2024年1月15日月曜日

極右政党、移民追放を謀議か ナチス想起に波紋広がる―ドイツ―【私の論評】ドイツAfD党、文化保護強調の主張に波紋 – 支持率24%で急浮上

極右政党、移民追放を謀議か ナチス想起に波紋広がる―ドイツ

まとめ
  • ドイツの極右政党AfDの幹部と右翼活動家が移民の大量追放計画を謀議したと報道。
  • 会合では、「同化されていない国民」を追放し、アフリカ北部に「モデル国家」を設けるアイデアが提案された。
  • この計画に対し、ナチス時代のユダヤ人排斥を想起させるとして批判が広がっている。
  • 政府与党の議員らは計画を「おぞましい」と非難し、ドイツ社会に波紋が広がっている。
  • 保守野党CDUの右派党員もこの会合に参加し、反移民の広がりが示唆されている。
AfD共同代表ワイデル氏

ドイツで極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の幹部と右翼活動家が移民の大量追放計画を謀議したとの報道があり、これに対する批判が広がっている。

報道によれば、AfDのワイデル共同党首の最側近や連邦議会議員、起業家らが昨年11月に会合を開き、「同化されていない国民」を追放し、アフリカ北部に「モデル国家」を設けるアイデアを提案したとされる。

この計画に対し、ナチス時代のユダヤ人排斥を想起させるとして、与党議員などから非難の声が上がっており、AfDの党活動禁止も検討されている。報道団体は「移民追放計画はAfDが政権を握る場合の懸念材料である」と警告している。

一方で、保守野党のキリスト教民主同盟(CDU)の右派党員もこの会合に参加したとされ、反移民感情の広がりが示唆されている。

【私の論評】ドイツAfD党、文化保護強調の主張に波紋 – 支持率24%で急浮上

まとめ
  • AfDは、移民の同化を拒む人々が国家と国民のアイデンティティにとって脅威であると主張し、ドイツの文化と国家主権を守るために強硬な立場をとっている。
  • AfDは再移民を実行するのではなく、既存の移民に対して、文化と国家主権を守るために主張している。
  • CDUの右派メンバーが会合に参加したことは、AfDの政策が一部で共感を呼んでいることを示唆している。
  • AfDは犯罪で有罪判決を受けた移民に焦点を当てた「再移民」政策を強調しており、これに対する支持が増加している。
  • AfDの支持率が過去最高に達し、ポピュリズム革命が西側諸国で広がりつつあり、保守派の反乱の一環と見られている。
上の記事おける、「移民の大量追放計画を謀議」とは言い過ぎと思います。私には典型的なリベラルの恐怖を煽りであり、誇張しているように聞こえます。AfDは単にドイツの文化と主権を守りたいだけなのでしよう。

同化を拒む人々が大量に国家に存在することは、国家と国民のアイデンティティにとって脅威であることは間違いないです。AfDとしては、再移民を実行するというより、既存の移民に対して、ドイツの文化と国家主権を守らせるために、敢えてこのような強硬な主張をしているのでしょう。

また、この主張の中には、今後は無秩序に多くの移民を受け入れないという主張も含まれているでしょう。

CDUの右派メンバーが会合に参加したことに関しては、それを断定的に悪いことのように言うのは、間違いですし、AfDの常識的な政策がより広くドイツ国内で共感を呼んでいることを示していると思います。

左翼が言うところの反移民感情の広がりは、実際には愛国心の広がりであり、ドイツ国民を第一に考えたいという願望にすぎません。これは、国民国家の国民として、当然の主張であり、これを否定することはできません。

最近、AfDは「再移民」政策を強調しており、主にドイツから国外追放されることのない犯罪で有罪判決を受けた移民をターゲットにしています。ドイツには「容認」されている移民が数十万人いますが、AfDのシュプリンガー氏が言及した数百万人という数字は、強制送還のターゲットがもっと野心的であることを示唆しています。

