2015年10月26日月曜日

民主代表「来年、衆参ダブル選挙の可能性」―【私の論評】来年の衆参同時選挙が行われれば、民主党は凋落してかつての社会党のようになる(゚д゚)!


民主党岡田代表


民主党の岡田克也代表は25日、三重県四日市市などで講演し、来年夏の参院選に関連し「安倍晋三首相が来年、衆参ダブル選挙に打って出る可能性がないとは言えない」と述べた。「いつ衆院解散があってもいいように心構えを持たなければいけない」と呼び掛けた。

2017年4月の消費税率10%への引き上げに言及し「安倍政権は再増税後、しばらく選挙ができないと思う。手前で解散する可能性がある。来年中には衆院選があるのではないか」との見方も示した。

講演では、秋の臨時国会を見送った上で、来年1月に開く通常国会の召集時期の前倒しを検討する政権の姿勢について批判した。憲法53条に基づく野党5党の臨時国会の召集要求に触れ「(代わりに)通常国会を多少早めに開けばいいと内閣が主張するならば、53条の意味がなくなる。民主主義の危機だ」と語った。

【私の論評】来年の衆参同時選挙が行われれば、民主党は凋落してかつての社会党のようになる(゚д゚)!

昨年の暮れには、マスコミなどが無責任にも「大義なき解散」などと呼んだ、多いに大義名分のあった、衆院解散総選挙がありました。その大義はいろいろありましたが、その中で最大のものは10%増税の見送りです。

さて、このあたりの状況については、このブログでも過去に掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
財務省の屈辱と安倍総理のリップ・サービス―【私の論評】今回の解散は、どんなに反対があっても総理大臣は、解散・総選挙という伝家の宝刀を抜くことができるということを示したことで大義は、はっきりしているのに「大義なし」といった輩はただの無能蒙昧の大馬鹿野郎(゚д゚)!


詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、この選挙により財務省が完敗したことをお伝えましました。その内容を以下に掲載します。
しばしばテレビや新聞で訳知り顔のコメンテーターが、今回の衆議院解散には大義がないという言い方をする。解散せずに増税を先送りするだけでいいなどと、トンチンカンなことを平気で言っている。あまりに無知すぎて、その無知ぶりを見なければいけない視聴者や読者は気の毒である。 
消費増税は財務省の悲願だ。その理由は財政再建ではなく、財務官僚たちの歳出権拡大。要は、集めたカネを配りたいだけである。そのカネに群がるのが、国会議員、地方議員、地方の首長、経済界、マスコミ、さらには有識者・学者。そうした財務省の「ポチ」たちは、もちろん、増税賛成派である。 
増税先送りは、総理の一存ではできない。増税賛成派の中に国会議員がいて、増税先送りの法律が成立しないためだ。新聞業界も軽減税率が欲しくて財務省の「ポチ」に入っているので、まるで世間も増税賛成のように報道されてしまう。
そうした中で安倍総理が解散に踏み切ったのは、国民の意見がどうなのかを聞きたい―それが理由だろう。国会議員は財務省の増税レクと増税後のカネの配分で籠絡されているので、解散して衆院議員を全員クビにする。その上で、財務省の意見ではなく国民の声を聞こうとしている。
安倍総理が増税延期を決断したのは歓迎すべきことだが、どうして「1年半後」に増税することを、合わせて断言したのか、その狙いがよくわからないという人もいる。これは、端的に言えば、財務省およびそのカネに群がる人たちへのリップ・サービス。政治的にどうしても我慢できない人たちに向けて、「1年半後」と言って納得してもらったのである。あくまでリップ・サービスという点が重要だ。 
「1年半後」というのは、消費増税の引き上げ時期を'15年10月から1年半後の'17年4月にするということだが、これは今から2年4ヵ月先である。政治では予測不可能である。ただし、それまでの間、'16年7月頃には参院選挙が確実にある。となると、そのときに、衆院選とのダブル選挙があっても不思議ではない。要するに、「1年半後」というのは、財務省らの増税勢力に対する懐柔策であると同時に、安倍政権側が増税勢力に対して総選挙という伝家の宝刀を抜くかも知れないというオプションを持つことなのだ。
このように、今回の解散が、「安倍政権vs.増税勢力(財務省とその「ポチ」たち)」の構図になっていることがわからないと、本当の意味が見えてこない。
今回の解散は、戦後おそらく初めて、時の総理が財務省の言うことを聞かなかったものだろう。その意味で、政治史として特筆すべき出来事なのだ。プライド高く、政治家を見下してきた財務省にとって屈辱のはずだ。国民は、安倍政権か財務省のどちらを選ぶだろうか。
本当に、テレビや新聞で訳知り顔のコメンテーターが、今回の衆議院解散には大義がないという言い方には、本当にほとほと愛想がつきました。予定どおりに、10%増税をしていれば、8%増税でもかなりの悪影響があったというのに、とんでもないことになっていたことでしょう。

無論、消費が落ち込み、またデフレスパイラルに逆戻りということになり、国民の政府に対する信頼は揺らいだことでしょう。そうして、安倍総理のサイドからいえば、来年の参院選は惨敗していたことでしょう。

その後は、誰の政権であっても、長持ちせず、民主党の政権交代前後のひところのように、政権が長持ちせずに、コロコロ変わることになったことでしょう。

こんなことは、安倍総理自身が良く理解しているものと思います。だからこそ、来年の参院選では、衆院も解散して、w選挙として、「10%増税」見送りも公約として掲げて、選挙戦を闘いぬくことでしょう。ブログ冒頭の岡田代表の衆参ダブル選挙もあり得るという見解は、岡田代表としては、珍しく妥当なものだと思います。

来年の参院選は、ダブル選挙になる可能性については、このブログで以前にもとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍政権「消費増税再見送り」で来年7月衆参ダブル選へ!―【私の論評】来年の衆参同時解散総選挙というシナリオの確率はかなり高い!これに気づかない政治家・マスコミは、完璧に蚊帳の外(゚д゚)!

