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2018年12月30日日曜日

官僚不祥事を斬る 高橋洋一嘉悦大教授「官僚は合理性を武器に」―【私の論評】国民本位の合理的な考えでなく省益本位で仕事をする財務省は排除せよ(゚д゚)!

官僚不祥事を斬る 高橋洋一嘉悦大教授「官僚は合理性を武器に」

厚労省、財務省,法務省の看板(左から)

平成30年は官僚の不祥事やミスが多かった。「官僚の劣化」という人がいるけど、世界からみたらもともとそんなに優秀ではない。事務仕事だけやっていればよいのだから。たまたま噴出しただけではないか。

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改竄(かいざん)は、とんでもない話だ。佐川宣寿前国税庁長官が、自分の答弁に合わせるために改竄を主導した。佐川氏は懲戒免職にすべきだった。停職3カ月相当の懲戒処分なんて軽すぎる。

 2月にこの問題が報じられたときに決裁文書を読んでしっかり答弁していたら改竄する必要がなかった。これが佐川氏の「チョンボ」。財務省近畿財務局は、土地を入札にかけていれば何の問題もなかった。問題の土地と道路を挟んで隣接する同規模の元国有地を大阪府豊中市が実質負担2千万円で購入していたので、このぐらいで売れたはずだ。こちらは近畿財務局の「チョンボ」だ。

 財務省では、福田淳一前事務次官はテレビ朝日の女性記者へのセクハラ発言で辞任した。あれは仕事とは別の失敗だ。福田氏は地頭もよく、官僚としては優秀だった。

佐川宣寿前国税庁長官と福田淳一前事務次官

 「働き方改革」は、厚生労働省による裁量労働制に関する調査で異常値が相次いで見つかり、政府が法案から裁量労働制の対象拡大を削除する事態に追い込まれた。そもそも、裁量労働をしている人は、仕事時間が明確に分からない。私も裁量労働だが、外でふらふらして情報収集している時間も仕事といえば仕事だが、そうでないともいえる。知人は朝起きてから寝るまで仕事の時間と答えたそうだ。

 統計では、そうした数値は「外れ値」といってカウントしないというルールがある。統計を分かっていない。率直にいうと、官僚に文系が多すぎる。データの専門家が役所にほとんどいないんだよ。野党のほうがそういうことをよく分かっていて、政府を責めた。戦術的に野党が勝ったという話だ。

 外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を創設する改正出入国管理法は、拙速すぎた。中身は詰まっていない。世界の例では総量制限などをきちんと法律に書き込むが、日本は政省令だ。審議の中で法務省で失踪技能実習生の調査をめぐる集計ミスなどもあった。法務省はゆっくりだけど、きっちりやる役所だ。せかされたらこうなるのは目に見えていた。将来、混乱が起きるだろう。

 外国人材の受け入れは2月の経済財政諮問会議で安倍晋三首相の指示が出てキックオフとなり、6月の「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)に「来年4月」と盛り込まれた。秋の臨時国会で法改正が行われた。法務省は「骨太」が決まる前に、ちゃんとした制度を作るには「来年4月では無理だ」と説明すべきだった。「来年度」とすれば何の問題もなかった。自分たちの力を過信したのか。

 官邸の力が強いから逆らえないという指摘もあるようだが、関係ない。「政」は合理性に弱い。平成17年に小泉純一郎元首相が郵政民営化の施行を「2カ月遅らせろ」と指示したことがあった。郵政選挙の空白期間が2カ月だったからだ。私は「半年ごとのシステムしか構築していないから無理だ」と説明したら、小泉氏は「えっ」といって、あっさりと受け入れた。合理性とはこういうものだ。

 確かに安倍政権が長いから「政」が「官」に比べて強い。だが、こういうときこそ官僚は合理性を武器にすべきだ。合理的に説明する人材を人事で飛ばすわけがない。排除されるとすれば、合理的に説明する能力が足りていないだけだ。(沢田大典)

【私の論評】国民本位の合理的な考えでなく省益本位で仕事をする財務省は排除せよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事ては、「こういうときこそ官僚は合理性を武器にすべきだ。合理的に説明する人材を人事で飛ばすわけがない。排除されるとすれば、合理的に説明する能力が足りていないだけだ」と締めくくっていますが、確かにそうです。

官僚が合理的に、特に数字を用いて合理的に説明できれば、排除されることなどありえないです。ただし、例外もあります。その例外とは、官僚や役所が合理的な考えで仕事をしていないときです。この場合はどう考えても合理的説明ができません。

それは実際に事例があります。それについては以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
株急落は来年の様々なリスクの前兆、消費増税の余裕はない―【私の論評】財務省は本気で全国民から恨まれ、米国を敵にまわしてまでも増税できるほど肝が座っているのか?
 