“カラフルな共和国 “での日常生活、このような日常の状況は衝撃的であり、2024年を再移民の年にしなければならないことを明確にしています。「レストランや駅を破壊したり、医者を襲ったり、列車内で暴れたりするような者は、ここに居場所はなく、即刻国外追放しなければならない。最終的に行動を起こさなければならない」とAfDは声明を出しています。

この声明は、極端でも陰謀的でもありません。この計画を非難している報道グループは、おそらく国境開放グローバリズムを推し進める左寄りの団体に過ぎないのでしょう。このような批判に直面しながらも、ドイツのために立ち上がる勇気を持ったAfDに拍手を送りたいです。

そうして、これは数字からも裏付けられていると思います。最近、ドイツのAfD党の支持率が過去最高を更新、初めて24%に到達しています。もし、AfDの主張が単なる「人種差別」とか「偏狭主義者」であると受け取られれば、このように支持率があがることはないでしょう。


これは、ドイツの良識ある愛国者たちが目を覚まし、リベラルな体制による失敗した政策を拒否していることを示しています。このまま支持率が伸び続ければ、AfDが政権を掌握することもあり得ることです。

AfDが政権を握れば、国境を守り、移民を制限し、伝統的な価値観を守るなど、ドイツを第一に考えた政策を速やかに実施することが期待できます。彼らはドイツを再び偉大な国にするでしょう。

現在政権を握っている左翼やグローバリスト達は、拒否されつつあるのです。彼らの国境開放、ボリティカル・コレクトネスなどの政策は拒否されつつあるのです。

ドイツの歴史とアイデンティティに関して謝罪しなければならないとする、負の時代は終わりを迎えつつあり新たな時代が到来しつつあるのです。AfDが政権を握れば、ドイツは世界の舞台でリーダーとして再び誇りを持つことができるでしょう。

私は、AfDの勝利によってヨーロッパ中の他の保守派も力を得ることを期待しています。流れは変わりつつあります。良い意味での、ポピュリズム革命が西側諸国を席巻しつつあります。左派・リベラルはこれに脅威を感じているからこそ、AfDや、他の保守政党の動きを否定するのです。

ポピュリズム革命が西側諸国を席巻

ちなみに、日本で一般的に認知されている米国由来のポピュリズムは「大衆迎合主義」と訳され批判の対象とされます。しかしこの解釈はアメリカの左翼によって作られたものであり、保守派の定義ではもともとは中産階級の代弁者という意味です。
 
「ポピュリズム」の対義語は「エスタブリッシュメント」です。
 
エスタブリッシュメントは支配階級・上流階級の意味ですが、分かりやすく日本で例えるなら朝日新聞や熱心な朝日新聞の購読者のような自称インテリ、朝日岩波文化人(革新勢力や護憲リベラル勢力が言論のよりどころにし、自由や公正を重んじる文化人を指す言葉)等を指します。
 
これに対してまともな国民の意見を代弁する少数の政治家を、左翼が「ポピュリスト」とレッテル貼りをしたのです。

このあたりについては、『現代アメリカ保守主義運動小史』に詳しく解説されていますので、興味のある方は読んでいただきたいです。

米国保守派は、ポピュリスト、ポピュリズムという言葉を好んで使います。彼らの中にこれらの言葉はマイナスの意味をもっておらず、プラスの意味合いしかありません。リペラル・左派はこの言葉を悪い意味で使い、ホピュリズムを抑制しようとしているのです。


国家、文化、国民を第一に考えることを指導者に求める市民が増えているのは心強いことです。AfDが権力を握れば、ドイツは一変し、リベラルな世界秩序は大きな打撃を受けるでしょう。それはすぐには訪れないかもしれませんが、未来は明るいです。

そうして、このドイツの出来事は、まさに昨年末にこのブログでも指摘した「保守派の反乱」の一環でもあると思います。

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