- 岸田首相が改憲派集会へのビデオメッセージで改憲への意欲を示し、国会発議の重要性を強調
- 加藤事務総長が改憲原案作成を提唱、国会機能維持が中心
- 櫻井氏が岸田首相しか憲法改正できないと評価
岸田首相のビデオメッセージが流れた集会 |
- 櫻井よしこ氏は保守派で、岸田政権を批判しつつも憲法改正については支持している。
- 現行憲法には自衛隊の根拠が曖昧など様々な問題点が指摘されている。
- 保守派としては憲法の欠陥を長年の懸案として改正を切望し、岸田首相の改憲への意欲を評価できる。
- 一方で政権運営については批判があり、保守本流は是々非々の姿勢が必要とされる。櫻井氏の過去の間違いへの謙虚な態度は保守派として評価できる。
- 保守主義とは、既存の基盤を土台に現実的な問題解決を図り、過激な改革を排する考え方。愛国心を旨とし、原理原則と現実路線のバランスが重視される。
櫻井よしこ氏 |
憲法は国家の根本規範であり、現行憲法には様々な問題点が指摘されています。自衛隊の存在根拠が曖昧なこと、緊急事態への対応力が不十分であることなどが主な課題とされています。
保守層からすれば、こうした憲法の欠陥は長年の懸案であり、改正は切実な願いです。したがって、岸田首相が改憲に意欲を示し、具体的に自衛隊明記や緊急事態条項の新設を掲げたことは、待ち望んだ動きと捉えられるでしょう。
一方で、政権運営については様々な失政や対応の遅れがあり、保守層からも批判の声が上がっています。しかし、憲法改正という国是に関しては、保守層が一致団結して首相を支持するのは自然な成り行きです。
憲法改正という最重要課題においては、保守陣営が結束し、岸田首相の取り組みを全面的に支持することが、保守本流の立場から見れば当然の対応と言えます。
櫻井よしこ氏は、野田政権の時に野田政権の消費税増税政策に賛同する発言をしていましたる。この発言には、保守派からかなり批判されました。私もこのブログで批判しました。
野田首相 |
ご存知のように、消費税は野田政権のときに三党合意がなされ、後の安倍政権の時代に、二度延期されたものの、結局二度わたりこの合意に基づき8%にその後10%に消費税率が引き上げられました。これに関しては、アベノミックスを提唱していた、安倍首相は忸怩たる思いだったでしょう。
この二度の増税により、消費は落ち込み、デフレからの完全脱却は後退し、増税は明らかに間違いだったことが、誰の目にもあきらかになっています。
後年になって、櫻井よしこ氏はあるネット番組で、野田政権の経済政策に賛成したことに対して反省の意味もこめて「私馬鹿だから○○」と語っていました。残念ながら、この番組が何だったのか、いつだったのかまでは詳しく覚えていません。○○の部分もはっきりとは覚えていません。しかし、「馬鹿」という言葉はかなり強烈だったので、今でも記憶に焼き付いています。
しかし、こうした桜井氏の態度は見習うべき点があると思います。人間だれでも間違うことはありますし、間違った場合は素直に謝れば良いと思います。
また、先に述べたように、岸田政権を批判しつつも、岸田首相の憲法改正に関しての発言などは支持すべきことに対しては、評価しています。
これが、保守のあり方であると思います。岸田首相のいくつかの政策が気に食わないから、岸田首相なり岸田政権を全否定するというのは、間違いです。
良くも悪くも当面は、岸田政権が続くのですから、櫻井氏のように是々非々で批判すべきは批判し、評価すべきは評価すべきでしょう。
岸田政権のいくつかの政策や自民党派閥の政治資金不記載等に絶対反対だから、岸田首相や岸田政権を全否定するという考え方になりこれをつきつめていいけば、いきつく先は全体主義や独裁主義になってしまいます。
政治資金不記載については、許すことはできないですが、これをリクルート事件、ロッキード事件、金丸事件などと同じような不正と同列に扱うには無理があります。
それよりも、過去に与野党ともに、政治資金規正法を改正せず、放置してきたのが原因であり、このようなザル法では、今回のような事件が起こるのは目に見えていました。だからこそ、地検ですらも立件できなかったのです。
いずれの政権であれ、民主的な手続きで登場した政権や首相の政策や発言、行動を何から何まで全否定するというのでは、これはもはや民主的とはいえません。
これでは、倒閣が自分の使命であるように考えている一部の野党議員や、左翼リベラル系市民活動家と変わりありません。主張内容が異なるだけで、根は同じということになりかねません。
保守の本流は、愛国心を旨とし、国家と国民の安全を最優先に考えます。現行憲法の問題点を直視し、時代に合わせた改正を求めるのは当然の成り行きです。岸田首相が自衛隊明記と緊急事態条項の新設に意欲を示したことは、待ちに待った一歩と言えるでしょう。
同時に、保守は盲目的な追従を許しません。政権運営の失策は厳しく批判し、是々非々の精神を重んじます。櫻井よしこ氏の姿勢は手本となります。間違いは素直に認め、良しあしを冷静に判断しています。
このように、保守の旗手たるものは、原理原則を守りつつ、現実路線を歩む賢明さが求められます。岸田首相を支持すべきは支持し、批判すべきは批判する。このバランス感覚こそが、真の保守の気概なのです。
ドラッカー氏 |
経営学の大家ドラッカー氏は「保守主義」に関して以下のように述べています。
保守主義とは、明日のために、すでに存在するものを基盤とし、すでに知られている方法を使い、自由で機能する社会をもつための必要条件に反しないかたちで具体的な問題を解決していくという原理である。これ以外の原理では、すべて目を覆う結果をもたらすこと必定である。(ドラッカー名著集(10)『産業人の未来』)
保守主義とは、個々の特定のいくつかの政策を支持しているとか、保守派といわれる人々やその発言や行動を支持することや、昔がよいとして昔を懐かしみ、昔に戻せという思想でもなく、現実を無視した過激な改革をすすめることでもないのです。日本の言葉で言えば、中庸というのがぴったりくるかもしれません。
ドラッカーのいう保守主義の原理をなかなか受け入れない人もいるかもしれません。これは体操競技であれば、一切ウルトラCはするなというのに等しいです。ウルトラCをすべて禁じれば、体操競技が発展しないのと同じく社会が発達しないのではないかと疑問を持つ人がいるかもしれません。
確かに体操競技はそうかもしれません。しかし、政府のウルトラCはかなり危険なことです。それによって影響をうけるのは、国民全体だからです。
しかし、すでに存在するものだけを基盤とし、すでに知られている方法をだけ使っても、社会は進歩させることはできます。それは、日本政府以外の多くの営利・非営利の組織や団体が、技術革新や組織変革なども含めた様々な分野でイノベーションと呼ばれるウルトラCを行っており、それで確実に何度も成功し続けた事例など政府も取り入れることができるからです。
政府以外の組織は、むしろ時代に先駆けてイノベーションすることが奨励されていますし、そうしなけば、淘汰される場合もあります。これは、参考になります。
国民が大きな影響を受ける政策などは、かなり慎重なやり方をしない限り、大混乱を招くとドラッカー氏は警告していますし、慎重なやり方をするのが保守の本流としているのです。
国難に立ち向かう覚悟を持ちつつも、寛容な心と謙虚な振る舞いを忘れるべきではありません。保守派の人々が手を携えてこの理想を体現することが、国家百年の礎となることでしょう。保守派の人々は、この歴史的使命を胸に刻み、しっかりと足を踏み出すべきです。
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