2024年10月19日土曜日

いきなり危険水域〝28%〟石破内閣支持率 時事通信調査 森喜朗内閣下回る「何かの間違いかと…発足直後で政権末期レベル」―【私の論評】石破内閣の崩壊と岸田総裁再登場の可能性

いきなり危険水域〝28%〟石破内閣支持率 時事通信調査 森喜朗内閣下回る「何かの間違いかと…発足直後で政権末期レベル」

まとめ
  • 石破茂内閣の支持率が28%で、「危険水域」に入る低さを示し、永田町に衝撃を与えている。
  • 衆議院選挙の中盤で、自民党が単独過半数を割る可能性が指摘されている。
  • 石破首相の政策や人事への批判、特に安倍元首相への厳しい態度が支持率低下に影響している。
  • 石破首相は大型補正予算編成や物価対策を強調する一方、党内の意見収拾に苦慮している。
  • ジャーナリストの分析では、早期解散の決定が失望を招き、衆院選の結果次第で更なる厳しい局面に直面する可能性がある。


 時事通信の調査で、石破茂内閣の支持率が28%と、発足直後から「危険水域」に突入したことが永田町に衝撃を与えている。衆議院選挙が中盤を迎える中、報道各社の情勢調査では、自民党が単独過半数を割る可能性が指摘されている。石破首相の「変節」や安倍晋三元首相を「国賊」と罵倒した人物の入閣などが影響していると見られる。

 自民党ベテラン議員は、調査結果に驚き、「旧安倍派を切り捨てた反動」だと述べ、党内外の不満が広がったことを示唆した。調査は全国の18歳以上の2000人を対象に実施され、内閣発足直後の支持率としては過去最低を記録している。

 同様に、日経新聞・テレビ東京の緊急調査でも内閣支持率が低く、石破首相の早期解散決定が批判されている。石破首相は長野市で物価対策を強調する演説を行ったが、党内の意見を収拾しながらの難しい舵取りを求められている。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、石破首相の早期解散が失望を招き、党内基盤の弱さが表面化したと指摘。衆院選の結果次第では、石破首相はさらに厳しい局面に直面する可能性があると分析している。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】石破内閣の崩壊と岸田総裁再登場の可能性

まとめ
  • 現状の低支持率により、石破内閣は来年の参院選まで持たない可能性が高く、解散も党内外から強い反発を呼んでいる。
  • 石破の最大の問題は党内基盤の弱さであり、政策決定や人事で統制が取れず、支持率が低下している。
  • 国民の政治への信頼が失われ、特に石破内閣に対する不信感が強まっている。閣僚の資金管理問題やスキャンダルも信頼性を損なわせている。
  • 次の総裁候補には高市早苗が浮上するが、財務省は彼女を阻止すべく岸田を支持するだろう。
  • 石破内閣の崩壊はほぼ確実で、岸田が再び総裁に選ばれる可能性が高いが、高市氏を含む積極財政を唱える政治家の台頭がこれからも有り続けるだろう。

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現状の支持率の低さを考えると、石破茂内閣が来年の参議院選挙まで持たない可能性が高い。発足直後から支持率が低迷していることは、政権の安定性への信頼を揺るがし、早々に石破首相が解散を決断したのも、無理もない。しかし、この解散自体が党内外からの強烈な反発を呼び、石破の政策やその政治姿勢に対する失望感を一層深める結果となっている。

石破の最大の問題は、党内基盤の脆弱さにある。新たな政策決定や人事においても、党内の意見をまとめることができず、統制が取れない。そのため、内閣の安定性がどんどん揺らぎ、支持率の低下に歯止めがかからない。特に、政策のブレや自民党の路線からの逸脱が、党内外からの批判を呼び寄せているのは致命的だ。

さらに、国民全体に広がる政治不信も石破内閣の存続を脅かす要因だ。今や政治全体への信頼が地に落ちている中、どの政権が立とうと厳しい審判を免れないが、石破内閣に対する不信感は特に強い。発足直後から政権の危うさが見え隠れしているのは、その象徴だろう。

そこへきて、最近のSNS投稿や報道で明らかになったのが、石破内閣に絡む「政治とカネ」の問題だ。閣僚の資金管理の不手際や親族のスキャンダルが次々と露呈し、信頼性がどんどん失われている。これでは、内閣の信用失墜は避けられない。これらの問題が続発すれば、来年の参議院選挙まで持たない可能性がますます強まる。