この記事は、今月の27日のものです。元記事は高橋洋一氏が書いています。この記事には、高橋洋一氏が、上司に日本の財政赤字はさほど深刻でいないことを説明したところ、とんでもない答えがかえってきたことを掲載しています。その部分のみ少し長いですが、引用します。
 本コラムでは、政府の財政について、負債だけではなく、資産も含めたバランスシートで考えなければいけないと、何度も書いてきた。筆者は20年以上もこのことを繰り返してきた。「統合政府論」というファイナンス論の基礎でもある。 
 この考え方をもとに、大蔵省(現財務省)勤務時代に、単体のみならず連結ベース政府のバランスシートを作成した。それをみると、それほど国の財政状況は悪くないことが分かった。 
 国の徴税権と日銀保有国債を政府の資産と考えれば、資産が負債を上回っていることも分かった。この財政の本質は、現在まで変わっていない。
 また資産といっても、一般に考えられている土地や建物などの有形固定資産は全資産の2割にも満たない程度だ。大半は売却容易な金融資産で、政府関係機関への出資・貸付金などだ。
 その当時、筆者は上司に対して、ファイナンス論によれば、政府のバランスシート(日本の財政)はそれほど悪くないことを伝え、もし借金を返済する必要があるのであれば、まずは資産を売却すればいいと言った。
 それに対し上司から、「それでは天下りができなくなってしまう。資産は温存し、増税で借金を返す理論武装をしろ」と言われた体験もいろいろなところで話してきた。
 ちなみに、日銀を含めた連結ベース、つまりいわゆる統合政府のバランスシートに着目するのは、その純資産額が政府の破綻確率に密接に関係するからだ。
 これもファイナンス論のイロハである。IMF(国際通貨基金)も、統合政府の純資産に着目して、日本では実質的に負債はないといっている。
 純資産額の対GDP比率は、その国のクレジット・デフォルト・スワップ・レートと大いに関連する。それは破綻確率に直結するからだが、日本の破綻確率は今後5年以内で1%にも満たない。
 この確率は、多くの人には認識できないほどの低さであり、日本の財政の破綻確率は、無視しても差しつかえないほどである。
この文書から、高橋洋一氏の上司は「天下りをするために、資産は温存し、増税で借金を返す」と発言したわけです。

これは、高橋洋一氏きが大蔵省(現在の財務省)に在籍していたときの話であり、この話は当時の大蔵省や現在の財務省では、通じる話かもしれませんが、政治家や一般国民には通じる話ではありません。

一国の財政は、国民生活が円滑に進むようにすべきであって、財務省(大蔵省)の官僚の天下りのために実施されるべきではありません。

しかし、大蔵省、そうして現在の財務省は、現実に天下り先を確保するために、増税や緊縮財政を続けているわけです。その典型的なものは、来年10月の消費税の10%へのひきあげです。財務省は、日本国民にとって合理的な考えでなく省益本位で仕事をしているのです。

このために財務省は、増税のために様々な論拠をあげるのですが、それらはことごとく合理性に欠けています。

このように財政に関して、財務官僚や財務省は合理的な考えで仕事をしていません。そのため、財務省は財政に関して合理的な説明ができません。

財務官僚の説明する財政に関する話は、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改竄(かいざん)において、佐川宣寿前国税庁長官が、自分の答弁に合わせるために改竄を主導したのと同じように、ことごとく非合理的です。



ただし、財務省は、税務権力、特に強制的な財務調査権を持っているため他省庁や、政治家、あらゆる民間組織、個人に対して、強力なパワーを発揮できます。税務権力は軍事力、警察権力と並んで、国家権力の典型です。

