとして、沖縄の人々が日本政府や米国への不満を理由に「独立を宣言」する可能性を指摘している。中国の最重要ターゲットも、米軍基地が多い沖縄であり、「外交」や「偽情報」「投資」を通じて、この目的(=沖縄独立)を後押ししているという。

 報告書では、「日本の公安調査庁は、2015年と17年の年次報告(=『内外情勢の回顧と展望』)で、中国の影響力により沖縄の世論を分断する可能性の問題を取り上げた」と続く。

 この公安調査庁の『内外情勢の回顧と展望』には、《「琉球帰属未定論」を提起し、沖縄での世論形成を図る中国》というコラムがあり、次のように報告されている。

 《既に、中国国内では、「琉球帰属未定論」に関心を持つ大学やシンクタンクが中心となって、「琉球独立」を標ぼうする我が国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている。こうした交流の背後には、沖縄で、中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるものとみられ、今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要する》

 CSISの報告書は、慶應義塾大学教授の言葉を借りて、「中国は日本に影響を与えるために間接的な方法を使用している。資金調達を通じて沖縄の動きに影響を与え、沖縄の新聞に影響を与えて沖縄の独立を推進し、そこに米軍を排除するなどの隠れたルートがある」とまとめている。

 現在、日本の対中国の安全保障課題としては、沖縄県・尖閣諸島周辺海域に、中国海警局の武装公船などが連日のように侵入していることが報じられている。だが、「中国主導の琉球独立工作」「沖縄と日本政府の分断工作」も真剣に警戒せざるを得ない。

 中国については16日の休漁期間終了後、尖閣諸島領海に多数の中国漁船を送り込んでくる可能性が指摘されている。海上保安庁と沖縄県警、自衛隊は、尖閣諸島で起きるさまざまな事態を想定して、対処方法を検討し、訓練を続けているとみられる。

 だが、中国による尖閣・沖縄侵略に対峙(たいじ)する「図上演習」は、これだけでは不十分といえる。

玉城デニー知事

 例えば、中国が日本政府を飛び越して、沖縄県と直接、「尖閣諸島と東シナ海の共同開発」を提案し、玉城デニー知事がこれを受け入れた場合、どうなるだろうか?

 常識的には、外交権は日本政府に属する。沖縄県には外交権がないから不可能だ。

 しかし、国連では、沖縄の人々を先住民族として、その権利を保護すべきとの勧告が2008年以来、5回も出ている。琉球独立派は、国連人権理事会などに「琉球の自己決定権がないがしろにされた」「中国と沖縄の外交を認めよ」と訴えかねない。国連も「琉球・沖縄の権利を保護せよ」と、日本政府に勧告を出す危険性がある。

 万が一、日本政府が妥協して、沖縄が中国と独自外交を展開することになった場合、その先がどうなるかは語るまでもないだろう。中国の思惑通りではないか。

 沖縄のマスコミや政治を見る限り、中国の工作活動の影響が広がっているとしか思えない。CSISの報告書が危惧するように、中国は尖閣関連の混乱に乗じて、あらゆる手を使って沖縄を日米から引き剥がしに動いてくるだろう。

 ぜひとも、尖閣有事の図上演習には、沖縄の政治や経済、マスコミ、国連の各組織の動向も、「要素・要因」として組み込んでほしい。それをしっかり米軍と共有して対処することこそ、「中国の野望」を打ち下す最善の策といえる。

 ■仲村覚(なかむら・さとる) ジャーナリスト、日本沖縄政策研究フォーラム理事長。1964年、那覇市生まれ。79年 陸上自衛隊少年工科学校(横須賀)入校、卒業後、陸自航空部隊に配属。91年に退官。企業勤務を経て、2004年にITソリューション会社を設立するとともに、沖縄の基地問題や尖閣問題、防衛問題の取材・執筆活動を続けている。著書に『これだけは知っておきたい沖縄の真実』(明成社)、『沖縄はいつから日本なのか』(ハート出版)など。

【私の論評】国民の支持を失い、米国からも否定されれば、安倍政権が窮地に!親中派議員と官僚を成敗せよ(゚д゚)!

この報告書は、米国で作成されたものであり、日本国内で作成されたものよりは、第三者的な立場から書かれ客観的な内容になっていると思います。まだ読まれていない方は、ぜひとも原点にあたるべきと思います。以下にこの報告書の入手先のリンクを掲載させていただきます。


上の記事では、紙幅の都合があるためか、中国の脅威のみが掲載されていますが、報告書にはこれに対する日本の防護壁についても記載されています。
日本は、中国に対して世界で最もネガティブな考えを持つ国として際立っている。2019年ピュー・リサーチの世論調査によると、日本人の中国に対する否定的な見方は、調査対象となった34カ国の中で最も高く、85%の否定的な見方を示した。 
歴史的な背景からも、長らく中国の権力を警戒してきた日本は、西洋諸国のような競争力ある民主主義国に比べて、中国の浸透工作が効果を出していない。日本は超党派的な中国への警戒心と中国の歴史や文化への親近感から、今日の共産党政権による悪質な活動に危機感を持っている。 
自民党よりもずっと親中とされる民主党政権でさえ、尖閣諸島の領有権では強硬姿勢を見せている。
中国が日本に影響を与えることができないのは、特に2000年代に領土問題が表面化して以来、中国の自称『平和的』な台頭に対する懐疑的な見方を含む、ネガティブな世論によるものである。これは、800万人もの中国人観光客が来て経済効果をもたらしているにも関わらず、好転しなかったことからも伺える。
この厚い壁があるからこそ、中国の浸透工作は日本ではなかなか成功しない部分もあるようです。

       国道246号線と山手通りがぶつかる交差点付近に建造された、
       首都高速道路の大橋ジャンクション「目黒天空庭園」の大壁

一方心配なこともあります。中国は日中関係の融和的な関係構築のために、政治家や大手企業幹部、退役将校などを招いた日中フォーラム「東京・北京フォーラム」を利用していると明かしています。

CSISの報告は、中国との結びつきや思想的背景から、日本の仏教団体である創価学会とその関連政党・公明党が、彼らの提唱する平和主義的な思想から、中国に同調的であると指摘する。

日中関係の回復と改善に向けて、公明党の竹入善勝党首は1971年6月に訪中しました。公表された記録によれば、竹入氏は周恩来首相との会談で、中国共産党側の意向を汲み取り、日中国交正常化の共同声明に反映させました。

メモによれば、声明には日米安保条約や日華(日蒋)条項に触れないと話していました。また、会談では、70年代は日中ともに尖閣諸島領有権をめぐる話題は重視していませんでした。さらに、中国は、日本に戦争賠償を求めておらず、戦後対応には漠然ではあるものの満足していたといいます。

公明党のウェブサイトによれば、1964年の党創立以来、「日中関係の正常化の推進」が優先事項だと主張しています。報告書のCSISの関係者インタビューによると、中国共産党は、創価学会を日本の憲法9条維持のため、政権与党に影響を与えるための「味方」とみていますが、宗教団体であることから距離を置いているといいます。

2018 年9月、公明党の山口那津男現党首は、周恩来氏の母校である天津の南開大学を訪問しました。同月、中国共産党が後援する中国人民対外友好協会は、池田氏の中日関係への貢献を評価して表彰しまし。2016年8月、南シナを巡って日中関係が悪化した際には、中国国営テレビCCTVの子会社ケーブルテレビ番組で、周恩来と池田大作の友好関係についてのドキュメンタリーを放映しました。

思想的に対中融和を促す人物として、CSISの報告は鳩山由紀夫氏を名指しています。贈収賄の記録はないにもかかわらず、鳩山氏は、日米同盟に疑問を投げかけたり、中国主導のアジア国際開発銀行(AIIB)の国際諮問委員会に参加するなどして一帯一路の日本参加を促しています。

いっぽう、CSIS研究員でジョージタウン大学のマイク・グリーン氏は、インタビューに対して、鳩山氏が2009年首相在任中に提案した「東アジア共同体」設立は、中国の情報機関が鳩山氏を通じた対日影響工作だったが、日本の情報機関がその試みを阻止したと語っています。

以上のようなことは、心配な事柄ではあるのですが、ほぼ日本国内では、しかし一番心配なのは、報告書では「安倍晋三首相がコロナウイルス対策で当初、中国に遠慮したのは中国共産党の最も効果的な対日影響力行使の結果かもしれない」としていることです。