これらの要素を踏まえると、石破内閣が参院選まで生き残ることは厳しい。支持率の低さ、党内外からの批判、政策の迷走、さらにはスキャンダル問題が追い打ちをかけ、政権はもはや崩壊寸前といえるだろう。

さて、問題はポスト石破だ。次の総裁候補として真っ先に名前が上がるのは高市早苗だが、彼女がスムーズにトップに立てるかというと、そう単純ではない。ここで忘れてはならないのが、日本政治に深く絡む財務省の存在だ。総裁選にすら強い影響を与えたと見て間違いない。


高市早苗は積極財政と金融緩和を訴え続けた政治家だ。当初は泡沫候補扱いだったが、総裁選が進むにつれて勢いを増し、有力候補として浮上した。しかし、財務省にとってこれは大いに不都合だった。長年、安倍政権や菅政権が行ってきた経済政策に不満を抱いていた財務省は、高市が総裁になることを阻止すべく、岸田に「高市だけは絶対に総理にさせるな」と強く働きかけた可能性が高い。

その結果、岸田は石破を擁立し、高市を封じ込める作戦に出たと考えられる。石破と岸田は、高市を阻止するという一点で手を結び、安倍派の影響を排除するために暗躍したと言っても過言ではない。この動きが財務省の影響下にあったことは、容易に想像がつく。

さらに、財務省が次に期待を寄せているのが「コバホーク」、つまり小林鷹之の存在だ。彼は財務省にとって、新たな経済政策を推し進める上で都合の良い駒としての期待が高い。小林が総裁候補として浮上すれば、財務省の望む増税路線をさらに確実に進める可能性もある。小林鷹之が持つ柔軟な政治姿勢と、財務省出身であることがその理由だ。しかし、未だ経験が少なく、知名度も低いという難点もある。さらに、小林氏が財務省と同じく緊縮財政を志向するかどうかは不透明である。

麻生太郎の存在も無視できない。高齢にもかかわらず、彼の政治的影響力は未だ健在であり、党内での存在感も依然として強い。しかし、自らが再び総裁を目指すことは考えにくく、むしろキングメーカーとして、影から総裁選に影響を与える立場を続けるだろう。

財務省との長い結びつきから、麻生は財務省寄りの政治家を支援し、高市のような積極財政派を徹底的に封じ込める動きをとる可能性はある。ただ、現状では総裁になり得る人物の持ち駒が不足している。河野太郎は、麻生派だが、今回の総裁では沈んてしまい、今後復活する見込みは低い。ただ、今回の総裁選では、結局岸田旧派閥が麻生派に勝った形となっているため、麻生氏が今後どのように動くかは見えないところがある。

菅義偉氏は今回の総裁選では、小泉進次郎氏を強く推したが、小泉は当初は優勢だったものの、その後勢いを失い、結局総裁選の決勝選には残ることができなかった。


他の総裁選候補者は、すべて泡沫といってもよい状況だ。麻生・菅は強力なキングメーカーをめざしているようだか、もう総裁になりえる駒は両方とも不足しているといって良い状況だ。

こうした状況で、ポスト石破として再び浮上する可能性が最も高いのは岸田だ。財務省にとっても、石破に続いて増税路線を踏襲する岸田ならば、彼を後押しするのは理にかなっている。

来年の参院選前に石破内閣が崩壊する可能性は極めて高い。しかし、その後の総裁選でも、最終的に高市対岸田の戦いになり、再び岸田が総裁に選ばれる展開もあり得るだろう。我々保守派としては、まだまだ予断を許さない状況が続きそうだ。

しかし、唯一の希望は、たとえ石破内閣が倒れても、岸田が総裁に返り咲いたとしても、高市のような強力な政治家が完全に排除されることはないという点だ。財務省がどれだけ画策しようと、高市氏を含め積極財政を唱える者たちが再び台頭してくる可能性は残っている。

結局、岸田や彼に近い政治家が総裁に就いたとしても、その基盤は脆弱で、強固な支配体制を築くことは難しいだろう。財務省と対峙しながらも、安倍氏のような経済政策をとることが結果として政権を安定させ憲政史上最長の政権を築いたという現実は無視できない。

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