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2015年9月7日月曜日

【覚醒せよ日本】天津大爆発から始まる中国「独裁体制」崩壊の可能性 押し寄せる難民への対策急務―【私の論評】トリクルダウン理論を捨てない限り旧ソ連と同じく中国崩壊は必定(゚д゚)!

【覚醒せよ日本】天津大爆発から始まる中国「独裁体制」崩壊の可能性 押し寄せる難民への対策急務

中国・天津市で発生した大規模爆発
中国経済の本格的崩壊が始まった。不動産バブルは2年前から崩壊しており、今年6月から株価の暴落が始まった。強権発動で何とか食い止めたようには見えるが、実は暴落のプロセスは始まったばかりである。

習近平政権は市場経済を捨てて、共産党の原点である統制経済に戻ってしまった。株価暴落を止めようとして、株式市場を破壊する愚行を行っている。8月にはついに、人民元高の維持ができずに、通貨安政策に方向転換せざるを得なくなった。国内金利も低め誘導を繰り返している。

これでは、外資が中国を見捨てて、対外流出するのを防ぐことはできない。さらなる元安となるので輸出産業が復活するかといえば、平均賃金が上昇しており、輸出大国を再現することは不可能である。低賃金労働はベトナムやバングラデシュに流出している。

「株価」「不動産」「人民元」の3つがともに価値を失っているということは、中国経済そのものが崩壊過程にあるということだ。

加えて、8月12日には、天津市で150人以上の死者が出る大規模爆発が起きた。続いて、22日には山東省●(=さんずいに災の火が田)博(しはく)市、23日には江蘇省蘇州市、24日には河南省鄭州(ていしゅう)市、26日には湖北省武漢市で、大爆発事故が起きている。

筆者は、天津市の大爆発はトップレベルの権力闘争が絡んでいると推測している。「追い詰められた江沢民派中心の反体制派による、習近平政権へのテロではないか」という未確認情報もある。

この意味で、天津市の大爆発は、チェルノブイリ原発事故がソ連崩壊に果たしたのと同様のインパクトを中国に与えるだろう。つまり、大爆発がきっかけとなり、共産党独裁体制が崩壊に向かう可能性がある。

中国では、貧富の差の拡大やバブル経済の崩壊で、年数万件といわれる暴動が起きている。習政権は、少数民族への弾圧も強化させており、この反発も無視できない。

中国の体制崩壊は、長期的には日本のためにはプラスだ。軍国主義国家、ファシズム国家の脅威が収束に向かうのである。だが、短期的、直接的には、多くの被害を覚悟しなければならない。

それは中国経済の悪影響を受けた株価急落だけではない。もっと恐れるべきことは、体制崩壊に伴う、大量の難民が日本に流入すること、すなわち違法入国である。

現在、中東のイスラム圏の内乱が、数百万人単位の難民を生み出し、昨年と今年だけで、約55万人の難民がヨーロッパに流入している。経済的に疲弊したギリシャやイタリアはもちろん、ドイツや北欧諸国も難民受け入れは限界となり、国民から怨嗟(えんさ)の声が上がっている。

日本は今後起きるであろう、さまざまな変動に十分な備えをしなければならない。欧州で起きていることは、対岸の火事ではない。

■藤井厳喜(ふじい・げんき)

【私の論評】トリクルダウン理論を捨てない限り旧ソ連と同じく中国崩壊は必定(゚д゚)!

上の国際政治学者の藤井厳喜氏の記事に関して、特に「天津市の大爆発は、チェルノブイリ原発事故がソ連崩壊に果たしたのと同様のインパクトを中国に与えるだろう。つまり、大爆発がきっかけとなり、共産党独裁体制が崩壊に向かう可能性がある」という予想に関しては、先月16日の段階で、私も同じように予測して、このブログに掲載していました。

そのブログの記事のリンクを以下に掲載します。
中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!
天津市の惨状
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、今回の天津の大爆発は旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・経済体制に原因があることを指摘しました。

この記事には、チェルノブイリ原発事故から程なくして崩壊した、ソビエト連邦の崩壊の原因も掲載しました。その部分から一部分を以下に引用します。
さて、ここでソ連崩壊の原因について簡単に振り返っておきます。

その原因は主に三つあったと考えられます。一つは経済的要因、二つ目は政治的要因、三つ目は民族的要因です。

一つ目の経済的要因に関しては、まずは過去の共産主義・社会主義体制の国々にありがちであった、極度に低い労働生産性があげられます。これは、あまり説明の必要はないと思われますので、ここで詳しくは説明しません。

その次に、計画経済の非効率というものがありました。これから成長する産業、これから育てるべき産業など、民間企業ですら予測がおうおうに外れるのに、設計主任(ソ連の計画経済を主導する官僚のこと)には到底無理でした。

