ラベル 放射性セシュウム、土壌、全量回収可能、新技術、開発、とてつもない技術力、HRP−4C、パラダイム・シフト、ドラッカー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2011年9月2日金曜日

放射性セシウム:土壌からほぼ全量回収可能…新技術を開発―【私の論評】今日の私たち日本には、とてつもない技術力がある!!今回の震災、原発事故を契機として、さらに強いとてつもない日本を目指すべきだ!!

放射性セシウム:土壌からほぼ全量回収可能…新技術を開発
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は31日、土壌から放射性セシウムのほぼ全量を回収できる技術を開発したと発表した。汚染土壌に低濃度の酸の水溶液を混ぜてセシウムを抽出し、微粒子状の顔料に吸着させる。東京電力福島第1原発事故では、外部に放出された大量の放射性物質による土壌汚染が問題となっているが、この処理技術を活用することで放射性廃棄物を150分の1に減量できるという。

研究グループは、福島県飯舘村の畑の地中から採取された汚染されていない土壌から放射性ではないセシウムを除去できれば、同様の方法で放射性セシウムも回収できるとして実験に着手。汚染されていない土と低濃度の硝酸水溶液を混ぜ、圧力容器内で200度で45分間加熱したところ、セシウムの100%抽出に成功した。温度が半分の100度でも約60%を抽出できたという。水溶液は繰り返して使える。

さらに第2段階で、水溶液からセシウムイオンだけを取り込む青色の人工顔料プルシアンブルーを吸着剤に活用。粒径10ナノメートル(1ナノは10億分の1)の微粒子状に加工して円筒形の装置に詰め、この水溶液を2回循環させたところ、100%吸着できた。

産総研の川本徹・グリーンテクノロジー研究グループ長は「土壌を傷めなくてすみ、抽出したセシウムを顔料で吸着できる。コストも安い。企業の協力を得て実証実験を目指したい」と話している。

【私の論評】今日の私たち日本には、とてつもない技術力がある!!今回の震災、原発事故を契機として、さらに強いとてつもない日本を目指すべきだ!!

産業技術総合研究所といえば、どこかで聴いたことがあると思いましたが、やっと思い出しました。そうです。あの美少女ロボット「HRP−4C」を開発したところです。下にその動画と説明を掲載します。


ファッションモデルのような美女ロボット「HRP−4C」を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が開発し、2009年3月16日に公開しました。

身長158センチ、体重はバッテリー含め43キロと細身のロボット。歩き方はファッションモデルのようにしなやかで、目が大きく、鼻は小さめの若い女性の顔をしている。微­笑んだり、驚いたり、豊かな表情をみせるのも特徴です。

一度の充電で20分間動くことができ、モデルと同じように、百貨店などで衣装を着せて歩かせることなどが考えられるといいます。同研究所は、早ければ1年後にも販売を始めたい­としていました。

この美少女ロボット、その後フアッションショーにも出演しています。下の動画はその時にの様子です。


なぜこんな話題を思い出したかといえば、やはり、日本は、他国にはない素晴らしい技術を有していることと、さらには、その素晴らしい技術があまり利用されていないことを思い出したからです。

このことは、今回の原発事故でも明らかになりました。 福島第一原発事故で、フランス政府が震災直後の3月28日、仏原子力庁などに東京電力から支援要請があったと明らかにしたことに関連し、  同日発行の仏ル・モンド紙は、放射能汚染された場所でも作業ができるロボット提供の申し出を日本側が断っていると伝えました。 

ロボットは仏電力公社(EDF)、原子力大手アレバ社と仏原子力庁が共同開発し、ブルドーザーやシャベルの機能を持つものや  計器の設置、試料の採取、ビデオ撮影に適したものなど複数のタイプがありました。 

人が近づけない放射線量の強い建物内外で遠隔操作で作業が行え、1986年のチェルノブイリ原発事故でも活用された実績があるという。

フランスの原発用ロボット
この話は、本当に驚きました。ああいう、危険なところで、作業をするには、ロボットは非常に有用で、日本は、ロボティクスがかなり進んでいるという認識がありましたから、この話は、本当に青天の霹靂と感じました。

その後、東電は、アメリカから提供された、ロボットは実際に使用し、テレビでも、そのロボットが撮影した原発内部の様子が報道されていました。

現在では、原発内で、日本のロボットが用いられています。最初に導入されたのは、4月の段階でした。

福島第一原発の事故現場に投入される国産ロボットQuince。
右は千葉工大未来ロボット技術研究センターの小柳栄次副所長=千葉工大


東京電力福島第一原発の事故現場に、ようやく国産ロボットが投入されたのは5月になってからのことでした。日本のロボットは「実戦経験がない」と信用されず、まず現場に入ったのは米国製でしたた。

投入されたのは、千葉工業大未来ロボット技術研究センターの小柳栄次副所長や東北大の田所諭教授らが開発した災害救助用ロボット「Quince(クインス)」。長さ66センチ、幅48センチの車体に戦車のようなクローラー(無限軌道)が大小五つ。カメラやセンサー、ドアノブを回すアームも備えています。

2009年のロボカップレスキュー世界大会では運動性能部門とアームの性能部門で優勝しました。米国の模擬災害現場で実験した際、がれきの走行や階段や坂を上る性能などで米国製を圧倒しました。

今回の原発事故に対応するため、無線操作できる距離を2キロに延長、有線でも使えるよう改造しました。遠距離操作できるよう、強い電波の使用も特別に認められました。日本原子力研究開発機構の研究所で放射線の耐久試験も、5時間かけて10万ミリシーベルトをあてても問題ありませんでした。これは、作業員の被曝(ひばく)線量の上限の400倍に相当するものでした。

