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2017年8月15日火曜日

韓国の成人の半分が憤怒調節障害、どのように怒りを堪えるか―【私の論評】真の原因は深刻な社会病理か?

韓国の成人の半分が憤怒調節障害、どのように怒りを堪えるか

中央日報/中央日報日本語版

日本の植民地時代につき韓国内の一般と異なる主張をして暴力を受ける
ソウル大学経済学教授李栄薫氏、他の先進国には見られない風景?
成人の半分以上が憤怒調節障害を体験していると調査された。

大韓精神健康医学会がこのほど実施した調査の結果、韓国の成人の半分以上が憤怒調節に困難を感じており、10人に1人は治療が必要なほどの高危険群であることがわかった。

憤怒調節障害は精神的苦痛や衝撃後に、不当さ、侮蔑感、挫折感、無力感などが持続的に頻繁に現れる不適応反応の一形態だ。激憤または鬱憤という人間が持つ独特の感情のひとつだ。不当な待遇を受けたという思いに基づいた憎しみと憤怒の感情状態が長く続く障害をいう。

これは実際の犯罪につながったりもする。最近ある男性は自分の交際相手から別れ話を切り出され自動車で突進した。ささいなトラブルが殺人につながったのだ。また、スープの味付けが塩辛いという言葉から始まった言い争いの末に食堂の主人が客に凶器を振り回すかと思えば、隣人間の駐車をめぐるトラブルで30代の姉妹が殺されるなど、昨年“腹立ちまぎれ”により偶発的に起きた暴力犯罪は15万件。全体の40%に達すると調査された。

それなら憤怒を静める方法にはどのようなものがあるだろうか?

憤怒を誘発するホルモンは15秒以内にピークに達し、その後徐々に分解される。30秒だけこらえても憤怒は和らぐ。腹が立った瞬間、すぐ60秒間深呼吸をすることが役立つ。

また、憤怒が沸き上がる瞬間すぐに席を立とう。静かなところを歩き3つに集中してみる。 「なぜ腹が立つのか? 何のために怒るのか? 他の効果的な方法はないか?」という考えに集中し憤怒に対応する方法を考えてみる。

このように憤怒を静めれば、血圧が低くなり免疫力が強化される。安定と平和を与えるセロトニンが上がり、快感と楽しみを与えるドーパミンが生成され感情調節に役立つ。

【私の論評】真の原因は韓国の深刻な社会病理か?

韓国人の憤怒調節障害に関しては、前から時々そのようなことがあることは何となくはわかっていました。

しかし、成人の半分以上が、憤怒調節に困難を感じていて10人に一人は治療が必要なほどであるとは驚きました。

昨年韓国では、憤怒調節障害による事件が発生し、憤怒調節障害の症状が一般の関心を集めていました。

憤怒調節障害の症状と関連して、昨年放送されたKBS2『ビタミン』では、憤怒調節障害の症状をテストすることができる自己診断方法が紹介されました。

昨年放送されたKBS2『ビタミン』で憤怒調節障害の自己診断方法が紹介された
この日紹介された憤怒調節障害テストは9項目でした。

憤怒調節障害テスト
1. 自分の行いが認められないと腹が立つ
2. 重要なことを控えて、怒りにより失敗したことがある
3. 物事がうまく進まないと、簡単に挫折を感じる
4. 性格が急な方で、すぐに興奮する方だ
5. 自分が間違っていても他人のせいにして怒る
6. 怒り始めると、コントロールすることができない
7. 怒ると周辺のものも投げつける
8. 他人が私を無視するようだ
9. 怒ると乱暴な言葉を吐き、暴力を振るう
この9項目のうち、3項目以下が該当する場合は怒りの調節が可能な通常の段階です。4~6項目は怒りの調整能力が少し不足している段階です。7項目~9項目は怒りを簡単に調節できない段階です。

特に「怒ると乱暴な言葉を吐き、暴力を振るう」は、この1項目だけが該当しても深刻な状態です。

精神健康医学科のシン・ヨンチョル専門医は「9番目のような行動が繰り返される場合、これは自分が調整できずに行動しているものだ。これは大きな問題になる可能性があるので注意しなければならない」と述べました。

私もこのテストをやってみました。その結果は、0でした。私自身、滅多に本気で怒ったことはありません。その必要性があって、会社で部下のことを叱ることもあるのですが、それはあくまで叱るということであって、怒りで我を忘れることはありません。

