2024年1月5日金曜日

2024年は世界的な「選挙イヤー」 各国で大型選挙が目白押し―【私の論評】世界各地で保守派の台頭が進む!日本でも「保守派の反乱」で高市自民総裁誕生か?

2024年は世界的な「選挙イヤー」 各国で大型選挙が目白押し

まとめ
  • 界最大規模の選挙イヤーとなる。
  • 世界情勢に大きな影響を与える可能性がある。
  • バングラデシュ、台湾、インドネシア、パキスタン、南アフリカ、インド、メキシコ、米国で選挙が予定されている。
  • 米国大統領選挙はバイデン対トランプ再選戦の可能性が高い。
  • 欧州議会選挙では右派政党の復活が懸念される。


2024年の世界の選挙は、史上最大規模で、世界情勢に大きな影響を与える可能性がある。

今年は、世界50カ国以上で国政選挙や地方選挙が予定されている。これらの国の人口を合計すると42億人に上り、特に世界で最も人口の多い10カ国のうち7カ国が選挙を行う。

今年最初の大規模な選挙は、バングラデシュの総選挙だ。最大野党のボイコットにより、現職のシェイク・ハシナ首相の5期目の続投がほぼ確実となっている。

中国からの脅威に直面している台湾でも、総統選挙が実施される。親米派の頼清徳副総統が世論調査でリードしている。

世界第4位の人口を誇るインドネシアでは、大統領選挙が実施される。現職のジョコ・ウィドド大統領には3期目の立候補資格がないため、新たな指導者が求められている。

世界第5位の人口を擁するパキスタンでも、総選挙が実施される。同国は憲法危機からの脱却を目指す。

アフリカ最大の経済大国である南アフリカでは、選挙が実施される予定だ。与党アフリカ民族会議(ANC)は、政権の維持を望んでいる。

世界最大の人口を擁するインドでは、総選挙が実施される。与党インド人民党(BJP)は3期目の政権確保を目指す。

メキシコでは、大統領選が実施される。現職のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領の側近であるクラウディア・シェインバウムが同国初の女性大統領に選出されることがほぼ確実とみられている。

米国では、大統領選挙と下院選挙が実施される。現職のジョー・バイデン大統領がドナルド・トランプ前大統領と直接対決することになれば、2020年の大統領選の再来となる可能性がある。

また、欧州連合(EU)では、欧州議会選挙が実施される。右派政党の復活が懸念されており、EUの対ウクライナ支援に大きな影響を与える可能性がある。

ロシアとイランも今年、それぞれ大統領選と議会選が予定されているが、権威主義的な政権が続いているため、自由で公正な選挙にはならないとみられている。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】世界各地で保守派の台頭が進む!日本でも「保守派の反乱」で高市自民総裁誕生か?

まとめ
  • 世界各地で保守派の台頭が進んでいる。
  • その背景には、リベラル政権のLGBT、移民、グリーン政策に対する保守派の不満がある。
  • 日本でも、高市早苗氏の次期自民党総裁選出馬など、保守派の台頭が顕著となっている。
  • 岸田政権の支持率低下や、自民党内保守派の台頭が、高市氏の総裁就任の可能性を高めている。
  • 高市氏の総裁就任は、日本の政治に大きな変化をもたらす可能性がある。

上の記事、重要なことを見逃していると思います。それは、昨年から今年にかけて、「保守派の反乱」とも呼べるような事柄が連続して起きていることです。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
LGBTや移民をめぐって世界中で保守の反乱が起きているが日本は大丈夫か―【私の論評】世界のリーダー達が注目すべき動向と共鳴する保守の反乱の本質

