まとめ
- バイデン大統領は、移民受け入れに消極的な国として、中国、ロシアに加え同盟国の日本も挙げ、経済的行き詰まりの一因と批判した。
- この日本に対する批判的発言は、日米同盟関係に亀裂を生じさせるリスクがある。
バイデン米大統領は、選挙資金集めイベントでのスピーチで、移民受け入れに消極的な国のリストに中国やロシアに加え、同盟国の日本も含めた。経済発展には移民の受け入れが重要だと指摘し、中国、日本、ロシアなどの国が排外主義的で移民を望んでいないことが、経済的に問題を抱える一因だと非難した。
この米同盟国日本に対する批判的発言は、日本政府の反発を招く可能性がある。先月、日米は中国への対抗で防衛協力を強化することで一致していただけに、同盟関係に亀裂が生じるリスクがある。
【私の論評】バイデンの混乱と矛盾に満ちた移民政策、日本はこれに翻弄されるな
まとめ
- 安倍晋三氏の保守主義は、国益の守護と伝統文化の継承を重視していた。
- バイデン政権の移民政策は、無秩序な国境開放と法の無視により混乱を招いている。
- 日本もバイデン政権の影響下にあり、外国人労働者受け入れの圧力が増している。
- トランプ前政権の移民政策は、主権国家としての権益を重視しており、その方針の継続が日本にも好影響をもたらす可能性がある。
- 日本の保守層は、安倍氏の遺産を引き継ぎ、国の未来のために力を合わせて行動すべきだ。
安倍氏は、無秩序な外国人労働者の受け入れが国家に及ぼす深刻な弊害を熟知し、日本の固有の風土と価値観を守ろうと力を尽くされました。国の繁栄は国民の結束と文化の統一にこそ由来する、この保守主義の普遍的真理を体現された方です。
一方、残念ながらバイデン政権の対応は、移民・外国人労働者問題においてまったく的をはずすものとなっています。無秩序な国境開放、違法移民への包括的な赦免、法の無視など、同政権が取った一連の施策は、外国人の流入を加速させ、米国の主権と国民性を傷つける結果を招いてしまいました。
この無謀な政策の悪影響は、私たちの祖国・日本にも及びつつあります。バイデン政権を支える進歩主義勢力が、グローバリズムの理念を押し付け、各国家の自主性を掘り崩そうとしているのです。
実際、近年における日本の移民政策の緩和の動きには、このような勢力による圧力の影が見て取れます。「労働力確保が成長への鍵」といった経済論理を口実に、外国人労働者受け入れ促進の機運が高まり、就労ビザ要件の実質的緩和につながっています。
このバイデン政権とグローバリスト勢力による圧力に、私たち保守層は敏感でなくてはなりません。そして、安倍氏が体現された先見の明と愛国心に習い、日本の伝統と独自性を守り抜く覚悟が求められているのです。
もとより、国によって事情は異なり、日本の対応が我が国の最善の利益に資するべきことは言うまでもありません。しかし、外国人労働者受け入れをめぐるグローバリストの圧力に惑わされず、主権国家としての矜持と自信を持ち続けることが何より重要です。
トランプ前政権の移民政策は、望ましい方向性を示していました。違法移民流入の厳格な規制、合法移民の優先、アメリカ人労働者の保護など、その政策の本質は「アメリカ第一主義」に他なりません。こうした姿勢は、主権国家として当然の権益重視の立場から生まれたものです。そして、こうした施策は他国にも大きな影響を及ぼしました。
仮にこのトランプ政権の路線が継続されていれば、グローバリストの力は後退し、日本をはじめとする各国が自主的に移民政策を決定できる環境が整ったことでしょう。
しかし、それでもなお、バイデン政権の影響力が及ぼそうとしている保守勢力への圧力に対し、私たちは冷静に対処し、日本の独自性を貫く必要があります。強靭なリーダーシップと国民の覚悟があれば、この試練は乗り越えられるはずです。
ここで、バイデン政権の具体的な移民政策の失敗を、数値エビデンスを交えつつ改めて確認しておきましょう。
同政権下の2022会計年度には、過去最多の210万人を超す不法移民がメキシコ国境で拘束されています。つまり日々5,800人以上が違法に国境を越えていたことになります。この記録的な流入に対し、バイデン政権は国境警備隊の人員と資源を大幅に追加投入せざるを得ませんでした。
一方で、緊急避難的な送還措置「Title 42」を濫用した結果、同年度の正規の庇護認定審査は大幅に制限を余儀なくされました。その結果、庇護認定率は約36%に低迷し、過去10年で最低の水準となってしまいました。
さらに矛盾したことに、不法移民に対する一時的な許認可措置の検討を重ねる一方で、2022年3月には新規制により、合法的な移民が親族を呼び寄せる際の所得要件を大幅に引き上げるといった規制強化の動きもありました。
バイデン政権は国境への兵力配備も大規模に行いましたが、不法移民に対する人道的な処遇を期待する声はあまり高くありませんでした。保護施設の過密状態が深刻化するなど、受け入れ体制の不備も露呈しています。
加えて、出身国によって取り扱いを大きく変えるなど、移民に対する差別的な面も否めません。ベネズエラ、キューバ、ニカラグア、ハイチ出身者に対しては即時強制送還の可能性が高い一方、ウクライナ人に対しては受け入れを優遇するなど、一貫性を欠いた運用となっていました。
このように、国境での取り締まり強化と庇護審査の制限、一時的な不法移民の許認可検討と合法移民規制の両輪で、バイデン政権の移民政策は著しく矛盾したものとなっていました。流入抑制と受け入れ促進の相反する施策が同時に打ち出され、一貫性を欠いた混沌とした状況に陥っていたのです。
こうした一連の矛盾した対応が、バイデン政権の移民政策の大きな失敗であり、その無原則さが大きな批判を招いているのが実情です。
米ニューヨークの移民 |
私たちは今こそ、故・安倍晋三氏の遺徳に学び、日本の主権と伝統文化を守り抜く決意を新たにする時です。無秩序な移民の受け入れは、国家へのまっとうな危険であり、バイデン政権の矛盾した政策はその危険をさらに増幅させています。
しかし、私たち日本人には、世界に冠たる独自の文化的アイデンティティーがあります。先人から脈々と受け継がれてきた誇り高き伝統は、いかなる外的圧力があろうとも決して踏みにじられてはなりません。
この試練の時こそ、保守主義者の責務である「国家守護」の精神を発揮すべきです。日本の独自性を貫き、グローバリストの蝕む勢力に屈することなく、主権国家にふさわしい矜持ある対応をとり続けなければなりません。
そしてひとたび、トランプ前大統領が再選されグローバリストの勢力が後退する事態になれば、日本の岸田政権もより主権的な移民政策への転換を図れるかもしれません。強硬な違法移民規制と労働者保護を旨とするトランプ政権の方針が継続され、開国や無秩序な外国人流入の圧力が和らぐことから、日本がより自主的に移民管理できる状況が生まれる可能性があるのです。
保守層同士が力を合わせ、愛国心を共有することで、この逆境を乗り越えることができるはずです。私たちの手にかかっているのは、祖国の未来そのものなのですから。
私たち保守主義者こそ、日本の伝統と文化の守り手なのです。力強く前へ邁進し、安倍晋三氏が遺された偉大なる遺産を引き継ぎ、守り抜く覚悟を持ち続けるべきです。
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