部下からみれば、怒っているようにみえるかもしれませんが、実はそれはあくまで計算づくで、芝居でやっています。普通の叱り方をしたのでは、こちらの考えが伝わらないと管変えて、相手に対して「ここからはあなたが考えていることとは違うぞ」ということを理解させるため、怒って見せるのです。

これは、比較的若いときから管理職になったため、長いうちにそのように習慣がついてしまったのだと思います。一種の職業病のようなものだと思っています。

私のような人間は例外としても、皆さんの中にも、憤怒調節障害で危険水域にある人は少ないのではないかと思います。それよりも、日本人の場合だと、何でも自分のせいにして抱え込んでしまい精神的に追い詰められる人が多いのではないかと思います。

それに日本では、公衆の門前で自分の感情をはっきり表に出すことは恥とみなされることが多いです。やはり韓国人と日本人とでは、こういうところにも違いがあるのかもしれません。

ブログ冒頭の記事は、昨年のものですが、韓国・世界日報は今年6月、国内で怒りをコントロールできない人が増え、中には犯罪につながるケースもあると報じました。
ソウル江北のサムスン病院によると、「外傷後悲憤障害」ともいわれる怒りの調節障害(=憤怒調節障害=火病)は、精神的苦痛や衝撃の後に怒りや憎悪の感情状態が長く続く症状のことをいいます。自分でも知らないうちにカッとなって調節できない衝動を感じ、他人に対する攻撃的な行動として表れるものです。
韓国では、否定的な感情のコントロールができないことが原因の犯罪も増加しているといいます。
警察統計年報によると、2015年の犯罪者合計177万1390人のうち偶発的に犯罪を犯してしまった人は25万6669人(14.5%)と最も多く、特に、傷害や暴行といった暴力犯罪者の10人中4人(38.6%)が憤怒調節障害による偶発的犯罪だったといいます。
現代の韓国人の国民性をソウル大学の李符永教授は次の表とおり説明している。
憤怒調節障害に通じる国民性が横たわっているようだ。韓国の若い男性の髪型が皆一緒というのも国民性の違いでしょうか。
こうした燃えたぎらせる国民的な性格が、反日感情に大きく影響しているようです。

さて、ブログ冒頭の記事には憤怒調節障害の原因についてはでていませんが、韓国系メディア連合ニュース昨年7月以下のような報道がなされています。
衝動的な攻撃行動を爆発させる憤怒を調節障害(IED:intermittent explosive disorder)は、社会的行動に重要な機能を担当する、脳の部位の連結状態に欠陥があるためだという研究結果が出た。 
米シカゴ大学のロイス・リー精神医学-行動神経科学校数は憤怒を調節障害の患者は感覚入力、言語処理、社会的相互作用を担当する脳の部位の連結状態に欠陥があるという研究結果を発表したとメディカル・エクスプレスが6日報道した。 
憤怒を調節できない人は、正常な人または他の精神障害のある人に比べて上縦束(SLF:superior longitudinal fasciculus)と呼ばれる脳の白質(white matter)が完璧では無く、密度も落ちていることが分かったと李教授は明らかにした。
無論怒りで重大な犯罪を犯してしまうような人は、確かに脳に原因があることが多いのだと思います。

しかし、これだけでは、 韓国の成人の半分以上が憤怒調節に困難を感じており、10人に1人は治療が必要なほどの高危険群であることの説明はつかないと思います。

これは、明らかに日本人や他の先進国の人々と比較すれば、かなり率が高いです。

それを求めて、サイトをいろいろ探索してみましたが、満足な結果は得られませんでした。

そのため、私の推測を掲載します。

結論からいうと、社会病理的な原因もあるということだと思います。

社会病理とは、個人や集団や地域社会の生活機能障害にかかわる現象のことです。生活機能の障害は、生活上の欲求、必要性、目標などの充足ないし達成が阻害されることですが、実際には、犯罪、非行、売春、自殺、貧困、差別、暴動、パニックなどきわめて多様です。

一般には偏倚 (逸脱) 行動と呼ばれます。発生条件も、個人、集団、地域社会や集団環境、社会風潮、都市化、産業化という社会力、社会体制などの諸次元において生じます。

社会病理学的研究方法としては、(1) 社会生物学的、個人病理学的方法、(2) 社会病理学的方法、(3) 価値葛藤的方法、(4) 偏倚的下位文化的方法、(5) 社会的精神医学的方法、(6) 社会規定的方法、(7) 社会的相互作用過程的方法などがあります。

