まとめ
- 30日午前の東京株式市場で、日経平均株価が大幅に反落し、一時1600円超下落した。
- 自民党総裁選で石破茂氏が選出され、日銀の追加利上げ肯定の姿勢が円高ドル安と株価急落を引き起こした。
- 石破氏当選による市場の不安から、日経平均の始値は711円安となり、厳しい対応が続いた。
自民党新総裁に選出され、会場の拍手に応える石破茂氏=9月27日午後、自民党本部 |
30日午前の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に反落し、一時1600円以上下落。自民党総裁選で石破茂氏が選出され、日銀の追加利上げに肯定的な姿勢が市場に影響を与え、円高ドル安が進んだ。
日経平均の始値は711円73銭安の3万9117円83銭。
27日には総裁選直前の取引で円安株高が進んでいたが、石破氏の当選で反転。石破氏は日銀の独立性を尊重しつつ金融所得課税の強化も主張している。
過去に新総裁誕生が決まった際の次の日以降の最初の取引で株価が1600円以上下がった事例ネット等で調べた限りはありません。
特に、石破氏が日銀の独立性を尊重する立場を示したことから、日銀が年内に再度の追加利上げに踏み切るのではないかとの見方が拡大したことも影響しています。これらから、市場は石破総裁の誕生を好感していないことは明確です。
【私の論評】市場激震:総裁選直後としては過去最大級の株価下落と経済政策への不安
まとめ
- 石破茂氏の自民党総裁選勝利後、株式市場は大きく反応し、日経平均株価の先物が2000円超の下落を記録。
- 高橋洋一氏は、この市場動向をテレビ番組で報じようとしたが、断定的な表現を避けるよう指示を受けた。
- 株価は政府の経済政策を先取りする先行指標であり、先物取引はさらにその先行指標となる。
- 石破氏の総裁就任に対する市場の反応は否定的で、日経平均先物は大幅下落を記録。
- 過去の総裁選では今回ほどの大幅な株価下落は見られず、今回の反応は特異なものと考えられる。
上の記事のような、石破ショックのようなことが本日起こることは十分に予想できました。それも、客観的事実に基づき十分に予想できるものでした。
高橋洋一氏 |
数量経済学者の高橋洋一氏は、テレビ番組出演時に経験した報道規制について明かしました。2024年9月27日に行われた自民党総裁選では、決選投票の結果、石破茂氏が高市早苗氏を破って新総裁に選出されました。
この結果を受けて株式市場は大きく反応し、金融緩和維持派の高市氏の敗北により、日経平均株価の先物が28日午後10時半時点で2000円を超える下げ幅を記録しました。高橋氏は、この市場の動きについて番組で触れようとしたところ、スタッフから「株価が必ず下がるとは言わないでほしい」との指示を受けました。
また、「断定的な判断を避けるように」とも要請されたといいます。これに対して高橋氏は、市場が将来の予測として先物が下落していることを正確に伝えるべきだと考えました。
さらに、高橋氏は同日夜のYouTubeライブでもこの件に言及し、「テレビの視聴者をアオらないでください」とテレビ局から指導を受けたことを明かしました。彼は、株価の動きは誰でも確認できる事実であり、判断ではないと主張し、「石破ショック」という表現を避けることでパニックを防ごうとする意図があったのではないかと推測しました。このような報道規制に対して、高橋氏は苦笑いを浮かべながら「参っちゃったよ」と感想を述べています。
株価、特に日経平均株価は、経済の健康状態を示す重要な指標として広く認識されています。これは単に企業の現在の業績だけでなく、将来への期待も反映しているためです。
株価は政府の経済政策を先取りする典型的な先行指標と言えます。投資家は常に将来を見据えて行動し、新たな経済政策が発表されると、その影響を予測して投資判断を行います。株式市場は新しい情報に対して非常に敏感で、政策発表後すぐに反応します。
これは実体経済が政策の影響を受けるよりもずっと早い反応です。例えば、金融緩和政策の発表は、その効果が実体経済に現れる前に株価を押し上げる傾向があります。また、株価は多くの投資家の判断の集積であり、経済政策の潜在的影響に関する市場全体の見方を反映しています。
さらに、先物取引は株価の先行指標となることがあります。日経225先物などの先物取引は、現物市場が閉まっている時間帯も取引が可能で、海外の動向などをリアルタイムで反映できます。先物取引は少額の証拠金で大きな取引が可能なため、新しい情報に対してより迅速かつ大きく反応する傾向があります。また、先物市場には投機的な取引が多いため、将来の予測に基づく取引が活発に行われます。
例えば、夜間に重要な経済指標が発表された場合、まず先物市場で反応が現れ、その後、現物市場の開場時に株価が動くというパターンがよく見られます。このように、先物取引から株価、そして実体経済という順で、経済政策の影響が波及していくことが多いのです。
日経平均株価の動きを予測する上で、NYダウ平均株価や外国為替相場(米ドル/円)なども重要な先行指標となります。これらの指標は、グローバル経済の動向や投資家心理を反映し、日本の株式市場に影響を与えます。
ただし、これらの関係は絶対的なルールではなく、状況によって異なる場合もあることに注意が必要です。また、「先物主導」の株価形成が必ずしも先物市場が「真の価格」を発見していることを意味するわけではありません。市場の流動性や取引制度などの要因も、先物と現物の価格形成に影響を与えています。
このように、株価と先物価格は、政府の経済政策や市場の期待を反映する重要な指標であり、経済動向を理解する上で欠かせない要素となっています。
過去に新総裁誕生が決まった際の次の日以降の最初の取引で株価が1600円以上下がった事例ネット等で調べた限りはありません。
石破氏の勝利を受けて、大阪取引所の日経平均先物は夜間取引で一時6%下落しました28日の日経平均先物は2410円下落しました。
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