軍備拡張を続ける中国に対し、我が国の自衛隊の「実力」はどうか。軍事ジャーナリストの井上和彦氏が、実は世界最高レベルにある自衛隊「最新装備」を紹介する。
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海上自衛隊は、強大化する中国海軍に対抗すべく、現有16隻の潜水艦を20隻に増強する計画だ。その中心を担う世界最大の通常型潜水艦「そうりゅう」型は、間違いなく中国海軍にとって最大の脅威となる。現時点では中国海軍の対潜能力が低く、海自潜水艦に対抗することができない。海自潜水艦が東シナ海を遊弋するだけで中国艦隊は港に足止めを食らうことになる。
そして忘れてはならないのが海自航空部隊だ。その主力が「P3C哨戒機」である。
海自は、哨戒・対潜能力では世界最高性能を誇るP3Cを90機も保有し、しかもその海自自衛官の練度は、米海軍を上回っている。
現在、後継機となる国産の「P1哨戒機」の配備が始まっている。この新鋭哨戒機は、ターボファンエンジンを4発搭載しており、いち早く哨戒海域に到達し、広域の哨戒を行なうことができる。またP3Cに比べて高性能の搭載電子機器を搭載するなど、その哨戒・対潜能力は向上しており、中国潜水艦部隊は丸裸にされるだろう。
※SAPIO2010年12月15日号
【私の論評】いろいろな意味で中国幻想は捨て去ろう!!
このブログては、随分前から、中国異質論、中国幻想論を何回にもわたって掲載してきました。上の記事の内容は、これらを裏付けものでもあると思います。
軍事ジャーナリストの井上氏について、あまりご存じない方もいらっしゃるようなので、以下に、略歴や、過去の発言などについて掲載します。
略歴
滋賀県大津市出身。大津市立皇子山中学校卒業。滋賀県立膳所高校卒業。法政大学社会学部卒業。
祖父は大津市市議会議員をつとめ、地元の有力者であった。その影響からか自身も幼少の頃から地元の子供を束ね、教師とは大人の交渉をしていた。
学生時代はタレントで俳優の山城新伍のようにテレビで活躍したいと発言していた。
自衛隊・安全保障問題・近現代史に関する著書や雑誌記事が多いが、最近ではテレビ番組への出演が目立っており、『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)、『くらべる!世界なんでも勢力図』(関西テレビ/フジテレビ)などに出演している。また、日本文化チャンネル桜(スカパー!217ch)で安全保障専門番組「防人の道 今日の自衛隊」キャスターを務めている。
全国各地で講演活動を行なっているほか、航空自衛隊幹部学校講師、東北大学大学院非常勤講師も務める。発言
北朝鮮の攻撃を受けたらどうするのかという問いに対し、「話し合い」で解決すると主張する新社会党副委員長の原和美に対し、「軍事力を背後にして『言うこときかなかったらミサイルをぶち込むぞ!」というのが普通の国だが、日本では、あんたみたいな人が、"話し合い"なる"武器"をもって、「おまえら、言うこと聞かなかったら話し合うぞ!」と言っているのに等しい。そんなことでは相手にバカにされるだけだ!」とやり込めた(『たかじんのそこまで言って委員会』2008年11月30日放送)。
普天間基地移設問題に関し、辺野古への代替施設移設案が暗礁に乗り上げている現在、それなら日米共同運用を前提にした22DDH(ヘリ空母)を作って、普天間基地のヘリコプターを収容する洋上基地とする"日米友愛ボート構想"はどうかと提案した(『たかじんのそこまで言って委員会』2010年5月30日放送)。
2010年6月27日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』で、"軍事漫談家"の異名をもらう。
評論家金美齢の愛弟子。『たかじんのそこまで言って委員会』(2010年6月27日放送)で、金から「和彦!」と呼びかけられ、師弟関係が明らかとなる。
「世界の軍事ワールドカップ」のプレゼンテータとして登場した際、眞鍋かをりから、韓国が日本より強いことが意外だと疑問を投げかけられたとき、「韓国は、日本が相手だと"反日アドレナリン"が出る」と発言した(『たかじんのそこまで言って委員会』2010年6月27日放送)。さて、この井上氏、チャンネル桜にも良く顔をだしています。井上氏が韓国軍の実力に関してチャンネル桜で解説している動画があるので、以下に掲載します。