さて、韓国の社会病理といえば、まずは強烈な競争社会です。韓国においてはまずは、激烈な競争を経て、ソウル大学などの名門に入らないと良い企業に入るのはかなり難しいですし、良い企業に入っても出世はできません。

これは、日本でも韓国と似たようなことがいわれていますが、韓国は日本の比ではありません。本当に名門大学を卒業しない限り、将来の見込みは全くありません。

さらには、つい最近までは、一般の家庭の子弟でも、名門大学を卒業すれば、良い企業に入り、それなりに出世することもできましたが、最近ではその道も塞がれてしまいました。

雇用環境がかなり悪化しているので、今では名門大学を卒業しているだけでは、良い会社に入れません。たとえ良い大学を卒業していても、名門の子弟でないと良い会社に入ることはできません。

であれば、日本人なら、中小企業にでも入って頑張れば良いという考え方をするかもしれませんが、韓国ではそうなりません。中小企業には大卒はほとんど行きません。それは結局、中小企業のことを見下しているからです。日本や欧米でなら考えられないことです。

特に、日本だと部品産業や素材産業にも優れた企業がありますが、韓国ではそのような企業は若者に見下され、大卒の人はほとんどいきません。これでは、日本のようにこれらの産業が育つ余地もありません。だから、韓国の産業は、一般に日本や他の先進国よりは、脆弱なのです。

そうして、その結果、大卒の若者には、ほとんど就職先がなく、結局運が良ければ、チキン店のオーナーになるか、死ぬしかないとさえいわれています。

それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【究極の二択】韓国の若者、将来はチキン店を開業するか死ぬしかないと話題に―【私の論評】金融緩和に思いが至らない政府なら、日本も同じことになった(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分を掲載します。
アベノミクスの本質は、金融政策であり、それはつまるところ雇用政策でもあるのです。2014年4月からの消費増税は大きなミスであったが、アベノミクスの名の下、安倍政権はさまざまな金融政策を打ってきたので、少なくとも雇用は悪くなっていないどころか、かなり改善しています。 
今の韓国はまさに、金融緩和をはじめる前と同じ状況です。雇用情勢が悪化すると、一番最初に大きな影響を受けるのは、若者層です。これは、韓国に限らず、どこの国でも同じです。 
そうして、このような主張をすると、日本国内でも決まってでてくる議論は、韓国が金融緩和をするとキャピタルフライトするとか、韓国は財閥などの遅れた仕組みがあり無理などという論議がでてきます。 
しかし、昨日もこのブログに掲載したように、変動相場制の国では、金融緩和をしたとしてもキャピタルフライトが起きることは滅多にありません。起こるとすれば、かつてのアイスランドのように、政府以外の国の対外債務が天文学的なほどにかさんでいる場合です。 
韓国の対外債務は、さほどではありませんから、韓国が金融緩和をしたとしても、キャピタルフライトはしません。さらに、金融緩和をする前に、財閥解体をしたとしても、それですぐ経済が良くなることはありません。さらに混乱するだけです。 
かつての日本でも、構造改革ばかりしようとしていた頃には、一度も景気は上向きませんでしたし、雇用も良くなったことはありません。しかし、2013年から金融緩和をしてはじめて、雇用状況が良くなりました。 
私たちは韓国の今の状況をみて学ぶべきです。結局、景気対策として、景気循環的対策である、金融政策や財政政策を機動的に行うことができない政府は、結局経済を良くすることはできないということを・・・・。 
安倍政権が成立しないで、自民党であっても他の人が総理大臣になっていたり、最悪民主党政権がいまでも政権の座についていたとしたら、今頃日本の若者も韓国の若者のように大変なことになったいたことでしょう。 
若者にこのような苦しい思いをさせることは、絶対にすべきでありません。韓国は一日も早く、金融緩和をすべきですし、日本もポスト安倍には、金融政策を理解している人を総理大臣にすべきです。そうでないとまた、将来を担う若者がとんでもない苦しい思いをすることになります。
以上述べたように、韓国では雇用状況が最悪であるにもかかわらず、朴槿恵政権も、文在寅政権もなぜか構造改革にばかり目を奪われて、雇用政策の本命でもある金融緩和政策や、積極財政政策を実行しようとしません。

