この停戦案は、段階的に進められるもので、第1段階では、イスラエル軍がガザ地区南部ラファの一部から撤退し、主要ルートからも撤退する一方で、イスラエルの刑務所に収監中のパレスチナ人囚人約50人(終身刑の者も含む)の釈放と引き換えに、ハマスが人質に捉えているイスラエル人女性兵士らを解放することが盛り込まれている。
第1段階は42日間かけて実施される。さらにその11日後には、家を追われたパレスチナ人のガザ北部への帰還が認められる予定だ。
第2段階も42日間で、パレスチナ側の高官によると「持続可能な長期的な平穏」とガザの封鎖の完全解除で締めくくられるという。ハマス側は「イスラエルが停戦合意に応じるのか、それとも妨害するのか。ボールは今イスラエル側のコートにある」と語っている。
一方、イスラエル政府高官はハマスが受け入れたとする提案内容は、エジプトの提案よりも「弱められた」ものでイスラエル側が受け入れられない「広範囲におよぶ決定」が含まれていると指摘。首相官邸は「ハマスの提案がイスラエル側の基本的要求から外れていても、交渉は継続し、イスラエルが受け入れられる条件で合意に達する可能性を追及する」と表明した。
一方で、戦時内閣ではラファでの軍事作戦の継続も決定しており、ハマスへの軍事的圧力を維持する構えも示した。イスラエル側の目標は、人質解放に加え、ハマスの軍事・統治能力の破壊、そしてガザが将来的にイスラエルの脅威とならないようにすることだという。
米国務省はハマスの反応を検討し、パートナー国と協議していると語り、「人質解放の合意がイスラエル国民の最善の利益になると信じ続けている」として、引き続き合意実現への努力を続ける方針を示した。
【私の論評】捕虜交換並びに地域のパレスチナ人の安全のための交渉と、和平交渉は全く別物
まとめ
- 中東情勢は依然として難しく、今回の交渉もその一部。
- ハマスはテロ組織であり、交渉は悪魔との取引に等しい。
- 交渉の難航の理由:ハマスの極端な姿勢、イスラエルの安全保障、ガザ封鎖と国際圧力、人質と収監者の問題。
- 歴史が示す教訓:テロリストとの交渉や妥協は悲劇的な結果を招く。
- ハマスとの交渉は誤りであり、テロリズムとの闘いにおいて強固な立場を取るべき。
中東情勢は依然として非常に難しく繊細な問題です。今回の交渉も、その長く困難な歴史の最新の一コマに過ぎません。
まず第一に言っておかなければならないのは、ハマスはテロ組織そのものだということです。彼らは凶暴なやくざ集団にすぎず、本質は過激思想と暴力主義にあります。
ハマスはテロ組織 |
政治的集団や支援団体を装っているだけで、その行動は言葉よりも雄弁に物語っています。このような集団と交渉するのは、悪魔と取引を試みるようなものです。彼らの約束は信用できず、合意も非常に不確かなものになるでしょう。
この交渉が難航している主な理由は以下の通りです。
- ハマスの極端な姿勢:妥協を拒み、極端な要求を繰り返してきました。彼らの思想の根底にはイスラエル破壊があり、暴力とテロを武器としています。そうした融通が利かず敵対的な相手との交渉は本来困難です。
- イスラエルの安全保障:イスラエルには自国民の安全を守る当然の権利があります。ハマスのテロ行為を直接経験しており、譲歩の隙を与えればハマスが勢力を取り戻し、更なる攻撃につながると危惧しています。
- ガザの封鎖と国際圧力:ガザに対する封鎖はハマスに圧力をかけ、武器の流入を防ぐ必要な戦略です。ハマスが求める封鎖解除は、イスラエルの安全保障に深刻な影響があります。
- 人質と収監者の問題:感情的で複雑な問題です。イスラエルは確かに自国民の解放を望んでいますが、代償が将来の人質確保に繋がれば危険です。
バイデン政権のテロリスト集団ハマスへの対応は妥協に過ぎず、歴史の教訓を忘れています。ハマスはパレスチナ人を代表する適切な当事者でありません。テロリストと交渉すること自体が間違っており、そうすれば彼らを勢いづかせるだけです。
捕虜の交換やハマスとは無関係のパレスチナ人の安全のためにハマスとイスラエルが交渉するのは良いと思いますが、今回イスラエルが中途半端にハマスと停戦合意などすべきではありません。これは、全く別なことです。このあたりが日本では曖昧に報道されているので、誤解する人もでてくるのではいなかと思います。
この問題をもっと一般化すると、非合法の武装暴力団が、ある地域を支配しており、その地域において人質をとっている場合、しかもその人質を奪還するために警察や軍などが強硬手段をとれば、多くの人が巻き込まれことがあらかじめ予想される場合、人質交換や地域の人々の安全のために暴力団と交渉する余地はあるにしても、暴力団と和平交渉して地域の安全・安定を目指すなどということあり得ません。
日本でいえば、指定暴力団がある町や村や、その一部を占拠していると考えてみて下さい。この事例だと誰でも、指定暴力団と政府や県等が和平交渉して、その地域を指定暴力団に統治させるなどのことは到底考えられないでしょう。無論、パレスチナはこのような一般化はできないかもしれませんが、それにしても理論的にはこれに近いものがあります。
