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2017年12月23日土曜日

貴乃花親方を公開説教、笑う白鵬と緊張感ない力士たち 暴力問題の再発防止研修のはずが…―【私の論評】まともな「組織の精神」を根付けなければ抜本的解決にはならない(゚д゚)!

貴乃花親方を公開説教、笑う白鵬と緊張感ない力士たち 暴力問題の再発防止研修のはずが…

日馬富士 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 元横綱日馬富士(33)の暴行事件で揺れる日本相撲協会は21日、「暴力問題の再発防止について」と題した研修会を、東京・両国国技館で開いた。ところが壇上に上がった講師役の面々は「八角理事長を信じて」などと語り、相撲協会と反目する貴乃花親方(45)を批判するものばかり。さながら貴乃花親方に対する公開説教のようだった。

 貴乃花親方をはじめ力士、親方ら約1000人の協会員が出席した研修会。貴乃花親方の席は最前列。アリーナに設置された関取衆の椅子には、背もたれの部分に名前の書かれた紙が張られ、前から2列目に「貴ノ岩」と書かれた席も用意されていたが、姿をみせなかった。

貴乃花親方
 講師は評議員会の池坊保子議長(元文部科学副大臣)、危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)、八角理事長と相撲協会の“身内”の3人。これまでも池坊議長は、貴乃花親方が暴行事件を協会に報告しなかったことに「速やかに報告していたら、理事長も対応のしようもあったと思うと残念」と苦言を呈し、貴ノ岩に対しても「自分はこうだったという説明をなさるべき。被害者がどうだったかきっちりと説明する必要がある」と話すなど、ガチガチの協会擁護派といえる。

池坊保子
 冒頭の5分間が報道陣に公開されたが、池坊議長は「本当に無念な事件が起きました。私も大変残念で、夜何日も眠れませんでした」と第一声。そして開始わずか2分で、何とも的外れな発言が飛び出した。

 「どうか皆様方、八角理事長の下に、八角理事長を信じ、心を1つにして協力しあっていただきたいと、私は願います。心を1つにし、協力しあうことなくして、相撲協会の発展はありません。そして相撲協会の発展なくして、1人1人の幸せはないのです」

 これでは暴力の再発防止というよりも、まるで八角理事長を持ち上げ、一致団結を訴える集会。最前列でゆったりと背もたれに体を預け、にらみを利かせているように座っていた貴乃花親方に向けられているかのようだった。

 さらに池坊議長は「いま不平不満がある方もあるかもしれません。でも、それを負の遺産にしてはなりません。それを原動力、エネルギーにして、相撲で勝とう、努力しようと思ってください」とも。これでは力士たちにどこまで響いたのかは、微妙なところだ。

にらみを利かせる貴乃花親方(右から2人目)と、壇上に. 池坊議長 ...
実際に、ステージから一番遠い正面のマス席から傍聴していた幕下以下の力士は、池坊議長の話がつまらなかったのか、2分でソワソワ。特に目立ったのは前から3、4列目の力士たちで私語が多く、ペットボトルをいじったりと、緊張感のない光景が繰り広げられた。横綱白鵬も笑顔を見せる場面もあり、とても暴行事件で処分を受けた直後にはみえなかった。

 八角理事長は九州場所後に、十両以上の力士を集めて講話を実施したが、たった15分で終了。今回も「何気ない気持ちでやった暴力が、組織を揺るがすようなハメになってしまう」などと話したが、時間はまた15分だった。

 危機管理委員会は28日の臨時理事会までに貴乃花親方を聴取し、処分を発表する予定。年内の幕引きを図ろうとしている。

 貴乃花親方の聴取について鏡山部長(元関脇多賀竜)は「俺は何も聞いていないし、高野先生(委員長)も何も言っていなかった。俺は時間があるので、機会があれば一緒に」と同席することを希望していたが、この日は行われなかった。

【私の論評】まともな「組織の精神」を根付けなければ抜本的解決にはならない(゚д゚)!

問題となった酒席はモンゴル出身力士の先駆けとなった元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤル氏が関取になったことを機に少人数で始め、20年以上続く「モンゴル人飲み会」でした。
バトバヤル氏が95年に十両に昇進して初のモンゴル出身の関取となった後、元関脇・旭天鵬(現・友綱親方)と元幕下・旭天山の3人で酒席を設けるようになったという。東京のモンゴル大使館で正月に集まったり、巡業先で食事をしたりする形で年に数回開催。同氏は「けんかや暴行は一度もなかった」と残念そうでした。

この「モンゴル人飲み会」が「モンゴル互助会」とは別物なのか、何か関係があるのかいまのところはっきりしませんが、「モンゴル互助会」について相撲界で隠然とささやかれているのは事実です。

これは、モンゴル出身力士による親睦組織のことです。今回のモンゴル力士同士の暴力事件は、この互助会の存在抜きには、語ることができないのです。

92年に旭鷲山、旭天鵬、旭天山ら6人の力士が、モンゴルで行われた新弟子検査に合格する形で、初めて日本の相撲界にやって来ました。

それまで大相撲の外国人力士といえば、小錦や曙らハワイ勢が幅を利かせていましたが、小柄でもモンゴル相撲の下地があって下半身がしっかりしたモンゴル勢は強くなる要素がありました。