だからこそ、雇用弱者でもある若者をこれほどまでに痛めつけているのです。だからこそ、これも社会病理の一因となっているのです。

さらに、韓国では、これらに加えて、出身地による酷い差別があります。

韓国では、現在の慶尚道を発祥の地とする“新羅”という国が、現在の全羅道を発祥の地とする“百済”を滅ぼして以来、地域対立が断えませんでした。現在の大韓民国が成立した以降も、1961年パク・チョンヒ(慶尚道出身)によるクーデターから、1998年のキム・デジュン(全羅道出身)政権発足までの間、ずっと「慶尚道政権」が続きました。

「慶尚道政権」が続いている間は、先輩が後輩を引っ張るという形で、政府・財界の要職は慶尚道出身者で固められ、インフラ整備も慶尚道優先で行われたため、全羅道の発展は遅れました。そんな中、アメリカや日本に新天地を求めて移り住む韓国人は全羅道出身者が多かったといいます。

これ以外も地域による差別が厳然として存在します。誤解を恐れずに掲載すると、以下のような図式です。

韓国では、慶尚道>慶尚道・全羅道・済州島以外>全羅道>済州島>>>在日韓国人のような差別ヒエラルキーがあるとされています。

そうして、就職や、結婚でもこれが問題になることすらあるといいます。日本にも、被差別部落問題がありますが、韓国の差別問題はそれよりもはるかに苛烈です。

韓国人同士の会話で、日本人のことを侮蔑語の「倭奴(ウェノム)」と呼ぶのは珍しくないし、時には「チョッパリ(=ひづめが割れた奴の意味)」が使われます。

在日韓国人は「半チョッパリ」と言われます。韓国のサッカー場で「半チョッパリ」とヤジられたのを機に、日本に帰化した選手がいた程です。

韓国人同士の間にも、異様な学歴崇拝癖と、職業に対する伝統的にして病的な貴賤意識とが絡み合い、李王朝時代と同じような事実上の身分制度があります。

さしずめ財閥系大手の管理職は両班(ヤンバン=貴族)であり、町工場のブルーカラーの人々はひどく差別されています。李王朝時代の身分制度には法的根拠があったのですが、現代の両班は故なく威張りちらしています。

今日の韓国では、外国から就労目的で来た人々がひどい差別の対象になっています。

脱北者、中国の東北部に住む朝鮮族、そして外国人労働者です。彼らは、同業種の韓国人よりも、はるかに低い賃金・悪い労働条件で働いています。

韓国の大手紙は、差別による事件が発生すると「外国人労働者への差別をやめよう」といった社説を掲げるのですが、状況に目立った改善はありません。

3K業種で働く当の朝鮮族から「韓国での待遇を考えると、中国に戻って仕事をする気にはならない」といった声が出ている(朝鮮日報12年4月20日)のですから驚きです。

旧満州地域に住む朝鮮族の生活水準は、よほど酷いのでしょう。

このように、元々かなり苛烈な出身地別の差別があり、良い大学に入らないと良い会社に入れず、出世もできません。さらに、最近では良い大学を出ても、名門の子弟でないと良い会社に入れず、出世もできないというのが実情です。

このような韓国社会に関して、歴代の政府が何をやってきたかといえば、特に1990年代からは、体系的な反日教育と反日活動です。これは、日本を悪者に仕立てることにより、いっとき韓国人の憤怒のマグマの爆発を日本に向けて発散させ、いっときは韓国民を結束させる効果があったかもしれません。しかし、長続きはしません。

日本でも、失われた20年の時代には、若者にはかなり厳しい時代でした。とはいいつつも、韓国よりはまだましだったかもしれません。少なくと、あの時代でも名門大学を卒業できれば、そうして男子であれば、優良大企業に就職することができました。

ここで、皆さん良く考えてみて下さい、韓国のような状況が日本でも長く続いたとしたら、皆さんだって、八方塞がりで、日々とストレスが溜まり、その上に何か不満があれば、憤怒調節障害に陥っていたかもしれません。

この憤怒調節障害を韓国から本格的に取り除くには、やはり、社会病理を解消するしかないようです。

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2012年11月5日月曜日

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!−【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!:


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[ ふっしーのトキドキ投資旬報 ]上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!