報告書では、「日本に影響を及ぼす中国の戦術」という章で今年1月からのコロナウイルスの中国から日本への伝染を取りあげています。

その章では「中国のコロナウイルス利用の試み」という項目で中国当局がコロナウイルス感染を利用して日本側での中国への反応を融和的かつ友好的にしようと努めた実例として鳩山由紀夫元首相が南京の虐殺記念館にマスク1千枚を贈ったことを人民日報などが大々的に報じ、「日中友好」を改めて強調したことが記されています。

そのうえで同報告書はその時期の日本側の対応として以下の諸点を述べていました
・日本政府のコロナウイルスへの初期の対応は控え目だった。その原因は中国に対する畏敬の念だと思われた。日本政府が中国の武漢のある湖北省からの来訪者の入国の規制を始めたのは2020年2月1日だった。 
・その時点ではアメリカ政府は中国からのすべての外国人来訪者の入国を禁じていた。しかし日本には湖北省以外の中国全土からの直行便多数が平常のまま旅客を満載して到着していた。 
・安倍晋三首相はこの危機に対してこの時点では前面に出ず、厚生労働大臣にリーダーシップを委ねるという姿勢だった。
同報告書は以上のような背景を述べたうえで、安倍首相自身の動きについて次のように述べていました。
・安倍首相は4月に予定されていた中国の習近平国家主席への日本への国賓としての来訪計画を前にして中国に不快感を与えることを避けたため、コロナ対策の前面に出ず、中国からの日本入国者の停止の措置をとらなかったといわれる。 
・この解釈が正しければ、この安倍首相の対応は中国共産党の日本に対する影響力行使活動でも近年では最大の効果をあげた結果の一つとなるかもしれない。
同報告書はその「中国の対日影響力行使」の実態として以下のように説明していました。
・日本の時事通信は2月19日の報道で「日本政府関係者によると、中国政府は日本側に『習近平国家主席の国賓を控えて、コロナウイルス感染を大ごとにしないでほしい』と要望してきた」と伝えた。この中国の要望のための日本側の遠慮が日本のコロナウイルスに対する対応を遅すぎるものにしたのだ。
同報告書は以上のような記述を続け、中国側からの習近平主席国賓来訪に関する要請がまさに中国の対日影響力行使の実例であり、安倍首相がその点に配慮し入国者の規制を先延ばしにしたことはその影響力行使工作の「近年では最大の効果をあげた」実例だとの見解を明示したということです

同報告書が引用した時事通信の記事は「中国側からの『大ごとにしないでほしい』という要諦が日本のウイルス対応が後手に回った要因となった」とか「首相側近は『1月時点で中国人すべての入国を止めるしかなかったが、もう遅い』と頭を抱えた」とも報道していました。
習近平

このように、報告書では習近平国賓招聘を重んじたためにコロナの初期対応を誤ったのではないかという点を指摘していることが注目されます。

このブログでは、以前にも掲載させていただいたように、安倍政権の政策に関しては、是々非々でみており、安倍政権のこの路線を批判しましたが、これは米国にとっても好ましいことではないことを示しています。

日本の政府関係者は、この事実を真剣に受け止めるべきです。今のまま日本の政界内特に与党内の親中派を野放しにしておけば、いずれ親中派の与党議員の中にも米国から直接、米国内の個人資産の凍結や、米国内への渡航禁止の措置が取られることになるかもしれません。

いや、それどころか、親中派与党大物議員におもねる親中派企業も制裁の対象となるかもしれません。

安倍政権としては、親中派の議員を党内政治や調整のために無下にできない部分はあるとは思いますが、それにしても今日の時局をわきまえれば、党内の親中派は、排除するか、排除しないまでも、大きな声をださせないようにするべきです。

先にも掲載したとおり、"日本人の中国に対する否定的な見方は、調査対象となった34カ国の中で最も高く、85%の否定的な見方を示し"ていますし、コロナ後には、これが好転するわけもなく、親中派の議員がいまのまま、親中的な行動すれば、安倍政権は多くの日本人から支持を失うことにもなりかねないです。

国民の支持を失い、米国からも否定されれば、安倍政権が窮地に至るのは当然の成り行きです。まさに、安倍総理にとっては正念場です。

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2019年12月1日日曜日

人も企業も…韓国&中国から“大脱出”を 経済援助も“反日運動”で返し…識者「このような国への投資は愚かな行為でしかない」―【私の論評】人権侵害を平気で行う、中韓にはナチス・ソ連と同じく先がない(゚д゚)!


文在寅(左)と習近平(右)

 香港やウイグル、チベットなどでの人権侵害が国際社会から非難されている中国の習近平政権と、北朝鮮にすり寄り、「反日」に血道を上げる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権。市場経済や民主主義、受けた恩を忘れないといった根本的な価値観で、日本と相いれない中韓への深入りは重大なリスクだと指摘するのは、国際投資アナリストの大原浩氏だ。米国はすでに動き出したが、日本企業も「脱出」のラストチャンスだと強調する。


 11年前に発刊した拙著『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』(講談社)では、夜逃げをする韓国企業と、夜逃げを誘発する共産主義中国の政治・経済体制を取り上げ、日本企業に警鐘を鳴らした。

 ところが、その後も多くの日本企業が能天気にも中国・韓国進出を続けた。たぶん今になって、好調な経済の裏に隠されていた巨大なリスクに青ざめているはずである。

 米議会は上下両院で「香港人権・民主主義法案」を可決、トランプ大統領も署名して法案は成立した。この法律は、米政府に香港の「一国二制度」が機能しているかどうかの検証を義務付け、中国政府関係者に制裁を科すことができるようにするものだ。

 貿易依存度が40%もある中国の経済において、香港は自由主義・資本主義世界への窓口であるだけではなく、共産党幹部の不正蓄財に欠かせない闇ルートとしても機能しているといわれる。

 香港からは、まず留学生などから脱出を始めている。中国大陸でも過去、大躍進や文化大革命で8000万人もの人々が「虐殺」(西側推計、人為的飢饉による死者を含む)で亡くなったとされるが、そのような時代が到来しつつあるのかもしれない。

 韓国においても外資系企業だけではなく、富裕層も「何の躊躇(ちゅうちょ)もなく」脱出を始めている。

 その中で、日本企業が取り残されている。確かに長期的視点で辛抱強く投資を行うのが「日本企業の美風」だが、それも相手による。実際、日本側の多大な支援や思いやりに対して、中韓は「恩をあだで返してきた」。

 改革開放の初期、資本主義・市場経済のノウハウを持たなかった中国に、日本は政府や民間企業がほぼ無償で援助を行った。例えば、中国の株式市場設立には、日本の大手証券会社などが全面的に協力し、システムは日本にルーツがある。しかし、共産党政府は天安門事件以降、日本の恩に「反日運動」で応えた。

 韓国も、経済・社会の基盤の相当な部分は、日韓併合以降に創り上げられた。戦後は日本人の資産を没収し、多額の援助(賠償金)を受けたことによって繁栄した。

 しかし、1997年の世界通貨危機で、韓国が事実上破綻したときには、国際通貨基金(IMF)だけではなく、日本企業の力を借りて立ち直ったのだが、「安く買いたたかれた」と逆恨みをしている。そして、いわゆる「慰安婦」や「元徴用工」問題でも傍若無人に振る舞っている。

 このような国々に「長期的観点」から投資を行うのは、愚かな行為でしかない。値段が付くうちに売れるものを売り払い、撤退すべきなのだ。

 また、中国や韓国企業との取引には、後々に「人権問題」で大きな非難を浴びる可能性がある。中国の人権侵害は、香港、ウイグル、チベットなど数限りがないが、「共産化」しつつある文政権も、人権侵害の度合いが激しくなっている。

 11月7日に韓国政府は、日本海上の漁船で発見し拘束した北朝鮮人漁師2人について、船内で同僚の乗組員16人を殺害した疑いがあるため強制送還したと発表した。しかし、脱北者を強制送還すれば、拷問の上、殺害されるのは火を見るよりも明らかだ。韓国の北朝鮮化を象徴する出来事だといえる。

 このような国々の企業と密接な関係にある企業は大きなリスクを負う。「大赤字」で話題となっているソフトバンクグループの最大の投資先は、中国のアリババだが、同社はソフトバンクGを助けるかのように香港上場を急いだ。また、ソフトバンク傘下のヤフー(Zホールディングス)は、韓国企業の子会社であるLINE(ライン)との経営統合を発表した。

 サイバー戦争の最前線ビジネスでの中韓との密接な関係は最大のリスク要因になるのではないかと思う。

 中韓に深入りしている企業にとって、現在が「脱出のラストチャンス」といえるのではないだろう。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】人権侵害を平気で行う、中韓にはナチス・ソ連と同じく先がない(゚д゚)!

