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2016年5月2日月曜日

大地震を利用する増税派の悪質な手口を忘れるな 田中秀臣―【私の論評】課税の平準化理論すら理解できない輩には、復興予算の議論をさせるな(゚д゚)!


自民党の全国政調会長会議であいさつする谷垣幹事長。
隣は稲田政調会長=4月18日午後、東京・永田町の党本部
「熊本地震」による深刻な被害が次第に明らかになっている。しかも強い余震がこの原稿を書いている時点でも続いていて、現地の方々の精神的な不安と肉体的な疲労は募るばかりだろう。まだ救援活動も継続している中で、熊本地震に関わる経済的な側面について論説を書くことを早急すぎると思われる方々もいるかもしれない。(総合オピニオンサイト iRONNA)

 東日本大震災の翌々日には、菅直人首相(当時)と自民党の谷垣総裁(当時)との間で、災害対策としての「臨時増税」が議論されている。この協議自体はのちに復興特別税として結実し、またこのときの与野党協議を基礎にして消費増税路線が構築されていった。増税派のやり口は急速で、また時には驚くほど露骨かつ大胆に進められる。

 2011年当時、このような復興目的を利用して増税路線をまい進する政府と財務省、またそれを支援する経済学者・エコノミスト、マスコミに対して、私は経済評論家の上念司氏との共著で『震災恐慌』(宝島社)<後に『「復興増税」亡国論』として再刊>を出版するなどして猛烈な批判を展開した。

 経済学の常識からすれば、大規模災害は、復興目的の国債を発行して、なるべく災害に遭遇している現時点の国民に負担を集中的に課すのではなく、きわめて長時間(場合によれば一世紀でもいい)をかけてゆっくりと負担するのが望ましいとされている。もし災害に直面している国民にも税負担を課してしまうと、経済的な困難がさらに増してしまう。また被災地を救援する多くの国民にも経済的な余裕を失わせてしまうことで、復興事業自体が滞ってしまうだろう。

 だが、過去の阪神・淡路大震災のときもまだ復興の道半ばで、消費税増税が行われ、日本は経済危機に直面してしまった。もちろん経済的に弱まっていた阪神・淡路地域の方々の経済的困難は他に比べても深刻なものになってしまった。この教訓があるにもかかわらず、2011年当時の与野党の増税派は、大地震を口実に消費増税を推し進めたのである。

 2011年から12年にかけて復興税に反対するために、言論の場だけではなく、きわめて少数ではあったが、与野党の議員の中で復興税に反対する勢力が形成され、積極的に反対活動が行われた。その中で、自民党の取りまとめ役として活躍したのが、安倍首相であった。この復興税に反対する議員連盟の中で、いわゆるリフレ派(デフレ不況を金融政策の転換で克服しようとする経済学者・エコノミスト集団)との接点が生まれた。それがのちのアベノミクスに至る大きな道になった、と私は推測している。

 他方で、不幸なことに、復興特別税の法案は通過し、また消費税増税法案も決まってしまった。この消費増税がいまも日本経済の不調の主因であることは、本連載でも繰り返し強調してきたところである。

 では、今回の熊本地震に際しての増税派的な動きはどうだろうか?

 例えば自民党総務会メンバーは、4月19日に会合をもち、報道によれば「財政規律」や「(景気対策のための)財源のための増税」を主張する議員がいたとされている。景気対策のためには財源が必要であるとすることはいかにももっともらしいが、現時点で経済的な困難に直面している国民を救うために、一方では景気対策をし、一方では増税でさらに負担を増やす、という意味が不明の「悪しき財源論」は、日本の経済政策の中でも最もトンデモな議論といっていい。しかも前者の景気対策は短期的に終わってしまうが、後者の増税は恒久化してしまう。まさに国民の不幸につけこんだ非情なやり口である。

 また稲田朋美自民党政調会長は、「固定概念にとらわれることなく議論する必要がある」として消費税のまずは1%の引き上げを志向する発言も伝えられている。もし「固定観念」にとらわれないとしたら、いままでの大災害や景気対策での「財源」としての増税路線を転換することが、まさに「固定観念」を打破するものではないだろうか?