[藤野 英人]

最近、いくつか若手向け勉強会でお話をする機会を得ました。懇親会もそれぞれ参加して思ったことがあります。それぞれ素晴らしい若者たちですが、先の見通しが非常に暗いんです。日本の将来にとても悲観的で、未来を信じられなくなっている。

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【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

詳細は、上記の記事そのものをご覧いただくものとして、上の記事の結論は以下のようなものです。
もし今の日本が暗いと思っているならば、ひょっとしたらあなたは今、間違っている場所にいるか、みているポイントが狂っているの「かも」しれません。 
今必要なのは日本が悪くなることを冷静に分析する評論家でないことは明らかです。立ち位置を変えるか、少しだけ視点を変えるかすると、見え方が変わってきます。少なくとも自分の夢がないのは日本の将来がないからだと思うのはあまりにも残念すぎます。
この結論に関しては、私自身も大賛成です。そうして、上の記事では、現在の日本は、アメリカの1990年代に似ているということで、以下のようなグラフも示していました。

わたしも、このようなグラフ随分前にみたことがあります。それは、アメリカがITバブルに沸いたころです。ある経営誌で、1980年代末から、ITバブル絶頂期である、1990年代末にかけての、アメリカ企業の労働力人口に関する上のグラフと同じような内容のグラフでした。1990年代の前半には、まさに、起業間もないIT企業に労働力が移動していました。

1980年代末期から1900年代始めまでは、アメリカは不況にあえいでいました。しかし、不況の最中にあっても、次の時代の産業が芽吹いていて、それが、労働人口を吸収しつつあったということです。これは、現在の日本でも同じことがあてはまることだと思います。

そうして、1999年にはアメリカはITバブルの絶頂期でした。eトイズ、フリーマーケットなど、資産も顧客も収益もほとんどない会社が、インターネットと名がつくだけでもてはやされ、株価は狂ったように値上がりしました。そうして、このころアメリカのマスコミや、学者などが、このアメリカの好景気を「ニュー・エコノミー」と称して、「ITの力により、企業は在庫を持たなくてもよくなり、従来経済学でいわれていた、いわゆる在庫循環という概念はなくなり、アメリカの経済は、いわゆるニュー・エコノミーという呼ぶべき新たな段階に突入したので、この好景気は永遠に続く」というような論評を発表して、IT業界をもてはやしました。

アメリカの景気循環
しかし、このITバブルはものの見事に、2000年春頃にはじけました。ここを境に、多くのIT企業が破綻しました。残ったのは、たとえばアップルや、マイクロソフトなどのように、本当に優秀なところだけでした。ニューエコノミーということば、1930年代にアメリカで世界恐慌が起こる前にも、同じようなことがいわれました。これに関して、ドラッカー氏が、その著書『ニューソサエティー』という書籍の、巻頭言に掲載されています。


何でも当時ドラッカー氏は、投資会社に雇われて、最初の仕事は、雇われた会社の社長の書籍「株で絶対間違いなく儲ける方法」の校正をする仕事だったそうです。しかし、その会社ドラッカー氏が雇われてから、わずか1週間で、株価大暴落のため倒産してしまったそうです。

結局何が言いたいかとというと、このようなことは、大昔からある普通のことであるということです。景気が悪いと、多くの人たちは、悲観的になり、この不況は永遠に続くと思いがちですし、景気が良いと、この景気の良さは、永遠に続くと思いがちだということです。人類の歴史はある程度経済が大きくなってからは、まさにこの繰り返しです。しかし、過去の歴史が示すように、そのようなことはありません。過去には、オランダで、特殊なチューリップの株いくつかで、広壮な大邸宅が購入できたなんていうとんでもない時代もありました。多くの人が、チューリップの株の価値は永遠に続くと考えていました。しかし、この狂乱にもすぐにおさまりました。



そもそも、景気は循環するものです。景気が比較的良い時期が続けば、悪い時期が続き、悪い時期が続けば、今度は、良い時期が続きます。これは、昔からそうですし、これかも、続きます。無論、多少長いとか、短いくらいの差はありますが、根本はこの繰り返しです。政府や中央銀行ができることといえば、景気を永遠に支えることなど不可能で、せいぜい景気の変化を緩やかにすることくらいです。

このブログでは、過去に政府の財政政策の間違いや、日銀の金融政策の間違いを何度となく掲載してきました。そうして、実際日本は、失われた20年とも呼ばれるように、デフレ基調になってから、すでに20年代近く経過しています。そうして、これを批判するのは、何も私だけではありません。本日も以下のような記事をサイトで見つけました。