米国では、政治家は超党派で、財界もほとんどが反中派で占められるようになっていますが、これは以前もこのブログで掲載したことですが、日本では、財界親中派が未だ一定の勢力を保っているようです。そのためか、安倍政権も未だ財界親中派に一定の配慮をしなければならないようです。

日本の財界親中派は、未だ香港市民が実弾を発砲する警官隊に勇気を持って立ち向かい、校内に立てこもった学生たちが遺書まで書いて抵抗するのも、「香港が、共産党が一党独裁を行う大陸中国のような場所になるのなら死んだ方がまし」だからということを理解できていないようです。

過去、中国大陸でも、大躍進や文化大革命で8000万人もの人々が「虐殺」(西側推計、人為的飢饉による死者を含む)で亡くなったとされるが、そのような時代が人々の頭の中によぎったはずだ。

日本のオールドメディアの偏った情報しか知らない財界親中派などは、これを大げさだと思うかもしれないですが、例えば、これまでも「天井の無いアウシュビッツ」と呼ばれてきたウイグル問題があります。

英国政府は11月25日、新疆ウイグル自治区に、国連監視団が「即時かつ無制限にアクセス」できるよう、中国政府に求めました。

この要求が行われたのは、中国の公文書が流出し、何十万人ものウイグル人が、新疆ウイグル自治区の収容施設で虐待されている状況が判明したからです。

米国FOXテレビでも、収容所のおぞましい内部映像が放映されています。ディレクターが、そのあまりの残虐さに放送をためらったほどで、コメンテイターたちもショックのあまり茫然としていました。

5月には、以下のよう動画が、FOXTVで報道されました。




これは、米大手メディアネットワークFOXの地方支局「FOX11ロサンゼルス」が5月20日、中国国内における法輪功学習者に対する人道犯罪を報道した時の番組の一部。番組は、厳しい情報統制が敷かれる中国本土の収容所や病院内部で撮られた映像を公開しました。映像は今年1月、中国から米国へ渡った元実業家の法輪功学習者によって提供されました。

この動画自体は、英語で放送されたものであり、日本語の字幕もついていないので、以下に若干の説明を加えます。

2018年、中国遼寧省本溪の病院のベッドで、昏睡状態にある胡國艦さん(48)は、死の時を迎えようとしています。傍らには、号泣する妻。ひん死の状態にあるにもかかわらず、足には太い鎖がかけられています。胡さんは十数年あまりの収監を強いられた法輪功学習者で、その後、拷問によるダメージで死亡しました。 
これは、米大手メディアネットワークFOXの地方支局「FOX11ロサンゼルス」が5月20日、中国国内における法輪功学習者に対する人道犯罪を報道した時の番組の一部。番組は、厳しい情報統制が敷かれる中国本土の収容所や病院内部で撮られた映像を公開しました。映像は今年1月、中国から米国へ渡った元実業家の法輪功学習者によって提供されました。 
FOX11の記者ビル・メルキン氏は、残忍な映像に慣れているジャーナリストでさえ、この映像は、堪えがたいものだったと述べました。しかし、「これが真実である」として放送に至ったのです。 
骨の形があらわになりげっそりとやつれた男女、拷問で2年間の意識不明に陥り絶命する男性、棒状スタンガンを押し付けられて顔の皮膚が焦がされた女性―。番組が伝えた中国共産党による非人道的犯罪は、視聴者に衝撃を与えました。 
映像を見た人々はSNSに、「信じがたい、悪魔のような残忍さだ」「なぜこれほどまで残虐な政権が21世紀に存在しているのか?」「人類史上最もおぞましい犯罪だ」と書き込みました。
法輪功は、90年代後半に人気を博した中国の気功修煉法。中国体育局は1998年、7000万人を超える学習者がいると推計しました。FOX11は番組で、法輪功の広がりと迫害の実態を、内部映像を織り込んで報じました。 
5月20日に放送された「姉の救い」と題する番組は、主にある姉妹の境遇に焦点を当てました。 
王易非さんと、長春農民銀行の行員だった姉の可非さんは2001年1月、当局による法輪功への迫害に反対し、陳情のために北京の天安門へ出かけました。「真善忍」の言葉が書かれた横断幕を広げたとたん、2人は警官により別々の拘留所に連行されました。
易非さんは、迫害に同情的な看守の助けを得て、脱出に成功しました。しかし、拘留から4カ月後、長春の女性収監所から家族の元に、可非さんは「心臓発作で死亡した」との通知が届きました。家族は、健康的な34歳の可非さんが突然死するはずはなく、拷問により死亡したと考えています。
妹の王易非さんはその後、カリフォルニアに移住したのですが、「突然死」したという姉の遺体を返却するよう、家族は中国の収監所に訴え続けています。 
2015年、易非さんの夫が一時帰国し、可非さんの遺体を返却するよう女性収監所の責任者に迫る様子を秘密裏に撮影しました。責任者は「家族が『自然死』と認めなければ、返すことはできない」と拒んだのです。
番組が放送した迫害の場面は、遼寧省瀋陽の企業家だった于溟さんが撮影したものです。

100人ほどを雇用するアパレル工場を営んでいた于さんでしたが、弾圧開始後の2000年、すべての仕事を失い、倒産に追いやられました。于さんもまた、共産党の労働教養所で12年間収容され、スタンガンや極小の鉄格子の檻に入れられるなどの拷問を受けて、命を落としかけました。

于さんは、自分のみならず、多くの法輪功学習者が惨い迫害の犠牲者になっていることを知り、ピンホールカメラを使って収容所内部を撮影しました。映像は、北京オリンピックが開催される2008年、多数の法輪功学習者が施設内で、強制労働を強いられている様子を映しています。海外輸出用の商品もここで作られています。

「この映像の存在が知られてしまえば、私は間違いなく、殺されていた」。持ち出された内部映像により「残忍な迫害が公になり、一刻も早く弾圧が停止することを望んでいる」と語りました。

2019年1月27日、于さんはタイを経由して米サンフランシスコに到着しました。迫害の状況の証拠となる機密映像を、公に報道してくれるメディアを探したところ、FOX11ロサンゼルスが編集・放送しました。

于さんがFOX11に提供した映像によれば、収容所の法輪功学習者たちは、毎日長時間の作業を強いられ、ノルマが達成するまで休むことを許されません。睡眠は作業机の下の床で、ただ横になるだけでした。

別の映像はまた、息も絶え絶えにベッドに横たわる複数の男性の姿を映しています。こうした生命の危機にあるなかでも、彼らの身体は手錠などで縛られており、身の自由を制御されています。

なぜ法輪功は迫害されているのでしょうか―。FOX11スタジオ司会者の質問に、記者メルキン氏は答えました。法輪功は静かで平和的な精神修養。共産党イデオロギーが統制できない思想を持つ学習者の拡大に、共産党は体制維持の脅威を覚え、迫害に踏み切ったと考えられます。法輪功の修煉は、中国政府高官にも広がっていた、と伝えています。

法輪功の迫害情報を伝えるウェブサイト・明慧ネットによれば、1999年7月20日、当時の江沢民中国国家主席の命令で、「身も心も殲滅(せんめつ)させる」のスローガンを掲げる弾圧が始まりました。身元が確認できただけで、4304人が迫害で死亡しました。

法輪功弾圧から20年。明慧ネットの情報によれば、「真、善、忍」を基準に修煉する数百万人の学習者が、裁判なしの長期拘束、弁護士不在の有罪判決、拷問による虐待、また子どもが学校から追い出されたり、家族や親戚、法輪功を支持する友人が嫌がらせなどを受けたりしています。

中国共産党政府の法輪功に対する深刻な迫害は、今もなお続いています。

私もこれらの、動画を見ましたが、まさに「天井の無いアウシュビッツ」であり、多くの米国民が戦後、ナチス・ドイツの収容所の内部写真・映像が公開された時と同じ嫌悪感を抱いたと思います。

