- ICCの赤根裁判官がプーチン大統領に戦争犯罪の容疑で逮捕状
- ロシアから指名手配され、行動を制限
- ICC逮捕状に有効期限なく、重要な役割
- 日本に戦争犯罪の法整備なく、抜け穴に
- 赤根氏、時代劇から正義感。不正義を改善したい
国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子裁判官 |
- プーチン大統領は、G7サミット、APECサミット、東アジアサミットには完全不参加。G20と国連総会はビデオ参加にとどまる。従来は重要会議には欠かさず出席していたが、今回はICCの逮捕状を意識しての対応と見られる。
- 日本には戦争犯罪を処罰する法制度がないため、戦争犯罪者の「抜け穴」になる恐れが指摘されており、日本の国際社会での立場を弱めかねない。
- 欧米諸国では国内法により戦争犯罪を処罰する仕組みが整備されている。
- 日本も国際基準に沿って戦争犯罪に対処する法制度の整備が必要との指摘がある。
- 日本はジュネーブ条約やローマ規定を批准してはいて、ICCの逮捕状に基づく引き渡し義務があるが、戦争犯罪を看過する「抜け穴」は世界の標準から外れるので、早期の対応が望まれる。
プーチン |
プーチン大統領がウクライナ侵攻後、国際会議への参加を控えた又はビデオ会議にとどまった具体的な事例は以下の通りです。
- 2022年6月のG7サミット(ドイツ) - 不参加
- 2022年11月のG20サミット(インドネシア) - ビデオ参加
- 2022年9月の国連総会(米ニューヨーク) - ビデオ演説のみ
- 2022年11月のAPECサミット(タイ) - 不参加
- 2022年12月の東アジアサミット(カンボジア) - 不参加
これらのうち、G7サミット、APECサミット、東アジアサミットへは完全に不参加です。 G20サミットと国連総会はビデオ参加にとどまりました。 プーチン大統領はこれまでG20やAPEC、東アジアサミットには欠かさず出席していたことから、今回の不参加は異例の対応だと報じられています。ICCの逮捕状を意識し、身柄の安全が保証できない現地参加を避けているものと分析されています。
国際司法裁判所(ICC) |
日本が戦争犯罪と人道に対する罪の「抜け穴」になる具体的なリスクとしては以下のようなことが考えられます。
- 国外で戦争犯罪等を行った他国の人物が、日本に逃亡してきた場合に訴追できないことがある。
- 国外で戦争犯罪等に関与した日本人が、日本に逃亡して帰国後も処罰を免れることができない場合がある。
- 日本を経由して、戦争犯罪等の容疑者が第三国に逃亡することを防ぐことができない場合がある。
- 日本国内で集められた戦争犯罪等の証拠を国際的に共有・活用することが困難になる場合がある。
- 日本が国際的な戦争犯罪等への対処に消極的な姿勢だとみなされるリスクがある。
つまり、日本の法制度の空白が、戦争犯罪を行った者の逃避行為を助長し、国際社会における日本の立場を弱める結果になりかねない、という指摘だと考えられます。
日本は、戦時中の民間人や捕虜に対する残酷で非人道的な扱いを禁止するジュネーブ条約などの国際協定には、参加しています。1953年4月21日にジュネーブ4条約に加入し、2004年8月31日にジュネーブ条約追加議定書第1および第2追加議定書に加入しました。
また、日本はローマ規定批准国であり、ICCが指名手配をした犯人を拘束してICCに身柄を渡す義務があります。そのため、例えばプーチンが来日した場合、日本政府はプーチンの身柄を拘束して、ICCに引き渡す義務を負います。
ハマスに全員殺されたシマン・トーブさん一家 |
しかし、ほとんどの欧米諸国では、戦争犯罪や人道に対する罪、その他の極悪非道な行為に対して厳しい法律がありますが日本にはありません。例えば、米国には1996年に制定された戦争犯罪法があり、海外で行われた戦争犯罪やジェノサイド、その他の残虐行為を管轄することができます。
ほとんどの民主主義国家には、同様の法律が存在します。このように国家が自らに、そして互いに説明責任を果たすことは重要です。法的な結果が伴わなければ、このような悪行に対する真の抑止力は生まれないです。
日本は戦争犯罪等に対する姿勢を強化し、自国の法律をより国際基準に沿ったものにした方が良いと思います。「戦争犯罪の抜け道」は、今日の世界では容認できないです。政府は蛮行を防ぎ、人権を守る道徳的義務があります。日本が早急にこの問題に取り組むことを望みます。
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