いずれにせよ、この井上氏がサピオに上記のような記事を掲載したということは、注目に値するものと思います。尖閣での中国漁船による体当たり事件が発生した直後に、私は、同方面に潜水艦を派遣すれば、中国海軍は大混乱に陥る旨を掲載したことがあります。
尖閣列島付近の海域に巡視艦を派遣したり、自衛艦を派遣したり、航空自衛隊により、パトロールするというのは、当たり前といえば当たり前です。もう一つ手があります。それは、潜水艦です。
日本の軍事力に関しては、マスコミなどが、さかんに矮小日本を喧伝してますから、兵器を含める何から何までアメリカにお世話になり、日本の軍事力など最低などと考えている方が多いと思います。
日本の潜水艦など、大東亜戦争中のものと比較すれば、小さくておもちゃのようだと思っている方々もいるでしょう。それに、原潜ではないので、航続距離も短いので、たいしたことないと・・・・・。
しかし、そんなことはありません。実は、技術大国の日本です。実はとてつもないことがるのです。そうです、スクリュー音をとてつもなく小さくすることができるのです。海の中では、ソナーなどでスクリュー音で潜水艦を発見して攻撃するのが普通です。しかし、スクリュー音が小さい、いや、それだけでなく、技術力の高い日本です、モーター音も信じられないほど小さくです。だから、水中ではまるで、日本の潜水艦はステルスのように、補足されません。尖閣列島は日本の近海ですから、守備するだけであれば、長大な航続距離も必要ありません。
これに関して、過去のココム事件など思い出していただければ、この意味がおわかりになると思います。あの頃から、日本は、潜水艦のスクリュー音を小さくする技術は世界一だったのです。
この潜水艦を尖閣に数隻派遣するのです。もし、漁船だけではなく、本格的に中国の軍艦などが領海侵犯したときには、まずは、中国の軍艦のソナーに発見されないように、そうして、攻撃などされにくいところの近海に突如浮上するのです、それから、すぐに潜行して、また、予期もしないところに、浮上してみせるのです。これでも、中国側パニックに陥るでしょう。
それでも、侵犯をやめない場合には、中国の軍艦すれすれのところに、魚雷を発射し、少し離れたところで爆発されるのです。これを数回繰り返せば、さらに、中国側はパニックを起こすことでしょう。これだけでも、中国の海洋に関する野望を永遠に断つことができるかもしれません。なぜなら、空母などはつくることができても、このような潜水艦を中国、いや、日本以外の他国には建造することはできないからです。
そうして、最期の最期には、撃沈すれば良いのです。ここまで、準備して、何回も警告して、撃沈すれば、中国はかなり非難するのは当たり前にしても、世界の他の国はどこも非難しないでしょう。
井上氏は、まさしく、上で私が想定していたようなことを念頭において、サピオの記事を書いたものと思います。このような想定は、軍事専門家の中では常識のようです。日本は、せっかくこのように優れた軍事技術を持っているわけですから、すぐにも、これを実現できるようにすべと思います。
実際に中国の艦艇対して、牽制行動をしても良いのではないでしょうか?実際に、攻撃しなくても、中国が全く探知できないように、魚雷の発射訓練をしてみたり、突然浮上してみせたりするなどのことは、すべきと思います。中国の艦隊を翻弄して、パニックにおとして、太平洋進出など人民解放軍の現在の実力からすれば、100年も早いということを知らしめるべきと思います。
しかし、日本では、軍事力に限らず、中国を過大視するという中国幻想論が幅を効かせています。中国の海軍に関しても、マスコミがさかんに不安を煽っていますが、実力は上記に述べたようなものであり、まだまだというところが真相です。
もちろん、見くびるというのもよくありませんが、あまりに過大視ばかりするのはいかがなものかと思います。特に、経済、軍事に関しては、等身大に見ていくことが、必要不可欠と思います。
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