この記事は、今年8月のもので、筆者は長谷川幸洋氏です。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、長谷川氏の記事の結論部分だけ以下に引用します。
10%引き上げを先送りするなら、安倍政権は来年7月のタイミングで衆参ダブル選に持ち込むのではないか。安倍政権の内閣支持率は終戦70年談話の発表後、持ち直しているが(たとえば産経・FNN合同世論調査で3.8%増の43.1%)、政権選択選挙でない参院選は、強すぎる与党を嫌う国民のバランス感覚が働きやすい。
増税先送りは与党に追い風をもたらす。それならダブル選で政権選択選挙に持ち込み、勢いに乗って参院選も有利に戦う。そんな政治判断は合理的である。
私は2016年ダブル選予想を7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』で初めて話した。コラムは同17日発売『週刊ポスト』の「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)が初出である。そちらもご参考に。いずれマスコミも安保関連法案の熱狂が覚めれば、報じ始めるだろう。
先に述べたように、10%増税を予定どおりに実施した場合、どの政権であれ、政権を放棄するしかなくなります。そんな冒険を安倍総理がするとはとても思えません。

であれば、昨年の暮れの解散総選挙のように、また衆参w選挙にして、10%増税の先送り、それも今度は期限を決めるのではなく、経済指標などを出して、その指標に到達するまで増税を見送ることを公約すると思います。

いずれにせよ、野党側には厳しい選挙となることは必定です。

なぜそのようなことがいえるかといえば、最近の調査では、あれほどマスコミや、野党、憲法学者などが安保法案に関して、「違憲」「戦争法案」などと大騒ぎしたにもかかわらず、安倍内閣の支持リは40%を超えているからです。

世論調査によると、読売新聞が支持46%(5ポイント増)に対して不支持が45%(6ポイント減)、日本経済新聞は支持44%(4ポイント増)、不支持42%(5ポイント減)、毎日新聞は支持39%(4ポイント増)、不支持43%(7ポイント減)、共同通信が支持44.8%(5.9ポイント増)、不支持41.2%(9ポイント減)でした。

この状況で来年選挙に入ると、それこそ、1990年代のPKO法案成立直後のようなことになることが十分予想できます。

ここで、PKO法案成立前後の状況をふりかえっておきます。
1990年湾岸戦争で日本はアメリカ合衆国などの多国籍軍を支持して資金援助を行ったが、資金を出すだけの態度に、戦時中から戦後にかけてアメリカ・イギリスを中心に批判が巻き起こった。これをきっかけに、国際協調主義の流れに沿って自由民主党政権(海部俊樹宮沢喜一内閣)が法案を提出した。 
自衛隊海外派遣軍国主義の再来と捉えた日本社会党日本共産党社会民主連合などは強硬に反対。逆に、民社党は積極的に賛成した。社会党はPKOを自衛隊とは別組織の文民に限定する代案を出し、1990年10月、自民・公明・民社の三党も、一度は同様の合意を行った。 
しかし、自公民は社会党の助け無しに可決ができる見通しになると(参議院で自民党は過半数割れしているねじれ国会状態のため、法案可決には少なくとも公明・民社の協力を得る必要があった)11月には自衛隊と別組織案を破棄し、当初の予定通り、自衛隊海外派遣を中心に据えた法案となった。 
当時民社党書記長だった米沢隆によると、三党同意は社会党外しの目的もあったという[1]。法案は当時自民党幹事長だった小沢一郎が主導となり、公明党書記長の市川雄一、そして米沢の3人で毎晩話し合い、寿司屋やカラオケなどに各党のうるさ型を呼んで説得もした。そして、自公民三党のとりまとめに成功したという。

この自公民三党のとりまとめにより、PKO法案は成立したのですが、このときもまるで、今回の安保法案の審議と同じようなことがありました。まずは、野党は社会党を筆頭にこの法案には大反対で、当時も戦争法案だとか、徴兵制などのことがいわれ、今回の民主党のように姑息な牛歩戦術などを繰り返しました。

PKO法案審議で牛歩戦術をする野党議員ら
その結果どういうことになったかといえば、次の選挙で社会党は大敗北を喫しました。そうして、この大敗北をきっかけに社会党はこの世から姿を消しました。

PKO法案反対のデモ、現在の安保法案反対と何も変わらない・・・

来年7月に衆参同時選挙が行われた場合、現在の民主党は、当時の社会党のように大敗北を喫し、二度と立ち上がれず、結果として民主党が消えてなくなるということもあながちあり得ないことではありません。

そのような危機感があるからこそ、 ブログ冒頭の民主党岡田代表の発言になったのだと思います。もし、民主党が選挙戦の戦略・戦術を間違えれば、この世から消えることにもなりかねないですが、そこまでいかなくとも、かなり衰退するのは間違いないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月25日日曜日

丸善ジュンク堂「一緒に闘って」政治的偏向ツイート 渋谷店、批判浴びフェア中断―【私の論評】兼中韓本、日本礼賛本が売れる今、これは左翼系ビジネス最興隆を狙った、最期の悪あがきに過ぎない(゚д゚)!


ジュンク堂書店 渋谷店で開催されていた販売促進フェア 現在は撤去されている
丸善ジュンク堂書店(東京都中央区)の「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」(渋谷区)が開催していた販売促進フェア「自由と民主主義のための必読書50」が、政治的に偏っているとの批判を受け、フェアを中断していたことが23日、分かった。選書の見直しをして再開するという。

 フェアは9月20日から、安全保障関連法に反対する若者団体「SEALDs(シールズ)」の関連本などをレジ前に集めて開催。今月19日になって従業員とみられる人物が「ジュンク堂渋谷非公式」を名乗り、ツイッター上で「夏の参院選まではうちも闘うと決めました」「一緒に闘ってください」と発言したことなどをきっかけに、このフェアが偏向していると批判が出ていた。

 同書店は公式サイトに掲載した22日付の文章で、一連のツイートが従業員の私的な見解であり「弊社の公式な意思・見解とは異なる」「本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容であった」などと説明、発言の経緯を調査するとしている。

【私の論評】兼中韓本、日本礼賛本が売れる今、これは左翼系ビジネス最興隆を狙った、最期の悪あがきに過ぎない(゚д゚)!

さすがに一部の店員の「政治活動」の場(=来年の参院選まで戦うむねの発言)にする発言は、私企業といえども、非常にまずいことだと思います。定款にこのような政治活動をするなどということは、一言も書かれていないと思います。

当然といえば、当然ですが、丸善は一営利企業であって、政治結社などではありません。ちなみにシールズであろうが、安倍政権に反対の立場の政治活動だろうが、同じことです。「政治的意図」をツイッターでいわなければ、ただのよくある便乗フェアにしか見えなかったと思います。

今後、この種の政治的に偏ったフェアは、非常にやりにくくなったと思います。今回のフェアは、ジュンク堂渋谷店の四人の店員が、中心となって行われたようですが、この四人は、非常に無邪気だと思います。

丸善としては、「四人の店員」を守るよりも他の店員を守ることを最優先するのが当然のことです。明らかに企業組織の目的ではない政治活動を目的化するような行為はそもそもその「四人の店員」とジュンク堂の雇用関係そのものを毀損している可能性が大きいです。企業組織として守るべきはこの「四人の店員」ではありません。


それにしても、この騒動の背景には他の組織などは関係していないのでしょうか。関係していたにしても、関係していなかったにしても、この事件の背景には、左翼本がほとんど売れなくなったということがあると思います。

