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2011年12月27日火曜日

引田天功さんが訪朝取りやめ―【私の論評】北朝鮮は、一触即発の状態!!正しい判断か?

引田天功さんが訪朝取りやめ:

引田天巧さん

北朝鮮の金正日総書記の国葬に招かれていた、マジシャンの引田天功さんが27日、参列を取りやめると発表した。

【私の論評】北朝鮮は、一触即発の状態!!正しい判断か?


引田さんは、従来から北朝鮮での活動で有名な方です。従来から北朝鮮で公演活動を実施してきた、彼女がなぜ今回は、参列を取りやめたのか気になるところです。やはり、公演活動と、葬儀参列とは全く意味合いが異なるということもあるでしょう。しかし、一番は、北朝鮮の状況にあると思います。以下の状況を知れば、たとえば、高級官僚や、政治家などは例外として、一般人が今のタイミングで訪朝して、何かの事変に巻きこれた場合、無事に日本に帰ってこれるような保障はないでしょう。

以下に、いくつかの筋からの北朝鮮に関する現在の情報をまとめて掲載しておきます。本日は、話が硬く重苦しいので、朝鮮女性の写真と共に掲載させていただきます。


北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(享年69歳)が死去してから1週間、いまだ世界中がこの国の動向に高い関心を寄せています。

一部韓国メディアからは、視察先に向かう列車内で心筋梗塞を起こしたという公式発表に対し、「死亡日時ごまかし」疑惑の声まで上がっている。だが、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の関係者は「事前に死を匂わせるサインは一切なかった」と、次のように否定しています。

「朝鮮中央テレビが19日正午に重大な発表をすると聞かされたのは当日の午前10時頃ですが、そのときも核問題についてなんらかの発表があるのかなと考えていたくらい。まさか総書記の死去を知らせるニュースだったとは。まさに青天の霹靂です」



“金王朝”という、世界でも数少ない特殊国家である北朝鮮。その最高指導者の突然死は、我々の想像を超える一大事のように思えますが、今のところ国内がパニック状態になっているとの情報はありません。これは、北朝鮮が金正日死去を報じた直後、間髪入れずに葬儀委員会の名簿を発表した段取りのよさにも表れています。

「在日コリアンを含め本国の人々の間では、金正日総書記の死はそう遠くない時期にやってくるとの覚悟はありました。そのことを一番わかっていたのは、ほかならぬ金正日総書記自身だったのでしょう。だからこそ、建国63年を記念する今年9月9日の軍事パレードで息子を党序列3位に大抜擢し、海外メディアの前で後継者としてお披露目した。金正日の病死による金正恩への権力継承のシナリオは朝鮮労働党内ではとっくに織り込み済みなんです」(前出の朝鮮総連関係者)



心の準備があったとはいえ、今後の北朝鮮には厳しいシナリオが待っていると、北朝鮮事情に詳しいジャーナリストの石丸次郎氏は予測しています。

「金正日急死後の素早い報道ぶりや葬儀委員会名簿のスムーズな公表を見るかぎり、確かに政治的混乱は起きないかもしれないです。でも、金正恩(キム・ジョンウン)への権力継承は始まったばかり。準備期間があまりにも足りない。最高指導者の死去で、重要な政治判断も保留されることになる。それだけに、一時的に混乱は回避できても、経済、社会的な混乱は必至でしょう。特に今年は飢餓が例年よりも深刻で、大量の餓死者が出かねない。そうなれば、金正恩体制に向けて国民の不満が噴出するはず。ロイヤルファミリーによる権力世襲を強行するかぎり、北朝鮮の崩壊は避けられない」



北朝鮮は、やっぱり恐ろしい国です。金正日が死んだ北朝鮮で、早くも“粛清の嵐”が吹き荒れていることが分かりました。国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは、以下のような談話を発表しています。

後継者となった三男・正恩(28)とその支持勢力が体制の足場固めのため、粛清を強化しているといいます。粛清された政府当局者はすでに数百人。処刑されたり、政治犯収容所に送り込まれているというからすさまじいです。

1994年に金日成が死んで金正日が跡を継いだときも、数万人が収容所に送られた揚げ句、秘密裏に消されたといわれました。この先、北朝鮮で血の雨が降るのは確実だが、とりわけ「殺されるんじゃないか」と注目されているのが、跡目争いに敗れた長男の正男(40)と二男の正哲(30)です。