この財務省が財政に関して非合理的なことを語っても、政治家もマスコミも、民間組織も個人もそ非合理性を強く非難したり、追求したりしないのです。

こうした国家権力はいうまでもなく強力で、政治学や社会学では軍事力や警察権力はしばしば「暴力装置」と呼ばれます。学問の世界では税務権力は暴力装置から外されることが多いですが、実質的には含まれていると考えるのが妥当だと思います。この税務権力に政権・政治家は怯え、メディアや財界も事を荒立てないようにするのです。

荒立てないだけなら、まだしも、財務省の緊縮財政の根拠についてそれを補強するような論説をする恥知らずのマスコミや識者も大勢存在する始末です。これらに籠絡されて、増税すべきと頭から信じ込む政治家も多数存在します。

そのため、財務省のどう考えても、経済的に非合理な財政に関する考え方、たとえば消費税の増税なども、多くの国民は、正しいものと信じ込んでしまうわけです。ただし、この非合理性に関しては、以前よりは多くの識者が暴露するようになってきたので、徐々にこれを信じなくなってきてはいます。

冒頭の記事では、「(官僚が)排除されるとすれば、合理的に説明する能力が足りていないだけだ」と語っていますが、財務省という官庁そのものが、財政に関して合理的説明ができないのですから、この状態がいつまでも続くなら財務省を排除するしなくなります。

すなわち、財務省の解体です。ただし、このブログでも何度か掲載したように、財務省という官庁は単純に分解すると他省庁を植民する習性があるので、いくつかに分解した上で、それぞれを他省庁の下部組織として組み入れるのが適当です。

他の文科省などの組織も、自らの仕事に関して合理的な説明ができない官僚や、組織自体も、その状態が続き治る見込みがないなら排除すべきです。

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2018年11月15日木曜日

入管法改正案は廃案にすべし!「外国人労働者を増やしても誰も幸福にはならない」合理的な理由とは―【私の論評】外国人労働者を増やす前に、国内の賃金を上げよ(゚д゚)!


経済評論家 / 上武大学ビジネス情報学部教授
田中秀臣




 外国人労働者の移入拡大を盛り込んだ入管法改正案の審議が本格化している。ここ数年顕在化している「人手不足」への対応を狙ったものであるという。確かに統計をみたかぎりでは、バブル経済の余韻がまだあった1992年以来の「不足感」だ。

 忘れている人や知らない人も多いだろうが、この90年代初めにも外国人労働者の受け入れ拡大が政策課題になっていた。

 私も大学院で、当時、学会の俊英であった故・清野一治氏の論文「国際労働移動と国民経済厚生—静学的影響」(『早稲田政治経済学雑誌』1994年)を、研究会で直接著者から解説を聞き、白熱の論争を教員・学生で行ったことを思い出す。

 清野論文では、外国人労働者の受け入れ国(日本)と送り出し国(諸外国)で、

 1)市場メカニズムが完全ならば労働の移動の結果、両国の賃金は同じになる。このとき受け入れ国(日本)の賃金は低下し雇用は減少する、他方で外国人労働者の賃金は上昇し雇用は増加する。日本の労働者にはメリットはないが、ただし世界全体の経済厚生は大きく改善する。要するに前者の経済厚生上の損失を後者の増加が大きく超えるのである。

 2)市場メカニズムが不完全なケース、例えば日本の雇用環境が閉鎖的であり、または賃金が下方硬直的な場合では、経済厚生は悪化する。具体的なイメージでは、高い賃金や暮らしを目的に海外から外国人労働者がきても日本企業に正規雇用されない、あるいは不況によって日本で失業してしまう場合である。また関連して国内で働く外国人労働者が日本で稼いだお金を母国に送金した場合でも日本の経済的厚生は低下する、

 と清野論文は解説していた。

 清野論文の1)を基本モデル、2)を修正モデルとしておく。

 まず、1)の基本モデルをそのまま日本の現実に適用するのは、かなり疑問だ。そもそも外国人労働者を増やすことで、世界の経済厚生を増やす前に日本の政治家がすべきことがある。それは日本の経済厚生を増やすことだ。具体的には働きたい意欲のある高齢者、女性たちの働く環境の改善である。