ジュンク堂といえば、それこそ、情念司氏とか、倉山満氏とか、保守系のサイン会などが良く催されているのを耳にします。また、最近では、左翼本が売れない一方で、兼中韓本などが良く売れています。左翼系の方々なら、書店のそれも目立つところに置かれている書籍のタイトルを見ると忸怩たるものがあったことでしょう。

この四人の店員もそのような思いをしていたのかもしれません。

このあたりの事情については、数年前にこのブログにも掲載したことがあります。
<日本礼賛本>嫌韓・嫌中しのぐ勢い? ブームの理由を探る―【私の論評】日本礼賛は日本の真の強みを見出し、それを伸ばし再び大きく成長させ世界のトップランナーになるきっかけを作り出すことになるだろう(゚д゚)!
この記事は、今年の2月のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を引用します。

書店で“嫌韓・嫌中本”をしのぐ勢いで売れているのが「日本はこんなにスゴイ!」と褒めたたえる“日本礼賛本”だ。謙遜が美徳、自己PRは下手だったはずのこの国で今なぜ、この手の本が売れるのか。理由が知りたくて、尋ねて回った。【小国綾子】 
◇将来不安癒やす安定剤? 震災機に広がり 
書店でタイトルを拾ってみる。「ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由」「やっぱりすごいよ、日本人」「イギリスから見れば日本は桃源郷に一番近い国」「イギリス、日本、フランス、アメリカ、全部住んでみた私の結論。日本が一番暮らしやすい国でした。」「だから日本は世界から尊敬される」。どれもこの1年間に出版された。 
そういえば、テレビでも「所さんのニッポンの出番」「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団」など外国人に日本を褒めてもらう番組がいっぱいだ。 
ブームの「火付け役」の一つは、47万部売れた2010年12月出版の「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」(竹田恒泰著、PHP新書)。担当編集者、藤岡岳哉さんは「当時、正面切って自国を褒める本はほとんどなかった。自国を褒めていいというメッセージが読者に待ち望まれていた」と分析する。 
出版の3カ月後、東日本大震災が発生。整然と助け合う日本人の姿が世界から称賛を浴びた。「『日本は素晴らしい』と口に出す人が増え、部数は大きく伸びた」。シリーズ3冊で累計約81万部。3冊目「日本人はいつ日本が好きになったのか」の表紙のキャッチフレーズはこうだ。 
<「自分の国がいちばん」とやっと素直に僕らは言えた> 
実際、NHKの「日本人の意識」調査(13年)で「日本人はすぐれた素質をもっている」「日本は一流国だ」と答えた人はそれぞれ68%、54%。03年の51%、36%を底にU字回復し、1983年の最高値レベルまで戻している。やはりこのブーム、日本を好きな人が増えたせいなのか。 
一方、斬新な書名が話題の「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」と「住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち」(川口マーン恵美著、講談社+α新書)。前者は16万部、後者が14万部。いかにも日本礼賛といった題名だが、中身は日本をベタ褒めしているわけではない。教育面を中心に日本にも苦言を呈しており、読後の印象はせいぜい「6勝4敗」だ。 
担当編集者、間渕隆さんは「日本を誇る本は売れるので著者と相談の上、少々盛って『7勝3敗』とする予定だったが、ゴロが悪いので『8勝2敗』にした」と種明かしする。「00年代半ばまでは欧米人と結婚した日本人女性が日本の情けないところを指摘する本が売れていた。07年、デュラン・れい子さんの『一度も植民地になったことがない日本』が20万部を超えたあたりで潮目が変わった。震災がその傾向に拍車をかけた」 
昨年は「呆韓論」など韓国や中国をたたく書籍が多くベストセラーに入り、「嫌韓・嫌中本ブーム」として注目された。「読者も飽きてきた」(間渕さん)ところで盛り上がったのが、今回の「日本礼賛本ブーム」だ。ネット上では「ヘイト本ブームと表裏一体」「まるで“愛国ポルノ”」などの批判の声もある。 
もっとも間渕さんは「日本礼賛本=嫌韓・嫌中本の裏返し」という図式には懐疑的だ。「愛国心を動機に読む人だけなら数万部止まり。16万部も売れません。確かに1冊目は最初、産経新聞の読者層や嫌韓・嫌中本を読む50、60代男性に売れた。しかし読者層は広がり、2冊目は女性にもよく読まれている」 
多くの読者を引きつけるには、もっと別の理由があるということか。 
過去にも、日本や日本人をたたえる本が売れた時代はあった。「『日本人論』再考」の著者で東大名誉教授(文化人類学)の船曳建夫(ふなびきたけお)さんは、その手の書籍がブームになる背景には常に「不安」があったと指摘する。「明治維新以来、国が苦境にある時も右肩上がりの時にも、日本人論は日本人がアイデンティティーに不安を抱えた時代に流行し、不安を癒やす『安定剤』の役目を果たしてきました」 
船曳さんによると、日本人論ブームの第1期は日清・日露戦争の富国強兵の時期の「武士道」(新渡戸稲造著)や「代表的日本人」(内村鑑三著)など。西洋の先進国と比較し、日本をポジティブに評価しようとした外向きの時代だ。第2期は29年世界恐慌から開戦ごろまで。九鬼周造の「『いき』の構造」など「日本は非西洋である」を前提に日本の伝統に価値を求めた内向的な時代。
◇出版側「自主規制」も 
第3期は敗戦から経済復興までの半世紀。「『菊と刀』から『ジャパン・アズ・ナンバーワン』まで、右肩上がりでも『これでいいのか』という不安を背景に、長く日本人論が読まれてきた」と船曳さんは言う。「今回は第2期に似ている。第2期の不安の相手は西洋だったが、今は中国や韓国を意識している点が特徴。人口減など将来に不安を抱えた日本人が未来に明るいものが見えないゆえに、古来の伝統や西洋人からの評価に価値や癒やしを求め、日本人、ひいては自分自身のアイデンティティーを守ろうとしているのでは」と分析する。 
一方、このブームは出版現場に影を落としているようだ。 
中堅出版社の編集者は「売れる売れないだけでなくイデオロギー面でも自粛ムードが漂う。安倍晋三政権批判や、中国や韓国に好意的な本の企画が『反日』出版社というレッテル貼りを恐れて通らない。ジワジワと自主規制が広がっている」。 
サブカルチャーをけん引する太田出版の前社長で、今は生活クラブ運動系シンクタンク「市民セクター政策機構」で隔月雑誌「社会運動」を編集する高瀬幸途さんは、「批判的な知性こそが90年ごろまでの出版文化の背骨を支えてきた。しかし今は自国に批判的な言説は読者に嫌われる。編集者は広告代理店のようにデータ分析し、手を替え品を替え売れ筋を狙う。結果、肯定的言説の本があふれ、編集者も読者もそこに溺れている」と語る。 
日本礼賛本を「自己啓発本の変種。不安な時代に自己否定的にならず、自己肯定するための実用ツール」と見る高瀬さん、「本は本来、内面の反省を迫る存在だったはずなのに」と懸念する。 
船曳さんからはこんな一言も。「適度なお国自慢は望ましいが、『いいことだらけ』とか『世界で一番』とか、他国を見下すところまで行くと、排他的になり、社会は劣化する。自国の首を絞めます」 
日本を礼賛し過ぎて、自国の足を引っ張ったのでは笑えない。
さて、この記事についての私の論評の結論部分を以下に引用します。
人を見る場合でも、その人の良いところを見いだすという視線でみるのが、優秀な管理者のすることです。良いところをみいだせば、その良いところをさらに伸ばすということで、その人を育てることができます。悪いところばかりみていて、それを注意するだけでは、人は育ちません。 
会社という組織は、学校とは違います。学校なら、習う教科はすべて決まっていて、本人の得意・不得意は別として、すべての教科を学ばさなければなりません。しかし、会社は、経済的な主体であり、何をさておきまず経済的な利益を得るのが目的の組織です。 
そういうところで、学校のようにすべての教科を学ばせるように、何でもできるようにする必要などありません。業績を出すために、自分の出来ないこと、不得手なことをもってしてしなければならないなどという規則はありません。 
自分のできる方法、自分の得意な方法で業績をあげ、成果を出せは良いのです。それに会社に入るほどの年齢の人の場合は、義務教育は終えて高校もしくは大学以上を卒業した人ですから、こういう人たちは、家では躾けられ、学校である程度を教育を受けてきて、その中ですでに得手・不得手は決まっていて、不得手なことを会社に入ってから直すということは非常に難しいです。
そんなことからも、会社では、不得意なことを直すのに時間をかけるよりは、得意なところをより伸ばしすみやかに成果をあげさせることが重要です。ただし、業務に支障がでるような、基本的な事柄については、これは当然是正すべきです。
日本という国を見る場合も同じことです。普通の人は、日本の悪い点ばかり目につきがちです。 
いずれの国にも欠点があり、完璧な国などのこの世に存在しません。悪いところをあげれば切りがありません。しかし今まで、日本が存続し、成長してこれたのには、良いこともあったからです。