「とくに正男は、正恩とは腹違いの兄弟でそれほど親しくもない。海外のメディアに『世襲批判』をブチまけた過去もあり、一時は暗殺者が送り込まれた、なんて説も流れた。正恩の側近が“災いの種”を消す可能性は高い。正男は命の危険を感じているのか、正恩が後継指名されて以来、北朝鮮には帰っていません」(北朝鮮ウオッチャー)


それだけに、28日の金正日の国葬に正男が現れるのか、世界中が関心を寄せているのです。

コリアレポート編集長の辺真一氏がこう言います。

「正男は帰国したら最後、二度と出国できなくなる可能性が高いと思います。命までは取られなくても、事実上の軟禁生活を強いられるでしょう。母親が同じ正哲と正恩は仲は悪くないが、これからどうなるかは不明です。気になるのは、世界中に流された金正日の弔問映像。正恩の妹・ヨジョン(24)らしき若い女性は映っていたのに、兄の正哲の姿がなかった。何かあったのかもしれない。

いずれにしても、今後1~2年で権力闘争は激しさを増し、正恩に盾突く人間は次々と粛清されるでしょう。難民も続出し、今年3000人いた脱北者は、少なくとも倍以上になるのではないか。権力闘争で失脚した党や軍の幹部が亡命することも十分に考えられます」



米韓共同の軍事作戦が水面下であわただしく動き始めました。作戦名「5029」。

「北朝鮮崩壊後を想定したものです。韓国が最も恐れているのは、北朝鮮の金王朝が崩壊し、内乱状態になって大量の難民がなだれ込むことです。これを食い止めるため北朝鮮に食料や医薬品などの物資を送り込む方法を検討しています。半島の国境封鎖は現実的に不可能だからです。つまり米韓は金体制の崩壊は時間の問題とみているのです」(軍事評論家)

米国防総省は、「三男の正恩・党中央軍事委員会副委員長(28)への権力移譲は平和的に進んでいる」と評価しました。しかし、これは表向きのこと。裏で崩壊を想定した「5029」作戦を着々と進めているということです。

これは極めて現実的な想定です。新将軍になる金正恩は弱冠28歳。100万単位の餓死者がいる国を治められるわけがありません。

「金正恩の後ろ盾は金正日の息子だということだけです。しかし、金日成国家主席が絶大な尊敬を集めていたのに対し、金正日は軍部の力で不満を抑えつけてきた独裁者だった。驚いたのは、死んだ金正日が解剖されたことです。神格化されている将軍サマを解剖するなんて信じられない。おそらく、正恩の指令でしょうが、だとすると暗殺を疑ったことになる。それほど、金正日体制は揺らいでいたのです」(事情通)


軍事ジャーナリストの深川孝行氏はこう言います。

「金正日総書記は軍部を力の源泉にした。今はその軍部が内部崩壊する可能性が極めて高い。軍隊には派閥が付きものですが、権力構造がハッキリするまで派閥抗争が必ず起こるからです。拉致があったのは、金正日体制が固まるまでの間でした。金正恩体制がスンナリ、スタートするとは思えません」

今は服喪期間ですから表立っては、何も起きていないませんが、年明け以降は、クーデターを含め何が起こるか分からりません。そう見る専門家が大勢います。

「1月8日は正恩の誕生日で、2月16日は金正日の生誕70年、4月15日は金日成の生誕100年と重要イベントが続きます。これまでの金体制は節目を利用し、求心力を高めてきました。正恩にそれができるかどうか。できなければ一気に崩壊に突き進みます」(前出の事情通)

食料危機に直面する国民が不満を爆発させる可能性もあります。北朝鮮ニュース専門サイト「デイリーNK」日本支局長の高英起氏は言います。

「現在、国民の命に直結する市場が閉鎖されています。このままでは相当数の餓死者が出ます。寒い時季はジッと耐えるしかないが、暖かくなってきたら分かりません」


まさにアラブの春の北朝鮮版です。民衆の不満を抑え込むには、正恩が軍部を完全支配していなければならないのですが、「軍部が民衆につくこともあり得る」のです。米国は北の内部崩壊を見越し、核を管理するために特殊部隊を送り込むことを検討しています。その時、朝鮮半島は火の海になり、日本も核の脅威にさらされることになるかもしれません。

難民の急増を警戒し、中国や韓国は国境の軍隊を増強しています。場合によっては、日本に大量の難民が押し寄せる可能性もあります。カオス状態の北朝鮮では、何が起こっても不思議ではありません。

あくまで「今のところは」平静に見える北朝鮮。しかし、この冬の食糧難をきっかけに、長らく続いた“金王朝”の崩壊が始まるかもしれません。

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