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2018年1月1日月曜日

ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏、テレ朝の「朝生」に出演 「侵略されたら降参する」 「沖縄はもともと中国から取ったんでしょ」―【私の論評】保守は村本氏のような人物こそ仲間に引き入れよ(゚д゚)!

ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏、テレ朝の「朝生」に出演 「侵略されたら降参する」 「沖縄はもともと中国から取ったんでしょ」


お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔氏(37)がテレビ朝日系討論番組「朝まで生テレビ元旦スペシャル」(1日午前1時から同5時50分)に出演した。

村本氏は、尖閣諸島問題に議論が及んだ際、「非武装中立論」を説き、「(尖閣が)侵略されたらどうするの」との問いに「白旗をあげて降参する」と主張。「なぜ中国や北朝鮮が日本を侵略するのか、意味が分からない」などと述べた。 また「尖閣諸島は人を殺して国を守るなら、(尖閣を)取られてもいい」と答えた。龍谷大の李相哲教授が「沖縄をくださいと言ったら、あげるわけですか」と問いかけると「もともと(沖縄は)中国から取ったんでしょ」と答えた。


尖閣諸島の部分の主な討論内容は以下の通り

井上達夫・東京大大学院教授「村本さん、非武装中立が多くの人は何を意味するか理解しないでいっているわけね。じゃあ、攻撃されたらどうしますか」

村本氏「なぜ攻撃されるんですか」

井上氏「侵略されないに越したことはない。じゃあ、もし侵略されたらどうするの。白旗を挙げて降参するの」

村本氏「僕はそっちかなと思います」

井上氏「そしたら侵略者に対して、侵略者に侵略のインセンティブを与えちゃうよね」

村本氏「なぜ、侵略されるのか、意味が分からないです。なぜ、中国や北朝鮮が日本を侵略するという発想になるのか、私、分からない」

井上氏「それは君が問題を避けているの。君の良いところは問題を逃げないことだと思ったけど、今までの非武装中立論は皆、そうやって…」

村本氏「手を挙げて言います。白旗を挙げて…」

司会の田原総一朗氏「例えば具体的に言うと、もしも日本が、米軍と自衛隊がいなかったら、尖閣は、中国は取るよ」

村本氏「分かりました。じゃあ、僕は逃げずに答えますけども、僕は…僕の意見は…」

田原氏「取られても良いわけね」

村本氏「僕は取られても良いです。僕は明け渡します。僕はですよ」

田原氏「何で」

村本氏「だって、だって…、もし皆さんの身内に自衛隊とか軍隊がいて、その身内が人を殺して国を守ることって…」

井上氏「じゃあ、自分の身内が殺されるってときに、敵を殺さないで自分が殺される状況に置かれたらどうする? 」

村本氏「じゃあ、殺されます」

井上氏「何で」

村本氏「だって、誰かを殺すわけでしょ」

井上氏「そういうこと、言う人は多いの」

村本氏「分かりました」

李相哲・龍谷大教授「尖閣諸島をよこせと言ったら大丈夫だと言ったけど、じゃあ、沖縄を下さいと言ったらあげるんですか」

村本氏「もともと中国から取ったんでしょ」(WEB編集チーム)

【私の論評】保守は村本氏のような人物こそ仲間に引き入れよ(゚д゚)!

ウーマンラッシュアワー
村本氏というと以前から物議をかもしていました。つい最近も、12月17日放送の『THE MANZAI』(フジテレビ系)でウーマンラッシュアワーが演じた漫才が大反響を巻き起こしていました。彼らが披露したのは、社会問題をテーマにした漫才。村本大輔が早口でまくし立てるようにしゃべりまくり、中川パラダイスが合いの手を入れていく。取り上げる話題は、原発問題、沖縄の米軍基地問題など、多岐にわたっていました。