その後も朝青龍や日馬富士、白鵬(32)が登場し、現在に至るまでのモンゴル人力士の系譜ができました。彼らは衣食住全ての面で文化や価値観が日本とは違います。

ましてや、同時に異国の地にやって来た6人は結束も固く、互いを励まし合うようによく飲み会、懇親会を開いていました。これが『モンゴル互助会』のスタートです。早くに出世した旭鷲山、旭天鵬の代わりに旭天山が他の部屋の同胞力士に声をかけ、コミュニティーが築かれていきました。

当時のモンゴルは社会主義から生まれ変わったばかりで、6人の力士も貧しかったのです。その中で、彼らは着々と勢力を拡大していきました。有望力士をスカウトしようと、親方衆も次々とモンゴルを訪れました。

外国人力士が増えすぎたこともあり、朝青龍が初土俵から最速で横綱昇進する直前の02年、「各部屋に入門できる外国人は1人だけ」というルールも誕生しました。

今は、モンゴル人の新弟子が入門するには、空きが出るのを待たなければいけない状況です。モンゴル国内ではその順番待ちをする若い力士予備軍を、組織的に大量に抱えているとも言われます。待機組は一定の年齢に達すると『縁がなかった』と諦め、代わりに若い力士を加える、ということもあるそうです。

モンゴル互助会は、10年に暴力事件を起こすまで、朝青龍がトップに君臨。強制引退させられたあと、その座は白鵬へと移りました。

互助会は基本的にモンゴル人同士のものです。しかし、モンゴル人以外の力士も関わりを持つことがあるようです。良い例は、巡業や稽古総見の際、白鵬が現れると全員が水をつけに行くことです。



これ自体、白鵬に恭順の意を示していることの表れであり、事実、白鵬はモンゴルだけでなく、日本人力士をも仕切っていると言って良い状況のようです。大関時代の稀勢の里だけは、水をつけに行くことはありませんでした。

白鵬が相撲界を半ば「支配」している構図をかいま見る一コマです。無論どの程度の支配なのかはわかりませんが、それにしても、ブログ冒頭の記事にある、貴乃花親方に対する公開説教といい、どうも相撲界は組織としてみた場合、健全な「組織の精神」を保っているとはいえないようです。

「組織の精神」については、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
富岡八幡宮事件に見る、組織に「怨念」を抱く者の恐ろしさ―【私の論評】組織の精神を健全に保たなければ怨霊が輩出することになる(゚д゚)!
自殺した茂永氏の遺書を読むと、極めてよくできた内容であることが分かる。そして、このような
「組織に怨念を持つ人」は、なにも富永八幡宮に限らず、そこら中の企業にもいるものだ。 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、「組織の精神」に関わる部分のみを以下に引用します。( )の部分は、当記事にあわせて、引用部分の一部を削除して付け加えたりした部分です。