以下には、中国政府が主にイスラム教徒のウイグル人を何十万人も組織的に洗脳していることが、流出文書で明らかになったことを示す動画を掲載します。



韓国も上の記事にもあるように、甚だしい人権侵害をしていることが明らかになりました。これは氷山の一角でまだまだ報道されていない人権侵害があるかもしれません。

「われわれの友好国、同盟国、パートナー諸国ですら、人権侵害を行っている」

マイク・ポンペオ国務長官は3月13日、こう述べまし
た。国務省が公表した2018年の「各国の人権報告書」に関する記者会見での発言でした。

報告書では、同盟国の1つである韓国・文政権による脱北者への圧力を取り上げ、「北朝鮮との対話に乗り出すと、北朝鮮への批判を抑制するよう求める直接的、間接的な圧力が脱北者組織にかけられたとの報告があった」と指摘しました。

具体的圧力としては、20年続いていた脱北者団体への資金援助打ち切りや、風船を使った北朝鮮へのビラ散布阻止、警察が団体を訪れて財務情報などを出すよう要請した-ことが挙げられまし
た。

現状の韓国を認識するためには、以下の動画は非常に良いと思いますので、以下に掲載します。これは最近ベストセラーになっている「反日種族主義」の筆者イ・ヨンフン ソウル大学校名誉教授によるものです。



中韓に援助の手を差し伸べて将来なにか良いことがかえってくるのでしょうか。これまでの歴史を見る限り、その答えは「ノ―」であるといえる。

さらに、米国の対中冷戦は、もうすでに貿易戦争の段階から、中国共産党を弱体化させることに軸足を移しました。ポンペオ長官は、中国共産党は中国ではないと、はっきり言いました。

米国にとっては、すでに貿易戦争などは、中国共産党を弱体化させるための、一つのツールにすぎなくなりました。米国はありとあらゆる手段を使って、中国共産党が中国の体制を変えるか、もし変えないなら、中国共産党自体を弱体化させ、当地の正当性を奪い、崩壊させることでしょう。

それは、韓国に対しても同じことです。米国が最優先するのは無論対中国冷戦であり、韓国はそのための従属関数に過ぎないのですが、中国を弱体化させるために必要とあらば、韓国を潰すことも厭わないでしょう。

米国にとって、韓国自体はさほど意味のある存在ではないのですが、韓国経由で、日米の最新技術や情報が中国に伝わり、それが中国を利するというのなら、韓国を崩壊させることも厭わないでしょう。

韓国に対してそのような見方をしている米国です。日本の、いや世界の財界親中派が邪魔になるなら、あらゆる手段を講じて、なきものにすることすら厭わないでしょう。

日本企業の経営者には、冷静かつ正しい判断を望みたいです。とにかくは、YouTubeなどで、日本のマスコミが報道しない、中国や韓国の実体を知るべきです。中韓に、幻想を持つなど現在の世界情勢では禁物であることが理解できるはずです。

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2019年6月9日日曜日

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そもそも「税でまかなう」は間違いです


教育は「見返りが少ない」って…?

「知識に投資することは、常に最大の利益をもたらす」というのは、18世紀米国の政治家、ベンジャミン・フランクリンの言葉だ。

現代の政治において、政府ができる最大の「知識の投資」とは、もちろん教育のことである。実際、将来の所得を増やす実証分析は多く、たとえば大学や専門学校などの「高等教育」と呼ばれる教育は、将来の所得増・失業減などによって、2.4倍の費用対経済的便益があるという。

政府も教育投資を純粋に進める方針を取ればいいのだが、財務省の理屈が絡むと話がこじれるのが常だ。

5月16日、財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会歳出改革部会が開かれ、高等教育にかかる経済的負担軽減について議論した。

このなかで、6年制薬学部の卒業率や薬剤師合格率を例示し、基本的な教育の質を保証できていない大学があるとした。こうした大学は、財政負担軽減の対象除外とすることを徹底すべきとの考えが上がったのだ。

財政審は各界から有識者を集めているが、結局財務省官僚のお手盛りのメンバーにすぎない。そのため、財政審の意見には財務省の「本音」が見え隠れする。「教育の質」に関する議論がたびたび起こるが、これは財務省のソロバンの上では、教育が「見返りが少ない」投資対象だと思われていることにある。

教育投資が非常に重要であることは冒頭で述べたとおりだ。ただでさえ財務省は、消費増税によって学生の経済状況を苦しめることになるのに、何を言っているのかと思うのが普通だろう。

たしかに教育や大学の基礎研究は、大規模で結果に結びつくまでの期間が長い。だからこそ、民間部門ではなく公的部門として主導し、国債を発行すれば、財源を確保しつつ将来の税収増で十分な見返りが見込まれる。にもかかわらず、教育を税財源で補う前提の財務省は、一部の薬学部のケースを例に挙げ、まるで社会の負担であるかのように言うのだ。

国債を発行すれば済む話

これは民間の企業であれば、本来行うべき投資を単なる費用と勘違いしてケチり、結局会社を潰す典型的なダメ経営者と似ている。

基礎研究と教育の財源は、国債発行によって賄うべきだという考え方は、じつは旧大蔵省にはあったものだ。かつて本コラムでも触れたが、小村武元大蔵事務次官の『予算と財政法』という本に、興味深い記述がある。この本は財務省主計局の「法規バイブル」であり、本来であれば財務省の「公式見解」とみるべきものだ。


同書には「投資の対象が、通常のインフラストラクチャーのような有形固定資産であれば国債で賄うのは当然」のこととし、「研究開発費を例として、基礎研究や教育のような無形固定資産の場合も、建設国債の対象経費としうる」とある。

現在の財務省は、道路や下水道を整備するのに建設国債を発行するのは当たり前と考えていても、教育や研究開発費は目に見えない資産なので、国債を発行してまで投資するものではないと勘違いしているのだろう。

税財源のみで教育を賄おうとするからこそ、無意味な増税を繰り返したり、「教育の質」問題を蒸し返す。根本的なロジックの誤りを認めない財務省は、この国に悪影響を与えるばかりだ。

『週刊現代』2019年6月15日号より

【私の論評】希望にあふれる未来を次世代の国民に約束するため、教育や研究に投資するのは当然のこと(゚д゚)!

大学や専門学校などの「高等教育」と呼ばれる教育は、将来の所得増・失業減などによって、2.4倍の費用対経済的便益があるという事実は昔から経験的に知られていることです。それは、当たり前といえば当たり前です。企業が新人を雇用するのは、この経験則を十分知っているからです。

そもそも、会社のほとんどの仕事は人が実行します。会社で働いている人も、一定の年齢になれば、退職します。新人を雇用しなければ、将来会社は消えることになります。そうして、新人を雇用すれば、様々な資金がかかるだけではなく、入ったばかりの新人は仕事ができないため、訓練や教育を必要とします。

目先の生産性だけを考えれば、新人など採用しないで既存の社員に仕事を実施させれば、経費も訓練や教育のための資金もいりません。しかし、それを続けていれば、会社は発展もしないし、継続すらできません。だからこそ、適切な雇用管理が重要なのでする。

ほとんどの企業は、雇用の重要性を理解しているのですが、それでも企業によってその重要性の理解度は異なります。駄目な会社は、景気が良いと人を多めに雇用し、景気が悪いと人を雇用しないというようなことをします。

そうすると、新しい管理職が必要なときに困ることになります。優秀な管理職を登用するためには、少なくとも6人の候補者が必要ですが、その時に候補者が十分いないということになります。

まともな会社は、その時々の景気に関係なく、将来と現在を見極めて毎年本当に必要な人数を雇用します。景気が悪かったからといって一人も雇わないということはしません。

現在の、財務省の官僚はこのような単純な経験則を十分理解していないようです。将来の日本国のビジョンに基づき、教育や研究に投資しなければ、将来の日本はとんでもない国になるだけです。日本を存続するだけではなく、希望にあふれる未来を次世代の国民に約束するため、教育や研究に投資するのは、当然のことです。

日本は経済大国ですが、財務省の姿勢ともあいまって教育にカネを使わない国であることはよく知られています。その根拠とされるのが、GDP(国内総生産)に占める公的教育費の支出額の割合です。

OECD(経済協力開発機構)の2017年版の教育白書によると、2014年の日本の数値は3.2%と加盟国の中で最も低いです。ここ数年は最下位を免れていたのですが、再び不名誉なランキングに転落してしまいました。

しかし日本は少子化が進んで子どもが少ないので、この割合が低いのは当然という見方もできます。子ども人口比が15%の国と30%の国を同列で比べるのは公平ではないです。そこで、子ども・若者1人あたりの額を試算して比較してみます。

