2023年11月1日水曜日

太陽光パネルはほとんどが中国製 製造時に大量CO2 有難がって使う愚かしさ 杉山大志―【私の論評】日本のメガソーラー計画に潜む環境へのリスク(゚д゚)!

再エネの闇

まとめ
  • メガソーラーの建設に伴い、土砂災害や景観の悪化などの問題が発生している。
  • 太陽光パネルの製造において、中国製のパネルはCO2排出が多く、石炭火力が主要な電力源であるため、環境への影響が懸念される
  • メガソーラーの建設には広大な土地が必要で、不安定な発電を行うため、原子力との比較に耐えない。
  • メガソーラーの建設によって森林が破壊され、CO2吸収の機能が損なわれている。
  • メガソーラーがCO2削減に寄与する一方で、製造過程や森林破壊によって発生するCO2を相殺するのに長い時間がかかるため、政府の発表が実際の状況を無視している。


 メガソーラーの建設が不適切であると、土砂災害や景観の悪化などが報じられている。また、太陽光パネルの製造過程において大量のCO2が発生することが指摘されている。特に、中国製の太陽光パネルは製造過程で多くのCO2を排出し、石炭火力が主力の電力源であることが問題視されている。

 さらに、メガソーラーの建設には広大な土地が必要であり、安定した発電ができないため、原子力との比較に耐えないと指摘されている。また、メガソーラーの建設によって森林が破壊され、CO2吸収の機能が失われると主張されている。

 メガソーラーの建設がCO2削減に寄与する一方で、製造過程や森林破壊によって発生するCO2を相殺するには長い年月が必要であると指摘し、政府の発表が実際の状況を無視している。中国が大量の石炭火力発電所を持ち、新たに建設計画もあることを挙げて、日本が中国製の太陽光パネルを使ってCO2削減を進めることは全く愚かしいことだ。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】日本のメガソーラー計画に潜む環境へのリスク(゚д゚)!

まとめ
  • 中国製太陽光パネルを使用したメガソーラー建設には、CO2削減に10年かかる。
  • パネル製造には中国の石炭火力発電とCO2排出、森林伐採が関連。
  • メンテナンスが不十分で太陽光パネルの効率低下が問題。
  • 太陽光パネルの廃棄にエネルギーが必要で、リサイクル率は高いがゼロエネルギー消費は難しい。
  • 実用的で自由市場ベースのエネルギーソリューションを支持し、原子力や化石燃料の使用を見直すべき。
要約には、含まれていませんが、上の記事の筆者は、元記事で、「CO2の削減によって、建設時に発生したCO2を相殺するのに何年かかるだろうか?」と問いかけ、

「筆者の計算では、中国から輸入したパネルで日本にメガソーラーを建てた場合、10年もかかる。パネル製造時に中国で発生するCO2が8年分、森林破壊による分が2年分ぐらいである。前提など詳しくは拙著『亡国のエコ』(ワニブックス)をご覧いただきたい」と答えています。


杉山大この計算の概要と根拠など以下に簡単に以下に記します。

志氏の計算の概要は、以下のとおりです。

  • メガソーラー発電所の建設には、中国製の太陽光パネルが使用される。
  • 太陽光パネルの製造には、大量の電気が必要であり、中国ではその電気の多くが石炭火力発電でまかなわれている。
  • メガソーラー発電所の建設には、森林が伐採される。
  • 森林は、1年間に1ヘクタールあたり約8.8トンのCO2を吸収する。
これらの根拠は、以下のとおりです。
  • 太陽光パネルの製造時に発生するCO2は、住宅用パネルで2190トン、メガソーラーで3070トンとされる。
  • 中国の石炭火力発電のCO2排出量は、1kWhあたり0.86kg-CO2とされる。
  • 森林のCO2吸収量は、1ヘクタールあたり8.8トンとされる。
したがって、中国製の太陽光パネルを使用したメガソーラー発電所を建設した場合、建設時に発生するCO2を相殺するのに、パネル製造時のCO2が8年分、森林破壊によるCO2が2年分、合計10年かかると計算されます。

この計算は、あくまでも概算ですが、この計算は、メガソーラー発電所の建設が、必ずしもCO2削減につながらない可能性を示唆するものであり、メガソーラー発電所の導入にあたっては、慎重な検討が必要であることを示しています。

ちなみに、太陽光パネルは、経年劣化によって発電効率が徐々に低下していきます。しかし、メンテナンスを適切に行うことで、発電効率の低下を遅らせることはできます。太陽光パネルの設置業者の中には、設置後のメンテナンスを十分に行っていない業者も存在します。このような問題もあります。

太陽光パネルの廃棄も問題

さらに、使えなくなった太陽光パネルは捨てるにもエネルギーを要します。バネルは、主にガラス、シリコン、アルミニウムなどの材料で作られています。これらの材料を回収するには、砕く、溶かすなどの工程が必要となります。これらの工程には、電気やガスなどのエネルギーが必要になります。

太陽光パネルの廃棄には、以下の2つの方法があります。
  • リサイクル
  • 埋め立て
リサイクルする場合は、ガラスやシリコンなどの材料を分別して回収し、再利用します。この方法では、材料の一部を再利用することができるため、エネルギー消費を抑えることができます。

太陽光パネルのリサイクルの体制は、日本では整ってきています。太陽光パネルのリサイクル率は、2022年時点で約90%とされています。これは、世界でもトップクラスのリサイクル率です。ただ、リサイクルすればエネルギーの消費は低減できるとはいってもゼロにすることはできません。

以上を考えると、やはり上の記事の「日本が中国製の太陽光パネルを使ってCO2削減を進めることは全く愚かしいことだ」という結論にならざるをえません。

実用的かつ自由市場に基づいたエネルギーソリューションが必要であり、空想的な解決策や環境問題に関するポーズは必要ないです。太陽光や風力発電だけでは十分ではなく、原子力や石油・ガスなどの化石燃料を優先すべきです。

特に、石炭発電でもCO2の発生をかなり抑えることができる等、環境技術に優れた日本は化石燃料を用いることを見直すべきです。



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