その良いところを見いだし、それをさらに伸ばすことができるようにならなければなりません。悪いところに関しては、単に現在の延長線上でものを考えで、その悪い部分を政府や安倍総理などの特定の人のせいだけにするようでは発展はありません。仕組みや、制度を変えるとか、新たに作り出すという姿勢が重要です。それなしの批判は、不毛です。

今までの日本は、日本のメディアも、識者もこぞって、これでもか、これでもかと、とにかく日本の弱みに着目して、日本を貶めるだけで無意味なことを繰り返すか、確信犯的に日本の弱体化を図ってきました。 
しかし、いくらメディアや、似非識者どもや、中華スパイなどが、日本ダメ論をぶちあげようとも、そんな馬鹿話に多くの国民は惑わされなくなるどころか、嫌気がさし今のところは、日本礼賛本がブームになりかけているのだと思います。
ここ数年このような状況が続いてきていて、書店に行けば、嫌中韓本が良く売れていて、ベストセラーになっていたり、最近では日本礼賛本が良く売れるようになっていました。このような状況では、左翼系の人々は書店に行くたびに忸怩たる思いがしていたでしょう。

ところが、安保法制の国会審議ということになると様相が変わってました。多くの野党や、マスコミはこぞって、安保法制は「戦争法案」という根拠のないレッテル貼りを行い、これに呼応して、多くの市民が「戦争法案反対デモ」などを行いました。

そうして、シールドは、自主的に集まった学生のグループの反対デモという位置づけで一躍脚光を浴びました。そうして、これを機会に左翼系の書籍のなかにも一部うれるものもでてきました。

最近、左翼本はほとんど売れず、これらはほんど誰にも読まれないような状況になっていました。しかし、左翼系は、これを回避して、なんとか細々とでも、左翼本が売れる仕組みを構築していました。それに関しては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

【産経抄】二つの焚書事件 2月25日―【私の論評】ユダヤ焚書は報道しても、日本の保守論陣の焚書は報道しない日本メデイアの影で、日本の公立図書館は左翼系タイトルが花盛り、保守系も新ビジネス・モデルを考えよ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、出版の左翼ビジネスモデルについて、以下に掲載しておきます。

図書館には左翼系タイトルが花盛り(゚д゚)!
現在日本の図書館は現在公共図書館約3000館、大学図書館1600館合計4600館それに高校の図書館も加えると9000館を超えるでしょう。 
昔から左翼本は店頭で全く売れません、大多数の若者等は昔から赤マルとか日共産党の歴史とか革命本や資本論など目もくれません。そこで左翼の頭が良い人達は考えました。 
書店で売れない左翼本を全国の図書館で売りさばこうと。右翼より左翼人の方が組織作りも巧妙です。左翼出版社のたちあげ、左翼教授による歴史観の固定化、全国大型図書館の左翼人化、左翼人の図書館運営による左翼本の増加と右翼本、左翼の批判本の廃棄を進行しそれから40年たってもこの牙城は崩れていません。 
もちろん現在は暴力革命本等はかなり公共図書館から姿を消しつつありますが新左翼(ビジネス)と思われるカテゴリーが「平和」「人権」「護憲」「9条」「ジェンダー」「エコ」「環境破壊」「反差別」等のキーワードでの新左翼系図書が増えています。しかも、いかにも左翼系ではないような体裁を整えながら、実は左翼系思想を広めるものだったりして、なかなか巧妙になっています。図書館ビジネスで何とか凌いでる左翼出版社も存在するでしょう。 
店頭で売れなくても全国の図書館の3分の1に仕入れてもらえば3千冊の初版発行が見込まれます。岩波の「世界」なども出版部数5千部程度らしいですが大きな図書館には置いてあるのでもしかすると全国の書店よりも全国の図書館の方が出ているかもしれません。 
図書館ですと単行本も書店と違って「返本」にもなりません。次々と手を変え品を変え市民の読まない新(エセ含む)左翼本が図書館に並ぶわけです。そうして、その書籍は、市民税などから賄われているわけです。
しかし、このようなことをしていても、誰も左翼の本を読まなければ、左翼思想は先細りするばかりです。

左翼系のものは、書籍だけでなく、雑誌も売れていません。この記事では、『創』というバリバリの左翼系雑誌が売れていないため、この雑誌に記事を書いている方が、原稿料を支払ってくれない旨をご自分のブログで訴えていました。その部分も以下に引用します。