詳細は、この記事をご覧いただくもとして、以下に元の要約記事より引用します。

 世界各地で「保守の反乱」と形容される政治的な変遷が広がっている。

 例えば、オランダの下院選挙では、ヘルト・ウィルダース率いる極右政党が第1党となり、連立政権の樹立を目指している。同様に、アルゼンチンの大統領選挙でも極右のハビエル・ミレイが勝利し、「アルゼンチンのトランプ」と呼ばれている。
 更に、実際のトランプ氏も来年の米国大統領選挙で再び勝利する可能性があるとの見方もある。これらの動向について、予測不可能なトランプ氏の政治的な影響が、国際的な関係や安定性にどのような影響を及ぼすかが焦点とされている。

 また、イタリアでも昨年、極右政党が第1党となり、ジョルジャ・メローニが首相に就任した。こうした政治的なシフトには、欧米諸国でリベラル政権の取り組むLGBT、移民、グリーン政策に対する保守派の不満が影響している。これらの政策に対する保守層の反発や、岩盤保守層の政党支持の変化が、極右政治家の台頭を助長している。

さてこの記事に対する【私の論評】の結論部分を以下に引用します。

保守派は、安全な国境、安全な地域社会、言論の自由、豊かな経済を望んでいます。「極右」のレッテルを貼られた指導者たちは、サイレント・マジョリティの声を返しているだけなのです。

メディアが彼らを中傷し、理性的な保守派を黙らせようとする一方で、私たちは保守派は、もう黙ってはいません。多くの人々は、法、秩序、伝統、愛国心の尊重と生存のバランスを取りながら生活しています。そうして、このバランスを崩す急激な改革は、社会を壊すと多くの人達が再認識するようになったのです。最近設立されたばかりの日本保守党の支持者の急速な拡大も、それを示しています。
壊れた社会 AI生成画像
日本はもとより、他の国々の指導者も、この傾向に耳を傾けるべきです。人々はいつまでも過激な行き過ぎを容認することはないでしょう。指導者は、騒々しい過激派グループのためだけでなく、国民全体のために政治を行わなければならないのです。

リベラル・左派的な社会工学による改革よりも、国益を優先させる賢明な改革が答えです。未来は、常識のために立ち上がり、自国の文化を守り、ポリティカル・コレクトネスやキャンセル・カルチャーの狂気に対して果敢に「もういい」と言う勇気ある政治家たちのものです。結局のところ、それこそがこの新しい保守の反乱の本質なのです。 

 このような「保守の反乱」が昨年に引き続き、来年もますます顕著になって行くことが予想されます。それが上の記事には欠けていると思います。

上の元記事は、米国の雑誌フォーブスによるものですが、世界政治についてかなりナイーブで楽観的な見方をしているようです。西側諸国では明らかに保守的なポピュリストの反乱が起きています。

伝統的な価値観やナショナリズム的な政策が復活し、急進的な左派の政策は音を立てて崩壊しつつあります。これらの選挙の多くで保守派の指導者たちが強い票を獲得することは十分にありえることです。

インドのモディ首相、ブラジルのボルソナロ大統領、そしてもちろん米国のトランプ大統領は再選を果たすでしょう。サイレント・マジョリティは、ポリティカル・コレクトネス、国境開放、信仰と家族への攻撃にうんざりしています。

EUでは、肥大化した官僚機構を弱体化させるために、反グローバリズムの欧州議会議員が急増するでしょう。イタリアのサルビーニやフランスのルペンなどの指導者が影響力を増すでしょう。

EUの悲惨な政策は、眠れる巨人を目覚めさせたのです。このフォーブスのライターは、単一世界のリベラリズムというユートピア的なビジョンを支持して、こうした巨大な底流を無視しているとしか思えません。

しかし、多くの国々で国民は声を上げており、保守主義は躍進しています。伝統的価値観、安全な国境、民族の誇りが世界的に復活しつつあります。世界的にみれば、保守派の未来は明るいです。