芸人が社会問題や時事ネタを漫才で扱うこと自体は、それほど珍しいことではありません。爆笑問題やナイツもそういうネタをやっています。ただ、この時のウーマンラッシュアワーの漫才がそれらと違うのは、ネタの端々にメッセージ性が感じられたことです。単に漫才の素材として社会問題を取り上げているだけではなく、それについて自分たちがどう考えているのか、受け手にどう感じてほしいのか、ということがはっきり伝わってくる内容でした。

ウーマンラッシュアワーでネタ作りを担当している村本は、かつて『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)に出演したときにも、自身のレギュラー番組『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT』(AbemaTV)でも、社会問題について自由に意見を発信してきました。この漫才もそんな彼の活動の延長線上にあったようです。

ただ、ここで注目すべきは、彼らがメッセージ性の強い漫才を演じて、観客から拍手混じりの大きな笑いを取った、ということです。安易な政治風刺ネタは、感心されることはあっても、笑いにつながることはないです。日本人の国民性には馴染まないような政治色の強いネタで、若い世代の観客をきちんと満足させたのが何よりも評価すべきことだったかもしれません。

中でも圧巻だったのは、漫才の結末部分。被災地の復興問題、沖縄の基地問題、北朝鮮のミサイル問題など、大事な問題はたくさんあるのに、ニュースで取り上げられるのは芸能人の不倫ネタばかり。本当に危機感を持つべきなのは「国民の意識の低さ」である、とビシッと言い切りました。そして、村本は「お前たちのことだ!」と捨て台詞を残して舞台を去っていきました。このオチの部分からは、村本が常日頃から人々に対して抱いている苛立ちのようなものがダイレクトに伝わってきました。



村本は、漫才や漫談において、自分の言いたいことを言って笑いを取ることを信条としています。自分の頭で考え、自分の体で感じたことでなければ、他人の心を動かすことはできないからです。

ところが、そのような芸風を続けていると、業界内では反感を買うことも多いです。同業者から「アイツはトガっている」「大人げない」などと陰口を叩かれたり、テレビ制作者からは「扱いづらい」「めんどくさい」などと思われたりします。村本はそんな現状への不満を募らせているようです。

また、このような芸人はともすると左翼系からも利用されてしまいがちです。実際「反安倍」を掲げる左翼が同氏を利用しようと躍起になっているようですが、当の本人はこういった動きに応じる様子もなく、むしろ批判的な考えも持っているようで以下のようなツイートをしています。


社会問題について、タレントがテレビで何らかの主義主張を口にしたりすることは、基本的にタブー視されています。ただ、それは明らかにメディア側の自主規制です。余分なトラブルが起こることを避けたいだけなのです。

村本が仕事で沖縄を訪れた際に、基地問題をネタにした漫才を披露したところ、大いに盛り上がった上に、ネタが終わった後で観客からの拍手が鳴り止まなくなったといいます。この経験から村本が学んだのは、社会的な問題の当事者こそが、それをネタにして笑い飛ばしてくれることを誰よりも望んでいる、ということでした。

村本大輔氏
それは、なぜアメリカではコメディアンが政治風刺ネタをやるのか、ということにも関係しています。多くのアメリカ人にとっては、政治、人種、宗教が身近で切実な問題なのです。だから、それを笑いのネタにすることが求められているのです。

しかし、日本人の多くは、人前で政治的な主張をしたり、議論を交わしたりすることを好まないです。政治風刺ネタにニーズがないので、ほとんどの芸人はそれに取り組もうとしません。

しかし、村本はあえてそこに切り込んだのです。ニーズがないなら、作ればいい。笑いという武器を使って、自分の言いたいことを全力で言う、というのが彼の本当の狙いのようです。いわば、観客のレベルに合わせるのではなく、観客を自分の求めるレベルまで高めようとしているのです。こんなにも壮大な野望を抱えて漫才をやっている芸人はほかにいないかもしれません。

ウーマンラッシュアワーの漫才は、単に題材として社会問題を扱っているだけの「社会派漫才」でありません。それは、事なかれ主義の日本人の意識を根底から変えようとする、前代未聞の「啓蒙漫才」のようです。