それは、「小説家、劇作家の柳美里(ゆう みり)のブログ」の記事"『創』休載の理由"に掲載されている事実です。
小説家、劇作家の柳美里(ゆう みり)さん
詳細は、このブログをご覧いただくものとして、一部コピペさせていただきます。
『創』の連載エッセイ「今日のできごと」が休載されています。 
今月発売号の編集後記に、休載の理由が一言も触れられていなかったので、ここに書きます。 
現状では、柳美里が「落とした」のだと誤解されるから――。 
実は、もう何年も稿料が支払われていないのです。 
先月、意を決して、「稿料未払い分を計算して、振り込んでください。全額振り込まれるまで、次の原稿を書くことはできません」と篠田博之編集長にメールしました。 
篠田編集長から、9月2日にメールが届きました。 
「返信が遅くなって申し訳ありません。ショッキングなメールでしたので、考える時間が必要でした。 
おっしゃること、もっともだと思います。何とかしようとは思っているのですが、大変な時期に力になれずにいて申し訳ありません」

篠田さん、何故、支払ってもらえない稿料を支払ってください、とお願いすることが 「ショッキング」なのでしょうか?

わたしは、原稿を書くことで収入を得ています。 
原稿執筆労働者です。 
1枚数千円の原稿を毎日書いて、家族を養い、猫たちを養い、猫の糖尿病治療費や、福島県南相馬市への交通費や滞在費を捻出しているのです。 
篠田さん、筆者に稿料を支払うことは、筆者の「力になる」ことではありません。
労働の対価を支払うことです。
このような状況ですから、左翼のいわゆる思想本は全滅状態なのだと思います。そこにふって湧いたような、天啓のように、「戦争法案」反対のデモが行われるようになり、多くのデモ参加者は、「戦争法案反対、安倍政権妥当」などと口々にシュプレヒコールをあげました。

先細りの左翼ビジネスに忸怩たる思いをしていた、左翼系の人々は今がチャンスだと思ったことでしょう。他の組織の後ろ盾があったかどうかは別にして、この四人のジュンク堂の店員もそうだったのでしょう。これがチャンスとばかり、沸き立って、あのような販売促進企画をたてて、実行したのでしょう。

しかし、後から産経新聞が調査したところによれば、これらのデモの参加者のほとんどが、特定の政党の支持者ということで、とても一般市民が参加したものとはいえるものではありません。

それはシールドも同じことです。共産党がいろいろと手助けしていることはすでに事実として明るみに出ていますし、シールドのほんどのメンバーが、特定のある高校の出身者であり、その高校の同窓生です。

嫌韓・嫌中本や、日本礼賛本の読者が自らの判断で、これらの書籍を購入しているわけですが、こんなことでは、ごく一部の人が購入するというだけて、とても一般の人々が購入するとは思えません。

最近では、安倍政権の支持率が上がってきているという事実もあります。そうして、ジュンク堂の四人の店員が、政治的にかなり偏向をしたツイートをしたということも手伝って、左翼本はこれからも誰も購入しないということに変わりはないと思います。

これからも、書店では保守系の書籍が販売の上位を占めることになるのでしょう。

なぜ、このようなことになるかといえば、レベルの低いマスコミなどは、シールドなどの動きが、さも新しいかのように喧伝していますが、全くそんなことはなく、60年代安保のときも、70年代安保のときも、PKO法案のときも、このような学生の動きはありました。

それも、今よりももっと大きいものでした。しかし、安保法案やPKO法案で戦争になることもなく、かえって、日本の安全が担保されたため、日本は急速に経済を伸ばすことができまた。

だから、シールドは、昔の焼き直しにすぎず、ただたんに最近の若者のフアッションなど取り入れて、ファッショナブルになり、今の言葉でいえば、「リア充」的になっただけで、本質は何も変わりません。

そもそも、シールドなどのやっていることは、カビが生えたように古いものです。マスコミや多数の与党は性懲りもなく、何度も何度も繰り返して、何の成果もあげていません。

成果をあげていないどころか、PKO法案大反対で牛歩戦術などのバカ真似をした、社会党は、そのご消滅しました。

このような失敗を何度も繰り返すのですから、野党もマスコミももう、完璧に知的に退廃しているといわざるをえません。

左翼本が売れないのは、左翼の思想家が知的に退廃しているからです。安全保障に関しても、もう60年安保の頃から一歩も進んでいません。それどころ、経済についても、どうしようもなく退廃しています。

たとえば、経済政策に関しても「金融緩和策」はEUなどでは、雇用を改善するということで、労働組合が賛成する政策であるにもかかわらず、左翼系は大反対です。彼らの言うよう、今金融緩和策をやめて、金融引き締めに転じたととすれば、雇用情勢が一気に悪化して、困るのは労働者です。

このようなことから、左翼系はこれからますます萎んでいくことでしょう。今回のこの出来事は、左翼系ビジネス最興隆を狙った、最期の悪あがきに過ぎないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月24日土曜日

【習近平訪英】英王子ら退屈&居眠り? 習近平氏の演説を英紙が「ぶざま」と辛口評論―私の論評】欲の皮を突っ張らせると、シティの連中も大火傷するほど中国の金融空洞化は明白(゚д゚)!


習近平主席のあいさつ中、下を向く出席者
  中国の習近平国家主席は23日、4日間に及ぶ英国の公式訪問の日程を無事終えて帰国した。習氏は訪英中、上下両院や公式晩餐会、金融センター・シティなどで演説を行った。だが、演説を称賛する報道は、英国では見当たらない。反対に、演説中に出席者が居眠りをしているかのような屈辱的な写真が掲載され、「ぶざまな瞬間だ」「強さをひけらかした」など、辛口の論評が目立った。

「外交用に行われるディナーに列席するのは、退屈なのかも…」

  ロンドンのフリーペーパー、メトロ(電子版)は22日、こんな見出しをつけ、習氏が前夜、金融街シティで行った演説の際、主催者が居眠りしているような問題の写真を掲載した。

  ちなみに、習氏が演説を行ったギルドホールでは2013年6月、訪英した安倍晋三首相も自らの経済政策「アベノミクス」について演説した。

  習氏は演説で、中国が過去37年以上の改革・開放政策で世界第2位の経済大国となったことを強調した。英中両国が演説を前に、中国以外で世界初となる人民元建て国債の発行を始めることで合意したのを強く意識した内容だった。

  さらに、演説では、中国は「過去に、立憲君主制や議会、大統領制などを導入しようと試み、失敗し、それに学び、最後に社会主義の道を選んだ。社会主義は人民が求めた結果だ」と説明した。

  演説は約27分間。中国語の演説を、通訳を介して聞いていたことや、一日の疲れもあったのだろう。演説する習氏の隣で、英王室のエスコート役、アンドルー王子らが疲れたような表情で下を向いて話を聞く様子がカメラに収められた。

