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2009年12月30日水曜日

国の借金、家計の貯蓄頼み限界 個人資産の7割に-速報!!日経ももう駄目か?

国の借金、家計の貯蓄頼み限界 個人資産の7割に

政府が家計の貯蓄に頼って借金を重ねる構図に限界がみえ始めた。政府の負債残高が膨張し、9月末は家計資産に対する比率は66%まで上昇した。これは過去最高の水準だ。今後も政府負債の膨張が止まらず、少子高齢化を背景に家計の貯蓄が減少に向かえば、2020年までに家計資産を逆転する可能性もある。家計の高貯蓄という日本経済の強みは薄れつつあり、財政の抜本改革が急務になっている。

政府は歳出のうち税収などで賄えない分を国債発行で穴埋めする。国債発行は1990年代以降の景気対策の財源を賄う目的で急増した。

速報!!日経ももう駄目か?!
この記事、皆さんは、どう思われたでしょうか?これって、全くの間違いです。まず、日本国は、全く借金というものは、詳しくは調べたことがないですが、少なくともここ40年くらいは、国の借金は存在しません。対外債権と、債務を差し引きすればね、対外債権のほうがはるかに多く、その大きさは、過去18年間世界一です。これは、書くとすれば、日本国政府と負債とすべきです。こんな基本的なことから間違っています。日本国の借金と、日本国政府の借金は、全く異なる概念です。これを同一視、して語るような人は、残念ながら、マクロ経済に関して疎すぎて、日本経済に関して語る資格はありません。それを、日経新聞がやってしまったということです。

今朝の日経新聞のこのトップ記事を見ていて私が、数年前から抱いていた懸念は残念ながら事実だったと確信しました。本日は、その懸念に関して書かせていただきます。

10年程前に、アメリカで数年仕事をして帰ってきた経済学者の方が、興味深いことを語っていたことがあります。それは、渡米したときには、日本から離れるので、日本の経済に疎くなってしまうのではないかと心配だったそうです。しかし、アメリカにいて、現地の日本に関する定評のあるメディアや日本に関する論文を読んでいたらそんなことは全然なかったと・・・・・・・。しかし、日本に帰ってきて、しばらくして、日本の新聞を読んでいると日本の経済がかえってわからなくなったと語っていました。

その新聞の中には、無論日経新聞も含まれています。それに、朝日、読売、毎日などの日本で普通に読まれている全国紙も含まれています。この話を聴いたときには、あまり理解できませんでしたが、その後、マスコミの偏重ぶりなどみるにつけ、だんだんとその意味がわかってききました。それでも、日経新聞に関しては、経済のことを書いてあるからまだ、中立的なほうなのだろうくらい思っていました。

ところが、日経新聞に関しては、私は数年前から、偏向していると感じるようになりました。まずは、諸外国では定評のある人たちの記事がや意見が掲載されなくなったことです。特に、大前健一氏に関しては、世界的にも大御所であり、知らぬ人はいないというのに、もう、日経新聞紙面から姿を消してから少なくとも10年近くたつのではないかと思います。

実は、大前健一氏、おそらく日経新聞のあり方に関して、それこそ、日経新聞自体のことを気遣って「批判」をしたことがあります。それから、ほとんど掲載されなくなりました。さすがに、これだけの大御所全く掲載しないというわけにはいかないからでしょうが、雑誌などには時々とりあげてはいるようです。

リチャード・クー氏に関しても、数年前から掲載されなくなりました。リチャード・クー氏は、上記の日経新聞の見方とは、全く反対の立場をとっています。それどころか、10年ほど前から、日本の不況の状況に関して、バランスシート不況という見解を表明しました。私も、10年ほど前に、クー氏の見解を聴いたときは、マスコミの言っていることとは、随分異なり違和感を覚えすぐに理解できなかったのですが、半年、1年くらいしてから、ようやっと合点がいって、理解できました。今から考えると、その頃の私は、マスコミの論調にかなり幻惑されていたのだと思います。

このリチャード・クー氏もバランス・シート不況に関して発表してから、テレビのWBSからは降板し、日経新聞からもほとんど見なくと言うより、消えてしまったようです。大前健一や、リチャード・クー氏に変わって、日経新聞の論説などに出てくるのは、学者であっても、経済が専門ではないとか、経済学者であっても、あまり有名ではないとか、私から見ると偏向している人が多くなったのではないかと思います。その、リチャード・クー氏も新聞から姿を消していますが、雑誌などには、掲載されていることもあります。やはり、これくらいの、消息通であれば、全く無視するわけにもいかないのでしょう。

リチャード・クー氏、実際「日経Biz plus」にも、ビジネスコラムを掲載していて、『財政出動』に向かう米国論調の留意点」という論文の中で、国債が増えても低位安定を続けた日本の長期金利を論拠として、国内過剰貯蓄使えば財政赤字のファイナンス問題なしと指摘しています。私も、全くその通りだと思います。

バランス・シート不況に関しては、最近では、作家で経済評論家である、三橋貴明氏などが、非常にわかりやすく解説しており、この方の説明を理解すれば、多くの人が日経の本日のトップ記事の内容は、問題があるものと感じるはずです。

日経新聞の論調を是とすれば、何十年も前から、政府負債が膨張し、家計の貯蓄が減少に向い、家計資産をとっくに逆転したアメリカの過去の経済的な繁栄をどうやって説明するのでしょうか?それに、政府を企業に例えれば、日本政府が外国からお金を借りるというのは、銀行からお金を借りるのと同義だと思います。企業は無借金経営だけが優良とは限りません。優良な企業でも、銀行から借金をしている企業もたくさんあります。まるで、日経のこの論調、一銭も借金しない経営が最上であるかのような論調です。それも、日本は、未だ海外からの借金が超過してもいないし、当面超過しそうもないこの時期にです。なぜ、今のこの時期に不安感を煽る必要があるのでしょうか?

本日の日経新聞のトップは、このような見解を無視するものとして、非常に問題だし不健全であると思います。いや、それどころか、何か裏の意図があって、こうしたトップ記事にあるとか思えません。そうだとすれば、酷い偏向だといわざるをえません。日経新聞も経済新聞としての使命を果たせなくなりつつあるのではないかと思います。

おそらく、三橋貴明さんのような評論家の方々、さらには、リチャード・クー氏なども、この日経トップ記事に関する反論を出すでしょう。私は、速報性の観点から、数値や論拠など詳細を出していれば、時期を逸してしまうと思いましたので、本日掲載しました。だから、本日は、写真も、動画もグラフも何もなしです。私も、いずれ、もっと詳細な論拠を出しつつ、掲載して行きたいと思います。

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