 他方で、与党の中では、景気の悪化や今回の熊本地震を考慮して、消費増税が困難になったという見方も強い。ただ安倍首相自身は、繰り返し消費税増税のスケジュールに変更はないことを今でも強調している。もしこれを額面通りにとれば、もちろん(地震災害と景気悪化の前では)最悪の選択となる。

 ただ消費増税をするか否かの政治的判断はまだ最終的なものではない、というのが大方の見方である。仮に現段階で、首相が消費増税の「先送り」や「凍結」を打ち出してしまうと、野党勢力はいまも公言しているが、このことを安倍政権の「口約違反」や政策のミスとして追及していくだろう。場合によっては内閣不信任案の口実とさえなりかねない。野党は(いろいろな能書きがあるようだが)表向きは消費増税に反対する態度を示しているが、政治的にみれば首相の消費増税凍結を阻止しているともいえる。参議院選挙を控える中で、首相はぎりぎりまで消費税に関する態度決定を回避することになろう。

 また首相が玉虫色な政策決定をする可能性はあるだろう。例えば消費増税と同時に、一時的な給付金や大規模な公共事業を行う政策である。しかしこのような給付金&公共事業の組み合わせは、前回の5%から8%への税率引き上げ時にも行われたが、結局は金額も過小になり、また効果も持続的なものではなかった。その証拠に、今日の景気失速の主因は2014年4月の増税開始からまったく実質消費が回復しないことである。いまは景気対策をする一方で、他方で増税するという「悪しき財源論」や「財政規律」に依存する政策から脱することが必要なのである。後者でいえば、むしろいまこそ「財政規律」を破壊すべきなのだ。国の財政はなんであるのか? それは我々国民の生活を豊かにするためだ。現時点で経済的な困難に直面している国民に対して財政的救済を行わない政府などその存在意義を疑われてしかるべきだろう。それはもちろん被災された方々の苦境を救うために必要な絶対条件ともいえるものだ。

 具体的な政策の大枠は前回のコラム「消費減税には100兆円「余剰資金」を動員するしかない!」 で書いた通りである。消費減税を中心とする財政政策がベストであり、それをサポートする金融緩和政策が必要条件になる。金融政策の決定会合は、今週27日(水)28日(木)に迫っている。例えば、長期国債の買い取りペースを拡大し、政府が震災対策として発行する新規国債を吸収して予算をバックアップするのもいいだろう。また新規発行された「財投債」、既存の地方債や社債、さらに有力候補としては外債の買い取りによって、日本銀行のバランスシートの規模を拡大させ、緩和基調の経済を生み出していく。このような金融緩和政策を前提にして、政府は「悪しき財源論」「財政規律」論を封じこめ、より積極的な財政政策を打ち出すことが、何度も繰り返すが必要であろう。

 われわれ国民ができることは、災害を利用する増税勢力をつねに監視し、警戒を強めていくことである。彼らは甘くはない。

■田中秀臣 上武大学ビジネス情報学部教授、経済学者。1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は日本経済思想史、日本経済論。主な著書に『経済論戦の読み方』(講談社現代新書)『デフレ不況 日本銀行の大罪』(朝日新聞出版)など多数。近著に『ご当地アイドルの経済学』(イースト新書)。

(総合オピニオンサイト iRONNA)

【私の論評】課税の平準化理論すら理解できない輩には、復興予算の議論をさせるな(゚д゚)!

地震などの、大規模自然災害のときに、その復興を増税で賄うなどは、古今東西どの国も実行したことはありません。ただし、これには一つだけ例外があります。それは、上の記事にも掲載されている復興税です。

日本は、失敗することがはっきりしている、政策を実行して、実際に大失敗しました。これは、現代史に残る、大きな大失敗です。そうして、この失敗に懲りることもなくまだ復興が十分とはいえない、平成14年4月からは、8%増税を実施してしまいました。

この増税は、未だデフレの影響からも抜けきっていないし、東日本大震災の復興途上にあった、日本において行われました。これによって、日本は失敗に懲りることもなく、さらに大失敗を繰り返したわけです。

さて、ブログ冒頭の田中秀臣氏の記事、全く正しくこれを特段論評するなどという必要もないです。

大地震を利用する増税派の悪質な手口に関しては、このブログでも、今年だけでも二回掲載しています。

一つ目は、元記事は高橋洋一によるものです。
増税勢力はこうして東日本大震災を「利用」した~あの非情なやり方を忘れてはいけない―【私の論評】財務省、政治家、メディアの総力を結集した悪辣ショック・ドクトリンに幻惑されるな(゚д゚)!
被災地にかがみこむ若い女性
この記事は、今年の3月14日に掲載したものです。その時は、熊本地震など発生しておらず、一月後に熊本であのような大地震がおこるとは予想だにしていませんでした。

この記事も掲載したように、経済学には課税の平準化理論というものがあり、例えば百年の一度の災害であれば、100年債を発行して、毎年100分の一ずつ負担するのが正しい政策です。これは、何も私の思いつきなどで語っているのではなく、標準的なまともなマクロ経済学のテキストには普通に掲載されている理論です。