   一方、20日の議会演説については、英紙フィナンシャル・タイムズが「議会制が誕生した揺りかごでみせた習氏のぶざまな瞬間」と紹介した。

  習氏は演説で「英国は最も古い議会制国家だが、中国は2000年も前から法治の重要性を語ってきた」と述べ、民主主義に関係した中国批判は受け付けないとの姿勢を暗に示した。

  同紙はこれに対し、「法の支配」の理念を生み、近代民主憲法の礎石となったマグナカルタ(大憲章)制定800年を迎え、中国で巡回展示を行う予定が急きょ、当局に中止させられたことを紹介。「中国に法治と民主主義を強調する資格があるのか」「自分たちに有利な歴史だけ言及した」などと批判する議員たちの声を報じた。

  バーコウ下院議長も習氏の演説前に、ミャンマーの民主活動家、アウン・サン・スー・チー氏を「人権のチャンピオン」と呼び、インドを世界最大の民主国家と称賛。中国に「強国としてだけでなく、道徳的霊感を与える国になることを願う」と述べ、「強さをひけらかす中国」(英紙ガーディアン)をけん制した。

  キャメロン英首相は中国の人権問題について批判を封印する。だが、人権や民主主義など価値観をめぐる英中の戦いの行方に、世界の注目は集まっている。

【私の論評】欲の皮を突っ張らせると、シティの連中も大火傷するほど中国の金融空洞化は明白(゚д゚)!

習近平のイギリス訪問に関しては、経済評論家の上念司氏が動画でいろいろと面白おかしく解説していました。その動画を以下に掲載します。


 詳細はこの動画をご覧いただくものとして、以下に上念氏が用いたフリップのキャプチャー画像を掲載します。


このキャプチャ画像のフリップにあるように、習近平はイギリスのキャメロン首相などには歓迎されたものの、それ以外は散々だったようです。

日本の天皇陛下と握手したエリザベス女王
まずは、エリザベス女王が習近平と握手したときに、手袋をつけたままだったということです。これは、日本の天皇陛下が訪問されたときには、エリザベス女王は手袋をはずして、陛下と握手なさったのとは対照的です。

中国国家主席習近平と握手をしたエリザベス女王
それから、BBCをはじめとするメディアのほとんどが、習近平の中国にはかなり批判的な報道をしました。また、多くの人々が抗議のデモに参加しました。


アンドリュー王子に関しては、ブログ冒頭の記事にもあるように、習近平のスピーチの際には、退屈で半分居眠りをしているような素振りであり、それはアンドリュー王子におよばず、王女も、その隣の中東系の人物とみられる人物もそのような素振りをしていました。チャールズ皇太子に至っては、参加すらしませんでした。

チベットのダライ・ラマとも親交のあるチャールズ皇太子
これは、おそらく、習近平は他国でみられるように選挙で勝利して選ばれた政治家ではなく、権力闘争に打ち勝って、上まで登った官僚であるということが原因ではないかと推察します。

ご存知のように、日本の総理大臣も、アメリカの大統領やイギリスの首相など、中国以外の国では、選挙によつて選ばれた政治家が政府のトップになります。日本やイギリスのように政府のトップ以外に皇族や、王族が存在する場合もありますが、いずれにせよ、国のトップは政治家です。

しかし、中国は建国以来選挙もなく、政府のトップは政治家ではなく、官僚です。そのため、中国の幹部は選挙という荒波に揉まれていないので、一般にスピーチが非常に下手です。

中国では、権力闘争に勝つことが官僚のトップになり、国のトップになるということですから、国民に対してわかりやすく平易に話す、感動的な話や、リーダー的な話は必要ありません。金をどれだけ有効に使うか、様々な恫喝や、場合によっては他国であれば、犯罪のようなことをどのくらいためらわず、図太くできるかが重要です。

習の屈辱。英議会での演説では一回も拍手はなかった・・・・
だから、スピーチなど二の次ですから、いざ国外でスピーチをするとなると、習近平に限らず、ほとんど官僚が話下手でとても、他国の政治家のように流暢に抑揚があり、ユーモアのあるような話はできません。それに内容がお粗末ということも手伝ってか、今回の習近平の英国内の演説は、評判は良くはありませんでした。

だから、本当に習近平の話は退屈極まりないものだったのだと思います。

それから、エリザベス女王との会見の場所がトイレの前だったというのは、イギリス流の嫌味だったのだと思います。

習近平の英国訪問は、完璧な失敗だったと言っても良いと思います。上の上念司氏は、おそらくイギリスで中国を歓迎しているのは、シティの連中だろうとしています。

実際そうなのだと思います。

シティの正式名称は、「シティ・オブ・ロンドン・コーポレーション」という。コーポレーションとは、刺繍業組合や皮革加工業組合など1000年も前から存在している123もの同業組合(ギルド)の「共同体」です。 

地理的には、シティはテムズ川左岸のウォータールー橋とロンドン橋を東西の両端とする1.22平方マイル(約2キロ平方メートル)の地区で、別名スクエアマイルとも呼ばれます。ロンドンにはシティグループやHSBCなどの高層ビルが建ち並ぶ再開発地区カナリーウォーフやヘッジファンドの集まるメイフェアもあり、これら新興の金融街と合わせて広義のシティ(ロンドンの金融ビジネス)といわれることもあります。


シティの東の境界、タワーブリッジ     (Photo:©Alt Invest Com) 
2008年のデータですが、シティは国際的な株式取引の半分、店頭デリバティブ取引の45%ちかく、ユーロ債取引の70%、国際通貨取引の35%、国際的な新規株式公開の55%を占めていました。猫の額のような小さな街が、グローバル金融のハブとして圧倒的な強さを誇っています。

シティの競争力の源泉としては、以下の3つがあります。アジアとアメリカの中間にあるという地理的優位性、金融ビジネスの標準語である英語を母語とすること、そして、シティにつらなるタックスヘイヴン群のグローバルネットワークです。

2008年4月には、旧ソ連邦を構成するCIS(独立国家共同体)から100社もの企業がロンドン証券取引所に上場した。これはシティの上場基準が、アメリカ(ウォール街)でADRを上場させるよりはるかに緩いからだ。

それにしても、シティの連中は、中国の現状をあまりに知らなすぎるのではないかと思いす。彼らは、中国の金でシティを活性化させようと目論んでいるでしょうが、その中国ではもうすでに、金融が空洞化していることを知らないのでしょうか。

中国の金融の空洞化については、このブログでも、何度か掲載してきたました。それらの記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には「中国の外貨準備と資金流出入のグラフ」も掲載しました。以下にそのグラフとそのグラフに関する説明を掲載します。