 また「失われた20年」に直面し、雇用機会を大きく制限されてしまった30歳代から40代の人たちが、年齢や企業規模に関係なく自由に働き場所を獲得することができることだ。日本の経済厚生は確実に上昇する。日本の働く環境をよくしてから、外国人労働者の受け入れを行えばいい。外国人労働者受け入れ問題についていえば、自国民ファーストは当たり前である。

 実際に、清野氏もまた90年代の外国人労働者問題に直面して議論してきた人たちの現実的な帰結はこのラインだった(参照: 後藤純一「少子高齢化時代における外国人労働者問題」『国際環境の変化と日本経済』)。

 いまの政府の方針はこの成果をまったく顧みていない。

 また政府が5年で最大34万規模の未熟練労働が大幅に拡大しても、他方でAIの進化やオートメーション化の変化によって、これら未熟練労働者が不用になることが今後予想されるのではないだろうか?

 政府は「人手不足」が解消されれば、受け入れを停止するとしている。だが、政府に市場の動向を的確に判断できる能力の保証はない。政府の受け入れ停止の判断はおそらくかなり遅れるか、あるいは政治的怠慢で判断さえされないかもしれない。このとき日本にきた未熟練労働者は、構造的な意味で「失業」に陥るだろう。

 ■ポスト安倍世代の緊縮政策で、外国人労働者は対立と分断の一因に?

 2)の修正モデルから考察してみる。このケースではもともと外国人労働者の移入拡大は、受け入れ側、移動してくる側双方に厳しい状況だ。

 日本の雇用が閉鎖的になるそのもっともありうるケースは、不況だ。

 このケースでは、日本にきたはいいが、職を得ることができないか、あるいは日本の未熟練労働者とパイを食い合う苛烈な競争となる。日本の労働者にも外国人労働者にも明るい未来はない。

 特に不況は緊縮政策によって生まれる。

 現在の安倍政権は積極的な金融緩和政策を採用している。ただし財政政策は、緊縮よりだ。その象徴が来年の消費増税をやめないことにある。ましてやポスト安倍といわれる人たちは、ほとんどが与野党問わず、緊縮政策、財政再建志向の政治家たちである。この増税政治家たちがいまよりも緊縮政策をとれば、日本は長期停滞に戻る可能性が大きい。

 そのときに外国人労働者は日本を経済的にも社会的にも対立と分断の一因になる可能性がある。そのことは、緊縮政策を採用した国々、外国人労働者や移民を増やしていったイギリスやドイツなどの経験をみれば自明である。

 もちろん外国人労働者は「安価な労働」ではない。だが、どうも政府もまたこの「人手不足」を理由に受け入れ拡大を後押ししている経団連などの財界にも、単なる「安価な労働」以外にはみえていない可能性がある。長期停滞の中で、非正規雇用が増えていったが、これも経営者側からみれば「安価な労働」という視点で規制がどんどん緩和していったことを思い出せばいいだろう。いまの改正法案でも派遣形態での外国人労働者の受け入れも認める動きがある。いまは厳格な条件を採用しても、やがてなし崩し的に規制が緩和される可能性が大きい。いまの日本の財界には、日本経済や国益をみたうえでの判断はできない。経済的老害である(参照:田中秀臣『増税亡者を名指しで糺す!』悟空出版近刊)。

 日本の労働者もそして外国人労働者もともに単なる「安価な労働」や都合のいい材料ではない。生身の人なのだ。これを忘れてしまい、ましてや緊縮政策の中で外国人労働者を増やすことは、日本の社会を大きく不安定にしてしまうだろう。改正法案は廃案すべきである。

田中氏のツイッターに掲載されている本人写真
経済評論家 / 上武大学ビジネス情報学部教授

田中秀臣


上武大学ビジネス情報学部教授。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。国土交通省社会資本整備審議会委員、内閣府経済社会総合研究所客員研究員など歴任。 著作『日本経済は復活するか』(編著 藤原書店)、『AKB48の経済学』(朝日新聞出版)、『デフレ不況』(朝日新聞出版)など多数。毎週火曜午前6時から文化放送『おはよう寺ちゃん活動中』レギュラーコメンテーターとして出演中。

https://twitter.com/hidetomitanaka

【私の論評】外国人労働者を増やす前に、国内の賃金を上げよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事て、田中秀臣氏は「そもそも外国人労働者を増やすことで、世界の経済厚生を増やす前に日本の政治家がすべきことがある。それは日本の経済厚生を増やすことだ。具体的には働きたい意欲のある高齢者、女性たちの働く環境の改善である」と主張しています。私もそう思います。