無論、標準的なテキストに掲載されるのですから、長年にわたって研究され実証された理論です。古今東西において、この理論に関して、否定する人などいません。

否定するような人は、経済の本質がわかっていない人だけです。課税の平準化理論など、とくに経済学の理論として学ばなくても、常識のある人なら誰にでもすぐにりかいできます。大震災などの大規模な災害の復興に、震災の復興を賄うのに、増税などあてれば、震災が起きた時の世代が、震災による停滞に見舞われるなかで、将来世代が使うインフラまで整備しなければならなくなります。

これはとんでもない不公平です。であれば、その災害が100年に一度起きるような災害であれば、100年債で応分に以外に見舞われた世代と、その後将来世代も応分に負担するというのが、当たり前のことです。こんなことは、小学生でも理解できると思います。

これを理解できないお粗末な政治家がいます。さらには、これを本当は理解しているのでしょうが、省益などを優先する財務省などが、経済理論など無視して、災害を利用して、増税キャンペーンを実施したというのが実態でしょう。

この記事では、大震災・大津波・原発事故を利用して、増税を実施する悪辣なこのやり方を「悪辣なショック・ドクトリン」と形容しました。

ショック・ドクトリンを提唱したジャーナリストのナオミ・クライン
ショック・ドクトリンとは、「大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革(The Rise of Disaster Capitalism)」という意味で、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン(Naomi Klein)氏が昨年著した本のタイトルでもあります。ただし、ナオミ・クラインは、市場原理主義を主張したシカゴ学派 (経済学) のミルトン・フリードマンを批判していますが、実際にはフリードマンの考えは悪辣な政治家などが、自分たちのとんでもない政策を正当化するために、フリードマンの理論を悪用したとみるべぎです。

しかし、震災などの復興につけ込んで、復興税などを導入し、さらにその後にも増税するという二段構えの悪辣な手口は、まさにショック・ドクトリンと形容しても良いというか、悪辣さらにおいてはさらに上手と言っても良いやり口でした。だからこそ、私は復興税を「悪辣なショック・ドクトリン」と形容したのです。

もう一つは、熊本の大地震の後まもなくの、今年の4月22日に掲載したものです。
【お金は知っている】菅直人政権時の無為無策を繰り返してはいけない 増税は論外、公共投資を粛々と―【私の論評】熊本震災復興は復興税ではなく国債発行を!東日本震災復興の過ちを繰り返すな(゚д゚)!
 
この記事の元記事は、産経新聞の田村秀男氏によるもので、上のグラフも掲載されていて、東日本大震災と阪神淡路大震災を比較していました。このグラフをみても、わかるように、阪神淡路大震災のときには、公共投資が速やかに行われ、GDPの回復も速やかであったことがわかります。このときの復興は無論のこと、復興税ではなく、国債によって賄われています。これに比較して、復興税により賄われた、東日本大震災では、公共投資が速やかには行われておらず、GDPも上昇していないことがわかります。

これは、為政者の能力がどうのこうのというより、やはり、復興税が大失敗であったことを物語っています。

そうして、この記事の私の論評は、以下のように締めくくりました。
以上のようなことから、今回の熊本震災による復興は復興税ではなく国債によるべきであり、東日本震災復興の過ちを繰り返すべきではありません。 
今後の政治課題は、10%増税は見送りは当然のこととして、熊本震災復興そうして、未だ停滞している東日本大震災復興にも、国債を用いて十分な財源を確保して、一日も早く復興を成し遂げることです。
この結論、ブログ冒頭の田中秀臣氏の記事を読んで、ますます確信をもてようになりました。

熊本の震災復興に復興税を用いたり、それだけではなくさらに来年4月に10%増税してしまえば、日本経済はまたまた落ち込み、とんでもないことになります。

そんなバカ真似は断じてさせるべきではありません。復興は、国債ではなく、復興税でと考えるような政治家は、そもそも物事の基本的な仕組みがわかっておらず、本来は政治家などになべきではありませんでした。そうはいっても、選挙で候補者から選ばれているわけですから、すぐに政治家をくびにするというわけにもいきません。

しかし、経済に関して、課税の平準化理論すら理解できない政治家には、復興予算の議論をさせるべきではありません。彼らの存在が、足を引っ張り、議論を混乱させ、いたずらに危機を煽るだけになります。

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2016年3月14日月曜日

増税勢力はこうして東日本大震災を「利用」した~あの非情なやり方を忘れてはいけない―【私の論評】財務省、政治家、メディアの総力を結集した悪辣ショック・ドクトリンに幻惑されるな(゚д゚)!