さて、このグラフについては、つい昨日も別の記事で説明したので、その説明の内容を簡略にして以下に掲載します。
外貨準備といえば、日米欧の場合は通常、自国通貨が暴落するなどの非常時に備えるためで、大規模である必要は必ずしもありません。しかし、中国の場合、特別の意味があります。 
中央銀行である中国人民銀行は流入する外貨を買い上げて外準とし、その額を基準にして通貨人民元を発行し、その元資金を商業銀行に供給しています。

中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。 
08年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金を大量発行する量的緩和政策に踏み切りましたが、米国からあふれ出たドル資金は中国に大量流入し、人民銀行はそれを吸い上げることにより、やすやすと元資金を大量増発できたのです。 
元資金は国有商業銀行を通じて不動産開発投資用に振り向けられ、不動産ブームを支えました。中国経済は投資主導で二ケタ台の経済成長に回帰し、リーマン後の世界でいち早くショックから立ち直りました。10年にはデフレ不況が深刻化する日本の国内総生産(GDP)を抜き去って、米国に次ぐ経済超大国となりました。 
中国の成長モデルは豊富な外貨準備によって支えられてきたわけですが、その外準が増えずに急速に減少することで、成長資金を供給する方程式が成り立たなくなりました。停滞感が強まる景気の刺激に向け、人民銀行はもっと大量の元資金を発行する必要があるのですが、人民銀行の外貨資産は外準の減少を反映してかなり減りました。
このような状況ですから、中国の金融は空洞化しています。金融の空洞化といえば、もっと前から中国の金融の空洞化が指摘されていました。それについても、このブログで掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
中国の統計はでたらめ、現実にはマイナス成長であろうことは、以前のこのブログにも掲載した

 保八も維持できなくなった中国経済ですが、金融面でもとんでもないことが発覚したことについて掲載しました。そのとんでもないこととは、中国から「大量のマネー」が姿を消しているという驚愕の事実です。その内容を以下に抜粋します。

まずは、この記事で引用した宮崎正弘氏のメルマガの内容を以下にコピペさせていただきます。
 中国から不正に海外へ流れたカネは3兆7900億ドル  外貨準備高より多いカネが不正に海外へでた勘定になるのだが。。。。。
****************************************
グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ(GFI,ワシントンの国際金融監視シンクタンク)の調査に拠れば、中国から不正に海外へ持ち出された金額が精密に報告され、驚くべき巨額の事実が浮かび上がって。 
 つい最近まで筆者は1兆800億ドルと、このGFIの数字を援用してきた(これは2002年か2011年の統計とされた)。 
 ところが新しい報告では2000年から2011年までの統計で、実に3兆7900億ドルが不正に海外へ流れた(Illicit flow)。2005年から2011年の統計で2兆8300億ドルとなる新しい数字に上方修正された。 
どの期間の統計かによって、数字が異なるのは当然といえ、もし2000年から2011年統計で、中国からの海外逃避資金のトータルが3兆7900億ドルとなると、史上空前の新記録。邦貨換算で417兆円弱。日本のGDPの80%にあたる。 
これは中国の金融が空洞化していることを示して余りある。 
以下に掲げる「ワースト・ランキング」はGFIが集計した2002年から2011年の合算統計である。 
1)中国      3兆7900億ドル
2)ロシア      8809億ドル
3)メキシコ     4618
4)マレーシア    3704
5)インド       3431 
桁違いの汚職天国、ロシアのそれも凄いが中国に比べたら何ほどのこともない。
2011年当時ですら、この有様で、最近ではさらに資金流出から加速化したといわれています。だからこそ、最近では、中国の外貨準備高が大幅な黒字から、大幅な赤字に転じたものと考えられます。

このような状況では、シティがいくら中国の資金をあてにしても、無理があるのではないかと思います。

しかし、シティとしては、中国などどうでも良く、中国の富裕層の資金の流出先になることを狙っているのかもしれません。

しかし、もうすでに時期を逸したかもしれません。少なくとも後2〜3年前にこうしたことをしておけば良かったかもしれません。

それにしても、市場関係者というと、イギリスのシティの市場関係者は、中国の事情に疎いようですが、日本のいわゆる市場関係者といわれる人たちの多くも、イギリスの市場関係者を馬鹿にする事はできないと思います。

日本の市場関係者の多くは、8%増税の経済への影響は軽微といっていました。結果は軽微どころか、とんでもない結果になってしまいました。

しかし、考えてみれば、アメリカの市場関係者だってとんでもないです。あのサブプライム・ローンが引き金となって、リーマン・ショックに結びついたわけですが、あのサブプライム・ローンなどの仕組み、素人が考えても、行き詰まることは目に見えたと思います。

市場関係者は、到底常人では考えられないような、とんでもない明白な単純ミスを犯すことがおうおうにしてあります。

やはり、欲の皮が突っ張っていると、現実を見誤り判断を誤るだと思います。イギリスの市場関係者も、中国を等身大にみて、中国という国家をあてにするのではなく、せいぜい富裕層の逃避資金の受け皿になる程度で、後はあまり欲張らないで、適当なところで線を引いて火傷をしないようにすべきものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月23日金曜日

反日暴走外交のツケ 韓国「通貨スワップ必要」 資金流出でドル枯渇懸念 ―【私の論評】中韓はともに崩壊する運命共同体ということか(゚д゚)!


8日、ペルーのリマで並ぶ(左から)中国の楼継偉財政相、
麻生財務相、韓国の崔ギョン煥・経済副首相兼企画財政相
韓国の資金枯渇懸念は深刻なのか。通貨危機の際に外貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」が新たに必要だと言い出したのだ。中国経済の失速や米国の利上げ観測のなか、朴槿恵(パク・クネ)政権の失策で日本との通貨スワップを終了させてしまい、焦りの色を隠せない。

 「多国間通貨スワップなどのセーフティーネットで金融危機を予防する必要がある」。今月上旬、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議と並行して開かれた国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で韓国の崔●(=日の下に火)煥(チェ・ギョンファン)経済副首相兼企画財政相はこんな声明を出した。

 通貨スワップは、外貨不足に陥った際、自国通貨と交換で相手国から融通してもらう仕組み。韓国は1997年のアジア通貨危機で資金が流出し、破綻状態に陥ったが、2008年のリーマン・ショック後の資金流出危機の際、米国や日本との通貨スワップでドルを調達してしのいだ。

 今回も米国の利上げをきっかけとする新興国からの資金流出が警戒されているが、韓国では「金融危機当時と違って外貨準備が潤沢だ」という報道が多い。9月末時点の外貨準備高は約3681億ドル(約44兆円)にのぼり、「世界7位」(中央日報)だと誇らしげだ。