2014年の日本の名目GDPは4兆8531億2100万ドルなので、先ほどの比率(3.2%)をかけて、公的教育費の支出額は1561億200万ドル。これを25歳未満人口(2898万人)で割ると1人あたり5386ドル(約60万円)となります。

同じやり方で、主要国の子ども・若者1人あたりの公的教育費を試算すると<表1>のようになります。


日本は韓国に次いで低いです。子ども・若者1人あたりの絶対額で見ても、教育にカネを使わない国であることは明らかです。スウェーデンは10342ドル(約114万円)と、日本の2倍近くの額を費やしています。

他のOECD加盟国の試算もできます。下の<図1>は、横軸に公的教育費の対GDP比、縦軸に子ども・若者1人あたりの公的教育費をとった座標上に、34カ国を配置したグラフです(瑞はスウェーデンをさす)。公的教育費の相対比率と絶対額が見られるようにしました。


日本の横軸が最下位なのは分かっていますが、子ども・若者1人あたりの公的教育費(縦軸)の絶対額でも少ない部類に属しています。OECD諸国の平均値に達していないです。

対極の右上には、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドといった北欧諸国があります。ノルウェーでは1人あたり1万9000ドル(約210万円)もの教育費を国が投じています。幼児教育から高等教育までの学費が無償であるのも頷けます。ICT(情報通信技術)教育先進国のデンマークも、教育への公的投資額が多いです。

日本は高等教育への進学率が高く、今や同世代の半分が大学に進学します。それにもかかわらず公的教育投資が少ないため、負担が家計にのしかかっています。高額な学費や貧弱な奨学金は、その表れに他ならないです。OECDの教育・スキル局長も「日本の私費負担は重い。家庭の経済状態による格差をなくすためにも、一層の公的支出が必要だ」と指摘しています(2017年9月12日、日本経済新聞)。

給付型奨学金が導入され、高等教育の無償化の議論が進むなど、日本の教育の現状も変わりつつあります。高等教育のどの部分を対象にするかなど議論の余地は多いですが、法が定める「教育の機会均等」の理念が実現するよう改善が必要です。

そうして、何よりも今必要なのは、国債で教育費を賄うのが当然であるという、財務省に欠けた知識です。このブログでも以前指摘したように、BSを読めず、雇用も理解できず適正な会社運営できない彼らには無理なのかもしれません。

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2018年6月22日金曜日

財務省に尻尾振る「債券村」のポチ 市場が国債発行催促も… 震災被害最小化には投資が必要―【私の論評】自分たちさえ儲かれば国民など無視する債券村の住人(゚д゚)!

財務省に尻尾振る「債券村」のポチ 市場が国債発行催促も… 震災被害最小化には投資が必要


 国債が品薄で取引が成立しない日が相次いでいると報じられているが、その実態はどうなのか。品不足であれば、国債を出して大阪での地震のような災害対策に使うべきではないのか。

 報道によれば、「取引が成立しない日は、去年は1年間で2日、今年はすでに5日と2倍以上に増えている」という。

 ただし、これは国債の取引を仲介する「日本相互証券」によるものだ。国債はこうした仲介なしで、金融機関間で直接取引されるものもあるので、取引がなくなったわけではない。

日本相互証券株式会社

 実際に取引が少なくなっているのは事実だろう。その理由は、報道のとおり「日銀が大規模な金融緩和の一環として大量の国債を買い入れた結果、いわば品薄になっている」のだ。

 これに対して、専門家の意見は面白い。「取引が低調になると、財政悪化に対する市場の懸念が見逃されるリスクも出てくる」と報道されている。一般に財政悪化は国債を大量発行した際に起きることが多いのに、実際には品不足という滑稽さだ。

 報道でいう専門家とは、いわゆる「債券村」の人で、金融機関で債券を主として扱っている。一般的に景気が良くなると株式が上がり、悪くなると株式が下がる。しかし、債券はその逆である。

 これまでのデフレ期では、株式市場関係者はうだつが上がらず、債券市場関係者は収益を上げて金融機関を支えてきた。ところが、アベノミクスで株式市場が良くなり出すと、今度は債券がダメになった。

 「債券村」は、デフレ期の金利低下が好きで金利上昇を嫌うので、財務省からみれば、財政再建キャンペーンで“ポチ”になる人たちだ。その人たちは、日銀が国債を購入することを「財政ファイナンス」だとして批判、ハイパーインフレになるとも言ってきた。

 財政ファイナンスは、デフレ下で心配するどころか、積極的に行うべきことだ。さらに、ハイパーインフレなど全く起こっていない。これだけでも「債券村」の人が言うことがいかにデタラメだったのかわかるだろう。

 本コラムで主張してきたのは、財政悪化は日銀を含めた統合政府のバランスシート(貸借対照表)で見るということだ。それによれば日本は財政悪化を心配する必要はなく、その結果として、国債品不足になっているわけだ。

 米連邦準備制度理事会(FRB)元議長のベン・バーナンキ氏は、かつて筆者に、中央銀行が全ての国債を市場から買い取ってもインフレにならなければ財政再建ができるという意味で結構なことではないか、と語った。

 報道での専門家は「債券村」で、財務省のポチであるためか、国債が品不足の際の処方箋である国債発行を主張できなくなっている。

 折しも大阪北部で直下型の大きな地震があり、社会インフラに被害が出た。こうした震災被害を事前に最小化するために、将来投資が必要だ。今の低金利環境、国債品不足状況など、まさに国債発行しろと市場が催促している状況だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】自分たちさえ儲かれば国民など無視する債券村の住人(゚д゚)!

論評の前に、現状の最新の経済の状況を振り返っておきます。

家庭で消費するモノやサービスの値動きを見る先月・5月の全国の消費者物価指数は、ガソリンの値上がりの影響などで生鮮食品を除いた上昇率が去年の5月と比べ0.7%上昇しました。


総務省によりますと生鮮食品を除いた先月の全国の消費者物価指数は、平成27年を100とした指数で101.0と、去年の5月を0.7%上回りました。

これはガソリンの値上がりが続いていることや、人手不足に伴う人件費の上昇で、外食のメニューが幅広く値上がりするなどしているためで、消費者物価指数のプラスは1年5か月連続です。

ただ、上昇率は0.7%にとどまっており、日銀が目標とする2%の物価上昇率にはなお距離があります。

これについて総務省は「家電やパックの海外旅行など値下がりしている品目もあるが、ガソリンや電気料金の上昇は続いており、物価は今後も緩やかに上昇を続けるとみている」としています。

一方、生鮮食品のほか電気やガス料金などエネルギーを除いた指数は101.1で、去年の5月を0.3%上回りました。

国債が超低金利でかつ品薄であり、物価目標2%には未だ遠い状況にある現在、国債発行(財出)をし、それを日銀買入するという、いわゆるヘリマネがもっとも実行しやすい時期であることは間違いありません。大規模に実行したとしても、ハイパーインフレになる懸念など全くありません。具体的には、数十兆円でもハイパーインフレになりません。

現在はヘリマネのやり時

さらには、大阪北部で直下型の大きな地震が発生、東日本大震災の復興も未だ完璧ではありません。過去の地震の震災の復興のため、あるいはこれから発生するであろう震災被害を事前に最小化するために、将来投資が必要であり、どう考えてみても、今は長期国債を大量に発行すべきときです。そうして、復興税など廃止してしまうべきです。

経済を良くするために、ただお金をばら撒くということであれば、国民の中にもこれをなかなか納得しない、できない人も存在するでしょうが、地震の復興のためや将来の地震の被害を最小限にとどめるためという立派な大義名分があります。

今はヘリマネのやり時なのです。そうして、これを実行すれば、地震の復興や将来の震災被害を最小限にとどめられるだけではなく、現状ではデフレに舞い戻っても不思議でないほどの状況の日本経済も伸びて、日本経済はデフレから完璧に脱却し再び成長軌道にのります。

債券村の住民はブログ冒頭の高橋洋一氏も指摘するように、「取引が低調になると、財政悪化に対する市場の懸念が見逃されるリスクも出てくる」等と語っていますが、債券市場の取引低調になったといいますが、それは債券村の人々が投資で利益を得られなくなったというだけであり、国民生活には良い影響がででいるだけで、悪いことは一つもありません。

債券村の住民はデフレを維持することで債権市場から利益を得続けることができるわけですが、経済政策は国民生活のためにあるものであり、一部の業界の利権を維持するためにあるのではありません。債券村の住人は、デフレ時代に稼ぎ頭だった夢が捨てられないのでしょう。

債券村ははっきりいえば、ブラック部門と言っても良いくらいです。デフレ状況でしか生息できない哀れな人たちです。いわば、ゾンビのような人たちです。このような連中が、日本の経済を語る資格はありません。

かつて、債券村の住民どもは、これを覆い隠すためにトンデモ経済理論として有名な「人口減少デフレ論」まで持ち出していました。恥を知れといいたいです。利己的であるにも程があると思います。自分たちさえ儲かれば、国民などどうでも良く、気にもかけていない連中です。

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2016年2月9日火曜日

ホリエモンが56億円“宇宙詐欺”にあっていた!―【私の論評】投資も、技術も失敗と激しいしばき合いがあるから成功する(゚д゚)!