番組終了後、村本さんが自らのツイッターで、
2018年になりましたが、いま2018年の一年分くらいネットで叩かれてると思います。。
とつぶやいたように、ネット上では番組の一部分を切り出した動画が拡散するなどして、かなりの賛否両論が巻き起こっている。しかし本人は、
あとおれが前から自分は無知だ、と言ってて、今回の朝生のオファーあった時に、小学生以下のバカ丸出しの質問して話し止めるけどそれでいいなら出るってのが条件だったから、おれ的にはなんでも質問できて、最高に楽しかった。元旦から何見せられてんだって方、クレームは田原さんと朝生へ。 
テレビで無知晒してバカ晒してまわりにブチ切れられて誰かが学べばいいんじゃない?自ら賢いなんか一言も言ってないおれを呼ぶってのはそういう番組だってこと。その理由に終わりで田原さんが最高だった、ってわざわざ声かけて来てくれた。
と胸を張っています。ただ「中国から......」の部分だけは、琉球王国と中国王朝が冊封関係にあったことを「拡大解釈」してしまったと反省を口にしていたようです。

1月1日の「朝ナマ」に出演中の村本氏
確かに今回の非武装中立に関して、村本大輔氏の考えはいただないものでした。この点は、私もそう思います。批判が多いこともある程度仕方ないとは思います。

しかし、ここで私が一ついいたいのは、未だに「非武装中立論」が絶対善であると信じている人たちも少なからず存在するという事実を思い起こしていただきたいです。

これらの間違いを指摘したとしても、これらの人たちを変えることはできないでしょう。今回は、村本氏自身が「非武装中立」の立場から語ったため、大きな批判をうけているといことですが、もし村本氏が「非武装中立」の非合理性に気づいたとしたら、彼は、彼なりのパフォーマンスで、芸人としてその非合理性を訴えるようになると思います。

村本氏は、「権力を振りかざすやつもすごく苦手だが反権力を高らかに叫び自分と同じものは大歓迎、違うものは許さないという自分の中の独裁者に気付いてないやつも同じくらい苦手」としています。

いわゆる右翼系やいわゆる保守系の人々の中にも、「自分と同じものは大歓迎、違うものは許さない」という人も多いです。

私自身は、完璧に言葉の意味どおりの「保守」(本来の保守の意味は「中庸」に近い)であり、常日頃から「敵を増やすよりも、仲間をふやそう」という主義です。だから、自分と違うものでも許せます。

無論、私は譲ることができない部分もありますが、何から何まで自分の思うのと同じでないと駄目というような考え方はしません。たとえば村本氏であれば、何か一つでも自分と同じような考え方をしていれば、それを多くの人に広めていただければ、それはそれで良いことではないかと思います。

だから、村本氏のような人物を単に批判するだけではなく、できら仲間にしたいと考えてしまいます。

私は、常日頃から、マクロ経済や金融政策と雇用の密接な関して理解をしていない人が多いことに憤りを感じたり、安全保障の面でもお花畑のような人たちに憤りを感じていたりしますが、村本氏のような芸をもっていたら、あっと言う間に大勢の人にそれらの真の意味を伝えられるのではないかと思います。


金融政策の波及経路

しかし批判するだけでは、何も変わりません。村本氏のような人物こそ、仲間に引き入れるべきではないのかと思います。

「テレビで無知晒してバカ晒してまわりにブチ切れられて誰かが学べばいいんじゃない?」という村本氏は語っています。自分は知識が豊富で、優秀で、自分の考えていることは、何から何まで絶対善だと思い込むような全体主義者と比べれば、村本氏のほうが余程まともです。

世の中いわゆるインテリを自称する人、あるいは自称しないまでも自認する人は、少数派です。世の中を動かそうと思えば、普通の人たちを動かさなければならなのです。

本年は、真性保守として、このような人物を一人でも多く仲間にひきいれる努力をしていきたいもです。これを今年の抱負にしようと思います。

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