かつての社会主義国では、優秀な官僚を設計主任にして、計画経済を実施すれば、経済は良くなるとの信念に基づき、計画経済が運用されていたのですが、ご存知のようにこの試みはことごとく失敗しました。 
結局は、ソ連も計画経済で大失敗しました。ソ連末期のことで、驚いたことがひとつありました。それは、当時のソ連のアイロンです。普通の先進国なら、アイロン一つとっても、競争が激しいため、様々なタイプのデザインや機能が盛り込まれ、いくつもの種類が販売されているのが普通でしたが、当時のソ連では何と一種類のアイロンが販売されているだけであって、しかもそのデザインは30年間変わっていなかったそうです。 
このアイロンの事例でもわかるように、低い労働生産性と、計画経済のもと、すべては国家が優先であり、国民生活の向上は後回しにされました。
二つ目の政治的要因に関しては、様々なことがあるので、ここでは唯一最大のものをあげておきましょう。

労働生産性の低さ、計画経済の度重なる失敗によって、ソ連の経済は低迷していたのですが、それでも当時のソ連は強大な軍事力を維持し、宇宙開発を推進しました。そのため、これらに相当の投資が必要でした。しかし、これらを実行したからといって、経済的には失うもが大きいだけで、何ら寄与するところありませんでした。

にもかかわらず、なぜそんなことをしたかといえば、当時のソ連の幹部による政治的判断であったことは言うまでもありません。今から思えば、計画経済など捨て、産業の育成をはかれば良かったと思いますが、当時のソ連の高級官僚には及びもつかず、政治的判断で、巨万の富が軍事力と、宇宙開発に注がれたのです。

最後の民族的要因としては、ソ連邦が世界に例をみない連邦国家であり、多民族国家でったということがあります。その多民族国家――すくなくともいくつかの大きな民族集団を単位に形成していた連邦国家――が、ソ連崩壊にともない連邦国家としての存在をやめ、さらに社会主義を捨てたという事実を忘れてはなりません。

ソ連時代には、連邦の組織の要職のほとんどを占めていたのは、ロシア系です。これが、あの広大な領土を占める、ソビエト連邦のあらゆる組織の多くを占めていたのですから、他民族から反感をかってしまいました。
ゴルバチョフが、主導したソ連末期のペレストロイカ(ロシア語で改革という意味)は、もともと経済の改革からはじまったのですが、打ち出した政策がつぎつぎと裏目にでて、地方ほどツケがまわってくることになってしまいました。
さて、この三つのソ連崩壊の要因、見事に今の中国と同じではありませんか。私は、このソ連崩壊の要因を分析する過程において、かなり中国の現状と似ていると感じました。

かつてのソ連と、現在の中国とでは、明らかに異なるところもあります。それは、経済です。旧ソ連の場合は、最後まで社会主義体制を崩すことなく、経済的には低迷し続けました。

一方、中国においては、鄧小平以降は、一党独裁政党の共産党の名前は残りましたが、実質的には国家資本主義体制に以降しました。そのため、富める者から富めという鄧小平の掛け声ととも、いっときかなり中国は経済発展をしました。

しかし、鄧小平をはじめとする中国共産党幹部の思惑は見事に外れたようです。彼らの頭の中には、トリクルダウン理論があったものと考えられます。

トリクルダウン理論の瑕疵を示す模式図

トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、trickle-down effect)とは、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」とする経済理論または経済思想です。これは、サプライサイド経済学における中心的な思想となっています。

しかし、実証性の観点からは、富裕層をさらに富ませれば貧困層の経済状況が改善することを裏付ける有力な研究は存在しません。それどころか、OECDによる実証研究では貧富の格差の拡大が経済成長を大幅に抑制することが結論づけられています。

ちなみに、アベノミクスをトリクルダウンとする馬鹿な説もありますが、これらは全く関係はありません。アベノミクスにおける、金融緩和、積極財政、成長戦略は通常の当たり前の、経済政策でありトリクルダウン理論とは全く関係ありません。

中国のトリクルダウン理論による政策は、中国共産党幹部やそれに近い人たち、その一族、あるいは、それらの人脈に連なる人々が富むように人為的に作り上げれたものです。

このトリクルダウン理論は、中国でも見事に大失敗し、今日では藤井氏がブログ冒頭の記事でも指摘する通り、今の中国では「株価」「不動産」「人民元」の3つがともに価値を失っており、中国経済そのものが崩壊過程にあります。

これを改善するためには、トリクルダウン理論を捨てるしかないのですが、そのためには、中国ではまだ十分になされていない、民主化、政治と経済の完全分離、法治国家化が大前提となりますが、中国共産党中央政府は、これを実施するつもりは全くないようです。

であれば、いくら現中国が国家資本主義体制であるにしても、このままでは、理由は異なるもの、旧ソ連と同じく、経済が疲弊し続けることになります。

そうなると、旧ソ連崩壊の三つの要因と同じこととなり、このままであれば、中国もソ連と同じく、崩壊するしかなくなります。

90年前、旧ソ連の第1回ミスコンテスト

藤井厳喜氏のような、国際政治学者も私と同じような見解であることに、本日はまさに、我が意を得たりという思いがしました。

それにしても、私の記事で、中国崩壊後のことまで考えてはいませんでしたが、確かに藤井氏の指摘するように難民問題が発生しそうです。

日本としては、今からこれに対処することを考えて置かなければならないと思います。一番良いのは、中国人民が難民とならなくても、何とか生活していける状況を作り出すことです。

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