 それでも韓国当局の不安は消えないようだ。韓国経済新聞は「アベノミクスに伴う円安で韓国の輸出が鈍化しており、株式や債券への投資資金、金融会社の融資などの流出幅が前例のない大きさとなる可能性がある」として、「1年以内に満期が来る外債や、外国人の株式投資資金を考慮すると、(外貨準備は)1000億ドル(約12兆円)程度が不足しているものと思われる」とする専門家の分析を掲載した。

 韓国が最大の通貨スワップ協定を結んでいるのが中国だが、調達できるのは人民元。韓国の対外債務はドル建てが多く、短期的に大量のドル資金が必要となった際に間に合うのか疑念も残る。

 日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)による「チェンマイ・イニシアチブ」では最大384億ドル(約4兆6000億円)の引き出し枠があるが、IMFの関与がない場合の引き出しは最大30%にとどまる。また、別の国がドルを必要とする場合、韓国は提供する立場になる。

 ドルを調達できる貴重なスワップは、実は日本と結んでいたものだった。日韓スワップは2011年に700億ドル(約8兆4000億円)の規模だったが、朴政権の反日姿勢もあって、今年2月までに終了した。

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう指摘した。

 「通貨危機は突発的に襲ってくるもので、外貨の支払い能力が手厚くなければ国際投機筋の餌食にされる。中国経済が失速するなかで万全の態勢を取るべきなのに、外交的な暴走で日本とのスワップを終了させてしまった。日本にとっては何の痛みもないが、韓国にとっては取り返しのつかない打撃だろう」
【私の論評】中韓はともに崩壊する運命共同体ということか(゚д゚)!

2013年7月に日韓通貨スワップはなくなりました。その時の経緯などについて、このブログにも掲載したことがありますので、その記事のリンクを掲載します。
日本の援助に仇で返し続けてきた韓国 経済破綻しても自業自得 ―【私の論評】朴よもっと激しく、しつこく、えげつなく反日をやれ!やれば、やるほど日本はまともになっていく!韓国におもねる政治家は日本ではもうやっていけない!さよなら、魅力の失せた破滅国家韓国(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、日韓スワップの停止に関しての経済評論家らの論評の部分を以下に掲載します。
 日本と韓国が緊急時にそれぞれの通貨を融通しあう通貨スワップだが、日本にはほとんどメリットがなく、韓国救済が目的といっていい。経済評論家の上念司氏が解説する。
上念 司 氏
 「2011年には700億ドルに増額していた日韓スワップですが、2012年10月に韓国が難癖をつけて延長せず、再び30億に。そして今年7月に日韓通貨スワップはなくなった。まだ残っているのは2003年のチェンマイ・イニシアチブの分の100億ドルだが、20億を超えるとIMFの管理が入るので実質20億が上限。これも再来年2月で切れることになる。 
 韓国の態度は、困った時には救いの手を求め、困った状況から脱したとたんに「バカにするな」といってその手をはたくというものだ。ところが、上念氏は、韓国が再び日本に救済を求めてくるだろうと予測する。 
 「韓国はこのままいけばウォン高になり、輸出産業がダメになる。しかしウォン安政策をとれば海外の投資家がウォン売りに走り、投機的なウォン売りが起きる。韓国は対外債務が非常に多いため、ウォンの買い戻しができず、再び通貨危機になる可能性が高い。日本に通貨スワップをお願いにくるしかない」(同前)
 2013年6月末時点で、韓国の対外債務残高は4118億ドル(約40兆1000億円)で、3か月前に比べて15億ドルも増加している。 
 一方、これほどまでに反日を鮮明にしている朴槿恵(パク・クネ)大統領は、性格的にも「日本に助けてくれとは口が裂けてもいえないだろう」と語るのは韓国経済に詳しい経済評論家の三橋貴明氏だ。
三橋貴明 氏
 「韓国は中国に擦り寄って、今年6月には通貨スワップ協定を3年間延長することで合意した。しかし、韓国がいざ中国に助けを求めても、中国が援助の手を差し伸べることはないだろう。それどころか、スワップ協定を反故にしてウォンが暴落するにまかせ、韓国企業を買い叩く手に出るのではないか」 
 そうなると、最終的に韓国が泣きついて 
くる相手は日本しかない。だが、これまでの歴史を見る限り、韓国を助けても仕方がないとの結論に到らざるを得ない。
 ブログ冒頭の記事にもあるように、韓国が最大の通貨スワップ協定を結んでいるのが中国だが、調達できるのは人民元ということで、これでは急場しのぎのときにはすぐには役立ちません。

それに、中国の外貨準備高は急速にしぼんでいることをこのブログでも以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、上のグラフをご覧いただければ、外貨準備もマスナス、資金流出入額もマイナスということで、このグラフをみただけで、中国は韓国を助けるだけの余力などなく、自分のことで精一杯です。

外貨準備といえば、日米欧の場合は通常、自国通貨が暴落するなどの非常時に備えるためで、大規模である必要は必ずしもありません。しかし、中国の場合、特別の意味があります。

中央銀行である中国人民銀行は流入する外貨を買い上げて外準とし、その額を基準にして通貨人民元を発行し、その元資金を商業銀行に供給しています。


中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。

08年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金を大量発行する量的緩和政策に踏み切りましたが、米国からあふれ出たドル資金は中国に大量流入し、人民銀行はそれを吸い上げることにより、やすやすと元資金を大量増発できたのです。

元資金は国有商業銀行を通じて不動産開発投資用に振り向けられ、不動産ブームを支えました。中国経済は投資主導で二ケタ台の経済成長に回帰し、リーマン後の世界でいち早くショックから立ち直りました。10年にはデフレ不況が深刻化する日本の国内総生産(GDP)を抜き去って、米国に次ぐ経済超大国となりました。

中国の成長モデルは豊富な外貨準備によって支えられてきたわけですが、その外準が増えずに急速に減少することで、成長資金を供給する方程式が成り立たなくなりました。停滞感が強まる景気の刺激に向け、人民銀行はもっと大量の元資金を発行する必要があるのですが、人民銀行の外貨資産は外準の減少を反映してかなり減りました。

しかも、米国は昨年秋に量的緩和政策を打ち止めし、いずれ利上げに踏み切る見通しです。それを受けて、外に流れたドル資金は米国に還流します。人民銀行がドル基準を放棄すれば、元の信用が揺らぎ、さらにいっそうの資本逃避に拍車がかかる恐れが十分あります。

韓国にとって、頼みの綱の中国がこの有様ですから、本当は日本に助けを求めたいところでしょうが、過去の経緯をみれば、韓国を助けても本当に日本にとっては、何のメリットもありません。

韓国がどうなっても、日本としては、放置しておくというのが一番だと思います。それにしても、韓国はとんでもない相手に擦り寄ってしまいました。中韓はやはり、まともな経済対策などせずに、反日活動を繰り返し、いずれ崩壊する運命なのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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