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2008年5月25日日曜日

不可解な中国の報道二題―やらせ義援金とノーベル平和賞

中国やらせ義援金の撮影シーン

中国のCCNのスタッフが、ある中学校の校庭で、使いまわしのお金でやらせ義援金をやっている現場を同校の屋上から撮影したものです。日本の吉兆よりすごいですね。

中国中央政府が情報統制や報道統制をするのはある意味常識ですが、今のこの時期に信じられないような中国の報道姿勢が明るみに出ています。

マスコミによるやらせ義援金
この実体も酷すぎます。妙に撮影現場が整然としています。きっといつもやっているので、慣れているんでしょうね。参加者はいくばくかのギャラをもらえるのでしょうか?これですから、中国の報道は信じられるものではないです。情報・報道統制以前の問題です。

真実を報道しないで、こういうものばかり報道していたら、誰からも信じられなくなると思います。事実少なくとも私はあまり信じていません。特に、この動画を見てから、いわゆる美談報道にも疑いを持つようになりました。美談のやらせ報道も中国ならやっていると思います。さらには、他の報道や、政府の発表でも全部鵜呑みには出来ないと思います。

共産党情宣局の世論操作で「胡錦濤と温家宝にノーベル平和賞を」?
昨日のある米流時評というブログをチェックしていたら、新華社通信の「胡錦濤と温家宝にノーベル平和賞を」という声が中国国民の間でわき上がっている」という内容の記事がありました。とてもし信じられません。確かに、アメリカではゴア氏が、日本でも左藤栄作氏が受賞してしているくらいですから、その時々の国際政治力学からいって受賞するという可能性はゼロではないかもしれません。しかし、可能性がゼロではないということと、実際に「わきたっている」などと報道することには、大きな開きがあります。


もともと、ノーベル平和賞というのは、他のノーベル賞とは違い学問的業績に与えられるものではありません。ゴア氏の環境問題映画「不都合な真実」は、イギリスでは明らかな間違いが九つあるので、イギリス国内では子供教育用に映写してはならないという司法判断が出ています。しかも、訴えたのは、専門家でもない一般の児童の父親です。素人が見ても、おかしいと思うようなことを啓蒙活動した人が何で「ノーベル平和賞」なの?と首をかしげてしまいますが、この平和賞はこうしたことが前からありました。

それにしても、今のこの時期に胡錦濤と温家宝にノーベル平和賞などとは、一体どういう考えなのか全く持ってわかりません。チベット問題も片はついていません。中国の人権問題もなおざりです。しかも、災害復旧の最中です、再建するのに3年はかかるだろうと温家宝首相が昨日被災地で声明を発表したばかりです。まだ、再建するには遠い道のりがあるのです。日本、アメリカでも大きな災害があってまだ復旧しきれていない、あるは再建のめどがはっきりしないときにこのような報道はしないでょう。おそらく、世界の中でも、このような報道をするのは中国一国のみでしょう。中国のマスコミ、いつも偏向報道ばかりしてきたので、もう、きわどい一線などという意識はなくなっているのでしょう。それとも大方の中国人は、世界標準や基準のいわゆる社会性というものをなくしてしまったのでしょうか?

高まる情報開示への圧力
現在中国では、瓦礫の下に埋まって死亡した子供達の親が抗議の声をあげています。こんなことは、従来の中国では、考えられなかったことです。また、携帯電話で撮られた映像(化学工場の倒壊の画像、核施設のプラント821などの航空写真)により、いろいろ隠していたことが明るみに出ています。携帯やインターネットで画像は、中央政府が統制しきれないくらい流れつつあり、これからもいろいろ多くのものが噴出してくると思います。中国人の中にもこの情報統制に対する憤りはだんだんと高まりつつあると思います。中国内外から、圧力が高まりす。

さて、このまま中国が情報を開示しなかったらどうなることでしょうか。まず、地震に関するおから建築、各施設、化学工場などの危険情報をなかなか開示しないことにより、情報開示圧力が高まります。

次に、オリンピックを開催することにより、海外から外国人が多数入り、生の情報に接する機会が増え、本当の情報を求める圧力が高まります。これによって、中国が未だ海外諸国に比べると法治国家とはいえない状況、政治経済の分離ができていないことなどが明らかになると思います。

さらに、年度末までには、現在すでに崩壊しているバブルの崩壊がさらに顕著となり、これに関しても情報開示の圧力がますます高まると思います。特に不良債権に関して、どの程度であるのか、国内外からの情報開示圧力は間違いなく高まります。これを放置しておけば、中国内はおそらくかなりの混乱になると思います。昔の中国なら、不良債権などご破算にすることはある程度簡単にできたのでしょうが、WTOに参加した以上そのようなわけにはいきません。国内は別にして、国外に対してかなりの部分を開示しなければならない状況に追い込まれるでしょう。

その後は、いろいろなことがあり、いずれ中国分裂へとつながってくと思います。中国分裂の筋書については、私の過去の記事を参照していただきたいと思います。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?

■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋

■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの

■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?

■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水

■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情


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