それに、永住資格は認めないで、「技能実習」から「特定技能」に切り替えられる可能性を広げる今回の案では、必要な期間だけ雇って、用がなくなれば帰国を余儀なくされるか、日本で職探しするしかない不安定な立場の外国人労働者だけを増やすことになりかねないです。

それだと、日本での安定した生活を求めて来る人たちの期待を裏切り、「派遣労働者切り」をめぐる昨今の問題を海外にまで拡大してしまうことになりかねないです。日本が自国の都合だけで外国人労働者を使っているという批判が各国から強まり、「国際問題」化することになるでしょう。


外国人労働者を増やす前に、やるべきことがあります。それは、まずは国内の労働者の賃金をあげることです。入管法改正を求める声が、人手不足を理由に産業界から出ていることは気がかりです。産業界が「人手不足」というときには、目先のことだけを考えて「賃上げをしたくない」という本音が見え隠れします。

私自身は、人手不足はマクロ経済にとって良いことであり、この際、企業がため込んだ内部留保を吐き出す番だと思います。つまり、アベノミクスによって企業が儲かってきたのですから、これからは労働者が賃上げで潤っていいはずです。

現状は、賃金をあげられるなら上げるべきです。そうして、上げれば、それが景気が良くなることにつながり、企業の収益がますます良くなるという好循環につながるはずです。このような好循環がおこれば、中小企業もその好循環が巡ってくるはずです。

それと、入管法がどうのこうのという前に、日本は移民が増えつつあります。実際日本の移民の数が増加しています。最新の外国人移住者統計によると、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の中で、韓国を抜いて4位に上昇したとのことです。


これをもって日本はすでに移民大国などとする識者もいるようです。ただし、これは実数で比較しているので、移民数の当該国の人口との比率でみれば、日本の移民の数はさほどではないのですが、それにしても民主党政権時代から持続して増えているのは事実です。

国家規模の数字がまとまっている2015年時点で、日本への流入者は前年比約5万5千人増の約39万人となり、スペインやカナダよりも多い数字になっていました。ただし、日本の人口は1億2千万人、スペインは4千657万人、カナダは3千671万人です。ちなみに、米国は3億2千570万人です。

人口減と少子高齢化による人手不足を背景に、日本で働く外国人が増え続ける中、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の最新(2015年)の外国人移住者統計で、日本への流入者は前年比約5万5千人増の約39万人となり、実数では前年の5位から韓国を抜いて4位に上昇しました。

この観点からすると、今回は入管法を改正するにしても、外国人労働者を新たに受け入れずに、今まで受け入れてきた留学生アルバイトと技能実習生にきちんとした在留資格を与えて、その後はきっちり管理するというスタンスが望ましいです。

先進国のビザは、就労条件について厳格に定められており、その点、日本のビザではそれが曖昧です。この際、入管法改正によって、先進国並みの在留資格に基づいて就労条件を明記することが必須です。そうして、適切に運用することによって、邦人の雇用が失われないようにしなければならないです。

在留者やその家族の社会保障制度などの適用についても、これまで不適切使用が何度も指摘されてきました。誰からも文句を言われないような制度作りも併せて実施してもらいたいものです。

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2015年4月28日火曜日

【日本の解き方】経済予測をことごとく外してきた面々は合理的な推測をしているのか―【私の論評】奴らは論評をしているのではない!論病に過ぎない(゚д゚)!