増税勢力はこうして東日本大震災を「利用」した~あの非情なやり方を忘れてはいけない
増税勢力は、震災後すぐ稼働した

東日本大震災から5年がたった。3月11日のテレビではこれまでの5年を振り返った放送が多かった。

大震災の状況は大いに気になったが、その過程で、当時の菅政権が野党の自民党・谷垣禎一総裁と組んで「復興増税を企んでいる」という情報が入ってきた。

これは経済学を学んだ人なら、すぐ間違いとわかる政策だ。課税の平準化理論というものがあり、例えば百年の一度の災害であれば、100年債を発行して、毎年100分の一ずつ負担するのが正しい政策である。その当時、大震災という重大事に何を考えているのかと大いに憤った記憶がある。

そこで大震災直後、2011年3月14日付けの本コラムで「「震災増税」ではなく、「寄付金税額控除」、「復興国債の日銀直接引受」で本当の被災地復興支援を 菅・谷垣『臨時増税』検討に異議あり」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2254)を書いた。

このときの増税勢力は勢いがよかった。大震災で、多くの人が被災者を助けたいという「善意」を悪用して、復興増税は結果として行われた。

経済学者も情けなかった。そのとき、経済セオリーを主張する者はほとんどおらず、逆にセオリー無視の復興増税を推進した人たちのリスト http://www3.grips.ac.jp/~t-ito/j_fukkou2011_list.htm)は以下の通りだ。

「震災復興にむけて」
共同提言者・賛同者(2011年6月15日10:00現在)(敬称略)

伊藤 隆敏 (東京大学)
伊藤 元重 (東京大学)
浦田 秀次郎 (早稲田大学)
大竹 文雄 (大阪大学) 
齊藤 誠 (一橋大学)
塩路 悦朗 (一橋大学) コメント土居 丈朗 (慶応義塾大学)
樋口 美雄 (慶応義塾大学)
深尾 光洋 (慶応義塾大学)
八代 尚宏 (国際基督教大学)
吉川 洋 (東京大学)

(★印のついた方は「第3提言の賛成は留保」)
青木 浩介 (東京大学)
青木 玲子 (一橋大学)★ コメント赤林 英夫 (慶應義塾大学)
安藤 光代 (慶應義塾大学)
井伊 雅子 (一橋大学)
飯塚 敏晃 (東京大学)
池尾 和人 (慶應義塾大学)
生藤 昌子 (大阪大学) コメント石川 城太 (一橋大学)
市村 英彦 (東京大学)★ コメント伊藤 恵子 (専修大学)
岩井 克人 (国際基督教大学)
祝迫 得夫 (一橋大学)
岩壷 健太郎 (神戸大学)
宇南山 卓 (神戸大学)
大来 洋一 (政策研究大学院大学) コメント大野 泉 (政策研究大学院大学) コメント大橋 和彦 (一橋大学) コメント大橋 弘 (東京大学) コメント岡崎 哲二 (東京大学) コメント小川 英治 (一橋大学)
小川 一夫 (大阪大学)
小川 直宏 (日本大学)
翁 邦雄 (京都大学)★ コメント翁 百合 (日本総合研究所)
奥平 寛子 (岡山大学)
奥野 正寛 (流通経済大学)
小塩 隆士 (一橋大学)
小幡 績 (慶應義塾大学)
嘉治 佐保子 (慶應義塾大学) コメント勝 悦子 (明治大学) コメント金本 良嗣 (政策研究大学院大学)
川口 大司 (一橋大学) コメント川﨑 健太郎 (東洋大学) コメント川西 諭 (上智大学) コメント北村 行伸 (一橋大学)
木村 福成 (慶應義塾大学)
清田 耕造 (横浜国立大学)
清滝 信宏 (プリンストン大学)
國枝 繁樹 (一橋大学)
久原 正治 (九州大学)
グレーヴァ 香子 (慶應義塾大学) コメント黒崎 卓 (一橋大学)
黒田 祥子 (早稲田大学)
玄田 有史 (東京大学)
鯉渕 賢 (中央大学)
小林 慶一郎 (一橋大学) コメント小峰 隆夫 (法政大学)
近藤 春生 (西南学院大学)
西條 辰義 (大阪大学) コメント櫻川 幸恵 (跡見学園女子大学)
櫻川 昌哉 (慶應義塾大学) コメント佐々木 百合 (明治学院大学) コメント佐藤 清隆 (横浜国立大学)
佐藤 泰裕 (大阪大学)
澤田 康幸 (東京大学)
清水 順子 (専修大学) コメント新海 尚子 (名古屋大学) コメント鈴村 興太郎 (早稲田大学 / ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ) コメント清家 篤 (慶應義塾大学)
瀬古 美喜 (慶應義塾大学)
高木 信二 (大阪大学)
高山 憲之 (一橋大学)
武田 史子 (東京大学)
田近 栄治 (一橋大学) コメント田渕 隆俊 (東京大学)
田村 晶子 (法政大学)
田谷 禎三 (立教大学)
中条 潮 (慶應義塾大学) コメント筒井 義郎 (大阪大学)
常木 淳 (大阪大学)
釣 雅雄 (岡山大学)
中田 大悟 (経済産業研究所)
中村 洋 (慶應義塾大学) コメント長倉 大輔 (慶應義塾大学)
畠田 敬 神戸大学
林 文夫 (一橋大学)
原田 喜美枝 (中央大学)
深川 由起子 (早稲田大学) コメント福田 慎一 (東京大学)★
藤井 眞理子 (東京大学)
藤田 昌久 (経済産業研究所)
星 岳雄 (UCSD)
細田 衛士 (慶應義塾大学)
細野 薫 (学習院大学) コメント堀 宣昭 (九州大学)
本多 佑三 (関西大学) コメント本間 正義 (東京大学)
前原 康宏 (一橋大学)
松井 彰彦 (東京大学)★
三浦 功 (九州大学)
三重野 文晴 (神戸大学)
三野 和雄 (京都大学)
森棟 公夫 (椙山女学園)★ コメント柳川 範之 (東京大学)
藪 友良 (慶應義塾大学)
山上 秀文 (近畿大学) コメント家森 信善 (名古屋大学)
吉野 直行 (慶應義塾大学)
若杉 隆平 (京都大学)
和田 賢治 (慶應義塾大学)
渡辺 智之 (一橋大学)