無論世界中には事実上そのようになってしまっている地域もありますが、それは真の平和ではなく、偽りの平和です。偽りの平和は束の間であり、すぐに騒乱がはじまり、すぐに消えてなくなります。
歴史は明白に教えてくれています。邪悪な存在とは交渉できないのです。歴史が示すように、テロリストと関与し、彼らの要求に譲歩し懐柔を試みれば、結果としてテロが増長し、彼らの勢力が強まるだけです。
PLO故アラファト議長 |
たとえば、1970年代、世界はPLOを「パレスチナ人の正当な権利」を主張する組織として認め、交渉を試みました(オスロ合意)。しかし、この判断は誤りでした。PLOはテロリストの集団であり、そうした組織との交渉や妥協は、結果としてテロリストを力づけ、より一層の凶悪な犯行に走らせただけでした。
1970年代のPLOは強力な武装勢力を持ち、中東地域で大きな影響力を持っていました。しかし、レバノン内戦での過酷な戦いやイスラエルとの対立の結果、勢力が大きく削がれました。また、1980年代後半には第一次パレスチナ人暴動(インティファーダ)の失敗や、オスロ合意を契機とした路線転換の過程で、過激派勢力が分裂していったことも指摘されています。
結局オスロ合意のプロセスは、2000年のキャンプ・デービッドにおけるアメリカを仲介としたバラック・オバマとアラファトPLO議長の会談の失敗と第2次インティファーダの勃発により終了しました。
現在のPLOぱ非暴力路線をとるようになりましたが、これは実際に武力闘争を継続する力(あるいは財力)が、残されていなかったことが大きな要因だったと見られます。テロ行為への関与を事実上、選択肢から外さざるを得なくなったのです。
PLOを承認し、彼らの要求に応えようとしたことで、かえって世界はテロリストの脅威を増長させてしまったのです。そこには、テロリストとの妥協は絶対に許されないという歴史の教訓を無視した過ちがあったと言えるでしょう。
このようにテロリストとの関与は、いつの時代でも悲劇的な結末しか生みませんでした。テロリストに対しては毅然とした姿勢で臨み、一切の妥協を拒絶することが不可欠なのです。この原則を曲げてはなりません。
ハマスに関しても、同じ過ちを繰り返してはならないです。彼らはテロリスト集団そのものなのです。ハマスをパレスチナの統治者として認め、交渉し、妥協すれば、歴史が繰り返されるだけです。ハマスはパレスチナ人を代表していません。彼らはパレスチナ人を人質に取り、人間の盾に利用し、政治的利益のために搾取しているだけです。
テロリストに対処する唯一の方法は、彼らに対して揺るぎなく強く団結することです。誤った交渉の試みで彼らを力づけてはならないです。自由世界は明確なメッセージを送らなければならないです。「テロリズムは決して容認されない。テロに手を染める者は力と決意をもって臨む」と。
現在のPLOぱ非暴力路線をとるようになりましたが、これは実際に武力闘争を継続する力(あるいは財力)が、残されていなかったことが大きな要因だったと見られます。テロ行為への関与を事実上、選択肢から外さざるを得なくなったのです。
PLOを承認し、彼らの要求に応えようとしたことで、かえって世界はテロリストの脅威を増長させてしまったのです。そこには、テロリストとの妥協は絶対に許されないという歴史の教訓を無視した過ちがあったと言えるでしょう。
このようにテロリストとの関与は、いつの時代でも悲劇的な結末しか生みませんでした。テロリストに対しては毅然とした姿勢で臨み、一切の妥協を拒絶することが不可欠なのです。この原則を曲げてはなりません。
ハマスに関しても、同じ過ちを繰り返してはならないです。彼らはテロリスト集団そのものなのです。ハマスをパレスチナの統治者として認め、交渉し、妥協すれば、歴史が繰り返されるだけです。ハマスはパレスチナ人を代表していません。彼らはパレスチナ人を人質に取り、人間の盾に利用し、政治的利益のために搾取しているだけです。
テロリストに対処する唯一の方法は、彼らに対して揺るぎなく強く団結することです。誤った交渉の試みで彼らを力づけてはならないです。自由世界は明確なメッセージを送らなければならないです。「テロリズムは決して容認されない。テロに手を染める者は力と決意をもって臨む」と。
岸田首相とバイデン大統領 |
バイデン政権はテロリズムと戦う最前線の同盟国イスラエルと共に立ち、自由と民主主義を壊そうとするこのようなテロ組織の要求に決して応じてはならないです。これは善悪の戦いであり、バイデン政権は自由を守り抜き、テロリズムを毅然と糾弾し、断固とした決意をもって対峙すべきです。
妥協の偽りの約束に惑わされてはならず、テロリストであるハマスとは捕虜交換や、ハマスに関係ないパレスチナ人の安全を確保するための交渉は別にして、和平交渉自体はすべきでありません。これをすれば、ハマスを国家として認めることとなります。
これに関しては断固拒否し、「要求は絶対に聞き入れない」と明確なメッセージを送るべきです。それこそがバイデン政権のすべきことであり、テロリストに勝利する道といえます。無論、日本もこれに同調すべきです。
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