東電などの作業員が操作の訓練を受けた上で事故現場に投入されました。原子炉建屋内部の様子、放射線量、温度などの調査を期待されています。操縦者は2キロ離れたところから無線で指示を出す作戦でした。

産業ロボットなどでは世界的なシェアと技術を誇る日本。事故以来、日本のロボット研究者には国内外から「日本のロボットをなぜ原発に使わないのか」との声が相次いでいました。

「日本は実績がないから、東電は外国製を使いたがる」。東京工業大の広瀬茂男教授は嘆く。欧米のロボットは戦場での経験があり、核戦争を前提にした試験も受けているとされています。

実は、日本でも原発用ロボットの開発を計画したことが2度ありました。

1度目は1979年の米スリーマイル島原発事故を受けて83年に始まりました、建前は「点検」用の極限作業ロボットプロジェクトでした。90年まで約200億円かけたが、打ち切りになってしまいまた。2度目は99年の茨城県のJCO事故の後。今度は事故用で数十億円使ったが、「原子炉では事故は起きない」と1年で終わってしまいました。

「事故用ロボットを開発すると『原発事故が起きると思っている』と受け取られると考えたのでは」と広瀬教授は推測していました。

原発では、事故は起こりえるとの前提でロボットが投入されることはなかったということで、これだけ高い水準があるのに、導入されてもおらず、活用もされていなかったというのは本当に残念なことです。

しかし、今回の事故を機会に、いよいよ、日本のロボットが投入され、その真骨頂を発揮するこ都と思います。

そうして、原発での作業に鍛えられ、改良などが加えられるようになれば、これも、日本の強みになるのではないかと期待しています。おそらく、日本は、この方面でも、世界一のものが作れると思います。

さて、ロボットの話が象徴的なので、ロボットの話が長くなってしまいましたが、日本は、ポリマーなどによる、吸着技術も素晴らしいです。だからこそ、上の記事のような、放射性セシウム:土壌からほぼ全量回収可能な新技術も開発できたのだと思います。

さて、上では、「事故用ロボットを開発すると『原発事故が起きると思っている』と受け取られると考えたのでは」と広瀬教授は推測していましたが、確かにそういう側面もありますが、東電に限らず、日本の電力会社かなり遅れているところがありますから、これも、原因の一つになっているのではないかと思います。

かつて、ドラッカーは「ネクスト・ソサエティー」という著書の中で、企業に起こるパラダイムシフトについて語っていました。

もう私たちの社会は、21世紀に入ってから、「ネクスト・ソサエティー」というその前までとは、異質な、新たな社会に突入しているとしていました。

以前の社会では、あらゆる技術がそれぞれの産業に属し、逆にあらゆる産業がそれぞれに特有の技術をもつとされました。製鉄の技術は鉄鋼業でしか使えず、しかも鉄鋼業でしか生まれないとされました。同じことは製紙業、農業、金融サービス業、商業においてもいわれました。

ところが、「ネクスト・ソサエティー」では、もはやいかなる産業、企業にも、独自の技術というものがありえなくなりました。産業として必要とする知識が、馴染みのない異質の技術から生まれるようになりました。たとえば、従来、科学や、生化学が基本的な技術であった、製薬会社での、最近の新たな技術は、バイオテクノロジーであり、この技術によって、従来はなかった新たな薬が日々生まれつつあります。これは一時例にすぎが、現在の事業の発展は、企業の内部からではなく、他の組織や技術とのパートナーシップ、合弁、提携、少数株式参加、ノウハウ契約からもたらされるようになりました。

このパラダイムシフトは、既に起こっていて、もう、今では、ごく普通のことになっています。業界の垣根はなくなり、あらゆる業界が「情報産業」に集約されていす。

外部の情報(顧客や他の業界からの情報)を、製品・サービスにフィードバックする仕組みを持っている企業が生き残るのです。

東電など体質の古い、企業はこうしたパラダイムシフトに追いついていないのだと思います。だからこそ、それまでの、業界の技術である、発電機とか、原子力ばかりに、目が向いており、他の産業の技術だと見られていた、ロボットなどには関心がなかったのだと思います。

このようなことを考えると、今回の原発事故に対する対応など、東電などの既存の企業の技術だけではなく、それこそ、ありとあらゆる、一見無関係とみられる産業などの技術などを活用し、総合的に対処すれば、過去の常識では、考えられないような、対処方法も見つかるのではないかと思います。

原発付近には、今後数十年は、立ち入ることができないなどと、多くの人がそう決め込んでいるようですが、そうとも限らないです。というより、私は、どちらかといえば、新たな技術、それも、各産業の技術を総動員すれば、意外と短期間に解決方法が見つかるのではないかと期待しています。それに、こうしたことを推進することにより、新たな産業が勃興し、日本の技術力がまた一つの上の段階に到達し、それが、さらに、海外にも転用できるものになるのではないかと期待しています。

今は、ドラッカーのいうように、パラダイムがすでに、シフトしているわけですから、既存の考えだけにとらわれて、閉塞感にさいなまされるだけというのではなく、とてつもない新たな技術を生み出すこと、さらに、とてつもない技術などを前提として、新たな社会を築くことなどに、注力すべき時と思います。震災、原発事故に対して、ただ手を拱いて、絶望しているのではなく、これを新たな産業の芽とすることに多くの人が挑戦していただき、さらに、強い、日本を創出していくべきと思います。



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