以 上
増税派の責任は重い

大震災直後の増税勢力は、1ヶ月後の4月14日、復興会議の五百旗頭真(いおきべまこと)議長の挨拶のなかに「増税」を盛り込ませている(2011年4月18日付け本コラム「あらためていう。「震災増税」で日本は二度死ぬ 本当の国民負担は増税ではない」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2463)。

5年たった現在、そのことがどう評価されているのか。今年3月12日に放映されたNHKスペシャル『“26兆円” 復興はどこまで進んだか』は興味深かった(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160312)。インタビューに応じた五百旗頭氏が、開口一番「復興増税がよかった」といったのだ。これにはかなり驚いた。

政府としては復興予算を確保すればいいので、その財源を一時的な税にするか国債発行で長期的な税にするかは、財務省が気にする話でしかない。一時的な税で賄おうとすれば、当面の復興予算が少なくなる可能性がある。復興会議は人々の不安をぬぐうような復興予算を確保するのが仕事なのに、財務省の走狗のような増税に荷担した責任は重い。

こうした「常識」は、数少ない識者の間では共有されていた。特に、筆者の近くにいた故・加藤寛先生は明確に意識していた。加藤先生は実は岩手県出身である。その関係で、大震災後、復興構想会議のメンバーになってほしい、という打診があったという。しかし会議の目的が「増税のため」と知った加藤先生は、「復興のための増税など絶対に賛成できない」と断った、と筆者に語ってくれた。

この復興増税は、震災復興をホップとして、次の消費増税をステップ、さらなる消費増税をジャンプとして、大増税を画策していた。これについては、2011年6月20日付け本コラム「「復興」「社会保障」「財政再建」の三段階増税を許すな 新聞が報じない増税反対に集まった 超党派議員211人」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/9228)を参照してもらいたい。

このとき、この増税に反対した211人の中で、自民党で「増税によらない復興財源を求める会」会長をしていたのが、今の安倍首相である。先の8%から10%への消費増税を見送った背景には、こうした野党時代の活動もあるわけだ。

増税勢力は、今のところホップは成し遂げたが、ステップの途中段階で止まっている。もし民主党政権が続いていたら、今頃ステップ段階に突入し、日本経済は大変なことになっただろう。

復興が進まない理由

先のNHKスペシャル『“26兆円” 復興はどこまで進んだか』を見て、興味深かったのは、いろいろな地域でそれぞれ工夫をして復興を進めているが、そのやり方の差が大きいことだった。例えば、高台移転を進めるにしても、大規模増税で大型予算を組んで進めるよりも、土地利用をうまくやって、安く早くできた地域もあった。

これを見て思ったのが、国が主導するのは資金集めだけで十分であり、その執行は地方任せにした方がいいということだ。

筆者は、2011年3月28日付け本コラムで「財務省主導の「復旧」ではダメ!「復興」は新設する「東北州」に任せ、 福島に国会と霞ヶ関を移転せよ 円高に苦しんだ阪神大震災の過ちを繰り返すな」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2330)を書いた。

被災した3県(岩手県、宮城県、福島県)が集まれば、「道州制」ができるという道州特区法(道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律)を活用して、復興を進めるというアイディアだ。