"
そして組織は以下の4点を満たさなければ健全な精神を持っているとは言えません。
①組織の焦点は成果に合わせなければならない 
②組織の焦点は機会に合わせなければならない
人事に関わる意思決定は組織の信条と価値観に沿って行わなければならない
④真摯さこそが唯一絶対の条件である
①組織の焦点は成果に合わせなければならない
成果とは長期的なものであり常にあがり続けるものではありません。野球で言えば打率のことです。バッターは十回中三回ヒットを打てば優秀だと評価されます。しかし七回は失敗しているのです。失敗だけはしない人を信用してはいけません。 
このような人はただ単に無難な仕事だけをこなしているだけであり、挑戦することから逃げているだけです。人は何かに挑戦していれば、必ず失敗するものです。
弱みのないことを評価してはならないのです。優れた人程多くの失敗を犯しますし、新しいことに挑戦をするものです。
(相撲協会など相撲のあり方など、過去を継承するだけで、相撲界の成果など考えたこともないのではないでしょうか。ドラッカー氏によれば、非営利組織こそこのあたりをしかり考えるべきとしています) 
②組織の焦点は機会に合わせなければならない
問題に焦点を合わせている組織は守りに入っていてそれ以上成長することができません。
成果は組織の中ではなく外の世界にしか存在しません。(相撲界)も成果は神社の中ではなく外の世界に存在するのです。(社会を良い方向に何らかの形で変えることこそが成果なのです。相撲界の中に成果はありません) 
組織は機会に資源とエネルギーと時間を使うことによって成長していけるのです。
成果が定義されていない組織においては、何が機会かもわからなくなってしまいます。 
 ③人事に関わる意思決定は組織の信条と価値観に沿って行わなければならない
成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇進、昇給、降格、解雇などの人事に関わる意思決定が管理手段として大きな役目を果たします。 
そして組織には固有の信条とや価値観があり、人事の意思決定はそれに対して矛盾したものとなってはなりません。
矛盾していれば働くものが勘違いをしますし、また信頼を失うことになります。(但馬富士も、白鳳)も勘違いをしていたのではないでしょうか。
(相撲協会は、このあたりが揺らいでいるのかもしれません。 相撲をスポーツのように考え、相撲が強いものだけが昇進していくという考え方と、日本の伝統を守る品格なども重視するという考え方に相克があるのかもしれません)
④真摯さこそが唯一絶対の条件である
真摯さを絶対視することが健全な組織の条件です。人事に関する意思決定においては真摯さという基準は絶対無視してはなりません。
特に真摯さに欠ける者をマネージャー(相撲界では親方や、相撲協会の理事など)にしては絶対にいけません。
真摯さの定義は難しいです。これについては、このブログで詳細に述べたことがあります。これについて、詳細を知りたい方は、その記事を参照して下さい。 
真摯さを定義するのは難しいですが、真摯さに欠ける人はどのような人なのかは、示すことができます。以下の5つに該当する者をマネージャーにしてはなりません。
第一に、強みよりも弱みに目を向ける者。 
これは組織の基本的機能であり使命にも反します。強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーにおけば組織は弱体化していきます。
第二に、何が正しいかよりも誰が正しいかに関心を持つ者。
マネージャーの仕事は何が正しいかを分析することでもあります。
人の意見に左右されて本当の正しさを見失うような、もしくは人によって態度を変えるような人間はマネージャーとして不適合です。
マネージャーは人よりも仕事を重視しなければなりません。
第三に、誠実さよりも賢さを重視する者。
そういう者は人として未熟で、その未熟さは後天的に改善されることは難しいです。また、こういった人間を変えることもとても困難なことです。
第四に、部下に脅威を感じる者。
マネージャーは部下の失敗の最終責任を負う覚悟があってはじめてマネージャーたりえるのです。これは逆に言うと部下の成功を自らの成功と捉えることができるということです。 
部下の成功に脅威を感じる者は責任を理解していませんし弱い人間です。
第五に、自らの仕事に高い基準を設定しない者。
優れたマネージャーというものは自らに一流の仕事を要求しますまた、自らの仕事に高い基準を設定できなければ、他の者にも優れた仕事を要求することはできません。 
そういった者にマネジメントされる人間は基準の低い狭い範囲の仕事をやらされることになります。
また他人に高い基準の仕事を要求しておいて自らは低い基準の仕事を行う者に信頼をよせる人間がいるでしょうか。自分に甘く他人に厳しいという人間に人はついてきません。
いかに豊富な知識があり、いかに効率よく仕事をこなす者であっても真摯さが欠けていればそこで働く人間を破壊します。そうして、組織の精神を損ない業績は低下するでしょう。
真摯さこそが唯一絶対の条件なのです。(相撲協会の八角理事長や他の理事など)は真摯な人なのでしょうか。もしそうでなければ、そもそも理事長や理事にしたこと自体が間違いです。
"
以上、マネジャーとは企業組織をモデルとして掲載したので、わかりにくいところもあるかもしれませんが、営利組織であろうと、非営利組織であろうと、管理(マネジメント)をする人のことです。

相撲界でいえば、相撲協会、相撲部屋の親方などに相当するものと考えられます。ただし、相撲取りでも関取以上は一般力士の規範とならなければならず、マネジメント的役割も担っていることは確かです。

以上の「組織の精神」に関しては、ドラッカー氏の提唱するものを簡単にまとめたものです。この「組織の精神」に関しては、一般民間企業だけではなく、無論相撲協会など非営利組織などにもあてはまるものです。

この内容、「字面」を追いかけるだけでは、その深い意味などわからないかもしれませんが、この内容を詳しく掲載していけば、一冊のそれも厚めの書籍になるくらいの内容です。それを全部は紹介できませんので、興味のある方はドラッカーの『マネジメント』などの書籍に是非あたっていただきたいです。

このような「組織の精神」が不健全になっているのが、現在の相撲界なのだと思います。現在の相撲界の組織を以下に掲載します。

現状の評議会は以下のような構成になっています。


現在の理事会は以下のような構成となっています。


力士出身者以外をみると、何やらそのほとんどは名誉職のように見えます。これらの人たちは本当の意味での「組織の精神」など知っているのでしょうか、このような人たちだけではなく、組織の中でトップ・マネジメントやミドル・マネジメンの経験者、その中でも定評のある組織の中で、「組織の精神」に関連するような仕事をしてきた人を入れるべきものと思います。

理事に関しては、相撲取りが大半を占めますが、これも間違いではないかと思います。他の組織の中で、組織開発などに取り組んできた人もいれるべきです。そうして、力士出身者は半分位で良いと思います。

とにかく相撲界には、健全な「組織の精神」を根付けないと根本的な解決にはならないと思います。テレビの報道などをみていると、コメンテーターなどこの「組織の精神」などとは無関係なことぱかり語っているうようです。そもそもテレビ局などには、そのような観念などないのかもしれません。

今回も中途半端に終わってしまえば、相撲界の暴力体質はもとより、他の不明朗な部分も解消されないでしょう。そうした意味では、貴乃花親方にはとことん頑張って頂きたいと思います。

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