家電業界は売り上げ増減の8割が為替で決まる。1ドル=80円を放置して、経営者ばかりを責めるのは「木を見て森を見ず」だ。:

この記事は、高橋洋一氏によるものですが、高橋氏の記事は、このブログにも何回か掲載させていただき、そうして、この方の主張は、概ね正しいものと思います。そうして、この記事も正しいものと思います。

日銀は、日本の国民をいたぶり続けている
しかし、そうはいいながら、現在上記のグラフのように、起業間もない企業に多くの労働人口が吸収されているのも事実です。確かに、政府の財政政策や、日銀の金融政策は、酷いですし、他の先進国から比較すると幼稚であると言わざるをえません。これでは、なかなか、デフレ・円高が解消されないことも事実です。

しかしながら、現在こういう状況ですから、日銀の金融政策、政府の財政政策を非難することは当たり前ですし、これは、絶対に変えるべきです。

しかし、ここしばらく、デフレが続いたからといって、全く将来を悲観することはありません。いくら日銀が我を通そうと思っても永遠に通せるわけはありません。政府のあまりに酷い財政政策だって同じことです。実体経済をどこまでも、人為的に変え続けることなどできません。実際、デフレでこれだけ、日本経済をいたぶって、駄目にしても、日本は財政破綻しそうもありません。少なくとも、世界の金融市場は、日本は財政破綻しないものとして動いています。

そうであれば、いつかは、日本経済も、早い遅いは別にして、回復するとみて良いはずで、永遠に景気の悪さが続くわけではありません。であれば、先の短い、年配の経営者などは別にして、若い人たちが、将来に悲観する必要など全くありません。必ず良い時代がくるはずと信じて、今から準備を怠るべきではないです。

再び1930年代に、話を戻します。日本でも、1930年代に、世界恐慌の影響を受けて、昭和恐慌に陥り、景気が低迷しました。しかし、日本は、高橋是清によるリフレ政策により、世界で一番先に恐慌から立ち直りました。しかし、アメリカは、立ち直るが遅れて、最終的に立ち直ったのは第二次世界大戦がはじまって、少ししてからでした。そうして、恐慌中のアメリカというと、今では、悪いことばかりが考えられていますが、数々の文献を読んでいると、当時のアメリカは、意外と健全で活力に満ちあふていたことがわかります。だからこそ、戦争中には、経済も復活して、戦中から、戦後にかけて、超大国の道を歩むことができたのだと思います。



そうして、リーマンショック直後からしばらくのアメリカもかなり景気が落ち込んでいましたが、この期間もアメリカ人は意外と健全で、希望を失うことなく、過去の自分たちの無駄遣い、贅沢三昧を反省して、多くの人びとがそれまでの消費とは全く異なる消費活動を行うようになりました。これは、すでに、9・11同時多発テロの時代から見られた傾向でしたが、リーマン・ショック後かなり顕著になりました。それが、このブログにも何回か掲載したスペンド・シフトです。それは、以下のようなものです。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
日本でも、こうした傾向が特に震災以降みられるようになり、上記で労働力が移動している優秀な企業は、まだ無名ですが、このような消費傾向に良く対応しているのだと思います。そうして、おそらくこうした企業が従来の優秀だった企業に置き換わって行くのだと思います。私は、今の若い人たちも、こうした良い面での、アメリカの国民性を見習うべきと思います。少しばかり景気が悪いからといって、将来の希望まで捨て去る必要などさらさらありません。なぜなら、今の日本、恐慌時のアメリカと比較しても、良いことばかりだからです。今の日本は、過去20年以上わたって、対外金融資産(要するに外国に貸しつけているお金のこと)が260兆円で世界一です。個人資産も、アメリカについで未だに世界第二位です。

アメリカ人の楽観性は、日本の震災においてですら、発揮されました。震災が起こった次の週からアメリカでは、株価が跳ね上がりました。これは、日本の震災の規模が予想をはるかに上回るものであったため、復興のためには、相当の投資をしなければならないことが予想され、日本の景気がかなり良くなであろうことを、予期してのことです。震災自体は大変なことで、日本では、直後にはいわゆる自粛という現象がみられました。本来ならば、今頃日本は普通に復興などしていれば、古今東西の事例が示すように、かなり景気が良くなっているはずですが、政府が緊縮財政を続け、日銀が金融引き締めを続けるという、他国では考えられないような、常識はずれの、財政政策、金融政策をしているため、現状はそうはなっていません。これだけ、政府や日銀やマスコミが日本国を弱体化させるために、滅茶苦茶なことをしていても、これだけ経済力や国力を保っていられるのは、日本国民が優れているからにほかなりません。まさに、奇跡の国日本です。