残念ながら、民主党政権は地方分権の考え方がなく、代わりに中央集権の象徴といえる復興庁が作られた。中央主導の復興が予定通り進んでいないのは、NHKスペシャルを見てもわかる。

また、復興庁のホームページでも確認できる。復興施策の工程表(2015年7月作成)があり、公共インフラのところをみると、①海岸対策、②河川対策、③水道施設、④下水道対策、⑤交通網(道路、鉄道、空港、港湾)、⑥農地・農業用施設、⑦海岸防災林の再生、⑧漁港・漁場・養殖施設・定置網、⑨復興住宅(災害公営住宅等)、⑩復興まちづくり、⑪土砂災害対策、⑫地盤沈下・液状化対策、⑬災害廃棄物の処理、⑭都市公園の各項目について、現状と今後の予定が書かれている。

その中で、「完了」とされているものは少ない。⑤交通網のうち高速道路、仙台空港、八戸港、久慈港、茨城港、鹿島港、木更津港、千葉港、⑩復興まちづくりのうち、医療施設、公立社会教育施設にみられるだけだ。

ほとんどの項目は、2018年度以降に完了とされている。ほぼすべての項目の完了年度が同じであることはかえって不自然であり、あくまで「目標」であることを示唆している。

『報ステ』にはまたガッカリ

最後に、3月11日の『報道ステーション』はまたやらかした。学者のいう「福島の甲状腺がんの発生は、原発事故前の日本全体に比べて事故後は20~50倍」と報じて、「甲状腺がんと原発事故 専門家で割れる関連性」という見出しを付けながらも、甲状腺がんが原発事故で多発したというイメージを植え付けている。

この問題は、かなりはっきりしている。ごくわずか(おそらく1名)の学者が「原発事故で甲状腺がんの発生が多くなった」といっているだけで、その学者の論文には不適切な統計処理があることも指摘されている。

きちんとした取材をしたマスコミであれば、甲状腺がんが福島で多くなっていることについて、原発事故が影響しているという「被曝影響説」をとっている人はほぼ一人で、残りの学者は過剰診断説である、と分かるはずだ。

過剰診断説とは、他の地域では「何か症状が出ている人」が診察を受けて、その結果ガンの割合がでてくるが、福島県の場合すべての人を対象に診察するため、ガンの割合が高めにでる、ということだ。他の地域で、福島県と同様な方法で調査したら、福島県よりも数値が高かったというデータもある。

マスコミは、二つの意見があるときに公平に扱うべきということを逆手にとって、甲状腺ガンについて「被曝影響説」にバイアスをかけている報道している。何が原因かはっきりしないときであれば、こうした両論を平等に扱うのはかまわないが、5年間のデータが蓄積していると、こうした形式的平等主義は妥当とはいえない。

そういえば、増税については、それが経済を痛めつけることになるのはデータから明らかであるが、この点もマスコミには「増税が必要」とのバイアスが残っているためか、増税礼賛記事が多い。勝手な思い込みでの報道は社会に有害である。


【追記】おかげさまで2月に発売された私の本の重版が決まった。この場を借りて御礼申し上げたい。 高橋洋一

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【私の論評】財務省、政治家、メディアの総力を結集した悪辣ショック・ドクトリンに幻惑されるな(゚д゚)!

大震災の復興を増税で賄うなど、まともな国家では絶対にやらない、禁忌ともいうべき政策です。近代以降、震災や自然災害の復興のため、増税した国など、東日本大震災の復興における日本だけです。復興税制はそれほど異常なことです。通常は建設国債などで賄うものです。

これは、いわゆるショック・ドクトリンとも呼ぶべき、とんでもない蛮行としか言いようがありません。

ショック・ドクトリンとは、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインが2007年に著した書籍です。マイケル・ウィンターボトムによって2009年にドキュメンタリー映画化されました。

ナオミ・クライン
クラインは、2007年9月に The Shock Doctrine: the Rise of Disaster Capitalism ; Metropolitan Books, 2007, ISBN 0805079831 を出版。同書は三十数か国語に翻訳され、日本語版は2011年9月に刊行されました。

彼女は、ケインズ主義に反対して「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べるなど徹底した市場原理主義を主張したシカゴ学派 (経済学) のミルトン・フリードマンを批判、こうした主張を「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなしている。そして、近年の悪名高い人権侵害は、反民主主義的な体制による残虐行為と見るばかりでなく、民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画され、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきた側面に注目すべきと説く。