堀江貴文氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
“ホリエモン”こと堀江貴文氏(43)が約56億円の現金をだまし取られたとして、米テキサス州で訴訟を起こしていたことが分かった。

週刊文春が入手した裁判資料によると、「本件は、民間の宇宙船マーケットで起きた詐欺」として、堀江氏がヒューストンの弁護士であるアート・ドゥラ氏らを訴えている。

堀江氏はロシア製の宇宙船「アルマズ」を利用した宇宙プログラムに投資していたが、後に宇宙船が展示以外に使えない“ポンコツ”であることが判明。投資金などの返還を求めている。一方、ドゥラ氏側は裁判で「何ら不正行為は行っていない」と全面否認している。

2005年に「アルマズ」に乗り込む姿を披露した堀江貴文氏
 堀江氏に取材を申し込むと、取材には応じず、自らのブログで事実関係を認めた。そのうえで「どうせ文春は面白おかしく『ホリエモン詐欺に引っかかる(笑)』と書いて(中略)茶化すつもりだろう」としている。

“情報強者”の立場から社会的発言を続けてきた堀江氏だが、これほど大きな舞台装置で騙されることは「想定外」だったのだろうか。


【私の論評】投資も、技術も失敗と激しいしばき合いがあるから成功する(゚д゚)!

堀江氏は、週間「文春」のやり方に余程腹をすえかねたのでしょうか。以下のようなツイートをしています。


上の記事で、ブログで事実関係を認めたとありますが、そのブログ"HORIEMON.COM"の内容を以下に掲載します。
週刊文春のクソ記者から突然電話がきた
朝ランニングしていたら、突然知らない番号からスマホに着信があった。余り使わないスマホから自動転送にしていたので番号が出ないけど、普段電話に出ない私にわざわざかけてくるというのはよっぽどの重要な電話だと思いでたら、なんとどこで調べたのか週刊文春のクソ記者からの突然の取材電話だ。失礼な奴だ。メールで事務所あてに問い合わせるのが当たり前だろ。なので速攻で切ったら何度もかけてきやがるので着信拒否にした。そしたら事務所あてのメールアドレスに取材内容が書いてあった。 
どこで調べたのか判らないが、私が宇宙開発で詐欺にあった的な内容が書かれている。確かにエクスカリバーアルマズというロシアの宇宙船をリノベーションしてロケットで飛ばす会社に投資をしていたのは事実だし、日本円で50億円以上投資していたのも事実。んで、そこの社長だったArt Dulaに対して賠償請求をしているのも事実だ。で、どうせ文春は面白おかしく「ホリエモン詐欺に引っかかる(笑)」と書いて、まるで私が別で投資をして順調に育ってきているインタステラテクノロジーズのロケット開発まで茶化すつもりだろう。 
ほんとこいつらの頑張っている人の足を引っ張ったり、茶化したりする最低の下劣さには辟易する。まあこんな最低の雑誌をいかしているのは、それを読んでいる下劣な読者のせいなんだけどな。エクスカリバーアルマズに関しては当初ロシアに契約交渉に行ったり計画を精査したりして順調に進んでいると確信していた。現在は訴訟中の為これ以上の事は言えないが、もし一部でも残存している資金が返ってくるならばインタステラテクノロジーズの宇宙開発の方に再投資ができるならば、それがベストだと思える。 
なんというか、こんなネタで週刊文春の部数増に貢献すると思うと虫酸が走るので先に記事にしてやった。もう文春が新事実を書くことはないと思うので文春買う意味ないぞ。 
(エクスカリバーアルマズに関して詳細は こちらの記事 へ。)
さて、以下に堀江氏の宇宙開発に関連する動画を掲載します。

動画の説明を簡単にしておきます。これは、視聴者からホリエモンに質問があり、それに応えるというシリーズ動画です。

この回での質問は、「ロケットの人材を増やす為には、もっと女性の技術­者が増えるべきだと思います。そこで『リケジョ』ならぬ『ロケジョ』みたいな感じで宇­宙に興味のある『宇宙女子』をどんどん支援していく事はできませんか?」というものと、「中高生の­うちからロケットに興味を持たせる事も大切です。ロケット女子が活躍する漫画やアニメ­、映画がヒットすれば全国の学校にロケット部ができる筈です。最近だと『けいおん!』­や『そふてにっ』等、女学生+部活ものはヒットしやすいです。」というものです。

ホリエモ­ンの回答はいかに!? ゲストは準レギュラーのアイスマン福留さんです!



下の動画は、堀江貴文氏の宇宙に対する思い入れを話しているTEDの動画です。


堀江貴文氏は本気で、宇宙に取り組もうとしています。ブログ冒頭の記事では、『“情報強者”の立場から社会的発言を続けてきた堀江氏だが、これほど大きな舞台装置で騙されることは「想定外」だったのだろうか。』と締めくくっています。

しかし、投資でも、技術開発でも、いつも成功できるとは限りません。TEDの動画でも、堀江氏は、失敗したところの動画を聴衆に見せています。その失敗を、聴衆もおおらかに笑ってみています。

かといって、失敗ばかりでもどうにもなりませんが、最後に成功すれば、それで良いわけです。そうして投資し続けたり、研究開発を長年にわたって、続けるというのなら、それは野球でいうところの打率のように見て、評価すべきなのです。

野球のバッターだって、いつも良い成績を収められるとは限りません。長い間、続けていれば、うまくいかないときだってあります。しかし、それでも諦めずに続けていれば、また良い時期もあり、そうして長い間にわたって、高い打率を上げることができれば、そのバッターは能力のあるバッターということになります。

そうして、民間の投資や、技術開発は、多くの人が投資をしたり、技術開発をしてしばきあうことによって、成長していくのです。

あの、iPhoneやiPadとほぼ同じようなプロトタイプを、ノキアがアップルに先駆けて開発していたことを知っている人は少ないかもしれません。しかし、ノキアはそれを市場に投入する機会を狙っていたのですが、残念ながらノキアは市場に投入する時期を間違えて、アップルに完璧に負けてしまいました。

ノキアがアップルより半年も先に、このプロトタイプを市場に投入していたら、状況は大きく変わっていたかもしれません。

ノキアの最初のスマホは、市場導入時期がアップルのiPhoneよりも遅れてしまった
ノキアは、スマホやタブレットなどは、まだ市場に投入しても、ユーザーには受け入れらないと判断していたのです、そうこうしているうちに、後発のアップルに追いぬかれてしまいました。

この事例のように、最初のうちは、誰が成功するかなど、誰にもわかりません。しかし、とにかく他者に抜きん出ようとして努力をして競争して、互いにしばきあって、どこかの企業が成功すれば、それが場合によっては、大きな産業を生み出すこともあるのです。

これを否定してしまえば、優れた投資や、優れた技術なども生まれてきません。それは、計画経済の共産主義がことごとく失敗したことからも明らかです。

“情報強者”のホリエモンでさえ、失敗することはあるのです。というより、資本主義市場における、民間企業は失敗の連続です。その失敗から立ち直り、最後に成功できる企業が次世代を創りだすのです。

しかし、この失敗を許容しない社会は本当につまらない社会になると思います。これは、小保方さんのSTAP細胞についても同じことがいえます。このブログにも以前掲載したように、本来ならば、小保方さんのSTAP細胞に関しても、たとえ小保方さんが間違えていたとしても、どこかで許容されるような社会でなければ、優れた投資活動や、優れた技術開発が阻害されてしまうと思います。

まあ、この程度の茶化しで、堀江氏が尻込みするということなど考えられませんが、このような週刊誌のやり方が、野放図に際限なく行われ、そうして多くの人々が、失敗を許容しないような社会になったとしたら、そのような社会には発展性はありません。

堀江氏の今回の投資の失敗など、笑って許容するくらいの度量が欲しいものです。何やら、私自身は、彼も時にはこんな大失敗をするのかと、思い、かえって親しみがましました。私は、とにかく失敗だけはしないようにする人間は、全く見込みのない人間だと思います。そんな人間に、未来は切り開けないです。そのような人間が世の中の主流となってしまえば、我が国の発展もありません。

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2016年1月31日日曜日

日銀のマイナス金利 投資・消費の増加につながるか―【私の論評】マイナス金利政策は当然!10%増税では、優先順位を間違えたECBよりも始末が悪いことに(゚д゚)!