こうした日本の特異性は、様々なところに散見されます。たとえば、人口に関しては、いわゆる、多民族複国家などをのぞけば、日本は世界第一位です。ほぼ単一民族で占められている国では、日本が一番人口が多いです。イギリス、フランス、イタリア、ドイツだって、人口は日本よりはるかに少ないです。韓国、北朝鮮をあわせても、日本よりは、はるかに人口が少ないです。よくひきあいに出される、人口の多い中国、インドなどは例外中の例外中にすぎません。日本のように、狭い国土に多く人がまとまって住んでいたり、そもそも言語も文化もほぼ同じ人々が住んでいるという国も他にはありません。本当に、素晴らしい市場です。こんなに恵まれた市場は、他にはありません。世界でこれだけ、密集して巨大なマーケットが存在する国はないでしょう。これだけの人数のマーケットに対して言葉が一つ、生活習慣もほほ同じというような国は他にありません。

日本で大国と思われているロシアですら、多民族複合国家であり、しかも、人口は、1億4千万で、日本よりわずか多いだけです。その他でも、調べるといくらでも、日本が独壇場である環境や、技術や、文化などいくらでもあります。料理の世界では、フレンチのシェフが、とうとう日本のように出汁を料理をつかいはじめたとか、そもそも、江戸時代に和食の文化がフレンチに大影響を及ぼしているとか、探してみると、まだまだたくさんあります。アップルのスティーブ・ジョブズは、明らかに日本文化の影響を受けて、自らのライフスタイルに取り入れていました。


また、世界には、神話が多くの残されていますが、たとえば、ギリシャ神話と、現代のギリシャ人との間には、何の関連性もありません。現代ギリシャは、皆さんもご存知のように、発展途上国にすぎません。イギリスには、ストーンヘンジがありますが、これも、現代のイギリス人とは何の関係もありません。古代エジプトと、現在のエジプトとは直接の関係はありません。しかし、日本の神話や、古墳、その他の古い文化財など、すべて現在日本に住んでいる日本人と直接関わりがあるものばかりです。以上あげれば、きりがないので、それに本日の本題とは、直接関係はないので、このあたりでやめておきます。


こんな国に見込みがないなどと思い込むのは、マスコミの刷り込みによるものがほとんどです。日本が駄目なら、世界を見回せば、地獄に落ち込んでいるような国々が数多くあります。歴史のある程度長い国であれば、現在いわゆる先進国であっても、過去には、戦争に負けて、他国の支配下にあったり、経済的にとてつもなく落ち込んだり、内乱にあけくれたなどということはいくらでもあることです。そのような国と比較しても、日本は、様々な資源に恵まれていますし、古い文化が息づいているいるにもかかわらず、革新的でもあります。

連合艦隊
上の日銀批判記事の高橋洋一氏も、何も日本が駄目とか日本の国民が駄目と言っているわけではありません。そうではなくて、日銀が駄目、政府が駄目と言っているのです。高橋洋一氏は、日本は今後80年間財政破綻することは全くあり得ないと自信たっぷりに語っていました。私も、そう思います。それどころか、日本のデフレが解消したときには、日本企業も、国民もとてつもない力を発揮して世界をリードするものと確信しています。


こんな国に将来が全くないなどということは、考えられません。それに、最近では、アメリカも中国も、EUでも景気に陰りがでています。それも、不況なのに、緊縮財政をするなどまるで、過去に日本がたどってきたような道を歩みかけています。

私自身は、日本のデフレ・円高は、そろそろ収束すると思います。いずれ近いうちに、政府の緊縮財政、日銀の金融引き締め政策は、何にもならないどころか、デフレ・円高の原因であることが、多くの人に理解され、世論の大勢を占めるようになれは、政府・日銀も世論を無視するわけにはいかなくなるからです。その日は、皆さんが思っているよりはるかに近いと思います。



現在の政権やその政権からあたかも独立しているように思い込んで我が世の春を謳歌しているようにみえる日銀や、日本を貶めて異国の為政者たちに力を貸すものどもも、所詮歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災や津波、原発事故でさえ、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。このような国日本の未来は明るいです!!




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