金子洋一参議院議員
 民主党の金子洋一参院議員はツイッターで、「日経平均、続伸し15年ぶり2万円乗せ。わが国経済のためにまずは喜ばしいこと。やはり債券を主に買い入れ、株式を含む実物資産に民間資金をシフトさせる日銀による金融緩和の力は大きかった。われわれが提言したとおり、民主党政権でこれをやっていれば、経済の回復はより早かった。残念だ」とつぶやいた。彼の行動を知る筆者としても同感だ。

もう5年も前のことだが、民主党政権下の2011年4月6日、民主党の「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(会長・松原仁衆院議員、事務局長・金子議員)の第2回会合が開かれた。その日、連合会長の古賀伸明氏、元東京商工会議所副会頭の中西真彦氏、そして筆者が招かれて話をした。

古賀会長は、「FRB(米連邦準備制度理事会)には、雇用の最大化が政策目標に掲げられている。ところが日銀法には雇用への配慮が掲げられていない。日銀も雇用に対する一定の責任を果たすことを明文化すべきだ」と述べた。日銀法改正を示唆するような踏み込んだ発言に、筆者はイスから転げ落ちるかというくらいびっくりしたが、その後で、金融政策は雇用政策であること、海外では左派政党が金融政策に熱心であることを話した。

後日、古賀会長からもっと話を聞きたいと連絡もあったが、結果として立ち消えになった。おそらく、関係者が働きかけたのだろう。そして、今の民主党には、金融緩和政策を批判する同志社大大学院教授の浜矩子氏のファンだと公言する幹部もいる。

 筆者は理系出身なので、理論が正しいかどうかは、理論による予測が現実をどの程度説明できたかに依存すると思っている。しかし、この考え方は必ずしも経済学の世界では一般的ではない。経済学者は、理論について議論するのが好きだが、理論に基づく予測を行わない。

 ただし、一般向けの書物では、将来どうなるかを書かざるをえない。

 浜氏の学術的な論考については知らないが、一般向けに多数の書物を書いている。それらによれば、1ドル=50円、株価は1万円割れ、日本経済は破綻に向かうと主張しているようだ。

 こうした類いの人はほかにもいる。先日、参議院調査会で話した藤巻健史参院議員、テレビでしばしば見かける小幡績慶応大大学院准教授らだ。彼らの株価や為替、債券の動向などについての予測もほぼ完璧に外れている。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】奴らは論評をしているのではない!論病に過ぎない(゚д゚)!
金子洋一氏に関しては、民主党ではありますが、以前から彼の経済に関する認識は正しいと思っていましたから、Twitterではフォローさせていただいています。

本来、民主党は金子洋一氏が主張しているような経済対策を採用すれば、政権を担当しているときには、経済をかなり良くできたでしょうし、野党になってからも、まともに自民党というか、経済に関して安部総理や安部総理に近い考え方の自民党議員などとも、対等に渡り合うことができたと思います。

今の民主党、特に民主党の幹部は、経済に関しては的はずれなことばかりで、こと経済となると全く頓珍漢で奇妙奇天烈で破茶目茶な論点で、自民党を批判するので、まともな批判になりません。

上の記事で、高橋洋一氏が指摘している、浜矩子、藤巻健史、小幡績に関して、浜と小幡に関しては、このブログでも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【浜矩子】直視せよ!"バブデフレーション"で大格差時代が来る―【私の論評】矩子さまの凄すぎる御託宣(゚д゚)!でも、過去の御託宣はことごとく外れてますね(・・;)
浜矩子
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から何かここに引用しようとしましたが、あまりの馬鹿馬鹿しさで、引用する気が失せてしまったので、興味のある方は当該記事をご覧になってください。
有効求人倍率、1.09倍 5月、バブル後の最高更新―【私の論評】経済対策と経済失策には、タイムラグがあるということを知らない変態マスコミ・政治家・似非識者が多すぎ(゚д゚)!リフレは雇用を改善させないんだっけか?
小幡績慶大教授
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、とにかくこれらの人々は、とにかくアベノミクスの金融緩和が気に食わないという共通点があるようです。

以下にこの記事から一部を引用します。
金融政策を含む、経済対策など、何か手を打ったとして、すぐに効き目がでてくることはありません。だから、金融緩和して、1から2年くらいは様々な指標は良くなりつも、雇用の改善や、賃金の上昇など明らかに体感できるような、経済の回復などないのが普通です。

そんなことは、国レベルでなくても、たとえば、大企業の経営改革だって同じことであり、企業が何かを手を打って、数ヶ月程度ですぐに効果が出ないからといって、その経営改革は間違いであるなどと批判するのは的外れというより、幼稚ですらあります。