日銀のマイナス金利 投資・消費の増加につながるか



日銀は29日、金融機関から預かっている当座預金にマイナス金利を導入する新たな金融緩和策に踏み切り、さらに今後も金利のマイナス幅を拡大する可能性を示唆しました。これを受けて長期金利は過去最低まで急激に下がりましたが、金利の低下が投資や消費の増加につながるかどうか、今後、新たな金融緩和の効果が問われます。

日銀は、金融機関から預かっている当座預金の一部に来月半ばからマイナス金利を導入する、新たな金融緩和策に踏み切ることを決めました。

日銀の黒田総裁は記者会見で、今回の政策のねらいについて「金利全体により強い下押し圧力を加えていく。2%の物価目標をできるだけ早く実現するため導入を決めた」と述べ、世の中の金利全般を一段と下げることで、投資や消費を活発化させることが期待できるとしました。

これを受けて、東京債券市場では29日、長期金利が一時、0.09%と過去最低の水準まで急激に下がり、金利はひとまず、日銀のねらいどおりの反応を示したほか、円安と株高も進みました。

ただ、金利が下がっても企業や個人の資金の需要が高まらなければ、金融機関からの貸し出しなども増えず、投資や消費の増加につながらないおそれもあります。日銀は必要があればマイナス金利の幅を拡大する可能性も示唆していますが、金利の低下を経済の活性化につなげ、日銀が目標とする2%の物価上昇率を達成できるかどうか、新たな金融緩和策の効果が問われることになります。

【私の論評】マイナス金利政策は当然!10%増税では、優先順位を間違えたECBよりも始末が悪いことに(゚д゚)!

今回のゼロ金利について、予め予言をしている人がいました。それは、あの高橋洋一氏です。その予言を掲載した動画を以下に掲載します。


マイナス金利の件は45分あたりから

 この動画は1月28日に収録されたものです。高橋氏としては、29日に日銀が重大発表があるとの発表をした時点で、ゼロ金利はあり得ることとして、この動画の緊急特番ということになったのだと思います。

この動画の中でも、今回の黒田総裁が、マイナス金利を導入しなければ、まともな中央銀行総裁とはいえないということを語っていました。そうして、今回実際にゼロ金利政策を宣言したわけですから、黒田総裁はまともだということです。このあたりのことについては、詳細は上の動画をご覧ください。

このゼロ金利政策、マスコミの経済記者などには意味が良くわからないようです。識者のなかにもとんでない解説をする人がいるので、そんなことに皆さんが幻惑されないように、以下にいくつかの査証(エビデンス)を掲載させていただきます。

そもそも、日銀がマイナス金利政策を宣言する前から、もう日本は実質的にマイナス金利政策をとっているといっても過言ではありませんでした。

すでに、日本銀行は、マイナス金利政策を発表する前からゼロ金利政策を放棄してマイナス金利政策を採用してしまっていました(これって、英文法でいえば過去完了)。その査証を以下に掲載します。


さて、上は、財務省が発表している国債金利情報をグラフにしたものです。昨年の12月の半ば頃から残存期間1年の国債の利回りはマイナスになってしまっていたのです。瞬間的にマイナスになったというのではないのです。それ以来マイナスが継続しまっていたのです。

そして、昨年12月13日には、5年物新発国債の落札利回りがゼロとなったとも報じられてしまっていました。10年物国債にしても、利回りは0.26%まで低下してしまっていました。

国債の利回りがマイナスになるその原因は、日本銀行が市中金融機関から国債を買い入れる場合に、額面以上の価格で購入しているからです。日銀が額面以上の価格で国債を購入すれば、落札利回りはマイナスになります。つまり、市中金融機関は、国債を担保に日銀からマイナス金利でお金を借りてしまっていたのです。

今や市中金融機関は、ゼロ金利どころかマイナス金利で日銀からお金を借りることができる時代に突入しているのです。では、何故そのようなことを日銀はするのでしょうか。

そうでもしなければ、日銀が目標に掲げた国債の買い入れが達成できないからです。そうなると日銀の掲げた物価目標を達成できなくなるからです。

さて、すでに国債のマイナス金利政策を実行している、日銀がさらに今回マイナス金利政策を発表したのにはどんな背景があり、それが日本経済にどのような影響を及ぼすのか以下に解説します。

日銀には銀行の預金口座である「日銀当座預金」があります。この「日銀当座預金」にはこれまで0.1%の金利がついていたのですが、預金の一部にマイナス0.1%の金利、つまり手数料がとられるようになるのです。

日銀はアベノミクス開始以降、銀行などの金融機関から大量の国債を購入していますが、その国債の購入代金は銀行の預金口座である「日銀当座預金」に振り込まれます。しかし、「日銀当座預金」に0.1%の金利がついたままでは、銀行は振り込まれたお金を企業の貸出しにまわすことなく、そのまま放っておくことが考えられます。



しかし、今回のマイナス金利導入により、「日銀当座預金」に利息収入ではなく手数料がかかることになってしまいました。こうなると銀行は利益を確保するために、こぞって企業にお金を貸し出すとか、株式投資をするようになることが考えられます。これがマイナス金利導入の狙いです。

しかし、ユーロ圏では欧州中央銀行のドラギ総裁がマイナス金利政策を実施しましたが、これといってマイナス金利の効果は確認されていません。にもかかわらず、今回黒田総裁がマイナス金利政策を導入したのは、どうしてなのでしょぅか。

その違いは、日本とユーロ圏の量的緩和の「量」にあります。以下の図を見てください。ユーロ圏の中央銀行である欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利導入を発表したのは、2014年6月5日。つまり、ECBは本格的な量的緩和を実施して、マネタリーベースが急拡大する前の段階でマイナス金利を導入してしまっていたのです。


ECBのマイナス金利導入は、時期尚早でした。日本の場合は、日銀の金融緩和策によって、「日銀当座預金」に銀行の預金がかなり積み上がった状態になってしまっいるので、EUとは異なり、導入すればそれなりの効果が期待できるというわけです。

これは、高橋洋一氏が動画で指摘していたように、正しい措置であり、黒田日銀総裁は、まともな中央銀行総裁であることが示されたといえると思います。

しかし、だからといって、日本経済は安泰だというわけでもありません。先日も、指摘したように、この先中国経済はしばらくかなり停滞します。アメリカの利上げによって新興国の経済が大ダメージを受けてしまう可能性も大きいです。

さらに、原油安が資源国の経済を直撃しています。また、中東の地政学的リスクも増大しています。これらが日本の経済にどのような悪影響を与えるのか、全く予断を許さない状態です。今後リーマン級の大打撃が日本を再度襲う可能性があります。 

今後の、不測の事態に備えるためにも、日本政府は早急に2016年度の補正予算を組み、金融緩和を拡大して、財政金融両面でさらなる景気対策を施さなければなりません。

10%増税などやっている場合ではありません。まずは、景気回復、デフレ完全脱却が今の日本にとっては最優先課題です。安倍政権にはECBのように政策の優先順位を間違えないようにして欲しいです。もし、10%増税など予定通りに実行してしまえば、ECBの優先順位の誤りどころの話ではありません。

ECBが優先順位を間違えて、マイナス金利政策をやっても、効果が出ないだけで、それ自体が経済に甚大な悪影響を及ぼすわけではありません。しかし、デフレ完全脱却前の、増税は甚大な悪影響を及ぼすのは必定です。そんなことは、私達は8%増税の大失敗ですでに学んでいるはずです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年3月24日火曜日

GDPで日本の2倍の中国だがいまだ日本抜きで経済成り立たない―【私の論評】張り子の虎の実体はもう明らか、日本は本物の虎に対する投資を増やすなど正しい資源配分をするべき(゚д゚)!