この新世代の強力なリーダーたちは、自由市場、エネルギーの独立、法と秩序を擁護することによって、自国を繁栄へと導くでしょう。

急進左派は今年衝撃に備えなければならなくなるでしょう。国境開放、社会主義、ポリティカル・コレクトスといった彼らのビジョンは、世界中の自由で公正な選挙で根底から否定されることになるでしょう。ポピュリズムと保守主義の新時代が幕を開けるのです。サイレント・マジョリティはもう沈黙しないのです。

日本では、秋には自民党総裁選がありますが、ここでも「保守の反乱」は起こるかもしれません。

自民党の総裁選は、実質上の総理大臣選びです。自民党の総裁は、国民が選ぶのではなく、自民党議員と、自民党員が選びます。保守派の青山繁晴参議院議員が出馬を表明しています。その他、内閣府特命担当大臣(経済安全保障担当)高市早苗氏も有力な候補者です。

二人共保守派です。他の候補者はリベラルかリベラル色の強い人ばかりです。私は、この二人が協調し、いずれか一人が総裁選に立候補するのが保守派にとっては、最上の策だと思います。


そうして、高市氏が立候補し、総裁となれば、これはかなりインパクトがあると思います。高市氏は、典型的な保守派であり、無派閥で、世襲議員でもありません。しかも、総理大臣になれば、日本初の女性総理大臣です。

これは、現政権がかなり支持率が低下して、さらに現裏金疑惑で揺れている自民党にとって、救いの神になるのではないかと思います。

高市早苗氏が次期自民党総裁になる可能性は十分にあります。高市氏は、2021年9月の総裁選で、国会議員票で岸田文雄首相に次ぐ2位を獲得しており、党内でも一定の支持を得ています。また、高市氏は、自民党内でも保守派のリーダーとして知られており、安倍晋三元首相の支持層も取り込むことができる可能性があります。

岸田文雄首相(自民党総裁)は4日、首相官邸で開いた記者会見で、自民派閥の政治資金パーティーを巡る問題を受け、党総裁直属の「政治刷新本部」(仮称)を来週発足させると表明しました。

「1月中に中間とりまとめを行い、必要があれば関連法案を提出する」と述べました。また、首相は「外部有識者の参加も得て、透明性の高い形で検討を進める」と述べました。

これがうまく行けば良いかもしれませんが、私自身はとてもそうは思えません。

秋までには、まだ時間があります。岸田首相は、未だ辞任するつもりは全くないようです。日米両政府は、岸田総理大臣の国賓としての米国訪問について、2024年3月上旬とする方向で調整に入りました。

識者の中には、これを花道として、岸田首相は辞任するのではないかという人もいます。そうなると、高市氏が総裁になる可能性は、低いと思います。

ただ、何をもってしても、任期中の総理大臣をやめさせることはできません。辞めるのは、自分自身の意思しかありません。岸田首相は任期が終了するまで辞めないどころか、次期総裁選にも出馬する可能性すらあります。

茂木幹事長は、岸田総理大臣が総裁再選を目指して立候補した場合、みずからは立候補しない考えを示しました。全く可能性がないことを、茂木氏が語るとは思えません。

そうなると、自民党、岸田政権の支持率はさらに下がり続けて、秋頃には目も当てられない水準に落ち込むことになるでしょう。特に、自民党の岩盤支持層であった保守層が完全に離れ、サイレント・マジョリティーと呼ばれていた、日本の保守派の人たちも黙ってはいられなくなり、大きな声をあげるようになるでしょう。日本保守党の動きは、それを代表するものです。

世界の多くの国々の「保守派の反乱」はこれを後押しするでしょう。もう、リベラルの衰退は止めることはできません。その声が日本でも大きくなるでしょう。

自民党内の保守派も声をあげ、それに追随する議員も大勢でてくることになるでしょう。そうして、彼らは「無派閥、無世襲、保守派の高市氏でないと次の選挙で勝てない」と声をあげることになるでしょう。こうしたことが起きれば、高市総裁の可能性はかなり、高まることになるでしょう。

このような日本の「保守の反乱」が起こる可能性は十分にあると私は思います。

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