「ショック・ドクトリン」の最初の応用例は、1973年の軍事クーデターによるアウグスト・ピノチェト政権下のチリであるとしています。シカゴ学派は投資家の利益を代弁、「大きな政府」や「福祉国家」をさかんに攻撃し、国家の役割は警察と契約強制のみであるべきで、他はすべて民営化し市場の決定に委ねよと説いていましたが、そのような政策は有権者の大多数から拒絶され自国で推進することができず、独裁体制下のチリで実行に移されたと述べています。


チリでは無実の一般市民の逮捕・拷問・処刑が相次ぐばかりでなく、「惨事便乗型資本主義」がはびこって、「小さな政府」主義が金科玉条となり、公共部門の民営化、福祉・医療・教育などの社会的支出の削減が断行され、多くの国民が窮地に追い込まれました。

以後、天安門事件(1989年)、ソ連崩壊(1991年)、アメリカ同時多発テロ事件(2001年)、イラク戦争(2003年)、スマトラ島沖地震 (2004年)による津波被害、ハリケーン・カトリーナ(2005年)といった、政変・戦争・災害などの危機的状態を挙げ、「惨事便乗型資本主義」(「惨事活用資本主義」、「災害資本主義」、「火事場泥棒資本主義」)はこれにつけこんで、人々がショック状態や茫然自失状態から自分を取り戻し社会・生活を復興させる前に、過激なまでの市場原理主義を導入し、経済改革や利益追求に猛進してきた、といいます。

ミルトン・フリードマン
この書籍は、当時一世を風靡して、一時日本でも多くの人々がミルトン・フリードマン氏を悪者のように思っていました。この書籍を読んだり、他の書籍などを読んだ結果、私もなんとなくそのような感想を持っていました。

しかしながら、フリードマン氏の考えを、その後きちんと学ぶ機会にめぐまたことがあり、ナオミ・クライン氏のフリードマン氏に対する見方は、極端にすぎることが理解できました。

フリードマン氏に関する、正当な評価を知りたい方は、是非とも以下の動画を御覧ください。ちなみにこの動画のシリーズ、マクロ経済に関して、てつとり早く知りたいと思っている方々にはうってつけです。平易にわかりやすく説明しています。



しかしながら、政変・戦争・災害などの危機的状態を挙げ、「惨事便乗型資本主義」(「惨事活用資本主義」、「災害資本主義」、「火事場泥棒資本主義」)はこれにつけこんで、人々がショック状態や茫然自失状態から自分を取り戻し社会・生活を復興させる前に、過激なまでの市場原理主義を導入し、経済改革や利益追求に猛進してきたという下りは、まさに、東日本大震災につけこんで、復興税制というとんでもない制度を導入してしまったこととダブります。

いかに、日本の増税派の力が強よかったにしても、復興税制などのとんでもない、制度を導入するには、それこそショック・ドクトリンのように、このような災厄がなければ、とてもできなかったことでしょう。本当にとんでもない連中です。

財務省と、その走狗に成り果てた、ブログ冒頭の記事のリストに掲載されている経済学者の連中が、普段ではとても通用しない理論で、政治家、マスコミをたぶらかして、まるで火事場泥棒のように無理やり復興増税制を導入してしまったのです。以下に当時の復興税の内容をまとめたチャートを掲載しておきます。


上の動画をご覧いただければ、よくご理解いただけると思いますが、フリードマン氏は決して悪人ではないですが、この復興税制を導入を推進した、財務省やその走狗の経済学者どもは、はっきりと悪人と言って良いです。これらに、騙された与野党政治家もまともではないですし、マスコミもはっきりいって愚鈍です。

この時に「増税反対に集まった 超党派議員211人」はまともです。そうして、このとき、この増税に反対した211人の中で、自民党で「増税によらない復興財源を求める会」会長をしていたのが、今の安倍首相ということで、やはり、安倍総理は当時からまともだったということです。

財務省やそれらの走狗となった経済学者どもは、増税の理由を社会保障と税の一体改革とか、財政赤字の解消などとしていますが、それは表向きであり、その本当の理由は財務省の省益のためです。まずは、財務省の税金の配賦の権限を強くするためですが、さらになんのためにそれをするかといえば、財務高級官僚のハッピー・リタイヤメント等のためです。

ハッピー・リタイアメント (幻冬舎文庫)


こんなもののために、復興税制など導入されてはたまったものではありません。こんなことですから、財務省主導による復興などうまく行くはずがありません。国は金の工面をして、復興は地元に任せるのが一番です。無論、資金の遣い方など、監査するのは国が実施すべきかとは思いますが、政府が直接復興を手掛けるとなると、うまくできるはずもありません。

それに、このようなからくりにも気付かず、古今東西に見ない、摩訶不思議、奇妙奇天烈な復興税制を批判することもしないマスコミも、本当に程度が低いというか、愚鈍極まりないです。