中国の経済は張り子の虎(゚д゚)!
 中国のGDP(国内総生産)はすでにドルベースで日本の約2倍となった。しかし、実態は「張り子の虎」。いまだ日本抜きで中国経済は成り立たない。中国の製造業は日本企業の製品や技術が支えているといっても過言ではない。企業のコンサルティングを行なうなど中国ビジネスに詳しい高田拓氏が語る。

「例えば、白物家電でトップクラスの世界シェアを誇る中国の家電メーカー・ハイアールの冷蔵庫を分解してみると、特に上位機種ほど、コンプレッサーなどの基幹部品はパナソニックなど日本製が使われています」

ハイアールの基幹部品は、日本製(゚д゚)!

他にも、2008年にノンインバーターエアコンで世界市場1位だった中国メーカー・珠海格力電器(グリー・エレクトリック)と業務提携した空調大手のダイキン工業は、同社に独自の「インバーター技術」を供与。代わりにグリーのコスト競争力を得ることで、かつてはゼロに近かった中国国内のインバーター機普及率を6割近くまで高めた。

「最近では中国市場に数多くあった日本ブランドの家電製品、携帯電話の影が薄くなっているが、ハイアールやダイキンの例に見られるように、基幹部品や技術で多くの“日本製”が内蔵されている。つまり、日本企業は『BtoB』に構造転換しているのだ。一見して見えにくいが、実は日本が中国企業の躍進を下支えしているといえる」(高田氏)

自動車でも同じことが言え、サプライチェーンの上流部、付加価値の高い分野で日本企業の製品は大きな存在感を発揮している。中国で組み立てられるスマートフォン「iPhone6」は、部品の半数が日本製で構成されている。

中国のiPhone6組み立て現場

日本の技術力がなければ、世界第2位の中国経済もまた、なかった。『日本経済がなければ中国・韓国は成り立たない』(海竜社刊)を上梓した真壁昭夫・信州大学教授が語る。

「輸出入を合わせた中国の貿易量では、日本が3位の相手国(香港を除く)。日本より上位の欧州と米国はどちらもGDP16兆ドル前後、人口も3億人を超える。日本はそれらに比べて人口も経済規模も小さいが、中国経済に占める存在感は大きい。

中国への直接投資でも、2014年は前年比38.8%減と大きく落ち込んだが、それでも2位を占めている。数字に表われない技術移転も多いから、総合的に見れば、中国の日本への依存度が高いことがわかる」

※SAPIO2015年3月号

【私の論評】張り子の虎の実体はもう明らか、日本は本物の虎に対する投資を増やすなど正しい資源配分をするべき(゚д゚)!

中国のGDPと日本のGDPを比較してみます。

中国のほうが、はるかに上を行っているようですが、これが本当であるかどうかは、甚だ疑問です。まずは、ドル換算していることにより、最近の円安傾向で、従来よりは日本のGDPが低くなっています。さらに、胡散臭いところもあります。なぜなら、過去に李克強現首相自身が中国の統計はあてにならないと述べているからです。

それについては、このブログでも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
【大前研一のニュース時評】中国の経済統計、信用できず!副首相“発言”が示唆−【私の論評】大前研一氏が今更指摘するまでもなく、中国の統計はデタラメ!!気をつけなければならないのは、それだけではない!

この記事は2012年5月のものです。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、英フィナンシャル・タイムズ紙が、李克強(り・こくきょう)第1副首相が、かつて経済成長を評価する際に「GDPではなく、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行という3つの統計を重視する」と語っていたことを紹介したうえで、最近発表されたこれらの数値がいずれも落ち込んでいる指摘したことを掲載しました。

アメリカなどの経済学者の中には、こうした中国の統計の出鱈目ぶりを指摘して、中国は未だに世界第二の経済大国にはなっていない可能性があることを指摘しています。

こうしたことから、アメリカでは中国の経済を正しく測るための指標として、夜間の電気などにより推計する方法を開発中ともいわれていました。

それだけ中国の統計は出鱈目だということです。この出鱈目ぶりからも、中国の経済は張子の虎であるといえると思います。

さて、以下は比較のために掲載しましたが、日本と中国との一人あたりのGDPの比較です。総体では、中国の人口は日本の10倍近くありますから、日本よりGDPが大きいということもあり得なくはないです。





しかし、一人あたりに換算すると、まだまだ日本に及ぶどころではないことがわかります。それに、日本と比較すると、貧富の差がかなりありますから、ごく一部の富裕層と、その他大勢の低所得層とに分かれます。その他大勢の低所得層に関しては、未だに日本の1/10程度以下と見て間違いないです。

さて、最近では中国経済成長がかなり鈍化していることはこのブログでも何度か掲載しました。その記事の典型的なもののURLを以下に掲載します。
中国、成長目標下げへ 15年7%前後 安定軌道狙う ―【私の論評】保八を捨てるのではなく、捨てざるをえなくなった中国に将来はないものと心得よ!体制の崩壊と、それに伴う天下の大乱は必定(゚д゚)!


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に保八に関する記述のみ引用します。
中国には、昔からこの保八という言葉があり、「8%以上の成長率を保とう」という意味合いですが、2009年の全国人民代表大会(全人代)においては、当時の温家宝首相は「保八」への決意を高らかに宣言し、政府の経済運営の最大の数値目標として設定しました。
2009年の全人代で高らかに保八を宣言した当時の温家宝首相
過去15年間に、中国では求職者人口がピークに達し、都市部の急速な発展期を迎えていました。そのため、雇用機会を創出するため、政府当局は経済成長率8%を目標にしなければならなかったのです。
経済の成長率が8%以下に落ちると、失業率が拡大して社会的不安が広がり、体制安定の基盤が根本から脅かされかねない状況なのです。日米独のような先進国とは異なり、8%以上の成長をしなければ、雇用情勢が悪化するのです。
そのため、「保八」は中国当局最大の政治保証で、または中国の経済成長を判断する分岐点となり、人々が中国経済への信頼感を測る最低水準とされていました。この「保八」方針を取りやめた中国政府はやはり国内の経済発展に自信を喪失したのでしょう。
もともと、出鱈目の経済成長率ですから、保八なども簡単に出来そうですが、出鱈目であっても、何とかその出鱈目を粉飾できる範囲というものがあります。おそらく、これから、雇用情勢も悪化することも予想されるのだと思います。その時に保八を実行したなどと言っても、現実の雇用情勢の悪化など隠しおおせない程度に悪化していて、隠しおおせる状況にないのだと思います。

さて、中国は保八も確保できない状況に追い込まれました。ではアジア全体ではどうなのか、以下アジア開発銀行のレポートを掲載します。
 アジア開発銀行(ADB、本部・マニラ)が24日に発表した経済見通しで、日本など先進国を除くアジア太平洋地域45か国・地域の2015年の経済成長率は、14年と同じ6・3%となった。

中国経済がやや減速する中で、インドや東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長が補うとみている。 
 中国は14年の7・4%から、15年は7・2%、16年には7・0%になると予測した。中国政府は15年は「7・0%前後」の成長率目標を掲げており、その範囲内で緩やかな減速が続くとみている。 
 一方、14年度(15年3月末までの1年間)は7・4%だったインドは、政府の改革路線が投資増につながっているとして、15年度は7・8%に成長率が高まり、中国を上回ると予想した。 
 タイは、政情が落ち着いたことなどから14年の0・7%から、15年に3・6%になるとみている。 
 ADBは、中国が安定成長路線にうまく転換できない場合や、インドの改革が市場の期待を下回った場合、アジア経済に悪影響が出る可能性があると指摘した。
中国に関しては、今後何らかの形で中国の体制が変わらない限り、経済は停滞し続けることが予想されます。

インドは、中国成長率を追い抜きそうです。成長率だけみているとインドが良いようにもみえますが、ASEAN諸国も伸びそうです。

日本は、中国のような張り子の虎を相手にするのではなく、中身も充実した本当の虎を相手にすべき(゚д゚)!

アジアはまだまだ、経済が伸びます。中国などの張り子の虎、それも反日の虎を相手にしてばかりでは日本もあまり良い目はみません。当面は、日本の経済を立て直し、デフレから完璧に脱却して、その後はまともなアジアの他のパートナーとつきあいを強化すべきです。

張り子の虎の実体はもう明らかになりました。日本は今まで張り子の虎に投資などしてきた分のマネーや、時間、技術などアジアの他の本物の虎に振り向け正しい資源配分をするべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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