こういうことを言う会社の従業員など、物事を知らない馬鹿と受け取られても仕方ないと思います。しかし、国レベルだと、これに近いようなことを言った無責任な人間が、何ら批判もされないというのは、本当におかしなことだと思います。

私は、このような風潮に棹さし、いつも批判してきましたが、最近になってリフレ政策が正しいことを示す事例がいくつも浮かびあがってきました。上の雇用の改善など最たるものです。

そもそも、金融緩和をしたからといって、すぐに最初から賃金などがあがるなどということがないことなど最初からわかっています。金融緩和をして、1年もたたないうちに、やれ給料が上がらないとか、何も変わらないと語っていたような、政治家・マスコミ・識者などは、はっきり言って白痴レベルであり、白痴状況はなかなか改善されるものではないので、これらの人々のいうことなど二度と拝聴するに値しないと思います。それどころか、拝聴してしまえば、判断を誤ると思います。
藤巻氏については、なぜかこのブログでは過去に一度も写真を掲載して、本格的に掲載したことはないので、このような論客を掲載しないわけにはいかないので、以下に写真を掲載させていただきます(笑)(゚д゚)!

藤巻健史参院議員
さて、金融緩和をして経済が回復していく過程は、大体以下のような段階へます。これは、経済を少しでも勉強した方なら当たり前のど真ん中です。以下のような段階を踏みつつ数年かけて徐々に良くなっていきます。


1.日銀がマネタリーベースを増やす 
2.予想インフレ率が約半年かけて徐々に上昇し、実質金利が下がる 
3.消費と投資が徐々に増える 
4.外為市場で円安が起こり、徐々に輸出が増える 
5.約2年~をかけて、徐々にGDPが増え、失業率が下がり、賃金が上がり、インフレ率も上昇する。その過程で株価も上がる。
2013年の4月から開始された、異次元の包括的金融緩和により、上の段階で4番目の段階の途中までいきました。ところが、昨年4月からの8%増税により、金融緩和の効果が腰砕けになり、振り出しに戻ってしまったような状況になりました。

これをもって、上記の三名はもとより、多くの似非識者どもが、金融緩和そのものを失敗としました。しかし、これは完璧に間違いです。

そもそも、上の5つ段階に関しては、金融緩和政策を実行する際に、増税するなどという馬鹿げた経済政策など念頭においていません。 まともなマクロ経済学においては、デフレのときには、増税などの緊縮財政をするなどという愚かなことは主張していません。

本来金融緩和をはじめてから、2〜3年で、デフレからの脱却が可能だったかもしれないのですが、8%増税によって、5年くらいはかかるようになってしまったかもしれません。それだけ、8%増税の悪影響は甚大なものだったのです。

とはいいながら、金融緩和の効果は、特に雇用面では間違いなく進んでいます。今後も金融緩和を継続することにとにより、再びこの段階が進んでいくことは確実であると思われます。

このようなことや統計数値などは、全く無視して、奇妙奇天烈、頓珍漢な論評をするのが、ブログ冒頭記事であげられていた、浜、藤巻、小幡です。

これら三名に限らず、日本でいわゆる主流派といわれる、経済学者どもは多かれ少なかれ、彼らに似通ったような主張を繰り返しいます。

この主流派経済学者のリストは、以下の記事の最後のほうで見ることができます。
「2%インフレ目標未達」の批判は誤解で的外れ―【私の論評】復興を税で賄おうとか、8%増税の失敗を認めたくない輩の多いこの国で、いつまともな経済論議ができるようになるのか?間違いを認める潔さのない人々のリストはこれだ(゚д゚)!
増税の影響がはっきり見られる
無論、小幡 績の名前も掲載されています。浜に関しては、さすがに異端中の異端なのでしょう、掲載されていません。藤巻は参議院議員なので掲載されいてません。

それにしても、かくも多くの、経済学者などが、高橋洋一氏がブログ冒頭の記事でも指摘したように、統計数値なども満足に参照せずに、おかしけな予測を公表して、ことごとく外れています。

まさに奴らの経済論評は、論評ではなく、経済論病と言わざるを得ません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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 【関連図書】

ブログ冒頭の記事の作者である、高橋洋一氏の書籍を以下に掲載しました。これらをご覧いただければ、論病を説く人たちの呪縛から確実に逃れることができます。

【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!
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特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...