こんな復興税制を無理やり導入した、増税勢力はその後も、勢いを増し、どう考えてもデフレから完全に脱却していなかった、平成14年の4月から、8%増税を導入してしまいました。これには、財務省やブログ冒頭のリストに掲載されている経済学者、新聞なども加担して、日本経済に与える影響は軽微であること、増税しなければとてつもない事態に追い込まれるなどの理由を並べ立て、強力な増税キャンペーンを展開しました。

特に2013年の新聞報道には、ひどいものがありました。2013年の9月には、大手新聞がこぞって、安倍首相は増税を決断したと報じました。報道に間違いがなければ、安倍首相は11日から20日にかけて、少なくとも4度(11日、12日、18日、20日)にわたり「決断」を繰り返したことになります。

しかし、総理は、10月1日の発表の前までは、自らの肉声で「決断」の意思を表示したわけではありません。仮に会見等の場で表明していれば「~を表明した」と報じられるし、一部の関係者に伝達していれば「決断したことを~に伝えた」と報じられるのが普通です。しかし、昨年はどのメディアも「表明」「伝達」いずれの事実も報じておらず、「意向を固めた」「決断した」といった表現で報じていました。

 安倍総理は2013年10月1日に8%増税の決断を公表したが、新聞報道が正しいとすれば、安倍総理は
9月11日から20日かけて少なくとも4度にわたり「増税の決断」を繰り返したことになる


それと、テレビも、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏が、「報ステ」を批判しているようにとんでもない報道を繰り返していました。このような報道ぶり、とんでもないことです。このブログでは、以前福島の高校生たちが、独自の調査をして、福島県内の被ばく量は、「国内外と差はない」と結論づけていました。そうして、このレポートが、英学術誌に論文として掲載される運びになったことを掲載しました。

メディアは報道するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行えと言いたいです。

マスコミが、まともな報道をせずに、とんでもない報道を繰り返せば、多くの人々が幻惑され、間違った観念を持ったり、間違った道を選択してしまいます。

これらも、今から考えると、これらは、ことごとくショツクドクトリンのようなものと思います。ジャーナリストのナオミ・クラインは、この状況を「ショック・ドクトリン再び」というような書籍にでもまとめると良いと思います。


これは、ジャーナリストとしては、格好の素晴らしい材料だと思います。今度は、ミルトン・フリードマンを悪者にしたてるというようなことはやめ、日本のような国でも、まともな経済理論のまるで反対の復興税制など導入し、その後も8%増税などという愚かな政策が導入されたことを書籍にまとめるべきです。

日本では、TPPをショック・ドクトリンとみなす人もいますが、そんなことはないと思います。私自身は、ショック・ドクトリンのようなことは実際にこの世の中に存在するとは思いますが、ミルトン・フリードマンらを悪者に仕立てるのは間違いだと思います。フリードマン氏の理論は悪者たちに、悪用されたということです。

誰が、悪者かといえば、それは無論、日本の増税勢力のような連中です。震災などを機に、とんでもない経済政策を導入するような連中こそ悪人です。自分たちの考えを通すために、無理やりに様々な経済理論を逆手に利用するような連中こそ大悪人です。


そうして、その書籍には、最近の中国の南シナ海での、暴虐ぶりにより、現状変更を試みる中国に関しても、ショック・ドクトリンとして取り上げるべきと思います。そのほかにも、災厄や戦争などを背景に現状変更を実行したりしようとする、日本の財務省、経済学者、メディアの仲間は世界中に多く存在すると思います。

このような財務省をはじめとする多くの官僚や、政治家、マスコミによる苛烈なショック・ドクトリンに8%増税では負けてしまった安倍総理も、15年秋の10%増税ではさすがに、その手には乗らず、衆院を解散して、10%増税見送りも公約として総選挙に打って出ました。そうして、選挙に大勝利して、増税は見送られました。

そうして、来年4月からの、10%増税に関しては、安倍総理は周到な準備をして、見送りをするようです。それに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。以下の【関連記事】の項目に加えておきますので、まだご存知のない方はぜひご覧になってください。

今後安倍総理は無論のこと、私達も、悪辣ショック・ドクトリンになど幻惑されないように、物事を正しく理解していくべきものと思います。特に、重要なことに関しては、識者、マスコミ、政治家、官僚の語っていることを鵜呑みにせずに、自分の頭で考えて、結論を出すべきものと思います。特に、不安を煽る連中のほとんどは、裏に魂胆があり、それこそ、ショック・ドクトリンのように、恐怖を与えて、自分の思う方向に操作しようとしているかもしれないと疑うべきです。

【関連記事】

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